お餅やお赤飯、おこわの原料となるもち米は、もちもちとした食感が特徴で、とても美味しいですよね。
普段、私達が口にしている白米は玄米を精米(精白)したお米のことで、精米・精白米とも言います。
白米を炊いたご飯は、消化も食感も良く美味しいですよね。
味が淡白なので、様々な副食にもよく合います。
今回は、もち米と白米の違いと、それぞれの栄養、美味しいレシピを紹介します。
もち米の品種のあれこれ
白米の種類は結構知っている方も多いと思いますが、もち米の種類はあまり知らないという方が多いのではないでしょうか。
そこで今回はもち米の品種を紹介したいと思います。
「ヒメノモチ」
全国13県で作付されており、お米自体がとても白いので、お餅にすると綺麗な焼き上がりになります。
味が淡白なのでおこわや赤飯に向いています。
「こがねもち」
新潟で誕生したもち米で、穂先が黄金色だった事からこう呼ばれています。
舌触りが良く新潟名産の笹団子に使われています。
「ヒヨクモチ」
福岡県で誕生した、九州地方のみで作付けされています。
きめが細かく粘り強いので、のしもちや大福にも多く使われています。
「はくちょうもち」
1989年と比較的新しく誕生したもち米で、主に北海道産の物が流通しています。
炊飯器で炊けるもち米で一般家庭で多く食べられています。
おはぎにも向いています。
「カグラモチ」
もち米の中では栄養価が高く、最高級の品種です。
埼玉県で誕生しましたが、現在は石川県産が多いです。
白米ともち米の栄養成分などの違いは?
白米ももち米も基本的な栄養成分に変わりはありません。
ただ主成分のでんぷんを構成する糖の成分により、見た目や炊いた時の食感が変わってくるのです。
もち米のでんぷんの糖の成分は「アミロペクチン」100%でこれが強い粘りを生み出しています。
一方白米(うるち米)はこのアミロペクチンは80%で、残り20%が「アミロース」という糖の成分です。
一般的にアミロースはアミロペクチンと比べ劣化が早いので、なるべく含まれていない白米の方が上質と言われています。
また温度が2~3℃の時に劣化しやすくなると言われているので、冷蔵庫に入れた場合お餅に比べてご飯の方が劣化が早いと言えそうです。
また最近では意図的にアミロースの含有量をコントロールしている白米もあります。
含有量が少ない米はもち米との中間的な位置付けで粘りがかなり強くなります。
食味が劣る米にブレンドすると美味しくなります。
含有量が多ければ自然と粘りが無くなりパサパサした米になります。
一般食向けでは無くなりますが、ピラフやチャーハン作りには適していますし、少し硬めのせんべいなど、新食感の米菓の原料として期待されている様です。
もち米製品の餅と白米の栄養の比較
もち米と言えばおこわや赤飯などで食べる事もありますが、やはり一般的なのはお餅でしょう。
そこでここでは、お餅にした場合白米と比べて栄養素がどう違うのか比較してみましょう。
まず見た目通りですが、含まれる水分量が大きく違います。
白米は60%が水分ですが、お餅は45%程度になります。
その分お餅の方が栄養素が凝縮されているので、たんぱく質や炭水化物は白米よりも多くなります。
その他の成分に大きな差はありませんし、どちらかだけに偏っている成分も見受けられません。
「正月にお餅食べ過ぎて太った」みたいな意見を良く聞きますが、カロリーを見るとご飯茶碗1杯分で切り餅2個分くらいです。
確かに同じ分量で比べてみると白米よりは高カロリーですが、腹持ち的には同じくらいと考えて良さそうです。
同じ主食として考えた場合、パンや麺類と比べれば明らかにカロリーは低いので、お餅だけが原因ではなく、何でも食べ過ぎれば太るという事でしょう。
もち米からはお餅を!白米からは五平餅を作ってみよう!
ではここからは、もち米からお餅を作るレシピを紹介します。
今回は餅つき機ではなく、近年流行りのホームベーカリー(餅つき機能なし)を使って作ってみます。
【材料】(5人分)
・もち米3合
・水適量
・餅とり粉(片栗粉でもOK)
【作り方】
1)炊飯器のおこわのラインより90㏄位少なめの水でもち米を炊きます。
2)炊き上がったらホームベーカリーに移して、パン生地を作るコースで15分こねます。
3)水でぬれた手で取り出したら、餅とり粉を引いた容器にちぎりながら並べてください。
さてお餅と言えば、白米から作る「五平餅」も有名です。
ご家庭でも簡単に作れますし、甘いのでお子さんも喜んで食べてくれると思います。
味噌を使っているので栄養価も高いです。
【材料】
・白米適量
・赤みそ適量
・砂糖適量
・みりん適量
【作り方】
1)タレは赤みそ:砂糖=1:1の量で混ぜ、みりんで伸ばします。
2)ご飯を適量ラップにとり手で揉んでつぶしてから串に刺してください。
3)180℃に熱したホットプレートかフライパンで焼き色が付くまで両面を焼きましょう。
4)たっぷりとタレをぬって完成です。
もち米から作ったお餅を使ったおかずレシピ
さてせっかくもち米からお餅を作ったという事で、少しアレンジしてみましょう。
オススメのレシピを紹介します。
胡麻油の醤油ネギ塩焼き餅
【材料】(餅1個分)
・切り餅1個
・胡麻油 適量(小さじ1/3~)
・★長ネギ6cm
・★胡麻油 小さじ1/2~
・☆ガーリックハーブソルト適量
・☆こしょう少々
・☆山椒 少々
・海苔5cm角程度
・醤油適量
【作り方】
1)長ネギをみじん切りと細い輪切りに分けておきます。
2)フライパンにごま油を引き、餅を鍋の端で焼きましょう。
3)空きスペースで長ネギと☆を合わせ、ネギがしんなりするまで炒めます。
4)鍋肌から醤油を回し入れ、ざっと餅にからめてください。
5)炒めた長ネギを乗せ、海苔を下に引いたら完成です。
コツ・ポイント
●ごま油は最初少な目にして味を整えながら足した方が良いかもしれません。
●フッ素コートのフライパンを使うとくっつかなくて良いです。
●ちょっと栄養過多でカロリーは気になりますが、おかずとして白米にも合うと思います。
白米と玄米で栄養たっぷりご飯の作り方
今回はもち米や白米について見てきましが、最後に米の中で最も栄養価の高い「玄米」の話もしておきましょう。
玄米とは籾から殻だけを外したお米の事で、スーパーフードとも呼ばれ、健康食やダイエットに効果があると注目されています。
白米は玄米からぬか層と胚芽を取り除いた物ですが、お米の栄養素のほとんどはこのぬかと胚芽に含まれています。
その為玄米は白米に比べて栄養価が高く、我々の体に有用な栄養素が多いのも特徴です。
玄米は白米に比べると消化が良くありませんし、味も落ちるので敬遠されがちです。
しかしこのブームの為、美味しく炊くコツや、分つき米と言って完全に白米に精米しない方法などが紹介されており、大分受け入れられているのも事実です。
土鍋や圧力鍋で炊く方法もありますし、炊飯器にも玄米モードは必ずと言って良いほど付いています。
また色々な穀物と混ぜて炊く方法もあるので、色々と検索してみて下さい。
どうしても味が気になる方は、最初は普通の白米と混ぜて炊いて、徐々に慣れていけば良いと思います。
白米にもち米を入れて炊くと美味しさアップ!
いかがでしたか。
もち米をお餅にしても、お米とほぼ同じ栄養成分が補給できるのですね。
寒い時期には、白米の代わりの炭水化物源とすることもできます。
白米には、消化機能を高めたり体力をつけたりする働きがありますが、もち米にも消化促進、体力増強、冷え性改善、疲労回復効果などが期待できます。
今回紹介したレシピに、ぜひ挑戦してみてください。