「飲む点滴」といわれるほど、その健康効果に注目が集まっている甘酒。
毎日の習慣としていただくため、米麹を用いて手作りされているかたも増えています。
今回はそんな手作り甘酒をミキサーをかけ、さらにおいしくいただける方法についてお話します。
米麹を使った手作り甘酒のつぶつぶをなくすには?
甘酒の作りかたは米麹と水(またはお湯)とおかゆ(またはごはん)を混ぜて発酵させるだけなのでとても簡単です。
しかし、出来あがった甘酒のつぶつぶした食感が、気になるというかたも結構いらっしゃるのではないでしょうか。
このつぶつぶの正体はお米です。
米麹がお米のデンプンを分解してブドウ糖に換えていく、糖化という作業をすることで甘酒ができるのですが、この糖化がうまく進んでないと米麹の硬いつぶつぶ感が残ってしまいます。
その糖化をきちんと促進させるには、発酵温度がとても大切です。
60℃を超えると麹菌が働かなくなり、70℃を超えると死滅してしまいます。
といっても、50℃を下回っても発酵しません。
そのため50~60℃が適温といわれていますが、最適なのは57~60℃です。
50℃くらいの温度だと、糖化の進みが遅いので、つぶつぶが残る可能性が高くなります。
温度を60℃くらいに上げましょう。
あるいは発酵時間をもっと長くしてみてもいいでしょう。
低温でじっくり発酵させた方が、甘みや滋味が増すからです。
しかし、もう出来上がってしまったものを再び発酵過程に戻すのも面倒ですし、雑菌が入りこむのも心配です。
そこで、手っ取り早くミキサーにかけることで、つぶつぶをなくしてしまいましょう。
滑らかでクリーミーな甘酒になります。
ミキサーにかければ簡単にアレンジ甘酒が楽しめる
米麹で作った甘酒をミキサーにかけると、なめらかなスムージー風になるので、さまざまなアレンジが楽しめます。
小松菜やリンゴと一緒にミキサーにかければ、ヘルシーなグリーンスムージー風甘酒になります。
抹茶やフルーツジュースを入れるのも、おすすめです。
バナナやリンゴで甘みをプラスすれば、子供から大人まで飲みやすい甘酒になります。
甘酒は意外にも、少し酸味のあるフルーツと相性がいいのです。
イチゴ、キウイ、レモンなどと一緒にミキサーにかけ、それぞれイチゴ甘酒、キウイ甘酒、レモン甘酒にすれば、ビタミンCも一緒に摂りこめ美肌効果が増します。
また、甘酒を牛乳や豆乳と一緒にミキサーにかけて飲むのもおすすめです。
特に豆乳は大豆イソフラボンなど女性にうれしい成分が入っているので、健康と美容のために甘酒を飲む習慣をつけている女性には最適です。
しかし、毎日豆乳甘酒を飲んでいては、さすがに飽きてしまいますよね。
そんなときは、ココアやきなこ、黒ごまをプラスすると女性にうれしい栄養も風味もアップします。
牛乳甘酒は入眠効果があるため、夜おやすみ前に飲むのがおすすめです。
一日の疲れを癒し、リラックスできることでしょう。
そして、甘酒は同じ発酵食であるヨーグルトとの相性も抜群です。
甘酒もヨーグルトも腸内環境を整えてくれるので、特に便秘気味のかたにいいでしょう。
お好みでブルーベリーを加えてもおいしくいただけます。
出来あがった甘酒のつぶつぶをなくすためにミキサーをかけると、どろどろになってイヤというかたは、お湯で割って薄めてもOKです。
わざと濃いめに作り、飲むときにお湯やジュースなどで割って飲むかたもいらっしゃいます。
お好みでいろいろアレンジを楽しめるのも、手作り甘酒ならではですね。
ミキサーにかけて発酵させると米麹を増やさなくても甘い甘酒に
出来あがった甘酒をミキサーにかければ、つぶつぶがなくなって滑らかな甘酒になります。
しかし、甘酒を作る途中の工程でミキサーを使えば、つぶつぶがなくなるだけでなく、甘みの増した甘酒が出来上がるのです。
発酵段階に入る前、おかゆ(またはごはん)と水(またはお湯)を一緒にミキサーにかけて撹拌すると、お米のつぶつぶがなくなって滑らかになります。
その後、米麹を混ぜて発酵に移れば、お米の形状が微細に砕かれているため、糖化が効率よく進んで甘みが増すのです。
甘酒をより甘く作るには麹の量を多くすると良いといわれていますが、麹は値段が張るので、できるだけ節約したいところです。
代りにおかゆをミキサーにかけてから発酵させれば、麹の量を多くしなくとも十分甘みの増した甘酒になります。
ぜひ利用してみてください。
酒粕の甘酒もミキサーを使えば酵素パワーがアップ
甘酒の作りかたには、米麹を使って発酵させる方法と、酒粕を水で溶かす方法とがあります。
米麹を使う方は砂糖を用いず、糖化の自然な甘みだけですが、酒粕のほうは砂糖を入れて甘みを出します。
また、米麹のほうはアルコール分がありませんが、酒粕のほうはアルコール分があります。
出来るだけ体に良い甘酒を飲みたいなら、米麹で作る甘酒がおすすめです。
麹菌を生かし、そのパワーをダイレクトに体内に摂りこめるからです。
しかし、酒粕で作る甘酒でも、酒粕と40℃くらいのお湯(お風呂ぐらいの温度のお湯)とをミキサーにかけ、鍋に移し替えてから弱火で1分くらい温めると、酵素の力を最大限生かせます。
大切なのは温度管理です。
60℃を超えないようことがポイントです。
酒粕と混ぜて撹拌させるのも、40℃とぬるめのお湯ですし、鍋に移し替えて火にかけるのも弱火で短時間です。
こうすることで酵素を丸ごと生かせるのです。
さらに、飲むときに少し生姜を入れると、甘みが引き締まって風味がアップします。
ぜひお試しください。
ミキサーがなかったら手動でつぶつぶをなくそう!
米麹から作った甘酒のつぶつぶが気になっても、ミキサーが手元になかったらどうすればいいのでしょうか。
ハンドミキサーやブレンダ―をお持ちでなければ、手動です。
裏ごししたり、すり鉢ですりつぶしましょう。
電動に比べ若干面倒ですが、手動なのでお好みの仕上がりに調節できます。
あるいは、米麹と混ぜるおかゆを、粒が残らないくらい柔らかく炊くという手もあります。
もともと米麹から作る甘酒には、酒粕から作る甘酒に比べ、つぶつぶが残りやすいという特徴があります。
どうしてもつぶつぶが苦手でしたら、酒粕から作ってみるのもいいですね。
酒粕を細かくちぎって水に浸し、一晩おくと柔らかく溶けやすくなっているので、ミキサーを必要としません。
しかし、「どうしても米麹から作りたい」「つぶつぶはニガテなので上澄みだけ飲む」というかたもいらっしゃるかもしれませんが、これはとてももったいないことです。
米麹から作った甘酒には、100種類以上もの酵素が含まれています。
せっかく手作りしたのですから、麹パワーを余すことなく丸ごと摂りこみたいですよね。
そのため、つぶつぶも一緒にいただくようにしましょう。
米麹から作った甘酒を使ったおすすめのレシピ
米麹から作った甘酒をそのまま飲むと、つぶつぶが気になるというかたは、スイーツの材料として甘酒を使えば気にならなくなります。
そんな甘酒レシピをご紹介しましょう。
まずは、甘酒のパンケーキです。
甘酒をミキサーにかけてなめらかにしたら、パンケーキを作る材料(パンケーキミックスでもOK)に混ぜてフライパンで焼きます。
甘酒の量は粉類が1に対し、0.6を目安にお好みで加減してください。
もちもちのパンケーキになります。
次は、甘酒イチゴのアイスキャンディーです。
甘酒と冷凍イチゴをいっしょにミキサーで撹拌し、アイスキャンディーの型に流し込んで冷凍するだけなので、とても簡単です。
甘酸っぱくて優しい口当たりの、大人テイストなアイスです。
このアイスにヨーグルトを加えれば、甘酒ヨーグルトアイスイチゴ味になります。
ヨーグルトと甘酒とイチゴを一緒にミキサーに入れて、撹拌します。
また、ヨーグルトと甘酒だけで撹拌し、お好きなフルーツを入れて冷やせば、フルーツ入り甘酒ヨーグルトアイスになります。
ダイエット中のかたの、夏場のおやつに最適です。
甘酒はスイーツだけでなく、料理にも使えます。
たとえば甘酒と味噌を同量に、少しお酒も加えた漬だれに、肉を一晩漬け込みます。
漬け込んだ肉をオーブンと焼くと、おいしい肉の漬け焼きの出来上がりです。
柔らかく奥深い甘さは、発酵食ならではの風味です。
ただし、漬けだれを肉から拭って焼かないと焦げやすいので注意してください。
甘酒作りにミキサーを使っておいしく楽しい健康生活を
米麹からじっくり時間をかけて作る甘酒は、生きた菌がそのまま体内に摂りこめます。
ノンシュガー、ノンアルコールと子供から大人まで、気軽に飲める健康飲料です。
しかし、その特徴ともいえるつぶつぶ感に、どうも抵抗があるというかたがいらっしゃるのものも事実です。
このつぶつぶ感は、ミキサーにかければなめらかでクリーミーな味わいになるうえ、アレンジも自在にできます。
ぜひ、手づくり甘酒で健康な毎日を送りましょう。