お米を炊くとき、水の量はどうやって測りますか?
おそらく、炊飯器の釜の内側のメモリを基準に測っている人がほとんどかと思います。
しかし、炊飯器によって、硬くなりすぎたり、柔らかすぎたりすることもありますよね。
水の量はそのまま食感に関わってくる非常に重要なポイントです。
1合のお米に対して、何ccの水を入れたら良いのか、3合の時はどうか…不安になる必要はありませんが、知っておくといざという時に安心ですよね。
日本人なら知っておいて損はない、炊飯器の歴史を振り返りつつ、水の量を決める簡単な法則があるので紹介します。
昔の炊飯…かまどでお米を3合炊くときの水の量は?
”お米を炊く”そう聞いて、最初に浮かぶ炊飯方法はなんでしょう。
99%の方が、炊飯器を連想されたのではないでしょうか。
現代では当たり前の炊飯器ですが、今の炊飯器の元となる、炊飯電熱器が日本で初めて発売されたのは、1921年のことでした。
それまでは当然、かまどでご飯を炊いていたわけです。
かまどでの炊飯、映画やテレビで見たことはあっても、実際に経験がある方は少ないのではないでしょうか。
かまどに羽釜の周りに付いている輪っかのようなものを引っ掛けて、羽釜にお米と水を入れて炊いていた訳ですが、その頃にも今と同じように羽釜の内側にメモリがついていた…なんてことは、あり得ませんよね。
では水の量をどのようにして測っていたのか、気になるところです。
実はこの頃の測り方は、結構アバウトなものでした。
お米と水を入れたら、お米がでこぼこしないように、サッと均します。
そして、お米に指を垂直につけて、中指の第一関節までのところに水面がくるように、という何ともいい加減な方法。
これは、お米が3合だろうが5合だろうが同じだったとか…。
本当にそれで間違いなく測れるのでしょうか。
しかし、実際に使われていた方法なのです。
指の長さや、羽釜の大きさによって、違いは出なかったのだろうか?と思いますが、美味しいご飯が炊けていたのでしょうか。
電気炊飯器の登場で水の量もばっちり!おひつにはご飯3合入る?
かまどと羽釜を卒業して、炊飯電熱器や電気釜を経て、1960年に自動保温の機能が付いた炊飯器が発売されました。
さぞ画期的だったでしょうね。
今となっては当たり前の保温機能ですが、羽釜で炊飯していた頃は、炊きあがったご飯はおひつで保管していたでしょうから、当然時間が経つと冷めます。
寒い時期には、飯びつ入れという、藁でできた保温できる入れ物に、おひつごと入れて保温していたそうです。
それだとたくさん炊飯して、たくさん保管しておきたくても、限界はありますよね。
おひつにはサイズがあって、3合保管できるもの、10合以上保管できるものなど様々だそうです。
ところが登場した炊飯器は、一定時間の保温ができる、今までにないものだったでしょうから、高額でも手に入れたいと思う方が多かったようですね。
当然、羽釜とは違い、内側にメモリもついているので、水の量も、それを基準に測るという風に変わっていったことでしょう。
その後、微妙な火加減が調節できるマイコンジャーや圧力をかけることで、ふっくらと炊飯できるIH炊飯器などが発売され、今では釜の内側に特殊な加工をされているものや、蒸気が気にならない工夫をされているものまで、様々な炊飯器が登場しました。
値段もピンキリで、1万円いかないものから10万円を超えるものまであります。
3合炊きから10合炊き以上とサイズも様々、あなたに合う炊飯器は?水の量も工夫をしよう
炊飯器登場から90年以上経ち、驚くべき進化を遂げてきた炊飯器ですが、それは炊飯の仕方や、保温機能だけではありません。
今では1合炊きから20合炊きなんていうものまで、様々なサイズが展開されています。
一人暮らしの方の中には、3合炊きで十分という方もおられるのではないでしょうか。
確かに10合炊き、5合炊きに比べると、3合炊きの炊飯器の方が値段も安価で、少量を炊飯する分には、美味しく炊くことができます。
10合炊きで3合炊くだけなんて、電気代がもったいないです。
しかも必然的に大きさも変わってくるので、コンパクトな3合炊きは、一人暮らしにはもってこいですね。
しかし家族の人数によっては、やはり5合炊き、10合炊きが必要になってくるでしょう。
2人暮らしや核家族では5合炊きという方もおられるかもしれませんが、子供の年齢によっては、5合炊きでは間に合わない!ということになりかねません。
やはり、その時々のライフスタイルに合わせて選ばなければいけませんね。
ご飯の硬さも、人それぞれ好みがありますので、水の量もその家庭毎に違ってくるでしょう。
そもそも「3合炊き」、「5合炊き」の「合」とは?
合とは、お米やお酒を測る時によく使われる単位で、1合=180ccです。
2合、3合になると、2倍3倍の360cc、540ccという具合に増えていきます。
炊きあがりの量で考えると、1合のお米を炊飯したときは、お茶碗2杯分強くらいになります。
(お茶碗の大きさにもよりますが、一般的なものをご想像ください)。
成人男性2人前より少し多いくらいですかね。
筆者が一人暮らしをしていた時は、3合炊きで3合炊飯し、1食分食べた残りは、1人前ずつラップで包んで冷凍していました。
冷凍すると多少パサつくので、水の量をほんの少し多めにして炊くのが、好みでした。
1合=180cc。では水の量も180cc?炊飯器でなくても、3合、5合とお米が増えても使える法則とは
それではいよいよ、水の量を測る法則の紹介です。
結論から言うと、1合のお米を炊飯する時、水の量は180ccです。
なんとそのまま「=」なのです!
しかし、お米を炊くときのお米と水の量の比率は、”1:1.2”です。
「あれ?=ではないの?」と思われましたか?
実は単位が少々違います。
お米は液体ではないので、本来ccで測ることができません。
お米はgで測ることになります。
したがって正確には、1合=180cc=米150gになります。
”1:1.2”は”1cc:1.2cc”ではなく、”1g:1.2cc”なのです。
よって、150g(米):180cc(水)の法則が完成します。
この法則を使えば、お米の量がいくら増えても大丈夫です。
3合のお米を炊くなら、360ccの水、5合炊くなら900ccですね。
とっても簡単ですから、どうしても不安であればご家庭の炊飯器で、メモリを使わず水を入れてみて、後で確認してみてください。
水の量をマスターして、もっと美味しく炊飯しよう!3合~5合くらいなら覚えるのも良し!
1:1.2と前述しましたが、それはお米の古い新しいによって、少しずつ変わってきます。
例えば古いお米は新しいお米に比べて水を多く必要としますので、比率としては1:1.3くらいが良いでしょう。
新しいものは1:1.1くらいです。
細かいようですが、水の量をマスターすることで、炊きあがりに明らかに差が出ます。
3合や5合くらいなら、覚えてしまってもいいですね!
バーベキューなんかで、「3合炊くけど、水どれくらい入れたらいい?」と困っている友達に、「360ccよ」なんて教えてあげられたら、かっこいいですよね!
それから、夏場、冬場で変わってくるのが、吸水時間です。
お米を炊飯器にセットし、スイッチを入れる前に、少し吸水時間を設けてください。
夏場であれば1時間、冬場は2時間ほど、水に浸しておくのです。
そうすることで、お米が水を吸って、ふっくら美味しいごはんが炊きあがります。
ぜひ試してみてください。
日本人の喜び、お米を美味しく炊飯して幸せを感じましょう!
美味しいお米が炊けると、日本人に生まれてよかった!と思いますよね。
お米の炊飯で最も重要なのは水の量です。
今回紹介した法則を使ったうえで、ご自分の好みの水の量を探求してみてはいかがでしょう。
バーベキュー、飯ごうで炊飯することになった、親戚の家で「お米3合炊いておいて」と頼まれ、初めての炊飯器を使わないといけないなど、水の量を考えてしまう場面に出くわしたら、ぜひ今回紹介した法則を使ってみてください。
きっと美味しいご飯が炊けて、幸せを感じられることでしょう。