炭水化物と聞くと、お米やパンなどの主食を思い浮かべる人が多いと思いますが、野菜にもお米に負けないくらい炭水化物を含んでいるものもあります。
お米と野菜で、炭水化物の違いはあるのでしょうか?
また、野菜は種類がたくさんありますが、炭水化物が1番多い野菜は何かなど、気になる疑問を調べてみました。
野菜別。炭水化物の量の違い
野菜によって炭水化物の量の違いは、どれくらいあるのでしょうか。
まず、炭水化物が多く入ってる野菜トップ10をご紹介していきます。
①さつまいも:39g
②にんにく:27.5g
③山芋(やまといも):27.1g
④西洋かぼちゃ:21.3g
⑤じゃがいも:19.7g
⑥とうもろこし:18.6g
⑦ソラマメ:16.9g
⑧乾燥しいたけ:16.7g
⑨れんこん:16.1g
⑩ごぼう:13.7g
以上の順で、炭水化物の量が多いです。
1位の「さつまいも」は100gに対して、40gちかく、炭水化物が入っています。
基本的には、土の中で育つものは炭水化物が多く、100gに対して平均10~30g入っています。
そして、土の上で育つものは少なく、100gに対して平均10g以下のものが多いです。
また、同じ野菜でも、品種や調理の仕方によって、炭水化物を含む量が違います。
例えば、西洋かぼちゃは21.3gですが、日本かぼちゃは13.3gとなっています。
ほかにも、ゆでているのか・生なのか・蒸しているのかなどでも、野菜の炭水化物の量は違ってきます。
主食の炭水化物の量
野菜のなかでは、さつまいもが圧倒的に炭水化物を含んでいましたが、日本人の主食である、お米やパンの炭水化物量はどれくらいなのでしょうか。
■お米
白米・玄米やお米の加工品のお餅などありますが、100gに対して、白米は37.1g・玄米は35.6g・餅は50.3gと、野菜に比べると炭水化物が豊富です。
お米には炭水化物以外にも、タンパク質・ビタミン・ミネラル・水分も豊富に含まれています。
■パン
パンも種類がたくさんあるので、代表的なパンでご紹介します。
100gに対して、食パンは46.7g・フランスパンは57.5g・クロワッサンは43.9gと、すべて40g以上入っています。
お米や野菜と違い、ほかの栄養素が少なく、添加物が多めです。
さつまいもの炭水化物量は39gですので、白米や玄米とほぼ変わらない量ですね。
非常食として、イモ類を大切にしていた理由が、よくわかりますね。
調理方法によって違いが出る炭水化物の量
日本人の主食の炭水化物量もわかったところで、最初にご紹介した内容でもある、調理方法によって野菜の炭水化物量に違いが出ることについて、具体的にみていきましょう。
まずは、1位にもなっている「さつまいも」からです。
炭水化物39gは、焼いた場合のものです。
さつまいもを蒸した場合は、31.9gと、7gほど減少します。
ランク外ですが、たまねぎやにんじんも調理方法によって炭水化物の量が違います。
たまねぎは、生のままだと炭水化物8.8gですが、ゆでることにより、7.3gまで減少します。
にんじんも同様に、生のままでは8.7g、ゆでると8.5gと、微量ですが減少します。
すべてに当てはまるわけではありませんが、基本的には「ゆでる」ことによって、野菜は炭水化物の量が減少する傾向にあります。
このような特性を理解しておくことで、料理をするときに役立つかもしれません。
炭水化物と糖質の違い
炭水化物を多く含む野菜などがわかったところで、炭水化物と糖質の違いについてみていきましょう。
2つの違いを説明していきます。
■炭水化物
炭水化物は、食物繊維と糖質を合わせたものです。
そして、食物繊維は水溶性と不溶性があるので、それぞれ効果も違います。
・水溶性
ヌルヌルした粘性と保水性が高く、糖分の吸収をゆるやかにするため、食後の血糖値の上昇を抑えます。
ほかにも、脂肪の吸収を抑えたり、血中コレステロール値を減少させます。
・不溶性
水分を保持して便のかさを増やして排便を促したり、発ガン性物質などの腸内の有害物質を体外へ排出したりします。
食物繊維は、体に吸収されない炭水化物なので、カロリーがゼロです。
そのため、食べたぶんだけ、便のかさが増えて便秘解消になり、ダイエットの効果があります。
■糖質
糖質は大きく分けて、多糖類・二糖類・単糖類があります。
多糖類→二糖類→単糖類の順に分解されるので、多糖類のほうが、ゆっくり吸収されます。
糖質が足りなくなると、脂質・筋肉の順に分解されるので、炭水化物・糖質ダイエットをするときは、脂質をよく取らないと筋肉の量が減ります。
炭水化物抜きダイエット中の上手な野菜の食べ方?
体重を気にして、炭水化物抜きダイエットをした人はいると思いますが、成功する人はどれくらいなんでしょうか?
炭水化物を抜けば、ほかは好きなだけ食べていいと聞きますが、炭水化物は5大栄養素のひとつなので、間違えたやり方をしてしまうと非常に危険です。
野菜に含まれる炭水化物を摂って、うまく補える食べ方を説明したいと思います。
■炭水化物は摂ってはダメなのか
炭水化物抜きと聞くと、食べてはダメと思ってしまいますが、控えめに摂るのは大丈夫です。
全く摂らないのであれば、炭水化物に含まれる糖質の代わりに、脂質をしっかり摂っていかないと、筋肉が減り体力が落ちてしまいます。
■炭水化物抜きダイエット中のおすすめ野菜
炭水化物を摂っていいと書きましたが、GI値(グリセミック・インデックス)という食後血糖値の上昇度を表す指標をご存知でしょうか。
食品によって上昇度が違い、高いと糖が吸収されるのが早く、低いと吸収が遅いです。
GIが低い野菜は、レタス・きゅうりなどの緑黄色野菜やさつまいも・れんこんなどです。
緑黄色野菜はGIが低いですが、炭水化物の量も少ないため、たくさん食べないとあまり効果がありません。
1番おすすめはさつまいもですが、焼き芋にするとGIが上がってしまうので、蒸すのがおすすめです。
さつまいもは炭水化物も豊富で腹持ちも良いため、炭水化物ダイエットしてる人におすすめの野菜です。
炭水化物抜きダイエット中のおすすめ野菜レシピ
毎日食べるお米は腹持ちも良く、いろいろなおかずとも合います。
しかし、ダイエット中では炭水化物が豊富なお米を抜くことが多いと思います。
そこで、そんなときでも満足できる、野菜たっぷりのレシピをご紹介していきます。
<野菜たっぷり太平燕(タイピーエン)>
【材料(2~3人分)】
・春雨 乾燥した状態で30g
・鶏胸肉 200~300g
・さつまいも
・キャベツ
・小松菜
・パプリカ
野菜はお好みの量で大丈夫です。
①鍋に水(鶏胸肉が浸かるくらい)・塩・砂糖を入れます。
②沸騰したら、鶏胸肉を入れて再沸騰させます。
再沸騰したら火を止めて、冷まします。
③ ①が冷めたら鶏胸肉を薄切りにして、余っただしで、ひと口大に切った野菜を湯がきます。
④春雨を別の鍋で湯がき、ちょうど良い固さになったら、ザルにあげます。
⑤春雨を盛り付け、①と③を上に乗せて、だしをかけて完成です。
春雨は食物繊維豊富で便秘によく、野菜はGI値が少ないので、血糖値の上昇が低いです。
主食をお米から春雨に変えても、腹持ちの違いはそんなに変わらず、鶏胸肉も低カロリーで①の調理法をすると柔らかく仕上がり、鶏胸肉のだしがよく出ます。
炭水化物の大切さ
炭水化物は動くためのエネルギーと腸内の環境をよくする、糖質と食物繊維でできています。
炭水化物を抜くと、この2つの栄養素を取り入れた食事をしないと、バランスが取れなくなります。
日本人の主食である米は、この2つが豊富に含まれている貴重な食材と言えますね。
ダイエットする方は体重だけでなく、食事のバランスも意識してみましょう。