ワインを飲もうと思うと、つまみたくなるのがワインの相棒、チーズです。
チーズと一緒にいただくワインは格別ですよね。
そんな幸せな時間ですが、気になるのはそのカロリーです。
実際に、ワインとチーズのカロリーはどのくらいあるのでしょうか。
ワインとチーズを作っている菌は?
ワインとチーズは、みなさまご存知の通り発酵食品です。
「発酵」とは微生物が働き、でんぷん質やタンパク質を分解して、アミノ酸や糖分など様々な物質を新しく作り出してくれる作用です。
微生物の活動の結果が人体に有益の場合に発酵と呼びますが、有害な場合は「腐敗」と呼び、区別されています。
人々は昔から発酵とうまく付き合ってきたという長い歴史があり、世界には発酵食品がたくさん存在している」のです。
世界にある発酵食品なので、微生物の種類も様々あります。
ブドウの果実には自然酵母(野生酵母)が取り付いています。
果汁の中には酵母が利用可能なブドウ糖が含まれているため、果汁が外に出ることで自然にアルコール発酵がはじまるのがワインです。
ほかの果実でもアルコールは造ることができるといわれています。
ただし、果実に含まれている糖の量で得られるアルコールの量が少なかったり、風味や味わいが納得できるものが造れないそうです。
ブドウが果実の中で糖の量が多く、アルコールに適しているとされています。
糖の量が多いということは、少しカロリーのことも気になるところですね。
さて、チーズの方ですが、チーズには乳酸菌が働いてチーズが作られます。
糖分を分解して乳酸を作る菌です。
チーズは乳酸菌による乳酸発酵の成果物で乳酸菌は強酸性のため、ほかの細菌を殺菌する働きもあります。
キリストの血として神聖なものとされたワインの歴史
ワインは世界で最も多くの地域で飲用されているアルコール飲料の一つです。
ワインのカロリーは100mlあたり、平均で80kcalほどで、ワインの歴史はブドウの歴史でもあるといわれています。
紀元前8000年頃、エジプトで造られたことにはじまり、紀元前1500年頃にギリシャに伝わりました。
ワイン生産国で有名なフランスやイタリア、スペインなどの国々でワインが造られるようになったのは、紀元前600年頃とのことです。
一部のギリシャ人が南フランスのマルセイユ地方に移り住んだことから、ワイン造りが伝わったそうです。
そして、この地に伝わったワイン造りは、当時、勢力を強めていたローマ人によってヨーロッパ全土に広げられました。
ワインは「キリストの血」とされ、神聖で貴重なものとなり、教会や修道院は学校やブドウ畑を作り、ワイン醸造の技術を高めていったのです。
そして17世紀頃、「ビン詰め・コルク栓」のワインが出てきて、ワイン造りが発展したという歴史があります。
フランスを中心として発展したヨーロッパのワイン造りは世界中に広がっていき、日本にワインが伝わったのは室町時代と考えられています。
そしてワインと同様、チーズにも古い歴史があります。
チーズの歴史と日本に伝わった「蘇」のカロリーとは
ワインと相性ぴったりなチーズは、紀元前4000年頃に誕生したといわれています。
現在のイラクの一部にあたる場所、メソポタミアの壁画に、チーズなどの製造法が描かれていたりと、チーズはとても古くから人々の食生活を支えていました。
当時、メソポタミアでは麦がたくさん生えていました。
それを目当てに山羊や羊が集まり、人々はそれらの動物を囲い込み、牧畜をはじめたのです。
この頃、乳利用もはじめられたと考えられています。
北ドイツに水分をきったヨーグルトの「クルクワ」と呼ばれる食べ物があります。
クワルクを天日干しして乾燥させた保存食で、「アーロール」や「ホロート」と呼ばれるものがあります。
アーロールとホローとは、現在モンゴルの方々が食べているそうです。
これらの3種類がチーズの歴史のはじまりだといわれています。
日本でチーズが伝わっていたのは、今からなんと約1400年前の飛鳥時代。
大陸から、「蘇」や「醍醐」というチーズが伝わりました。
蘇は乳を煮詰めて固めて作ったもので、湯葉の作り方に似ているといわれています
ちなみに、蘇のカロリーを調べると、358kcal/100gになりました。
あとにも出てきますが、現代で食べられているチーズのクリームチーズのカロリーが、346kcal/100gになるので、あくまでも想像ですが、蘇はクリームチーズのような味わいだったのではないでしょうか。
醍醐というチーズは、蘇を熟成させたものだそうです。
この醍醐、それはもうとても美味しかったそうで、醍醐の味は「これ以上の美味しさは無い」=「醍醐味」という言葉の意味になりました。
マリアージュと呼ばれるワインとチーズの関係
ワインと食事の調和のことを、フランス語で「マリアージュ(結婚)」といって表現します。
そして、フランスでは「ワインとチーズは最良の友」と言う風に考えられているのです。
世界中で多くの人々に愛されているワインとチーズのコンビですが、。ワインとチーズの相性良い選び方のポイントは、同じ原産地のワインとチーズを選ぶのが基本になるそうです。
同じ原産地のワインとチーズ、又はより近い地方の産地のワインとチーズを合わせると、だいたいハズレることはないそうですよ。
原産地が大体どの辺なのか頭に入れておくと、よい買い物ができそうですね。
おもてなす場などでチーズとワインをお出しする際、ワインもたくさんの種類があって迷いますが、どれか一本となると、フルーティな味の赤ワインがチーズに合います。
カロリーが高く、脂肪分の高いチーズには、渋みのあるワインがより一層引き立ててくれます。
塩味の強いチーズであれば、少し酸味のあるワインや甘口のワインが塩味をまろやかにしてくれますよ。
このような基準で、ワインとチーズのマリアージュを楽しんでみられてはいかがでしょうか。
ワインのカロリーは「エンプティー」
ワインのカロリーは実際どのくらいなのでしょうか。
ワインには主に4つの種類があります。
赤ワイン・白ワイン・ロゼワインと、シャンパンですが、赤ワインと白ワインのカロリーは共に、73kcal/100ml。
ロゼワインは、77kcal/100mlで、シャンパンは、100kcal/100mlとカロリーが最も高いようです。
主な原材料はすべてブドウですが、カロリー数が変わっている理由は、カロリーとアルコール度数が比例しているからだそうです。
そして、アルコールのカロリーは、「エンプティーカロリー」というものになります。
エンプティーとは「中身のない」という意味なので、「エンプティーカロリー」は、体内に蓄積される前に、熱として放出されるのです。
これは太らないという意味ではなく、チェックするポイントがカロリーではなく糖質のようです。
赤ワインや白ワインより、ロゼワインの方が、炭水化物(糖質)が多く含まれています。
糖質というものは、脂肪として身体に蓄積されるものです。
この糖質が、ダイエットの敵といわれています。
そして、ワインを楽しんでいるときに、ついついお供させてしまうチーズ。
こちらにも大きな原因があるようです。
食べはじめると止まらないチーズのカロリー
ワインとのマリアージュを語るのに欠かせないチーズ。
ワインを飲むといい気分になって、ついついお皿の上のつまみに手が伸びてしまいます。
そんな美味しいチーズのカロリーを見ていきましょう。
・プロセスチーズ 339kcal/100g
・カマンベールチーズ 310kcal/100g
・パルメザンチーズ 475kcal/100g
・チェダーチーズ 423kcal/100g
・カッテージチーズ 105kcal/100g
・クリームチーズ 346kcal/100g
・ゴーダチーズ 380kcal/100g
・モッツァレラチーズ 250kcal
カロリーが高いものも低いものもあります。
ついつい食べ過ぎてしまうことを考えると、カロリーがどんどん高くなっていきますよね。
しかし、チーズにはビタミンB群とビタミンAが豊富です。
ビタミンB群は体脂肪の代謝を助ける働きを持っていて、ビタミンAは肌荒れを防いでくれる役割があります。
チーズは、身体を維持する上での栄養素のほとんどが含まれている、高栄養食品なのです。
ただし、ビタミンCや食物繊維、鉄分が不足しているので、ワインとチーズにプラスして野菜や果物も一緒に摂りましょう。
そして、チーズに含まれている脂肪分は小さな脂肪球であるため、食べるとほとんどがすぐに消化されるとのことです。
ほかの食品と比べると、太りにくいという嬉しいメリットがあります。
美味しく健康的に楽しむ
ワインとワインのおつまみに欠かせないチーズ。
カロリーは各種類によって違いますので、ワインとチーズも選び方によってはカロリーを低くできそうですね。
ついついテンポが良くなってしまうワインとチーズですが、カロリーも頭の片隅に入れてみましょう。
健康的にワインとチーズを楽しんでくださいね。