暑い夏はビール、寒い冬は熱燗と。
ご飯と一緒に食べるもつ鍋も美味しいですが、お酒との相性も抜群ですよね!
『もつ』と言えば、大腸と小腸を使いますが、どちらが鍋料理に合うのでしょうか?
また、食べられる牛肉の部位も併せてご紹介しますので、もつ鍋だけでなく、焼肉を食べる時にも参考にしてみてください。
牛肉の食べられる部位~大腸や小腸などのもつ~
まず、もつの部分を見ていきましょう。
☆ハツ
心臓の部分で、脂肪分は少ないですが旨みが多く、コリコリとした食感が楽しめます。
☆レバー
肝臓の部分で、鉄やビタミンを多く含む、栄養たっぷりの部位です。
☆マメ
腎臓の部分で、レバー同様に鉄やビタミンを多く含み、クセのない部位です。
☆ミノ
第一胃袋の部分で、かなりの歯ごたえがあります。
☆センマイ
第三胃袋の部分で、鉄分を多く含み、食感が特徴です。
☆ギアラ
第四胃の部分で、歯ごたえがあり、濃厚な味わいです。
☆ハラミ
横隔膜の部分で、サシもなく柔らかいうえに、ヘルシーな内臓肉です。
☆サガリ
ハラミと同じく、バランスのとれた脂肪分で、柔らかい肉質をしています。
☆シマチョウ
大腸の部分で、あっさりとした脂で、厚く硬い部分です。
☆ヒモ
小腸の部分で、たっぷりの脂肪が付いていて、大腸と比べると、身は薄いです。
☆コブクロ
子宮の部分で、コリコリとした食感が特徴です。
☆テッポウ
直腸の部分で、脂が少ないので、サッパリと食べられます。
☆タン
舌の部分で、鉄分やビタミン、タウリンを豊富に含んでいます。
☆ホホニク
頬の部分で、別名“ツラミ”とも呼びます。
たくさん動かす部分でもあるので、濃厚な味わいです。
☆テール
尻尾の部分で、コラーゲンたっぷりです。
スープによく使われています。
牛肉の食べられる部位~もつ以外~
次に、大腸や小腸などの、もつ以外の牛肉の部位についてみていきましょう。
料理や、食べる時の参考にしてみてください。
☆ネック
首の部分で脂肪分が少ないですが、濃厚な味で旨みエキスたっぷりです。
☆肩
腕の部分で、ネック同様、脂肪少なめで、旨みエキスたっぷりです。
コラーゲンも豊富です。
☆トンビ
肩から腕にかかる部分で、1頭の牛から、わずか2kgしか取れない希少な部位です。
サッパリとした上品な味が特徴です。
☆ミスジ
こちらも希少部位で、1頭から2kgしか取れません。
霜降りのお肉なので、口の中でとろけますよ。
☆肩ロース
1番大きな部分で、ほどよい霜降りで、牛肉の旨みを味わうことができます。
☆リブロース
ロースの真ん中の部分で、霜降りの柔らかいお肉です。
☆サーロイン
腰の上部で、とても柔らかく、牛の最高部位のひとつでもあります。
☆バラ
赤身の部分と脂肪が層になっていて、濃厚な味わいです。
☆ヒレ
サーロインの内側の細長い部分で、1番柔らかいです。
筋や脂肪分がほとんどなく、最高級のお肉です。
☆うちもも
内又の部分で、脂肪分の少ない赤身です。
☆しんたま
ももの部分で、脂肪な少ないですが柔らかいです。
☆ランプ
ももの1番柔らかい部分で、旨みたっぷりも柔らかいお肉です。
☆そともも
ももの外側の部分で、キメが粗く硬いので薄切りにして、煮込み料理に適してます。
☆イチボ
お尻の先も赤身の部分で、柔らかい部分と、弾力のある部分があります。
☆すね
脂肪分がほとんどなく、筋が多いですが、ゼラチン質が多く、お肉の味が濃厚なのでスープなどの、だしを取るのに適しています。
もつ鍋には大腸と小腸、どちらも使われている
牛肉は余すことなく、食べられるところが多いですね。
では、本題です。
もつ鍋を作る時は、大腸と小腸、どちらを使ったほうが良いのでしょうか。
もつ鍋とは、福岡県の発祥で、たっぷりの野菜にプルプルのもつが入った鍋です。
大腸や小腸、センマイやハツなどがミックスされたホルモンを使うことが多いことから、どちらも鍋に向いています。
強いて言うならば、小腸は肉厚ですが煮込んでも硬くなりにくく、プリプリとした食感が味わえるので、鍋向きと言えるでしょう。
大腸は脂が少なく、厚く硬めなので焼肉向きです。
ミックスホルモンを使用する場合でも、小腸を多めにすることをオススメします。
余談ですが、丸腸と小腸の違いはご存知でしょうか。
丸腸は、まず表をよく洗浄して、皮を裏返し、さらによく洗います。
そして、裏返しにしたままカットしたものが、丸腸です。
裏返すと形が丸くなることから、丸腸とされています。
丸腸にあたらないほかの小腸は、縦にカットさせたのち、表裏をよく洗うので丸くなく、四角い形をしています。
小腸は外側に脂がたくさん付いているので、裏返すことによって脂が閉じ込められている丸腸は、ジューシーに味わうことができます。
大腸や小腸はホルモンなの?
『もつ』と言われる一方で、『ホルモン』とも言われていますが、違いはあるのでしょうか。
基本的には、どちらも牛や豚、鶏などの内臓を指しますが、料理によって違いが出ます。
もつは「臓物」の略語で、もつ鍋や、もつ煮などの料理に『もつ』が使われます。
ホルモンの語源については諸説ありますが、かつて骨などを取り除いた肉以外の腸や肺、皮などは全て捨てていたことから、関西では「放るもん」から「ホルモン」と呼ばれたとされています。
また、豚の内臓などを焼いた『ホルモン焼き』も、関西が発祥の食べ物ですよね。
そのためか、関西では『ホルモン』という呼称が使われることが多いです。
そして、全国的には、焼いた牛や豚の腸のことを『ホルモン』と呼ぶことが多いのです。
もつとホルモンは、どちらも内臓を指す言葉として同じものと言えますが、内臓全般のことを『もつ』と呼んで、牛や豚の腸のことをホルモンを指すとも言われています。
ニンニクと野菜たっぷりの博多風もつ鍋のレシピ
醤油ベースにニンニクの効いた、博多風のもつ鍋です。
☆博多風もつ鍋
【材料 3~4人】
・牛もつ(大腸や小腸などミックス) 400~500g
・キャベツ 1/2玉
・もやし 2袋
・ニラ 1束
・ニンニク 適量
・白ごま 適量
・輪切り唐辛子 適量
・水 4カップ
・薄口しょうゆ 大さじ6
・みりん 大さじ2
・砂糖 小さじ1
・鶏ガラスープの素 大さじ2
・和風だしの素 1/2袋
・おろしニンニク チューブだと5cm
・おろし生姜 チューブだと5cm
【作り方】
①もつはミックスをオススメしますが、初めて作る時は、小腸(白もつ)がオススメです。
ヌメリが気になれば、軽く湯通ししてから使用しましょう。
②鍋にスープの材料を全て入れて、軽く混ぜます。
そこに、ひと口大に切ったもつを加えて、中火にかけます。
③もつからアクが出てくるので、すくい取り、アクが出なくなったら火を止めましょう。
もつを煮込み過ぎてしまうと、旨みが溶けだしてしまうので注意してください。
④5cm幅ぐらいのザク切りにしたキャベツ、もやしを順に③に加えます。
5cm幅に切ったニラを横一列に並べたら、薄切りにしたニンニクと輪切り唐辛子、白ごまをトッピングします。
⑥強火にかけて、スープが増し、キャベツがしんなりしてきたら、中火に落としてお召し上がりください。
締めは、中華麺やうどん、ご飯を入れて雑炊にしても美味しいですよ。
豚もつでも、代用できます。
牛もつで作る、もつ煮込みの作り方
お店で食べるような美味しいもつ煮を、臭みの少ない牛もつで作ったレシピです。
☆牛もつ煮込み
【材料 3~4人分】
・牛もつ(大腸や小腸などミックス) 200~250g
・大根 100~150g
・ニンジン 100g
・こんにゃく 100g
・ゴボウ 1/4本
・生姜千切り 1片分
・ニンニクスライス 1片分
・小口ねぎ 適量
・味噌 大さじ2
・醤油 大さじ1/2
・みりん 小さじ1/2
・砂糖 小さじ1/2
・酒 1/2カップ
・水 1/2リットル
・ネギの青い所 1本分
・生姜スライス 1枚
【作り方】
①大根、ニンジン、ごぼうを食べやすい大きさに切ります。
こんにゃくは食べやいす大きさに手でちぎると、味が染み込みやすいです。
②牛もつの下処理をしましょう。
鍋に臭み消しの材料と水を入れて沸騰させ、牛もつを入れて3分茹でます。
茹ですぎると旨みが出てしまうので、注意しましょう。
ザルに上げたら、流水で汚れやゴミを洗い流していきます。
③味噌以外の煮汁材料を鍋に全て入れて、具材を加え、沸いたら弱火で30分ほど煮込んでいきます。
沸騰させないように注意しながら、アクをこまめに取っていきましょう。
④野菜が柔らかくなってきたら、③に味噌を溶かしましょう。
さらに、30分煮込んでいきます。
フタをしないで、沸騰させないようにしてください。
お好みの濃さまで煮詰めていくか、醤油や味噌、砂糖などを足しながら、味を整えていきます。
⑤器に盛り付けて、小口ネギを振りかければ、出来上がりです。
特徴を知って、もつ料理を味わおう
もつだけを見ても、たくさんの種類があり、食感や味に特徴があります。
その特徴を知っていれば、鍋料理に向いているのか、焼いた調理方法が向いているのかが分かりますよね。
今回ご紹介した、食べられる部位を参考に、もつ料理を美味しく楽しく味わってみてはいかがでしょうか。