千葉県は、都心から近く、アミューズメント施設も多く存在し、ベッドタウンというイメージをお持ちの方も多いと思います。
しかし、実は千葉県は農業生産が全国でも上位の県なのです。
海に囲まれているので海産物も豊富ですし、醤油の生産量一位でもあるのです。
そんな魅力たっぷりの千葉県の農業生産物についてお話します。
千葉県代表農業生産物!もちろん全国生産量一位!
千葉県の代表的な農業生産物は落花生です。
日本国内の落花生の流通量は、約9割が外国産で、残り約1割が国内産です。
その国内産の中で約7割が千葉県で生産されており、全国生産量一位となっています。
千葉県産落花生は、味が良いと消費者に好評を得ているのが理由の一つでしょう。
このような千葉県産の落花生には、主に以下の品種があります。
・千葉半立(ちばはんだち)
昭和28年千葉県農業試験場で在来品種から選抜育成した品種。
同年本県奨励品種に採用。
独特な風味で、人気があります。
千葉県作付面積の65%で栽培しています。
・ナカテユタカ
「関東8号」と「334A」とを交配した品種です。
昭和54年に県奨励品種に採用されました。
子実は大きく、甘味が強いです。
・郷の香(さとのか)
「ナカテユタカ」と「八系192」とを交配した品種です。
平成8年に本県奨励品種に採用。
早生の大粒です。
ゆで落花生によく、甘みがあります。
・おおまさり
「ナカテユタカ」と極大粒品種「ジェンキンスジャンボ」とを交配した晩生品種です。
平成19年12月に品種登録の出願公表がされました。
莢が他の品種の約2倍あります。
ゆで落花生によく、甘みが強いです。
千葉県といえば落花生!選び方を覚えよう!
千葉県の農業生産物では落花生が全国生産量一位だとお話ししました。
では、美味しい落花生とは一体どういうものでしょう。
落花生のよいものは、カルシウムを十分に吸収しており、さやが固くなっています。
収穫が早いと、さやがきれいなままですので注意でしてください。
・美味しい落花生
「千葉半立」が一番味がよく、美味しい品種といわれています。
また実はしわが無く、渋皮の色が濃いものがよいものです。
渋皮が赤い色のものは、多くの栄養分(ビタミンC、E)を含んでいます。
実の大きさでは「ナカテユタカ」の方が「千葉半立」より一回り大きいですが、実が丸くて大きくなったものは、収穫が遅れたもので、適期に収穫したものより味が悪くなります。
特に「ナカテユタカ」は収穫が遅れると品質が急激に落ちます。
・落花生の保存方法
落花生には脂肪が多く含まれいるので、保存が悪いと、脂肪が酸化して味が悪くなります。
保存する時は、むき実にして、容器に入れて密閉し冷蔵庫で保存してください。
・11月11日はピーナッツの日
ピーナッツは一つの莢に二つの豆が入っていることから、11が二つ連なるこの日をピーナッツの日としています。
・なぜ「落花生」?
落花生は、地上の花の基部から出た子房柄が土の中にもぐり、実が土の中で出来ていきます。
花が落ちて豆が生まれるという意味から「落花生」といわれるようになったようです。
果物でも全国一位があります!
千葉県は農業生産物の中で、落花生の他に日本梨も全国生産量第一位です。
東京近郊で人口の多い千葉県北西部で多く栽培しています
千葉県産の梨には、主に以下の品種があります。
●幸水
果肉は緻密で、甘みも強く、独特の風味をしています。
●豊水
果実は「幸水」より大きく、甘味が多く、果汁も多く酸味と甘みのバランスのとれた梨です。
特に、完熟した「豊水」は、ほんとうに美味しいです。
●新高(にいたか)
果実は大型で、1kg以上になることもあります。
果肉はやや粗いですが、柔らかくて甘みも強く、香気も豊かな高品質な梨です。
●あきづき
果肉は柔らかく、果汁も多く、甘味が多く酸味が少ないです。
●二十世紀
果皮が黄緑色で、果肉は柔らかく、果汁も多く甘味があります。
明治31年に”二十世紀の王者の果物”の意味で命名されました。
●かおり
大型の青ナシで、特徴的な香りがあります。
果肉はやや硬く、肉質は粗いですが、甘味が強いです。
千葉県産の梨を美味しく食べよう
千葉県は農業が盛んですが、果物の梨が全国生産量第一位だとお話ししました。
そんな梨にはいろいろな品種があるのですが、馴染みのあるのが『幸水』と『豊水』でしょう。
しかしこれらは一体何が違うのでしょう?
・幸水
幸水は別名赤梨ともいわれ、果皮がわずかに茶色です。
やや扁平気味の丸みがあり、お尻のところに深い窪みがあります。
果肉が軟らかく、果汁が多く甘味が強いのが大きな特徴です。
・豊水
幸水よりやや大きく、円形です。
果皮は黄金色で、全体にぷつぷつ模様があります。
果汁が多く、糖度が高く酸味もあり、全体として濃厚な味がします。
・美味しい梨の見分け方
形がふっくらとして丸みがあり、果皮に張りがあり、つるつるしているもの。
また重みがあるもの。
・梨の美味しい食べ方
冷蔵庫で冷やすとより甘みが増して美味しくなります。
しかし、冷やしすぎると甘みを感じなくなるので、食べる1~2時間前ぐらいに冷蔵庫で冷やすと美味しく食べられるでしょう。
また、梨は皮に近いほど甘く、特に梨のお尻付近の皮に近い部分が最も甘いです。
梨を食べる時には、なるべく皮を薄く剥いた方が美味しく食べられます。
・梨の効能
梨の約90%は水分で、残り10%は食物繊維やアミノ酸などです。
梨の成分のソルビトールは、体への吸収がゆるやか、便通改善の作用があります。
また、カリウムは、血液をサラサラにし、血圧を下げる効果があります。
まだまだある千葉県が生産一位の農業生産物
千葉県の農業生産物で全国生産量第一位のものがまだまだあります。
●春菊
春菊は独特の香りを持ち、冬の鍋料理に欠かせません。
湯通ししてポン酢や醤油で食べたり、サラダや天ぷら、中華炒めなどでもオススメです。
●パセリ
添え物としてよく使用されます。
かき揚げや、他の野菜と合わせたサラダ、細かく切ってパスタやスープの浮き実などに使用されます。
●カブ
千葉県が全国生産第一位です。
主に柏市のある東葛飾地域(県北西部)で生産され、真夏を除き一年中出荷されています。
●食用菜花
全国生産第一位です。
千葉県の花は”菜の花”です。
主に安房地域(県南端)で生産されています。
菜花の天ぷらなどがあります。
●エダマメ
千葉県が全国生産第一位です。
世界各地で”EDAMAME”で通用するほど人気があります。
●サヤインゲン
千葉県が全国生産第一位です。
煮物などでおなじみです。
サヤインゲンは”若いインゲンマメ”をいいます。
サヤインゲンを収穫せずに完熟させるとインゲンマメとなり、こちらは北海道が生産量第一位です。
千葉県で農業体験してみませんか
千葉県は多くの全国生産量第一位の農業生産物があるのがお分かりいただけたでしょう。それだけ農業が盛んであるということです。
都心部に住んでいる人には「土」に触れることはほとんどないのではありませんか。
そんな親子にオススメなのが「千葉での農業体験」です。
無料で農家の方が指導してくれるものもあります。
米は日本で自給できる数少ない穀物で、日本人の主食として欠かせません。
一方、こどもたちが、米はどこで、どのように作られているのかを知る機会はほとんどありません。
そこで、米作り体験学習では、地域を理解し、食文化を継承し、自然の恵みや勤労の重要性などを理解する機会となります。
これは子供達が食に対する正しい知識と食習慣を身につける機会にもなるのです。
さらに、米作りでは、自然と人との共存の重要性を体験として学ぶ機会でもあります。
田園は、水田、水路、あぜ道、土手、ため池などで出来ており、豊かな生態系と多様性を築いていました。
日本の米作りは、そうした多種多様な生き物と人間とが共存共生してきたのです。
しかし農薬や化学肥料が大量に使用されると、多くの生き物は次第にその姿を消していき、豊かで多種多様な生態系が無くなっていったのです。
米作りを、減農薬・減化学肥料、可能ならば農薬や化学肥料を全く使用しないようにできれば、生物の多様性と生態系は再び取り戻せることができるのです。
産地にこだわって野菜を選びませんか
千葉県というひとつの県だけでも、いろいろな農業生産物があり、それぞれ美味しくしようと努力し、発展しようとしています。
スーパーでお野菜や果物を買うときに、産地を見ていますか?
国産の野菜を食べるということは、日本の農業の発展につながる一歩です。
産地にこだわって食材を選んでみるというのも、たまにはいかがでしょう?