白米を量る時に使う際に、「合」という単位を使います。
合は尺貫法における単位の一つで、一升の10分の1で、1勺の10倍になります。
ここで疑問になるのが、「1合はいったい何グラムなのか」ということです。
また、簡単にお米を量る方法はないのでしょうか。
お米の水加減をする時に気を付けたいポイントも、ご紹介します。
1升と1合の歴史からグラムになるまで
日本で1升の升という単位は、さかのぼること1300年以上前の大宝律令の頃から見られます。
升は元々両手で掬った量に由来する身体尺で、今の10分の1くらいの量でした。
しかし、当時は様々な荘園で、勝手な升が使われていたものだったのです。
その後の鎌倉時代、室町時代には「京升」、江戸時代には「江戸升」が使われるようになり、徐々に全国的に統一されていきます。
現代の升は、明治時代に江戸升に最も近い「新京升」が採用されます。
新京升の体積は74×33立方分であるので、そこに西洋のメートル法が当てはめられました。
1合は、この計算からさらに10分の1の升が作られます。
そこから1合は180.39ミリリットルとなり、現在、私たちが白米を測るときの1合という単位になったのです。
そして、現代の料理の本では、白米何グラムという単位表現も出ています。
単位換算の始まり!白米1合は何グラムになるのか
お米は合の他に、斗(10升分)、俵という単位があります。
まず、1俵60キログラムということが最初に決められました。
1俵は4斗、4斗は40升、40升は400合ということから、1俵60キログラムが400合ということになり、算出して1合が150グラムとなりました。
つまり、米1合は180ミリリットルで150グラムということになります。
しかし、実際には精米にすると玄米のおよそ1割が削られてしまいます。
さらに精米の状態によって、水分の量が違うため重さも違いが生じます。
特に精米した状態でしばらく日を置いてしまった古米は、乾燥して水分量が少なくなるため、新米よりも軽くなります。
このことから、同じ白米1合でも、保存状態によって何グラムか違ってくるのです。
では、玄米から計算してみると、いったいどうなるのでしょうか。
玄米の場合は、1合がおよそ156グラムです。
この中には糠が含まれているので、この糠を取り除き、白米にした時重さだけでなく、嵩も変化があります。
玄米1合分は精白米にすると、5/6合となります。
この時の重さは、糠の重さを取り除いた分とほぼ同じですが、およそ125グラムです。
これを1合に直すと、150グラムとなります。
白米1合はご飯になったら何グラム
白米を炊飯する時、1合180ミリリットルに対して、水の量は198ミリリットル~216ミリリットル(米の1.1倍~1.2倍)が適量といわれています。
水の量の違いは精米をするタイミングの違いです。
新米と呼ばれる時期の白米は少なめに、古米の時期は多めにすることがポイントです。
玄米のまま年間で購入し、食べるたびに精米する場合は、常に1.1倍を目安にすると良いでしょう。
グラムにすると「水の量が変わるのか」というと、水は重量と容積がイコールになりますので、重さで量る場合も198グラム~216グラムとなります。
白米を炊飯すると、この水が米に吸水されて、米は体積・重量共におよそ2.2倍増加します。
そのため白米1合150グラムを炊飯すると何グラムになるのかといいますと、およそ330グラムになるのです。
ご飯茶碗1杯の目安が150グラムから160グラムになりますので、およそ2杯強になります。
現代の1人暮らしの人が、1日1合のお米を炊けば充分というのは、こういったところからもいわれます。
しかし、もともと1合というのはお米1人分で、この単位の考え方が作られた当時は、1人のご飯はお茶碗に2杯分だったということになりますね。
白米の無洗米1合は何グラム?
玄米ご飯か白米ご飯か、精米の時期やお米のブランドによっても水加減に違いはあります。
重さも異なります。
中でも最近人気の無洗米は、さらに白米の周りの糠を落としたものですので、お米1粒の重さが減っています。
米粒の大きさも異なるので、水加減も違ってくるのです。
玄米から白米にする時に、糠の分として1合分で30グラムくらい減ります。
無洗米はさらに、残った糠を取り除いものです。
そのため、およそ5パーセント米粒の大きさも重さも減るといわれています。
しかし、粒が小さくなった分、無洗米は1合升の中により多くのお米が入ります。
そのため、1合にした時の重量はあまり変わりません。
無洗米の白米の場合、1合何グラムになるかというと、普通の白米と同じくおよそ150グラムになります。
ただしこの場合、気をつけなければならないのが、水加減です。
米の重さや量が同じだから、同じく200ミリリットルの水を入れてしまうと、炊き上がりが少し固めになってしまいます。
そこで、無洗米を利用する時は、1合につきおよそ15~30ミリリットル(大さじ1~2杯)の水を足して炊飯すると、ちょうどふっくらとしたご飯になりますよ。
白米1合を簡単に量る方法
白米を量る時、昔ながらの1合升で量るご家庭は、少なくなってきました。
現在は、米専用の計量カップ(180ミリリットルサイズ)や、普通の計量カップ(200ミリリットルサイズ)、ハイザー(計量付き米びつ)のいずれかで量るのが一般的です。
一番多いのは、炊飯器などを購入するとおまけでついているお米専用の計量カップを使うことです。
しかし、これは1合升と異なり、およその量になりますので、たくさん量ると0.39ミリリットルの誤差が出ます。
正確に量るためのは、やはり1合升を利用して摺り切りで量ることですね。
白米は薬剤とは違います。
1合何グラムか、などと数ミリグラムの誤差を気にすることなく炊飯できますので、100円均一などでも充分にお米用の計量カップを購入できることができます。
計量カップがなければ、普通の量りで150グラムになれば白米1合分になります。
1人暮らしで、もっと手を抜きたい人は、子どもの頃に持っていたプラスチックコップで代用できます。
キャラクターの絵が描いてある取っ手付きのプラスチックカップ(スタッキングカップはダメ)は、ほぼ200ミリリットルで統一されています。
すりきりにして、米1.11合分になります。
水もコップに合わせて量れば大丈夫です。
慣れると、1合の目安もわかってくることでしょう。
白米1合180ccは何グラム
昔の人に、お醤油やお酒の量を聞くと、○○ccという単位を聞きます。
このccという単位は「キュービックセンチメートル」の略で、立方センチメートルのことです。
そのため、体積を表します。
しかし体積の場合の正確な単位は㎤です。
ccという単位は国際単位系でも日本工業規格(JIS)でも使用できない単位になっています。
学校の授業では、体積は㎤・容積は何ミリリットルと教えています。
家庭科の教科書では、お酒と水はミリリットルとグラムが同量です。
油は水よりも軽いので、100グラムが110ミリリットル、お米は100グラムが120ミリリットルと、記載されています。
ccとミリリットルの量は全く同じ量ですが、こういった理由で、計量カップや食品の内容量で最近使用されていないこともあります。
もし、インターネットの料理サイトでccを用いていたら、それはミリリットルと同じことなのだと、理解してください。
「本には1合の白米180ccとあるけれど何グラムだろう」という時は、180ccは180ミリリットルで150グラムと覚えておくと便利です。
白米の一粒の重さも大切に
米は一粒一粒が大切な命です。
お米1合は升を使ってしっかり摺りで量ると、6,482粒といわれています。
これは、1升分が64827(ムシヤフナ)と言われていたことから由来しています。
一粒のお米は、農家の人が一年を通して大切に育て、大変な仕事をして作った結晶です。
お米一粒一粒を大切に食べましょう。