食の安全にこだわる方が増えた今日この頃、オーガニックが人気です。
オーガニック食品を手に取られて、気づいたことはありませんか?
そう、オーガニックにも輸入されたものと、国産のものがあるんです。
今回は、オーガニック食品の輸入されたものと、国産のものの違いについてお伝えしていきます。
オーガニックとは何を指しているのか?国産は安心?
そもそも、オーガニックとは何を指しているのでしょうか?
オーガニックとは『有機』という意味で、化学肥料や化学的な農薬を使用せずに栽培・加工したもののことです。
日本では、農林水産省のもと、有機JAS認定機関が一定の規定に基づき、オーガニック認定をしています。
その規定とは、基本的に化学的な肥料や農薬を使わないこと、種まきや植え付けの2、3か月前から、化学肥料を使ってない畑での栽培であること、また、遺伝子組み換えの種を使用しないことなどが挙げられます。
この規定をクリアし、認定されて初めて、有機・オーガニックを名乗ることができるんですよ。
つまり、国産の『オーガニック食品』というのは、この有機JAS認定を受けたもののことを指し、有機JASマークが付けられます。
このマークがついている商品は、高い基準をクリアしていることがわかるので、安心感がありますよね。
しかしながら、有機・オーガニックは無農薬のことではなく、JASが認定している31種類の農薬は使ってよいことになっています。
正しい知識と認識、判断力が必要になってくるところです。
では、国産のもののオーガニック認定と、輸入ものの規定には違いがあるのでしょうか?
輸入もののオーガニック食品の認定はどうなっているの?
日本の有機JASマークがついている、輸入されたオーガニック食品があることにお気づきでしょうか?
輸入ものであっても、日本のJAS規格と同じ水準の制度があるとされる国で、オーガニックの認定がされたものには、日本の有機JASマークが付けられるのです。
また、日本のオーガニック認定機関が認定した、外国の製造者が生産または製造した場合も、有機JAS認定マークが付くことがあります。
また、オーガニック認定機関は、日本のJAS認定機関以外にも、海外にたくさんのオーガニック認定機関が存在します。
日本より、もっと厳格な規定をもった機関もあるんですよ。
いくつか例を挙げますと、国際標準化機構が発行した、環境マネジメントシステムに関する国際規格であるISO14001があります。
この規格に登録するためには、組織の活動やサービスによって生じる環境への影響を、持続的に改善していくシステムを構築しているかにも注目されます。
また、ドイツのデメターというオーガニック製品を推奨・認定する団体もあります。
その基準は、有機無農薬栽培をきちんと行っているか、「バイオダイナミック有機栽培農法」をきちんと行っているか、にも注目されます。
バイオダイナミック有機農法とは、オーストリア人哲学博士ルドルフ・シュタイナーが提唱した、オーガニック業界では一目置かれる有機農法の一種です。
生産、加工、包装、流通に至るまでの細かな審査が行われ、世界で一番厳しいオーガニック認定の一つと言われています。
ドイツの消費者からは、とても信頼されているオーガニック食品のマークとなっています。
上に挙げたもの以外にも、様々な認定機関があります。
オーガニック食品を今度手に取ったときに、オーガニック認定マークに注目してみてくださいね。
オーガニック食品の輸入ものと国産の価格の違いは?
オーガニックのものは、そうでないものと比べて、栽培や加工に手間やコストがかかります。
たとえば、農薬を使わずに害虫対策をしなければならないこともありますし、安い化学的な肥料を使わないためにコストがかかります。
そのため、消費者のもとに届くまで、どうしても値段が高くなってしまいます。
オーガニックの輸入ものと国産のものの価格は、一般的に輸入されたのものが安くなります。
その理由は何でしょうか?
オーガニックは、欧米やオセアニアのほうが日本に比べて進んでいるため、需要が高く、種類も豊富です。
大量生産されますので、価格が安くなります。
日本のオーガニック食品は、少量しか生産されず、高価格になってしまいがちです。
つまり、日本のオーガニックは、消費量と流通量が少なすぎる、ということです。
この状況を変えていくには、つまり欧米のように安いオーガニックが手に入るようになるには、日本国内のオーガニック食品も買うようにするしかないでしょう。
消費量が増えると、生産量が増え、価格も下がっていきます。
いつか日本においても、オーガニック食品が手軽に安く手に入るようになったらいいですね。
オーガニック食品の輸入ものと国産の安全性は?
例えば、国産のオーガニック食品は、放射能による害が心配、という消費者もいらっしゃいます。
オーガニック食品を販売する企業は、環境や健康に優しいものを消費者に届けることを目指しているので、一般的に言って、放射能検査にも力を入れているものが多いのです。
また、輸入もののオーガニック食品が放射能の心配が全くないとは言えません。
なぜなら、輸入もののオーガニック食品は、表示が原産国名のみで、詳しい地域名までははっきりしません。
海外でも放射能で汚染された地域はあります。
この点で言えば、国産のものは都道府県まで表示されているものが多く、地域名を見ることで、放射能汚染された恐れのあるものをある程度避けることができるのです。
しかしながら、オーガニックの認定機関に関する項目で述べた通り、海外のオーガニック認定機関もかなりの数あり、日本と同じほどの規格を持つものやもっと厳しい基準を持つものもあります。
こう考えますと、輸入ものだから、国産だから、ということだけで安全性を判断することは難しいと思います。
輸入もののオーガニック食品は価格が安いのが魅力ですが、国産のオーガニック食品もおすすめです。
次に、その理由を書きたいと思います。
国産オーガニック食品もおすすめの理由は?
国産オーガニック食品は価格の高さがちょっと…、と思っておられる方は多いかもしれません。
国産のオーガニック食品の良いところは何でしょうか?
●和の食材も比較的安く手に入る
輸入もののオーガニック食品の中にも和食材がありますが、種類も少なく、価格も高くなります。
例えば、ライスカルチャーというオーストラリアのお店で手作りしているオーガニック味噌は、350gで14$です。
日本円に直して約1200円で、値段は安くはありません。
その点、国産のオーガニック食品は和食材の選択肢が多いので、自分のニーズに合ったものを選ぶことができます。
●日本人に合った食材が手に入る
ある長寿法の一つとして、「身土不二」という考え方があります。
これは、人の体と土、つまり環境は一体で、人の命は食べ物で支えられており、その食べ物は土によって育てられている、という考え方です。
例えば南国のフルーツは、体を冷やす作用があり、その土地の人達には欠かせない物です。
しかし、寒い地域で南国のものを食べすぎてしまうと、体が冷えてしまい、体調が悪くなることもあります。
同じ作物であっても、北国で採れたものは、南国で採れたものより、体を温める作用が強いそうです。
人の体も、代々暮らしてきた土地に適応しているので、土地のものを食べることにより、体調を整えることができると考えられています。
これらの理由からも、国産のオーガニック食品もおすすめです。
おすすめのお店は?何からオーガニック食品を試してみる?
輸入もの、また国産オーガニック食品が共に手に入るオーガニックのお店をご紹介します。
●こだわりや
「安心・安全・健康」をテーマに、国産原料の食品や輸入もののオーガニック食品を扱っている専門店です。
生産者の見える商品の販売を目指して、原料産地、製造方法、使用原料を明示しています。
●Natural House
国内の自然食品店の中でも最大規模のナチュラルハウスです。
有機野菜・生鮮品の他に、ベジタブルアイスやオーガニックビールやワインなども取り揃えています。
オーガニック食品の選び方は、すべての食品をオーガニックにすると経済的に高くつきますので、皮をむかずに食べるものや、玄米や全粒粉などからオーガニックに変えてみることがおすすめです。
オーガニック食品は他のものと比べ、回転が速いわけではないので、鮮度もよく確かめましょう。
オーガニック食品を賢く選ぼう
輸入もののオーガニック食品と、国産のものの違いやオーガニックの認定についてご紹介しましたが、いかがでしたか?
次回、輸入もののオーガニック食品を買うか、国産オーガニック食品を買うかで悩んだ時には、今回の記事を参考にしてみてくださいね。