1歳児が食事を投げるのはなぜ?すぐできる対策が知りたい!

1歳児の食事に関して多い悩みが「食器や食べ物を投げる」というものです。

まだ善悪の判らない子どもだからと頭では理解していても、せっかく作った食事をポイポイ床に落とされてはお母さんもイライラしてしまいますよね…。

1歳児はなぜ食事を投げるのか?
どうしたら止めさせられるのか?
そのポイントを押さえておけば少し気持ちが楽になるかもしれませんね。

1歳児が食事を投げるのは自己主張の表れ?

1歳になると多くの子がつかみ食べを始めたり、スプーンやフォークなど大人が使っているものに興味を持ち始め、「自分でやってみたい」という欲求が生まれます。
自分で食べるための第一歩を踏み出した成長の証ですが、ここで困るのが食事と遊びの区別が曖昧になることです。

手でつかんだごはんをぐちゃぐちゃする、上手にフォークに刺せたと思ったらポイっと投げる、中身が入ったままのコップを床に落とす…。
まだまだ善悪の判断が出来ない1歳児なので、悪意を持ってやっているわけではないのは分かっていても、毎日のことだとお母さんも疲れてしまいます。

ではなぜ1歳児は食事中に遊びだしたり食事を投げてしまうのでしょうか?
その理由は大きく分けて2つあります。

1つ目は「構ってほしい・こっちを見てほしい」という欲求です。
食事を投げた時にお母さんが大声を出したり傍に駆け寄ってきた=構ってもらって嬉しいと子どもが覚えてしまっている可能性があります。
まだ言葉で伝えることのできない1歳児は、お母さんを呼ぶための手段として「投げる」という行動を起こしているのです。

2つ目は「満腹」のサインです。
子どもはおなかが空いている間は集中して食べてくれますが、満たされてくると途端に遊びだします。
これは1歳児に限ったことではなく3歳くらいまでは集中力が続かないと覚悟しておいた方がいいかもしれません。
1歳児は食べムラも多いので、食事を残していたとしても途中で切り上げて遊び食べを阻止するのも1つの手です。

1歳児はまだうまくしゃべれないので自分の主張を行動で表すことしかできません。
自分の欲求が伝わらないと困った行動がエスカレートしてしまう場合もあります。

子どものことをよく観察し、何を求めているのか先回りして考えてみると解決方法が見えてくるかもしれません。

1歳児が食事を投げるのは成長の証?

先ほど説明したように1歳児が食事を投げるのは「構ってもらいたい・おなかいっぱい」と伝えているケースが多いようです。
これらの場合はその欲求を満たしてあげれば解決しますが、どちらにも当てはまらないこともあります。

1歳児は運動面・心理面ともに発達の著しい時期です。
歩けるようになる、大人の真似が上手くなる、言葉が出始めるなど日々できることが増えていきます。

そんな中何気ない行動から”手を離すとものが下に落ちる”ことに気が付きます。
大人にとっては当たり前の「落ちる・投げる」という行為が1歳児にとっては面白くて仕方ないのです。

しかし投げていいもの・悪いものの区別がつかないので食べ物でもおもちゃでも手当たり次第に投げてしまいます。
1歳児は食事中だろうと関係なく、単純にものを投げる練習をしているだけなのかもしれません。

日々の成長は嬉しいですが食事を投げるのは黙って見ているわけにはいきませんよね。
1歳児に食事を投げるのはいけないことだと教えるのはかなり根気がいりますが、いつか伝わると信じて言い続けましょう。
言葉は理解できなくても表情や雰囲気から理解してくれるはずです。

1歳児を叱る時は「直後に短く」が鉄則

1歳児が食事を投げるのには色々な理由がありますが、子ども自身は具体的に考えをもってやり始めるわけではありません。

トマトをつかんでいる手を離したらコロコロ転がっていく、コップをひっくり返すと水がこぼれて床にポタポタ垂れる、なぜかごはんが飛んでいった…と、どの行動にも悪意はなく、最初は好奇心・探求心だけで行っています。

冷静に考えると子どもは教えられないと善悪が分からないので当たり前ですが、忙しい毎日の中では受け止めるだけの心の余裕はなかなか持てませんね。

最初はたまたま投げた・落ちただけだったのが、そのうち何かをこぼしたり落とすとお母さんが大きな声を出したり慌てて片付けるのが面白いと、間違った学習をしてしまうのです。
一度ついてしまった習慣を変えるは難しいので、そうなる前に止めさせる努力がとても重要になります。

1歳児だとまだおしゃべりもままならず、話が通じているのかどうかもよく分からないかもしれませんが、思っている以上に大人の言うことを理解しているのです。
特に普段とは違う叱っている時の低い声や表情などは伝わります。

より子どもにいけないことだと理解させるためには”子どもが食事を投げた直後に目を見て短く叱る”ことがポイントです。
子どもは時間が経つと何について叱られているのか分かりません。
理由などを長々と説明してもそこまでは理解できません。

1歳児のうちは「食事を投げる=ダメなこと」だと覚えさせることが最優先です。

食事を投げる・食事で遊ぶという悪い習慣がついてしまう前に、小さな頃からダメなものはダメだと注意することが大切です。

食事を投げる1歳児に効果的な対策その①

1歳児が食事を投げる理由が分かったところで対策法をいくつか紹介します。

まず食事を投げることで構ってほしいとアピールしている子どもに有効なのが、「大袈裟に反応しないこと」です。
食事を散らかされたり床にこぼされるとつい大きな声を出したり慌てて片付けたくなりますが、実は逆効果になっている可能性があります。

「食事を投げる→お母さんが大声を出す→お母さんが喜んだ・遊んでくれた」と大きな誤解を植え付けてしまうのです。
お母さんが離れた場所にいて食事をこぼした瞬間に駆け寄ってくるのも同様に「呼ぶための手段=投げること」とインプットされます。
お母さんたちが伝えたいことと真逆の発想をしてしまうとは驚きですね。

それらを解決する方法は食事を投げられてもこぼされても大きな声を出さず、淡々と床やテーブルを片付けることです。
先ほど説明した通り叱る時も大声を出すのではなく、低い声で短くがポイントになります。
子どもは今までのような反応がないとつまらないので食事を投げなくなるでしょう。

ただしこの対策方法は即効性はありません。
途中で心が折れそうになるかもしれませんが、我慢強く繰り返していくことで子どもは、「投げても楽しいことが起こらない」と理解してくれるでしょう。

食事を投げる1歳児に効果的な対策その②

続いてはおなかがいっぱいになったサインで食事を投げる1歳児への対策ですが、単純に「少なめに盛り付ける」ことで遊び食べを防げる可能性があります。

食事の前半は比較的集中して食べていて、終わりごろになると遊びだすという子どもに特に効果が期待できます。
少なく出すことで栄養不足が気になるかもしれませんが、全て食べ終わっても足りなさそうならおかわりを出してあげれば何も問題ありません。

1歳児はまだまだ体が小さいですが意外と必要なカロリーは多く、大人の約半分の摂取カロリーが必要とされています。
主食でいうと白米なら子ども用の茶碗に軽く1杯、食パンは6枚切りを半分がおおよその目安です。

しかし子どもの食事量は個人差が大きくさらに食べムラもある時期なので、育児書やインターネットなどに載っている1歳児の食事量はあくまで目安と考えて、自分の子どもがどれくらいなら無理なく食べるのか毎日チェックし適量を見つけてあげましょう。

さらに1歳児は胃の容量が小さく1日3回の食事だけでは必要な栄養素・カロリーを摂ることは出来ません。
ですから1日1~2回のおやつ(補食)で足りない分を補えばよいのです。

もしも食事の時間にあまり食べず栄養不足が心配であれば、おやつの時間にお菓子ではなく小さなおにぎりや野菜スティック、果物などを食べさせるようにするといいかもしれません。

食事を投げる1歳児に効果的な対策その③

3つ目の対策ですが、これは子どもに対する対策というよりもお母さん自身が楽になるための方法です。
ずばり「汚されてもOKな環境を作る」ことです。

真っ白な壁にケチャップやソースが飛び散る、フローリングや絨毯に納豆ごはんを落とされる、汁物をひっくり返されて床が水浸しになる…どれも想像するだけでイライラしたり疲れてしまうような状況ですよね。
そうならないために先回りして予防線を張るのです。

1歳児が食事を投げることで一番片付けが大変なのは床だと思いますが、子ども用のイスの下に新聞紙やレジャーシートを敷いておけばある程度は受け止めてくれるので片付けが楽になります。
新聞紙ならそのままゴミ箱へ、レジャーシートは汚れが落ちやすい素材ですのでサッと拭くだけで片付けは終了です。
私自身これを実践することで食事の時間のイライラが格段に減りました。
もちろん準備した食事で遊ばれるのは腹が立つし悲しくもなりますが、片付けの手間が減るというのは気持ちにゆとりが生まれます。

子ども用品店には食べこぼし対策用のマットも売られています。
床だけでなくテーブル用もあるのでぜひチェックしてみてくださいね。

食事の時間というのは子育て中のお母さんにとって大変な時間だと思います。
毎日毎食が闘いだと言っても過言ではありません。
でもイライラ叱ってばかりじゃなく「食事って楽しい」と子どもに思ってもらいたいですよね。

少しでも気持ちに余裕が持てるように、汚されてもいいように対策をすることはとても有効だと考えます。

マナーを守って楽しい食事の時間を過ごしましょう

1歳児が食事を投げるのは成長過程のひとつとして仕方がない部分もありますが、それを見守るのと放置するのでは大きな差があります。

将来困らないためには小さな頃からのしつけが肝心です。
正しいマナーを身につけ、家族みんなで楽しい食事の時間を過ごしましょう。