畑やプランターなどで、自家栽培している方が多くいらっしゃいます。
家庭菜園のメリットや、心構えはどういったことなのでしょうか。
また、植え付けてから90日程度で収穫ができて、自然の雨が降れば、頻繁な水やりが必要ないジャガイモの栽培方法をご紹介します。
家庭菜園でジャガイモなどの野菜を育てるメリット
食の安全面や、採りたての野菜の美味しさを味わってみたいなど、家庭菜園に興味を持たれる方が多くなってきました。
比較的育てやすいジャガイモは、家庭菜園を始めたばかりの方に人気の野菜です。
野菜などを自家栽培するメリットは、どんなところにあるのでしょうか。
見ていきましょう。
【家庭菜園のメリット】
●無農薬で野菜が作れる
健康や体のことを想って無農薬の野菜を食べたいと思っても、販売されている無農薬野菜は、少々お値段が高く、なかなか手を出せません。
しかし、家庭菜園なら、こうした無農薬野菜が作れます。
●食費の節約
始めたばかりでは実感しにくいですが、家庭菜園に慣れてくると、様々な野菜が作れるようになります。
降り続く雨などの影響で、野菜の値段が高騰していても、自家栽培なら市場の値段に関係なく、食卓に野菜を使った料理を並べられます。
●自家栽培の野菜は美味しい
家庭菜園の醍醐味と、言えるのではないでしょうか。
採れたての野菜の美味しさに、ビックリすることでしょう。
種をまいて植え付け、丹精込めて育てた野菜は、より美味しく感じますよね。
食べものを育てて食べるということが、どんなに大変なことなのかを実感でき、子供たちにも伝えることもできます。
野菜を植え付けるだけでは、育たない
家庭菜園のメリットについてお話しましたが、楽しいことばかりではありません。
始める前に、家庭菜園で最低限やらなくてはいけないことを見ていきましょう。
●毎日の世話
野菜の種まきをして植え付けるだけでは、美味しく育ちません。
野菜の成長が順調に進んでいるか、害虫などはついていないかなど、毎日のチェックが欠かせません。
肥料は足りているか、雨が長い期間降らないときなどは、水分が不足していないかなども、気に掛ける必要があります。
家庭菜園を始めたばかりの方は、たくさん育てようと無理をせずに、ひとつの野菜に絞りましょう。
●育てる野菜の知識を勉強する
比較的育てやすいジャガイモであっても、育てている間に、何のトラブルも起きないとは言い切れません。
育てる野菜の特徴や、かかりやすい病気や害虫について、あらゆる知識を身に付けてから栽培する必要があります。
●必要なものを準備する
家庭菜園をするにあたって、最低限必要なものは、土・肥料・園芸用の刃物・スコップです。
畑がない場合は、ここにプランターも必要になってきます。
育てる野菜によっては、支柱やビニールなども使う場合もあるので、必要に応じて用意しておきましょう。
ジャガイモの植え付け時期はいつ?
野菜を育てるメリットと、やらなければならないことを理解したうえで、家庭菜園を始めてみましょう。
様々な料理で活躍するジャガイモを育ててみませんか?
【ジャガイモの植え付け時期】
2月下旬~3月の春と、8月下旬~9月中旬の秋とがあります。
新ジャガを味わいたい方は、2月下旬に植え付けましょう。
【土】
土の状態ですが、pH5.0~6.0の土が良いでしょう。
ジャガイモを植え付ける2週間前ぐらいに、苦土石灰と有機肥料をまいて、土を耕しておきます。
すぐに植え付けたいときは、培養土を使って植え付けても構いません。
ジャガイモは湿気に弱いので、水はけの良いものを選びましょう。
【種イモ】
スーパーで販売されているジャガイモではなく、熱処理のされた種イモを購入してください。
春に植え付けする場合は、2日前にジャガイモを半分に切り、その断面を陽の光に当てて乾燥させましょう。
乾燥させるためにも、天気予報を確認して、雨が降らず、晴れの日が続く日を選びましょう。
秋に植える場合は、腐らないようにジャガイモは切らなくて良いです。
自然の雨で育つジャガイモ
植え付け時期に合わせて土を耕し、種イモの準備ができたら、雨の日を避けてジャガイモを植えていきましょう。
ジャガイモを植えるために、土を幅60cmほど、深さ15cmほどに掘っていきます。
種イモの断面を下にして、種イモとの間隔は30cm以上開け、間に元肥を施しておきます。
並び終えたら5cmほど土をかぶせ、たっぷりと水やりをしましょう。
種イモを植え付けてから数日経過し、10cmほどの芽が出たら、「芽かき」作業を行います。
芽かきとは、丈夫そうな芽を1~2本選別して、他の芽は抜いていく作業のことです。
芽かきが終わったら、残した芽の根元に土を寄せていきます。
さらに、この芽が20cmほどになったら、再度、土を寄せましょう。
この「土寄せ」作業が不十分だと、日光が入り込み、ジャガイモが緑色に変色して劣化しやすくなります。
きちんと行いましょう。
畑で育てるジャガイモは、自然に降る雨だけで育つので、頻繁な水やりをしなくてもよい野菜です。
頻度の高い水やりは、種イモの腐敗に繋がり、疫病にかかりやすくなるので、必要最低限の水やりを心掛けましょう。
プランターで育てる場合は、自然の雨が当たるのか否かで、水やりの頻度が変わります。
土の中が乾燥しているか確認し、乾燥しているようなら、プランター容器の底から水が出てくるまで、たっぷりと水やりをしましょう。
雨の日は避けてジャガイモを収穫しよう
ジャガイモは、植え付けてから約90日ほどで収穫ができます。
花が咲いて、咲き終わりごろに、葉っぱや茎が黄色くなってきます。
このタイミングを逃さないようにしてください。
タイミングを逃してしまい、収穫が遅れてしまうと、せっかく植え付けたジャガイモが腐ってしまったり、傷んでしまいます。
また、雨の日が続いているときは、収穫を避けましょう。
雨の日に収穫してしまうと、腐敗しやすく、収穫できたとしても貯蔵面で環境が悪いです。
晴れの日が2~3日続いていて、コンディションの良い日に収穫するようにしましょう。
収穫したら、日光に当てて、ジャガイモの表面を乾燥させます。
半日ほど、乾燥させましょう。
乾かしたら積み重ねないようにして、日光の当たらないところで保管してください。
水やりの少ないジャガイモ栽培ですが、毎日ジャガイモの様子を気にかけましょう。
収穫して美味しく食べるためにも、家庭菜園を成功させるためにも、常に気を配ることが大切です。
なぜ雨の日は植え付けに向かないのか
ジャガイモを植えるときでもお話しましたが、植え付けるときは雨の日を避けなければなりません。
植え付けた後に水やりをするので、雨が降っていたほうが効率的のように感じますが、リスクもあるのです。
では、雨の日の植え付けのリスクについて見ていきましょう。
●地温が低い
雨が降っていると、地温は下がります。
地温が上がっているときと比べると、根づきにくくなり、活着が遅れる原因になります。
●土が固まる
降雨時は土が固まりやすくなるので、根づきが悪くなり、大きく育たないといったリスクが生じます。
また、雨で水分を含んだ土の状態で土いじりをすると、団粒構造がつぶれて、水はけの悪い土になってしまいます。
水はけの良い土を好む野菜にとっては、コンデションが悪いですよね。
●病気になりやすい
土の中にある病原菌が、雨により活発になります。
植え付けときに根を傷つけてしまうと、そこから菌が入り込み、病気にかかりやすくなってしまいます。
こうした雨の日の植え付けリスクがあることを、覚えておきましょう。
観察も大事なプロセス
毎日の水やりが面倒だと感じる方は、ジャガイモの栽培がおすすめです。
しかし、雨が長い期間降らなかったり、プランターなどで育てる場合は、土が乾いていないか注意しましょう。
美味しく食べるためにも放置せず、毎日観察して、その過程も楽しみましょう。