お正月の風物詩でもある甘酒は、古くからある日本伝統の飲み物です。
しかし、特徴的な味やニオイが原因で、苦手な方も少なくありません。
米麹と酒粕の、どちらで作られているかが重要です。
その理由と、甘酒の苦手解消案をご紹介します。
甘酒が苦手な理由
実は甘酒が苦手、という人は結構います。
・やたら甘ったるくて口にまとわりつく感じが気持ち悪い
・変な味がするしニオイも合わない
・酒蔵で飲んだ甘酒は美味しかったのに市販品のは打って変わって美味しくない
など、甘酒が苦手という声は数多く寄せられており、好き嫌いが分かれやすい飲み物でもあります。
レシピ通りに作ったのになぜ、と思う方もいらっしゃることでしょう。
そして特徴的なのが、酒粕で作られた甘酒は美味しくないが、米麹で作られた甘酒は美味しいと感じる人が、非常に多いのです。
つまり、材料や作り方に美味しさのコツがあると言えます。
ただ人によっては、子供の頃に梅干しが食べられなかったけれど大人になったら食べられるようになった、など、年齢が進むにつれて味覚の変化が起きる場合もあります。
甘酒には栄養素が豊富に含まれており、生活習慣病予防にも効果が期待されている側面もあるので、マズいのひと言で片付けてしまうには惜しい存在でもあります。
栄養豊富な甘酒を、美味しく味わう方法を、これからご紹介していきます。
苦手を克服するには?酒粕と米麹を比べてみよう
米麹と酒粕の違いは、製造工程にあります。
米を蒸らし、酵母を加えて熟成させた物が米麹です。
米麹にさらに酵母を加え発酵させ、日本酒を作る為に酵母を絞り、残った粕が酒粕です。
つまり酒粕の方が、米麹より多くの工程を経ている事になります。
工程を踏むという事は、材料が様々な環境に晒されており、時には菌が混ざり込んで味に変化を与えてしまう事もあり得ます。
また、保存状態によっても味が変化するのは、普段口にする食品と同じ理屈でしょう。
そして、酒粕にはアルコール分が含まれており、水と酒粕の相性が悪いと味を悪くする原因になります。
これらのようなマイナス要因が含まれていないのが、米麹最大の特徴かもしれません。
ただし、酒粕で作られている甘酒がマズいわけではありません。
酒蔵直送の物は美味しいと評判の物もありますし、味覚は人それぞれなので、実際に飲み比べして自身に合う物を見つけましょう。
苦手対策として甘酒を買う時は、どんな原材料が使用されているのか確認すると良いでしょう。
苦手を克服!甘酒に追加したい食材アレコレ
昨今、ハイボールやラドラービールなど、既存のお酒に何かを追加した飲み物が流行っています。
例えば、ビールの苦さやクセをフルーツによって中和させることで、美味しく飲めるという工夫がなされています。
これを甘酒にも応用し、麹による独特の香りと味をアレンジして、苦手を解消しましょう。
バナナやリンゴなどフルーツは殆どマッチするでしょうし、好みの果物で試してみるのも楽しいでしょう。
また、オレンジジュースやカルピスなど加えても良いですね。
ミルクや豆乳は、甘酒の舌触りをさっぱりとさせてくれます。
これらは冷たくして、夏の暑い時期に飲むと爽快感を得られるでしょう。
香りを変えるだけでも、飲み易さは変わってきます。
例えば甘酒に、ココアや蜂蜜など溶かしてみれば紅茶のように香りを楽しめます。
ジュースと違い、冬場など寒い時期に温かいままで飲める利点が考えられます。
知って得する甘酒の健康効果とは?米麹編
おさらいですが、米麹は蒸した米に酵母を加えて発酵させたものです。
アルコール分は含まれておらず、炊きたてのお米の甘い香りが残っているのが特徴です。
米麹ベースの甘酒は、味やニオイが苦手な子供にも安心して与えやすいでしょう。
ビタミンやミネラルが豊富に含まれている米麹ですが、なかでも健康、さらに美容効果を高めてくれる以下の成分も含まれています。
●オリゴ糖
腸内細菌(ビフィズス菌)を増やして整腸作用を促し、お通じを良くする効果が期待されます。
また腸内環境が良くなるので、免疫力強化にも影響します。
そして、腸のぜん動運動が活発化するため食べ物が腸に留まる時間が少なくなり、コレステロールの吸収を抑えます。
これにより、生活習慣病予防が期待されます。
●コウジ酸
メラニンは肌を紫外線から守りますが、日の浴び過ぎや老化はメラニン生成を活発化させ、シミの原因となります。
コウジ酸にはメラニン生成を抑える働きがあります。
●パントテン酸
脂質・糖質・たんぱく質の代謝促進、取り入れたカロリーをエネルギーに変換する酵素を補助します。
さらに、コレステロールや免疫力のコントロールにも影響します。
不足すると頭痛や疲労感を与え、適量の摂取を続ければ風邪・肥満予防に繋がります。
●ブドウ糖
疲労回復効果だけでなく、熱中症対策にも効果を発揮します。
水分・塩分と一緒にブドウ糖を摂取する事で、腸への塩水分の吸収速度を高めてくれます。
知って得する甘酒の健康効果とは?酒粕編
一方、米麹に比べて製造工程を余分に通過している酒粕は、その分多くの栄養を含んでいます。
米麹にも含まれる栄養素でも、酒粕の方が数倍含まれているものもあります。
また酒粕100gあたりアルコールが8.2g入っているのも特徴でしょう。
他にも以下の栄養素が、様々な健康効果をもたらします。
●食物繊維
米麹の4倍近く含まれており、整腸作用を促し、お通じを良くしてくれます。
●ビタミンB1・B2・B6
主に皮膚系に役立つビタミン群で、皮膚粘膜を若々しく保つほか、毛髪の成長を促します。
●たんぱく質
特に酒粕のたんぱく質は消化されにくく、小腸までたどり着き、周辺の脂肪を吸着し体外へ排出する効果を持っています。
肥満予防やコレステロール値の低下につながります。
甘酒を酒粕で作ると、その風味が苦手という方も多いでしょう。
そこで、例えば酒粕をケーキの材料に使うなど、甘酒以外のレシピに活用し摂取することで、健康効果を得られるでしょう。
甘酒をダイエットにも活用!米麹から作れば朝から飲める
今度は、甘酒をダイエットにも活用してみましょう。
先述した通り、甘酒には栄養が豊富に含まれており、健康効果が抜群です。
みかんダイエットのように、食前にある物を食べて満足感を与え、1度の食事の絶対量を減らすダイエット方法がありますが、これを甘酒に置き換えてみましょう。
栄養豊富なので、毎食前に飲んでも構いません。
米麹から作ればアルコールも含まれていないので、朝から飲むにも良いでしょう。
飲む量は50ccくらいが良いでしょう。
おちょこで飲むと、より満足感を感じ易いです。(ちなみに約2杯分です。)
酒粕で作った甘酒に苦手意識が無い方は、こちらがおすすめです。
食物繊維が豊富なので新陳代謝を促してくれますし、数日続けただけで便秘改善効果を感じた方もいるほどです。
もっと効果を得たい方は、甘酒に豆乳を混ぜてみると良いでしょう。
豆乳に含まれる大豆サポニンは、脂肪燃焼を活発化させてくれます。
デトックス効果を持つ甘酒と、非常に相性が良いのです。
自分に合った甘酒を探そう
甘酒の苦手対策として、米麹と酒粕の違いをご紹介しましたが、好みは人それぞれです。
原材料や、製造メーカー別に試して、自身に合うものが見つかる事に期待したいものです。
レシピをアレンジするなどして甘酒を心から楽しめれば、味覚的にも健康的にも良い効果をもたらすでしょう。