寒い冬になると、甘い甘酒が飲みたくなりますよね。
もちろんスーパーなどで購入することもできますが、自分で作れば経済的です。
作るにあたり、いくつかのポイントをお伝えしていきましょう。
また、甘酒作りで「麹が固い」「甘くない」など失敗してしまうことがあります。
なぜ、失敗してしまうのか、原因についてと、また対処法についても一緒にご紹介していきます。
麹から作る甘酒は効能がたくさん
甘酒には大きく分けて、2種類存在します。
1つは、「酒粕に砂糖を加えたもの」で、もう1つが「米麹を発酵させて作ったもの」です。
酒粕に砂糖を加えて作ったものに比べて、米麹を発酵させた甘酒は、アルコールも一切含まれていません。
さらに栄養価も高く、「飲む点滴」ともいわれることもあります。
今回ご紹介する甘酒は、「米麹」から作られる甘酒に着目してお伝えしていきましょう。
甘酒の効能は主に3つあります。
まずは、簡単に甘酒の効能についてご説明していきます。
①お腹の調子を整える
甘酒には、食物繊維、オリゴ糖をたくさん含んでいます。
そのため、腸内環境を整える作用があります。
このことから、便秘で悩んでいる方にもおすすめです。
②美容効果
米麹には、シミや美白に効果があるといわれています。
これは、シミの元になるメラトニン生成を抑制する働きがあるためです。
③風邪防止
ビタミンやアミノ酸など様々な栄養素を含む甘酒を普段から飲むことで、免疫力を高めることにもなります。
結果、風邪を引きにくい健康的な身体にすることができるのです。
健康に良い甘酒を手作りで作ろうと思って挑戦してみたけど、麹に芯が残り固い仕上がりになってしまったり、甘くなかったりなど、失敗してしまったことありませんか?
実は、美味しい甘酒を作るにはいくつかのポイントがあります。
まずは、甘酒が美味しく仕上がらない原因について探ってみましょう。
できあがった甘酒の麹が固い!原因は?
できあがった甘酒の麹に芯が残っていて固い場合は、「温度を間違えている」ことが主な原因です。
甘酒に最適な保温温度は60℃程ですが、麹が固い場合は50℃以下になっていることが考えられます。
麹に芯が残っている場合は、大体甘酒自体の甘みもないことが多いです。
さらに、温度が低いと、できあがった糖分をえさに乳酸菌が増え、酸味が出たりすることもあります。
甘酒は60℃程度で保温し続けることで、麹菌が作る酵素が良く働き、でんぷんを糖に変化させます。
甘くて美味しい甘酒を作るためには、これらの麹菌が上手く活動する環境を作ってあげなければなりません。
甘酒を美味しく仕上げる重要なポイントはやはり、適切な温度を保つことです。
温度計などでこまめに温度を60℃に保つよう調整してください。
麹が固い!投入後温度低下を防ぐには?
先ほどお伝えしたように、温度が低いままですと、麹の糖化が上手く進まず、麹自体に芯が残り固くなってしまうといった現象が起こってしまいます。
これは、材料の温度が低い状態で保温器に入れる際にも注意しなければなりません。
温度が低いまま麹を投入してしまうと、設定温度に到達するまで時間がかかり、美味しい甘酒にすることができません。
麹を投入する際は、できるだけ温度が下がり過ぎないよう、温めて調整しておくことが重要です。
麹を入れて温度が下がってしまった場合は、保温時間を延長し調整してみてください。
もし投入前、調整をせずに誤って麹を入れてしまい、保温を開始する時点で50℃を下回ってしまった場合は、60℃程度になったあたりで一度味を見てみましょう。
芯が残っているようでしたら、保温時間を追加してみてください。
さらに、水分が少なすぎても麹が固いままになってしまう原因です。
水分が少ないと、材料の表面に水が浸からず、その部分だけ芯が残ることがあります。
保温を開始する時点で、材料表面をなるべく平らに、すべてが水に浸かる状態にしてあげてください。
甘酒が臭い!?原因はなに?
麹に芯が残り、固い仕上がりになってしまうのは、温度が低すぎることが原因という話はしました。
もし、麹を投入後、温度が50℃を下回ってしまうようでしたら、保温時間を延ばすなどして調整してみましょう。
また、甘酒を自家製するときには、芯が残ってしまうといった他にも「臭い」がするといった失敗例もあります。
その原因について、解説していきます。
甘酒から嫌な臭いがしてしまう原因は、調理器具の殺菌がきちんとできていないことが考えられます。
この場合、甘酒が腐っている可能性は大きいので、間違っても口に入れないようにしましょう。
甘酒が発酵する過程では、麹菌と乳酸菌、さらに雑菌が活動しています。
雑菌を上手く殺菌できていないままですと、麹菌や乳酸菌が負けてしまい、発酵されず腐ってしまうのです。
こうならないためにも、使う容器などは熱湯消毒をきちんと行っておきましょう。
さらに、梅雨時などのジメジメした時期はより注意が必要です。
麹が固い失敗した甘酒を活用することはできる?
「手作りで甘酒を作ってみたけど失敗してしまった!」そんな場合、その甘酒をどうしますか?
失敗したからといって、そのまま捨ててしまうのは勿体ないですよね。
失敗してしまった甘酒でも、利用することができます。
無駄なく、使い切ってしまいましょう。
・パンケーキ
芯が残って固い麹の場合は、ミキサーにかけて滑らかにし、パンケーキなどに混ぜて利用してみましょう。
麹を使うことで、米粉を使用したように、もちもちとした食感のパンケーキを楽しむことができます。
・スムージー
同じくミキサーに入れるレシピになります。
お好きな果物、野菜と共に甘酒を入れれば、健康ドリンクのできあがりです。
・べったら漬け
甘酒に砂糖を加えて大根に漬けるだけで、簡単にべったら漬けができてしまいます。
このように、失敗したからといっても、甘酒を活用したレシピはたくさんあります。
もしものときは、試してみてくださいね。
米麹から作る甘酒作りの簡単レシピ
最後に甘酒レシピをご紹介していきましょう。
まず、ご自分で甘酒を作る場合、以下の道具が必要となります。
・保温器(60℃を10時間程度保つことができるもの)
・温度計
・キッチンスケール
甘酒を作るには、保温器が欠かせません。
また、一番大変なのが、保温の温度を保ち続けることです。
一定の温度で10時間程度温めることが、麹が固い仕上がりにならず、美味しい甘酒にするポイントです。
ですので、保温器選びはとても重要となります。
お鍋で作る方法もありますが、おすすめなのは保温機能のある調理器具です。
そこで、ここでは一般家庭でもある「炊飯器」を使ったレシピをご紹介していきます。
~材料~
・米 一合
・水 三合
・乾燥麹 200グラム
米一合に対して、水三合でおかゆを炊いておきます。
炊いたお米からでも甘酒は作ることができますが、ここでのレシピは、おかゆにすることで柔かさが均一に、さらに風味も良くなります。
ここで麹を入れる前に、おかゆを60℃に冷ましておきます。
おかゆを冷まさないまま麹を入れてしまうと、麹菌が死滅してしまいますので注意しましょう。
60℃に下がったところで、もみほぐした乾燥麹を混ぜていきます。
炊飯器を保温にセットします。
そのとき、ふたは閉めず清潔なふきんをかけて、8~10時間保温します。
ここでふたを閉めてしまうと、温度が上りすぎてしまい、麹菌が死滅してしまいますので注意してください。
8~10時間後になったら、かき混ぜていきます。
表面の部分と下の部分が入れ替わるように混ぜてください。
できあがった甘酒は、素早く冷蔵庫で寝かせていきます。
冷蔵庫で寝かせている間、甘酒はどんどん甘みを増して美味しくなります。
作った甘酒は、冷蔵庫なら1週間、冷凍なら1ヵ月程度保存が可能です。
たくさん作った場合は、冷凍庫に保存して、好きなときに飲むのも良いでしょう。
手作り甘酒で健康生活
甘酒は日本の歴史の中でも古くから受け継がれてきた伝統があります。
甘酒にはたくさんの効能がありますので、美容や健康にも良いとされています。
米麹から手作りした甘酒は、一度にたくさんの量ができるので、毎日甘酒を摂り入れたい方におすすめです。
是非、手作り甘酒に挑戦してみてくださいね。