突然ですが、皆さんは「味噌豚丼」をご存知でしょうか?
秩父の名物として有名で、味噌で味を付けた豚肉を焼いてご飯の上に乗せるのですが、あまり馴染みのない方もいるかもしれませんね。
しかし、とても美味しい人気のご当地グルメです。
今回は、秩父の味噌豚丼の魅力やレシピの他、お土産として売られている味噌漬け豚肉の活用レシピもお伝えします!
一般的な豚丼の歴史
今回は、秩父の味噌豚丼についてお話していきますが、まずは一般的な豚丼について簡単におさらいしましょう。
豚丼は、その名の通り「豚肉をご飯に乗せた食べ物」です。
どんぶりによそったご飯の上に、味を付けた豚肉を乗せて食べるのは、本当に幸せですよね。
そして、豚肉には、牛丼と似たタレで味を付けていきます。
味の付け方は、
・砂糖醤油で焼いた豚肉を使う(北海道の帯広・十勝地方)
・割下で煮込んだ豚肉を使う(牛丼チェーン店)
の2つが主流で、それぞれ作り方(レシピ)も違います。
帯広・十勝地方の豚丼(ぶたどん)は、牛丼チェーン店が出しているものとは違うものです。
昔からある郷土料理として知られ、ロースやバラ肉が使われています。
一方、牛丼チェーン店に豚丼(とんどん)が登場したのは、2003年のことです。
当時、牛肉がBSEの問題で扱えなくなったため、その替わりのメニューとして、豚肉の煮込みを使った豚丼が登場しました。
牛丼の復活によって、一時は姿を消した牛丼チェーンの豚丼ですが、販売を希望する声が多くあり、一部の店舗では、販売を再開しています。
「味噌豚丼」は秩父の名物?
先ほど、豚丼は、
・十勝地方が発祥である
・牛丼チェーン店の煮込んだ豚肉を使った豚丼も人気があり、今も好む方がいる
とお伝えしました。
そして、十勝地方は砂糖醤油で甘辛く味を付け、牛丼チェーン店では「割下」(みりんや醤油などで味付けしてある煮汁)で味を付けています。
しかし、埼玉県の秩父地方では、豚肉に「味噌」で味付けしたものをご飯に乗せて食べます。
日本全国を見渡しても、味噌で味を付けるという豚丼は珍しいようです。
醤油や醤油ベースの煮汁で味を付ける一般的な豚丼とはタレのレシピが違うため、「味噌豚丼」と呼ばれて他の豚丼と区別されているのです。
この味噌豚丼は、ツーリングや観光で秩父を訪れる方や、グルメな方の間で人気のご当地メニューとなっており、毎週土日などには行列ができるほど人気のお店もあります。
こう書くと、「味噌豚丼は観光客向けのメニュー?」という印象を与えますが、もちろん地元の方もよく食べています。
そして、秩父のお土産としても売られているので、「友人・知人からもらって食べたことがある」という方もいるかもしれませんね。
次の章では、秩父で豚肉が味噌漬けされ始めた理由と、秩父のお店でどのように味噌豚丼を出しているのかについて、お伝えします。
味噌漬けの理由と、秩父のお店での味噌豚丼の出し方
先ほど、「味噌で味を付ける豚丼」は、秩父の名物ということをお伝えしました。
ではここからは、その味噌豚丼について、詳しくお話していきます。
秩父地域には、美味しい味噌豚丼を出すお店がいくつもあります。
なぜ、豚肉の味付けが味噌なのかというと、それには、秩父の食文化が深く関係しています。
秩父では、狩りで捕らえたイノシシの肉を保存するのに、地元で作られた味噌を使っていました。
その流れで、イノシシに似た豚の肉も味噌漬けにされ、それをご飯の上に乗せて食べるようになったと言われています。
そして、味噌豚丼を出しているお店によって、そのレシピは様々です。
また、中には、味噌豚を炭火で焼いて出しているお店もあります。
そういったお店では、行列が並ぶお店の外まで、お肉が焼かれる際の香ばしい匂いが漂います。
豚肉がなくなり次第終了、となるほど味噌豚丼が人気のお店もあるので、開店時間を確認し、早めに行くのがおすすめです。
また、寒い時期や暑い時期は、その対策も取りましょう。
味噌豚丼の味の要!おすすめの味噌ダレレシピ!
今回は、秩父の名物である「味噌豚丼」についてお伝えしていますが、その要とも言える「タレ(味噌ダレ)」について、ここで触れておきましょう。
味噌ダレのレシピは、お店によって材料や分量などが違います。
お店でしか味わえないことが魅力でもあるので、お店のレシピをご紹介することはできませんが、味噌ダレは家庭でも簡単に再現できます。
家の冷蔵庫にあるもので、お店の味に近づけられるので、ぜひ参考にしてみて下さい。
秩父の味噌豚丼には、やはり秩父の味噌が使われています。
秩父の味噌豚丼を再現したい場合には、味噌の味を生かしてタレを作るのがポイントです。
【豚丼におすすめの味噌ダレのレシピ】
【材料 2人分】
・合わせ味噌 大さじ5
・酒 大さじ2
・砂糖 大さじ2
・濃口醤油 大さじ1
・みりん 大さじ2
・にんにく 1片
・しょうが 20g
・りんご 1/8個
・水 大さじ1
【作り方】
①合わせ味噌、砂糖、みりん、酒を器に入れて、かき混ぜます。
このとき、ダマにならないように気を付けて下さい。
② ①が混ざったら、そこに濃口醬油、水、りんご(すりおろし)、しょうが(すりおろし)、にんにく(すりおろし)を入れ、さらによくかき混ぜます。
りんごを入れることで味のバランスが取れるので、他の料理にも応用できる味噌ダレが作れます。
家庭で美味しい味噌豚丼を作ろう!おすすめのレシピは?
ここでは、「家庭でも、秩父名物の味噌豚丼を作ってみたい!」という方のために、おすすめの味噌豚丼レシピをご紹介します。
香ばしくて、とても美味しい味噌豚丼が作れますよ。
【味噌ダレが香ばしい味噌豚丼】
【材料 1人分】
・豚ロース(スライス) 約130g
・塩コショウ 少々
・玉ねぎ 1/3個
・あたたかいご飯 ご飯茶碗1杯分
・小ねぎの小口切り 大さじ1
■味噌ダレ
・味噌 大さじ1
・砂糖 大さじ1
・ごま油 小さじ1と1/2
・醤油 小さじ1
【作り方】
①玉ねぎをくし形に切ります。
②味噌ダレの材料をボウルに合わせます。
③フライパンを強火で熱し、塩コショウした豚肉を入れて両面を焼きます。
④豚肉の両面に焼き色がついたら、一度お皿に取り出します。
⑤フライパンを中火で熱し、①の玉ねぎを入れ、塩コショウして焼き、透明になってきたら他のお皿に取り出します。
⑥焼いた豚肉をフライパンに戻して、中火で熱し、合わせておいた味噌ダレをよく絡ませます。
⑦味噌ダレがひと煮立ちしたら、火を止めて、どんぶりにご飯をよそいます。
⑧ご飯の上に、豚肉、玉ねぎ、小ねぎの小口切りを乗せたら完成です。
味噌ダレとよく絡めた豚肉が、ご飯にとてもマッチします。
秩父のお土産!味噌漬けの豚肉を使ったアレンジレシピ!
先ほどは、家庭で作れる味噌豚丼のレシピをご紹介しました。
ところで、秩父に出掛けた際には、味噌漬けの豚肉をお土産として買って帰ることがありますよね。
それを切って焼き、ご飯の上に乗せて豚丼にすればもちろん美味しく頂けます。
秩父のお店で食べた味噌豚丼の味を自宅で再現すれば、旅の思い出を2度楽しむことができますね。
しかし、豚丼にせず、思い切って違うメニューにしてみるのも、また違った味わいが楽しめるのでおすすめです。
今回は、味噌漬けの豚肉を使った「味噌漬け豚肉のグリル(カボチャとモッツアレラチーズ)」のレシピをご紹介します。
【材料 1人分】
・味噌漬けの豚肉 1枚
・薄切りカボチャ 6枚
・モッツアレラチーズ 1パック
・小口切りの小ねぎ お好みで
【作り方】
①モッツアレラチーズを薄く切る。
②味噌漬けの豚肉も斜めに薄く切る。
③耐熱皿に、チーズ、豚肉、カボチャをそれぞれ交互になるように並べる。
④グリル(中火)で8分ほど焼き、お好みで小ねぎを乗せて完成。
味噌漬けの豚肉があれば、とても簡単にできるレシピなので、ぜひ試してみて下さいね!
秩父で味噌豚丼を食べたら、家でも味わってみよう!
今回は、秩父名物「味噌豚丼」のご紹介でしたが、興味を持っていただけたでしょうか?
秩父には、わらじカツ丼・くるみそば・味噌ポテトなど、様々なご当地グルメがありますが、味噌豚丼もとても有名です。
ぜひ一度、秩父に出掛け、本場の味噌豚丼を味わってみて下さい。
また、味噌漬け豚肉を使ったレシピもご紹介したので、お土産に買ってきた際に試してみてはいかがでしょうか。