日本の伝統的な調味料の一つ、味噌。
子どものころは、母親の作る味噌汁の香りで毎朝目が覚めた方も多いのではないでしょうか。
うま味も栄養もたっぷり入っている味噌なので、ぜひいろいろな料理に活用していただきたいです。
今回は、人気のレシピ・郷土料理・最近話題のレシピを中心にご紹介します。
どんな味噌を選ぶ?人気の味噌をご紹介
スーパーで販売されている味噌にはいろいろな種類があり、価格もさまざまですよね。
料理の初心者さんにとっては、「どれがいいのかしら」と迷うことも多いでしょう。
信州味噌・白味噌・赤味噌・麦味噌などなど、人気の味噌はどれなのでしょうか。
標準的な料理レシピに出てくる味噌ならば、日本で一番食べられている信州味噌が無難ですが、お住いの地域の食習慣にもよりますので、お好みで選んでみてください。
信州味噌の中にも、比較的安価なピロータイプ(枕状)の味噌や、だし入り味噌、ちょっとお高めの長期熟成生味噌などがあります。
ここでは、それぞれの特長をお話します。
・ピロータイプの味噌
熟成期間は1~2ヶ月と短めです。
空気が入らないピッタリした袋に入っているので、ガスなどで膨らまないように、アルコールを添加して酵素の働きを止めています。
・だし入り味噌
だし成分を混ぜた味噌です。
酵素が生きているとだし成分を分解してしまうので、加熱殺菌をしています。
・長期熟成生味噌
熟成期間が半年以上と長く、アルコール無添加・加熱殺菌をしていない味噌です。
発酵食品の良さを生かした料理に使いたい場合は、この味噌がおすすめです。
作りたい料理や、味噌に何を求めているのかでも選ぶ基準になりますね。
味噌をそのままつけて食べる人気のレシピ
皆さんは、味噌をそのまま食べたことがあるでしょうか。
きゅうりやにんじんなどのスティック野菜につけるディップとして、味噌とマヨネーズなどを混ぜて使うことはあっても、そのまま食べることはほとんどないかもしれません。
しかし、味噌の中にはうま味成分がたっぷり入っているので、そのままでも十分おいしいのです。
そこで、味噌をそのまま付けて食べる人気のレシピをご紹介します。
・味噌おにぎり
おにぎりを作るときに、白いごはんだけで作り、最後に塩を付ける要領で手のひらに味噌をつけて握ります。
おにぎりは丸形の方が味噌らしさが引き立ちますね。
もちろん焼いてお焦げを作ってもおいしいです。
お好みでゴマ、大人は七味唐辛子をちょっと振ってもよいでしょう。
・みょうがの味噌焼き
7月~8月が旬のみょうがは、独特の辛みがあって大人向けの食材ですね。
これを二つ割りにして、切り口に味噌を塗り、グリルで焼きます。
ぜひ、焼きたてを召し上がってください。
みずみずしくて香ばしいですよ!
・味噌鶏
鶏もも肉に味噌を塗りこみ、玉ねぎの薄切りをのせて、アルミホイルでくるみます。
それをオーブントースターで加熱(700w40分)します。
きちんと火が通っていることを確認して、最後にねぎのみじん切りを散らせば、できあがりです。
焼いた味噌が香ばしい!人気の「冷や汁」レシピ
宮崎県の郷土料理である冷や汁は、夏の風物詩です。
焼いた味噌をのばした汁に近海魚の身をほぐし入れ、豆腐・キュウリ・青じそなどの薬味を入れてアツアツのご飯にかけていただきます。
宮崎県だけでなく、山形県や埼玉県の秩父地方にも同じ名前の料理があります。
各地で親しまれている人気の料理です。
☆冷や汁(宮崎)レシピ
【材料】(4人分)
・味噌 80g
・煮干し 40g
・ピーナッツ 40g
・ごま 15g
・だし汁 500ml
・豆腐 200g
・キュウリ 1本
・細ねぎ(みじん切り) 2~3本
【作り方】
①煮干しは頭と内臓をとり、フライパンで炒っておきます。
豆腐は水切りをしましょう。
キュウリは薄く切ってから塩を振って、水が出たらしぼって水気を切ります。
②すり鉢に、煮干し・ピーナッツ・ごまをいれて擦ります。
そこに味噌を入れ、しっかり混ざったらアルミホイルに薄くのばし、魚焼きグリルで少し焦げ目がつくまで焼きましょう。
③ ②をだし汁でのばし、ちぎった豆腐・キュウリ・細ねぎを入れて混ぜます。
冷蔵庫で冷やして置きましょう。
④炊き立ての熱い麦ごはんをよそって、③を少しずつかけます。
お好みで刻んだみょうがや大葉を散らせば、できあがりです。
【ポイント]
豆腐の水切りは、キッチンペーパーなどで包んで電子レンジで簡単にできます(500wで2分)。
「深みが出ておいしい」隠し味にも漬物にも!味噌入りレシピ
味噌を餃子の種に隠し味として入れてみましょう。
何で味付けをしているのかわからないけど、懐かしい味で、次々に箸が伸びますよ。
醤油よりも塩分控えめで、うま味はあるので味わい深くなります。
味がついているので、あえて餃子のタレを使わなくても十分おいしいです。
唐揚げやごまあえなど、ほかの料理にも隠し味として味噌を入れてみましょう。
どんな風においしくなるのか、食べた人の反応も実に楽しみですよね。
家族にも大人気になること間違いなしの、味噌漬けレシピはいかがでしょうか。
味噌・酒粕・日本酒・みりん少々を混ぜて「味噌かす床」を作ります。
ぬか漬けに使う「ぬか床」を作ようなイメージです。
そこにゆで卵やモッツァレラチーズを漬けると、一日で食べられるようになります。
味付けたまごより、少し深い味わいですよ。
この味噌漬けは3週間ほど持つといわれています。
これは味噌に含まれる塩分が菌を増やさないことに加え、発酵食品は腐敗菌に強いためでもあります。
味噌かす床は何回か使い回しできますので、ゆで卵やモッツァレラを漬けた後も捨てずに、ステーキ肉や生鮭の切り身などを漬けてみてください。
調理するときには、味噌かすをぬぐって焼きます。
優しい香りと懐かしい風味で、そそられる味わいです。
味噌には肉や魚の臭いを消す効果もありますし、癖のある材料でも食べやすくなりますので、どうぞお試しください。
山梨県に代々伝わる人気のレシピ「せいだのたまじ」
山梨県上野原市の山間部に、棡原(ゆずりはら)という地区があります。
この地区に代々伝わる人気料理が、せいだのたまじです。
昔からじゃがいもの栽培が盛んなこの地域では、出荷できない小さなじゃがいもを地元で消費できるようにと、せいだのたまじを作るようになりました。
小さなじゃがいもがなければ、もちろんスーパーで売っているじゃがいもを一口大に切って作ればOKです。
☆せいだのたまじレシピ
【材料 4人分】
・新鮮な小粒のじゃがいも 600g
・砂糖 40g
・味噌 30g
・油 適量
・白ごま 適量
【作り方】
①じゃがいもは皮つきのままよく洗います。
色の変わったものは外し、大きめのものは一口大にカットしておきましょう。
②じゃがいもを電子レンジにかけて柔らかくします。
③油を入れたフライパンでじゃがいもを焼きます。
こんがり焼けたら、適量のお湯で溶いた味噌・砂糖を入れて煮詰めていきましょう。
最後に白ごまを振れば、できあがりです。
ちなみに、「せいだ」とは地域にじゃがいもを広めた人物の名前で、「たまじ」とは小さいじゃがいものことを指すそうです。
テレビでも話題の「味噌玉」レシピ
毎日味噌汁を飲みたいけれど、忙しいとなかなか作れないこともありますね。
即席味噌汁なら簡単ですが、意外に具のバリエーションが少なかったり、値段が高いわりに満足できないなんてこともあります。
そんなときには、味噌にだしや具を混ぜて小分けして「味噌玉」を作っておきましょう。
忙しいときにも、お湯で溶けば味噌汁になります。
職場のお弁当タイムに味噌玉を持っていけば、お湯を注いですぐに味噌汁ができてしまいます。
☆味噌玉レシピ
【材料 4人分】
・味噌 大さじ4
・顆粒だし 5g
・乾燥わかめ 小さじ1
・手まり麩 8個
・長ねぎ(みじん切り) 1/4本分
【作り方】
①すべての材料をよく混ぜます。
②4等分して丸めます
。
③ラップを広げて包み、口を輪ゴム等で止めます。
すごく簡単ですよね。
もちろん野菜などは好きなものを入れてOKです。
時間があるときにまとめて作って、冷凍しておけば1ヶ月ほど持つので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
毎日の食事に味噌を使うことで、料理の腕前がアップ!
料理のおいしさは、塩分や糖分のバランスはもちろんですが、うま味が最も重要です。
和食はうま味の文化なので、だしを取ることがすべての基本です。
そこに味噌が加わることで、さまざまなうま味成分がからみ合い、料理のおいしさをさらに引き出してくれます。
ご自身で味わって感動しつつ、家族のおいしい笑顔を見る嬉しさは、生きる喜びにもつながりますね。