お菓子等、加工商品の表示でよく目にする「植物油脂」とは?

お菓子の箱の表示で「植物油脂」と書かれていることがありますよね。

必ずといって良いほど表示されていることの多い言葉ですが、意味を知っている方は少ないのではないでしょうか。

植物油脂について説明していきます。

また、健康を気にしてお菓子を買わないけどお菓子が食べたい!という方も多いのではないでしょうか?

そういう場合は、健康素材でお菓子作りをしましょう。

お菓子の箱の表示の「植物油脂」とは何?

お菓子の箱には原材料が表記されています。
そこには食用油脂や植物性油脂と書いてあると思います。

油脂はコンビニのおにぎりでも使われてくらい広く使われている原材料です。
また、ポテト、チョコレート、クッキー、アイスクリームというよう様々な食べ物に植物油脂が含まれています。

そんな植物油脂は2015年4月に「食品の表示に関する制度」で新しく制定されました。

それは食品衛生法、JAS法、健康増進法、その3つが統合されたもので、食品の安全性を確保して、さらに消費者が表記を見て自主的に食品を選べるようにしようという志の下に作られた制度です。

そして植物油脂の定義にはJAS法が大きく関係しています。
JAS法(日本農林規格)は品質を正確に表記するためのもので、植物を原料にした油は植物油脂原油と呼ばれています。
その植物油脂原油は工業用植物油脂と食用植物油脂に分類されています。
そのうち、お菓子の箱などに表記されている植物油脂とは、食用植物油脂に分類されたものになります。

お菓子などに入っている食用植物油脂は細かく分類される

JAS法にある食用植物油脂というのはさらに細かく規定されています。

サフラワーの種子から採取した食用サフラワー油。

ぶどうの種子から採取した食用ぶどう油。

ひまわりの明石から採取した食用ひまわり油。

小麦の胚芽から採取した食用小麦はい芽油。

ニガーの種子から採取された食用ニガー油。

とうもろこしの胚芽から採取された食用とうもろこし油。

綿の種子から採取された食用綿実油、そしてそれを固形にした食用綿実ステアリン。

あぶらな(からしな)の種子から採取した食用なたね油。

ゴマから採取した食用ごま油。

米ぬかから採取した食用こめ油。

カポックの種子から採取した食用カポック油。

落花生から採取した食用落花生油。

オリーブの果肉から採取した食用オリーブ油。

パームの果実から採取した食用パーム油、それを分離操作することで、食用パームオレインと食用パームステアリン。

パームの核から採取された食用パーム核油。

コプラから採取された食用やし油。

それらのように細かく分かれていますが、原材料別に主に種子から採取された油が食用植物油脂となります。
またJSA法では名称は「食用○○油」と表記するのが基本です。

そして食用植物油脂を2つ以上混ぜたものを食用調合油と言い、香料や調味料を加えたものを香味食用油と言います。

お菓子の原材料にそれらの表記があったとしても食用植物油を使っていることには違いはないということです。

お菓子等、加工食品における原材料の表記とメーカーの植物油脂の表示について

スーパーなどで売られているお菓子などの加工品は原材料を表記しなくてはいけません。
それは食品表示法に定められており、また表記の仕方も決まっています。
食用油脂に関しては、植物脂(もしくは植物油脂)、動物脂(もしくは動物油脂)、加工脂(加工油脂)と表記することになっています。

また原材料は重量の割合が多いものを表記してあります。
複合された原材料は、括弧の中に何が使われているのが表記されており、それも重量の割合が多いものから表記されています。
そして原材料の割合が全体の5%以下であればその他にまとめることができます。

たとえば、キャノーラ油、大豆油、パーム油、その3種を組み合わせた植物油が販売されていた場合、パーム油の割合が5%未満なら、「キャノーラ油、大豆油、その他」と表記することができます。

しかしながら、重量の割合が多い順に表記するというのはメーカーの自主的な決まりなのです。
そして複合原材料の内訳を詳しく書いているメーカーは少ない印象があります。

食物油脂に含まれる「脂肪酸」のはたらきとは

お菓子や加工品に含まれる食用油脂には動物油脂や植物油脂があるわけですが、その中には脂肪酸が含まれています。

脂肪酸は人体に必要なものではあるのですが、人間の体内で合成することができないので食事から摂取するしかありません。

ここではその脂肪酸をさらに細かく分けた必須脂肪酸・飽和脂肪酸・一価不飽和脂肪酸を紹介します。

必須脂肪酸はリノール酸やα-リノレン酸などです。
α-リノレン酸を代謝することでEPAやDHAが体内で合成されることが分かっています。
しかし十分な量を合成することが難しいため、十分な量を補充するために食事からα-リノレン酸やEPAやDHAを摂取することが大切です。

飽和脂肪酸は、健康に悪影響を及ぼすと考えている人が多いかもしれません。
動物性脂肪には不飽和脂肪酸とコレステロールを多く含まれているのですが、コレステロールと混同されることで不飽和脂肪酸は良くないイメージが定着しているのだと思われます。

一価不飽和脂肪酸は、代表のものはオリーブ油に含まれているオレイン酸です。
オレイン酸のコレステロールを低下させるとされていたのですが、今では悪玉コレステロール(LDL)の上昇を緩やかにする効果だと考えられています。
またオリーブオイル単品で摂取するよりも魚・野菜・ニンニク・トウガラシなどと一緒に摂取して相乗的に効果を引き出すのが良いと考えられています。

お菓子の定番「チョコレート」を選ぶときの基準は?

お菓子の中でもチョコレートを買うのであれば、原材料をチェックしましょう。

先ほども説明しましたが、原材料は多く含まれているものから順に表記されています。

たとえば表記が先頭から、砂糖、カカオマス、植物油脂、ココアパウダーと書かれているチョコレートは多いのですが、その場合は砂糖を一番多く摂取してしまうことになります。
そのため市販のチョコレートを摂取することでリスクを抱えてしまいます。

白砂糖が多く含まれるチョコレートを多く食べてしまうと、身体のだるさ、イライラとする、疲れやすい、眠気がある、甘いものが食べたくなる、アレルギー反応が出やすくなるなど、多くの不調の原因になってしまいます。

そのように健康へのリスクにならないようなチョコレートを選ぶなら、カカオ70%以上のチョコレートを食べるようにしましょう。
また、白砂糖不使用で、さらに添加物(乳化剤や人口甘味料など)不使用で、USDAやJASの認定マークがついているものが良いです。
色々見るのが面倒だという場合は、原材料の項目が少ないものを選択すると良いでしょう。

お菓子は健康素材で手作りしてみよう!

身体に良いお菓子なら、おからクッキーがオススメです。

材料は、生おから100g、米粉100g、卵1個、ココナッツオイル30g、蜂蜜70g、ココアパウダーとナッツはお好みで用意しましょう。

まずオーブンを170℃に温めておきましょう。

卵を溶いてそこに蜂蜜とココナッツオイルを入れます。
そしてビニール袋にナッツ以外の材料を入れて、よく揉んで馴染ませましょう。

袋から出した生地はキッチンシートの上に載せて好きな形にしてください。

飾りのナッツをトッピングして、温めておいたオーブンに入れて20分から25分くらい焼けば完成です。

植物油脂も動物油脂も油です。
それらもバターも使わないヨーグルトマフィンはいかがでしょうか。

材料は薄力粉110g、ベーキングパウダー5g、卵1個、砂糖50g、無糖ヨーグルト45g、オリーブオイル30gです。

まずはオーブンを180℃に温めましょう。

ボウルに卵と砂糖を入れて泡だて器で混ぜます。
そこにヨーグルトとオリーブオイルを加えてさらにかき混ぜましょう。

小麦粉とベーキングパウダーはふるいにかけて、ボウルに入れていきます。
そしてダマがなくなるまで混ぜていきましょう。

それからシリコンカップの8分目まで生地を入れてオーブンで30分焼けば完成です。

たくさんのものに含まれる植物油脂、上手に付き合いましょう

いかがでしたか。

植物油脂は、あまり良いイメージではないですが、加工品などには必ずと言っていいほど含まれていますし、家で使う油も植物油脂ですよね。

過剰に摂取している場合は、健康を意識して控えるようにしましょう。

過剰に摂取していないのであれば、慎重になる必要は無いかと思いますので、バランスの良い食事と、適度なおやつを心掛けるようにしましょう。