和食と洋食の違いとは?それぞれの特徴や栄養の違いとは?

和食と洋食、皆さんはどちらが好みですか?

和食は洋食と違い、ヘルシーなイメージですよね。
そして洋食は、油を多く使っているイメージですよね。

それぞれの特徴や栄養的な違いについて、お話していきたいと思います。

和食と洋食の違い ~和食とは~

和食、洋食、中華、イタリアンなど…巷には、色々な種類の料理があります。

それぞれに違いがあって、優劣をつけるものでは無いですが、日本人としては、やはり「和食」にこだわっていきたいですよね。

ただ、漠然と和食と言っても、その定義をご存じない方が結構いらっしゃるのではないでしょうか?

そんなわけで、ここでは和食についてお話していきます。

和食とは主に、お米のご飯とお汁・漬物・おかずを組み合わせた食事を指します。
最も基本的な献立を「一汁三菜」と言って、ご飯・お汁・おかず3品(肉や魚が1品+野菜2品)の組み合わせです。

また、自然のものを生で食するのが、大きな特徴です。
魚を生で食べる文化は、日本以外ではあまり見られないと思います。

そして、調理には多くの水を使い、ダシを取るのも特徴的です。

主な調理方法は、焼く・煮る・蒸すなどで、味付けは素材の味を活かすため、至ってシンプルです。
調味料も大豆由来の醤油や味噌を使い、香辛料などを使わないため、基本的には薄味です。

先ほどお話した一汁三菜をベースに、それを1品ずつ順番に並べていくのが、和食の代表的スタイルである懐石料理です。

また、和菓子についても、日本特有の考え方があり、季節を1ヶ月ほど先取りするのが基本です。
これは、洋菓子にはない発想だと思います。

 

和食と洋食の違い ~洋食とは~

さて、よく和食との違いが取りだたされる「洋食」とは、どんな料理を指すのでしょうか?

広い意味で言えば、「西洋料理そのもの」と「西洋風の料理」となるのですが、日本で「洋食」と言えば、基本的には「西洋風の日本料理」のことを指します。

鎖国が終わった明治時代から、徐々に西洋の文化が取り入れられてきましたが、料理もそのひとつでありました。

最初は、西洋料理の技術は伝わるけど、肝心の食材は日本に無い物も多く、代替品がしばしば使われていたそうです。

また、日本人の口に合うようにアレンジが加えられていく中で、西洋風日本料理が生まれていったのです。

その代表がポークカツレツで、日本では後に「とんかつ」と呼ばれ、まさに一汁三菜のおかずの1品として、日本料理へと変貌しました。

さらに時代が進むと、マカロニグラタン・ビーフシチュー・ビフテキ(牛肉のステーキ)など、西洋の技術をそのままに踏襲している料理。
カレーライスやコロッケなど、西洋風日本料理が融合し、日本独自の「洋食」が発展していきました。

 

和食と洋食の栄養の違いとは?

では、和食と洋食の違いを栄養素を中心に比較してみましょう。

和食は、ご飯に魚、野菜が中心となります。
そのため、脂質と動物性のタンパク質が少ないので、ヘルシーとは言えます。

ただし、醤油や味噌、塩を使う文化なので、どうしても塩分過多になります。

また、ご飯は炭水化物の中でも、とくに糖質の高い食物です。
そのため、他の食べ物とバランスよく食べなければ、太る原因になると言っても過言ではありません。

一方、洋食は肉・玉子・乳製品が多くなり、調理にも油を多く使うため、脂質やタンパク質が多くなります。

そのため、脂肪やコレステロールを溜めやすくなるので、成人病や血液系の疾病を発症するリスクがあります。

また、野菜や豆類に多く含まれている食物繊維も不足がちになるので、腸内環境も気になります。

あとは、和洋食の違いでは無いかもしれませんが、加工食品をよく摂る欧米人にありがちな、ビタミン・ミネラル不足も考えなければなりません。

ビタミン・ミネラルは、自然の素材に含まれていることが多いため、日本の場合、以前はそんなに深刻な問題でもなかったのです。

しかし、食の欧米化に伴い、加工食品を口にする機会が増え、徐々に問題化しつつあるので気を付けていきたいですね。

 

和食と洋食の違いのひとつは塩分量?

上記のように、和食は洋食と違い、栄養のバランスが良い物と考えて良さそうです。

国によっては、日本のご飯に当たる主食という考え方が無い国もあるそうです。

そして、和食は一汁三菜の中でそれぞれが良い点を共有し、欠点を補い合っているものでもあります。

例を挙げれば、糖質の高いご飯に対して、魚や野菜を摂ることで、過多な糖質を分解し、脂肪の吸収を抑えているのです。
この点を鑑みても、和食は大変にバランスが良いものでしょう。

しかし、和食の唯一の欠点と言えるのが、塩分が多いことです。

醤油や味噌など、塩分濃度の高い調味料を使った料理が多いですし、塩そのものも和食には欠かせません。

さらに、毎日の食卓に上がる漬物・魚の干物・塩辛・たらこなど、ご飯が進むものは、一様に塩分が高いのです。

また、日本独自の文化と言える味噌汁などは、仮に1日3食飲むと、それだけで1日の塩分適正量の70%を超えてしまいます。

当然、味噌汁以外の塩分も摂らなければなりませんので、過剰摂取になるのです。

何にでも醤油をかけてしまったりするのも、日本人の特徴なのかなと思いますが、気を付けたいところですね。

 

洋食は和食と比べると身体に悪いの?

一方、洋食は和食とは違い、確かに全体的に高カロリーではあります。
しかし、カロリーが高いからと言って、敬遠してばかりでもダメなのです。

日本人の寿命が伸びたのは、医療の革新はもちろんですが、実は西洋から肉を食べる文化が入ってきたおかげと言う研究者もいます。

肉の主な成分は、動物性のタンパク質です。
この動物性タンパク質には、人間の体に不足している必須アミノ酸のバランスが、植物性よりも優れています。

アミノ酸は人間の細胞を作る物ですから、不足すれば体の至るところに障害が生じますので、適度な摂取は当然必要なのです。

また、動物性タンパク質は、体への吸収力が植物性の倍近くあるので、しっかりと栄養が摂れます。

上記のことから考えれば、良質なタンパク質を効率良く摂れるのは、肉に多く含まれる動物性タンパク質の方と言えるわけです。

近年は高齢化社会で、お年寄りの食事が問題になっています。
健康のために、ヘルシーなものを選ぶのは悪くありませんが、肉類をあからさまに避ける傾向があるようです。

その結果、タンパク質不足となり、免疫力や体力の低下に繋がっていると聞きます。

外食と違い、家庭なら油の量や具材の量を調節できるぶん、カロリーは抑えられますから、肉や乳製品を使う洋食を敬遠しすぎる必要は無いでしょう。

 

健康な身体作り!朝ごはんは和食と洋食どっちがいいの?

朝食はパン派?ご飯派?

よく議論されるところですが、実際には、どちらが適しているのか考えてみましょう。

結論から先に言ってしまうと、ご飯の方がより適しています。

まず、ご飯(白米)には、消化を遅くさせる成分が含まれているので、「腹持ち」が良いと言われています。

あとは、それぞれを単体で食べる訳ではなく、一緒に食べるものに違いがあるはずです。
パンには、洋食っぽいソーセージやハム、ご飯には、焼き魚や納豆などの和食っぽい物を一緒に食べます。

やはり、このような組み合わせになると、ご飯食の方が栄養のバランスが良いと言わざるを得ません。

人間は朝食も含め、1日30品目を摂るのが目標とされており、数はともあれ、バランスの良い食事を心がけなければなりません。

バランスの良さを考えれば、必然と和食が中心になりますが、魚や野菜ばかりでなく、適度に肉や乳製品を摂る必要性は上記した通りです。

そして、油の量や塩分に気を付けて、たくさんの食材を少しずつ摂り入れる食事を、目指していただきたいと思います。

 

健康維持なら和食を!

いかがでしたか。

和食にも洋食にも、魅力はたくさんありますよね。

結局は好みになってしまうのでしょうが。
どちらもバランスの良い食事にすることが重要ですので、偏った食事はしないように心掛けましょう。

健康な身体を目指している方、今の健康を維持したい方は、和食を中心にバランスの取れた食事にすると良いかもしれませんね。