春になって、霜が降りる心配がなくなってくると、ジャガイモの植え付けが可能になります。
今まで野菜を育てたことはないけれど、この機会にジャガイモを家庭菜園してみようとお考えの方もいらっしゃるでしょう。
家庭菜園初心者のあなたに、ジャガイモの植え付け方法や、連作可能なのかについて、詳しく解説したいと思います。
ジャガイモの栄養
色々な料理に使用されるジャガイモは、米・麦・とうもろこしと並んで「世界4大作物」と言われています。
世界中で愛されている食材ですね。
今回の記事では、ジャガイモの植え付け方法と、連作が可能なのかについて主に解説していきます。
まずは、ジャガイモについての基礎知識を学んでおきましょう。
私達の身近な食材のジャガイモは、エネルギー源として優れています。
さらに、ビタミンCやビタミンB1、B6などのビタミン類、カリウムやマグネシウムなどのミネラル、食物繊維などの栄養素を含んでいます。
ジャガイモのビタミンCは、デンプンに保護されているので加熱によって失われにくく、効率よく摂取できます。
次に、良いジャガイモを選ぶポイントをご紹介します。
皮は薄くてなめらかで、全体的に形がふくよかで、がっしりとした硬さがあるものが良いでしょう。
サイズが大きければ良いわけではなく、中玉くらいの大きさのものを選びましょう。
ジャガイモがしなびていて、柔らかいものは避けるようにします。
また、芽が出始めているものは、栄養分がとられて味が落ちています。
新ジャガイモの場合は、表面の皮が薄く、指で簡単にはがせそうなくらいのものを選びましょう。
それが、鮮度の良い証拠です。
ジャガイモの品種と植え付け時期
ジャガイモは品種によって、甘み・食感・煮くずれしにくいかどうかが異なります。
品種の中で有名なのは、男爵とメークインですが、その他にも種類があるので、調理方法によって使い分けましょう。
☆男爵
ほくほくした食感が大きな特徴です。
ポテトサラダ、コロッケなどの加熱して潰す調理に適しています。
☆メークイン
長い卵形で、しっとりとしていて煮崩れしにくいです。
カレーや炒め物、煮物に適しています。
☆キタアカリ
果肉が黄色です。
ほっくりとしていて、甘みも楽しめます。
ただし、煮崩れしやすいので、加熱時間は短めにしましょう。
ポテトサラダ、味噌汁、ポタージュなどに適しています。
☆新ジャガイモ
春に出る品種です。
小粒で皮が薄く、皮のまま調理できます。
ジャガイモが連作できるかどうかも気になりますが、まずは、ジャガイモを植え付ける時期について解説しましょう。
暖かい地域だと、ジャガイモの植え付けは春(2月下旬~3月)と秋頃(8月下旬~9月中旬)に行います。
霜の降りる地域や、夏の暑さが厳しい地域では、霜の心配がなくなってから出芽するように種芋を植え付け、暑さが厳しくなる前に収穫します。
この限られた期間に栽培ができるように、植え付け時期をしっかりと守りましょう。
ジャガイモの植え付けの方法は?
ジャガイモの植え付け時期が分かったら、次は植え付け方法も覚えておきましょう。
①畑は、堆肥をまいて起こします。
粘土質で水分が抜けづらい土の場合は、多少なりとも土の中に空気を入れ込む必要があります。
粘土質の土に空気を入れる為には、土壌改良剤や落ち葉、腐葉土、炭のクズなどを入れてあげましょう。
ジャガイモは、pH5.5くらいの、わずかに酸性が強い土が好きです。
植え付けようとする畑が、どのくらいのpHなのか不明な時は、土壌酸度計を使って土壌のpHを計ってみましょう。
②種イモを植える場所に、1本の紐を張りましょう。
そして、その紐に沿ってクワで穴を掘ります。
③種イモを30cm間隔で、植え付けていきます。
種イモが小さいものは、そのまま植えます。
大きな種イモは、50~60gくらいに切り分けてから植えましょう。
切り口を下にするので、上側に多く芽が付くように切ります。
その際は、切り口から腐ってしまうことがあるので、しっかりと乾燥させておきましょう。
④植えた種イモの間に、肥料を一掴みずつおいていきます。
⑤クワを使って土を5~6cmくらいかけたら、植え付け完了です。
ジャガイモは、湿気があると腐敗してしまうので、湿気にはくれぐれも気をつけましょう。
芽が出てくるまで、だいたい10日から14日です。
芽が出てくるのを楽しみに待ちましょう。
次項は、いよいよジャガイモの連作について解説します。
ジャガイモの植え付けは連作してはいけないの?
大きな疑問となっていた、ジャガイモの植え付けで連作はしてはいけないのか?について解説しましょう。
ジャガイモは、実は連作障害が起きやすい野菜です。
連作障害ってどんなこと?という方のために、まずは連作障害についてお話しますね。
ジャガイモ、トマト、ナスなどを同じ場所で連続して栽培したとします。
すると、生育があきらかに悪化したり、枯れてしまう現象が起きます。
その現象を連作障害といいます。
連作障害の原因のひとつは、前に栽培した野菜にくっついていた病害虫が、土の中に残っていることです。
それにより、次に植えられた同じ種類の野菜が、被害を受けてしまうことがあります。
その他にも、前に栽培した野菜の根から分泌された成分が土の中に残り、それが次に植える野菜に悪い影響を与えることもあります。
さらに、土の中の肥料成分が甚だしく不均衡になっている場合など、沢山の条件があります。
このように、同じ種類の野菜を毎年同じ場所で栽培するのは、決しておすすめできることではありません。
エンドウ、スイカ、ナスのように、同じ種類の野菜を植えるのに、7年以上も休栽しなければならないこともあります。
ですが、ジャガイモの場合は2年休栽すれば、また同じ場所に植え付けても大丈夫です。
野菜の連作障害を防ぐ方法
ジャガイモの植え付けで連作はしない方が良いのですね。
ですが、このままでは畑が狭い方にとっては、野菜が思うように栽培できなくなってしまいますよね。
連作障害を防ぐには、どうしたら良いのでしょうか。
ナスやキュウリ、スイカなどの場合は、接ぎ木苗や耐病性の品種を利用することで、連作したり、次に植えるまでの期間が短縮可能になりました。
また、土壌の伝染病が原因になっている場合は、土壌を消毒すれば連作障害を防ぐことができます。
ですが、消毒のために薬剤を使うと有効な菌まで死滅させてしまったり、消毒作業自体にも危険性がともなうので、近年においては太陽熱を利用した土壌消毒法が活用されています。
<太陽熱を利用した土壌消毒方法>
①収穫後、残った野菜のくずを取り除きます。
②切ったワラなどを2~3kg/㎡と石灰窒素を100~150g/㎡混ぜます。
梅雨明けから8月が適期ですよ。
③水田のように貯水できれば理想的ですが、それができない場合は水を引き入れるか、たっぷりと水をそそぎましょう。
④古いビニールを使って、土が乾燥しないようにマルチングをしておきましょう。
土は、可能な限り粗いままで、2週間くらいこのままそっとしておきます。
地温の上昇で、カビや細菌の密度が低下します。
⑤ビニールを取り去り、乾燥させてから再度耕して、うね立てしましょう。
この時、元肥は控えめにしましょう。
この太陽熱を利用した土壌消毒の他にも、コンパニオンプランツを一緒に植えることで、連作障害による被害を軽くできる方法もあります。
連作障害対策がわかったらジャガイモ料理を作ろう
ジャガイモの植え付け方法や、連作可能なのかについて、お分かりいただけましたか。
少しずつ秋が深まって肌寒くなると、ほっこりとして温かい料理が食べたくなってきますね。
サクサクした食感とほくほく感がたまらない「コロッケ」は、ジャガイモの定番料理でもあり、みんなに大人気です。
そこで最後に、揚げない・丸めない・ヘルシー・オシャレな「スコップコロッケ」の作り方をご紹介します。
すくって楽しい新感覚のコロッケです。
電子レンジを使っているので、時短できて簡単なのに、豪華に見えてパーティーにもピッタリですよ。
【材料 4人分】
・豚ミンチ 150g
・ジャガイモ 3個
・玉ねぎ 1/2個
・コーン 適宜
・小麦粉 30g
・牛乳 100cc
・塩・こしょう 少々
・パン粉・サラダ油 適宜
・とろけるチーズ 100g
・パセリ お好み
【作り方】
①ビニール袋にパン粉とサラダ油を入れて、よく振りましょう。
②皮をむいたジャガイモを輪切りにして、耐熱ボールに入れ、少し水を加えてふんわりラップをかけます。
600wの電子レンジで3分加熱しましょう。
③ジャガイモは少し硬くても大丈夫です。
水分をきり、みじん切りした玉ねぎとミンチを加えて、更に3分加熱しましょう。
④マッシャーなどを使って、ジャガイモを潰しながら、ザックリと混ぜます。
更に、コーン、小麦粉、牛乳を加えて混ぜ、3分加熱しましょう。
⑤塩・こしょうを加えたら、グルグルとよく混ぜます。
⑥それを油を塗った型に入れて、上にとろけるチーズと①のパン粉をかけ、オーブントースターで5分焼いたら完成です。
ジャガイモの栽培を成功させよう
いかがでしたか。
栄養豊富なジャガイモに含まれるビタミンCは、他の野菜と違って熱に強く、煮たり焼いたりしても壊れにくいのが特徴です。
今回ご紹介した植え付け方法で、美味しいジャガイモが沢山収穫できるといいですね。