料理が好きで、力をいれている方は、作る料理によって、白砂糖と黒糖を使い分けている方も多いと思います。
白砂糖と黒糖の違いで、明らかに認識できるのは、色の違いですよね。
実は、白砂糖と黒糖(黒砂糖)は、栄養面にも違いがあるのです!
そこで今回は、白砂糖と黒糖(黒砂糖)、合わせて天然の甘味料のはちみつの栄養面との違いについてご紹介します!
砂糖の種類のあれこれ
砂糖と黒糖の違いをご存知でしょうか?
この2つの違いには、作り方と栄養素の違いがあります。
まず砂糖というものについて、種類がどれくらいあるかご存知でしょうか。
日本で最もよく使われているのは「上白糖」です。
一般的に白砂糖といえば上白糖を指します。
お菓子によく使われる「グラニュー糖」は、上白糖より結晶が大きく高純度な砂糖です。淡白な癖のない甘さが特徴です。
「白双糖」は、グラニュー糖よりさらに大きな結晶で、無色透明です。
砂糖の中で最も甘い砂糖ですね。
「三温糖」は、上白糖やグラニュー糖を取り出したあとに残る糖液を煮詰めて作ります。
「粉砂糖」はパウダーシュガーとも呼ばれています。
グラニュー糖を粉末にしたものです。
コーヒーに入れている「角砂糖」はグラニュー糖を四角に固めた砂糖です。
また、「氷砂糖」「顆粒状糖」「中双糖」といった砂糖や、希少な砂糖の「和三盆」というものもあります。
そして「黒糖」「きび砂糖」「てんさい糖」などさまざまな種類があります。
白砂糖や黒糖などの砂糖はどのように作られるの?
白砂糖と黒糖には作り方の違いがありますが、ではどうやって作るのでしょうか?
まず白砂糖の作り方を見ていきましょう。
白砂糖の原材料は「サトウキビ」「サトウダイコン」です。
「サトウキビ」は暖かい地域で作られます。
沖縄や鹿児島といった場所です。
それから「サトウダイコン」のほうは、逆に寒い地域でも育ちます。
北海道で主に生産されています。
この原料を使って、「原料糖」をまず作っていきます。
サトウキビを収穫して、押しつぶすことでジュースを絞っていきます。
ジュースから不純物を取り除きますが、この時点ではすべてきれいに取り除くことはできません。
これを煮詰めることで結晶ができます。
この結晶を遠心分離し、収集すると「原料糖」ができます。
さらにこの原料糖を溶かして、不純物を丹念に取り除いて無色透明な糖液を作ります。
この糖液を煮詰めます。
すると結晶ができます。
出来上がった結晶から蜜を分離させ、乾かしたら完成です。
「蜜」と分離させる工程からが黒糖との違いです。
黒糖の場合は糖液に蜜を加えて煮詰め、煮詰めた糖液を冷やしながら水分を飛ばしていくことで「含蜜糖」を作ります。
白砂糖と黒糖の違いって?白砂糖について
では白砂糖と黒糖の栄養価での違いについてお話ししましょう。
まず白砂糖について。
白砂糖は日本で発売されている砂糖の7割を占めています。
柔らかい甘さが特徴で、どのような料理にも合わせやすく作っています。
その反面、さきほど見てきたように、蜜分と結晶を分離する工程で、ミネラルなどの栄養素が蜜分に持って行かれてしまうのです。
そのため栄養素はあまりありません。
ところで白砂糖は甘くてたくさん食べたくなる癖がついてしまいますが、この白砂糖の過剰摂取によって何が起こるのでしょうか。
まず、カルシウムが奪われるということが起こります。
砂糖は生成過程で栄養素を失いますので「酸性食品」となります。
しかし、人間の体は基本的に「弱アルカリ性」です。
ですので、砂糖が体内に入ると、中和しようと体内のミネラル分が動きます。
この際カルシウムが最も多く消費されるため、カルシウム不足に陥ります。
カルシウムが不足すると、体内の骨や歯を溶かして供給されますから、虫歯や骨が弱くなる原因となるのです。
さらにカルシウムが奪われると、イライラの原因となったり胃がんや大腸がんを誘発しやすくする原因となります。
また、糖類を分解するときにビタミンB1が必要となり、これが欠乏すると鬱や疲労、貧血、心疾患といったさまざまな症状が引き起こされます。
肥満や心臓病にもなりやすくなります。
白砂糖と黒糖の栄養に違いは?黒糖について
では、白砂糖と違い、黒糖には栄養素が含まれているのでしょうか。
白砂糖と違い、生成過程で蜜分を加える黒糖は、白砂糖よりも栄養素は当然高くなります。
成分としては、糖分のほかにカリウム、カルシウム、鉄分、ミネラルといった成分を含みます。
ミネラルは、骨や歯を強くし、骨粗しょう症の予防につながるカルシウム、リン、マグネシウムが豊富に含まれています。
また、カリウム、亜鉛も含まれています。
カリウムは、血圧を下げ、むくみを解消する作用があります。
亜鉛は髪や爪の健康を保ちます。
白砂糖と比べ、カリウムは約550倍もの量が含まれているのです。
貧血が気にある人にとっては嬉しい鉄分、赤血球の生成に関係のある銅も含まれています。
白砂糖では失われたビタミンB1、B2、B6も含まれていますが、これらは疲労回復、皮膚や粘膜を保護する役割がありますので、美容にもいいでしょう。
フェニルグルコシドは、糖分の吸収を抑え、不必要な糖分は排出し、血糖値上昇を抑えます。
他にも、腸内環境を整えるラフィノース、疲労回復や中性脂肪吸収を抑えるオフタコサノールといった栄養素が含まれています。
砂糖と、はちみつとの違いは?
黒糖に含まれる蜜…はちみつにはどのような成分があるのでしょうか?
ビタミンA、B1、B2、B6、マグネシウム、ミネラル、カリウム、鉄、ポリフェノール、アミノ酸…など挙げきれないほどです。
はちみつは甘いので糖分が高く、カロリーが多いように思われるかもしれませんが、意外にも白砂糖よりもカロリーは低いです。
はちみつは白砂糖の半分の量で同じだけの甘さを感じることができる優れものです。
はちみつによっては、血糖値の上昇が穏やかになるものもあります。
はちみつの糖分は、ブドウ糖と果糖です。
花の蜜の主な成分は白砂糖と同じショ糖ですが、はちみつの場合は白砂糖の生成と違い、ミツバチたちがショ糖を体内の酸素で分解してブドウ糖と果糖にしているのです。
100gあたりのカロリーは、上白糖が384kcalに対し、はちみつは294kcalとなっています。上白糖と比べて低カロリーで、少ない量で甘さを感じられる特徴があるというわけです。
さらに、栄養素もたっぷりです。
ブドウ糖と果糖は「単糖類」で、分解されきっているので、すばやく体のエネルギー源となります。
心臓を動かす筋肉には脂肪酸、骨を動かす骨格筋では脂肪酸とブドウ糖の両方が使われています。
脳のエネルギー源は、多くの糖の中でブドウ糖だけなのです。
健康に良い砂糖選びをしよう
以上のように、白砂糖と黒糖の違いについてみてきました。
黒糖に含まれるはちみつには多くの栄養素があり、生成過程でこれを分離するかどうかで栄養素が変わります。
砂糖は基本的に甘さを抽出するために、この蜜を分離して栄養素を切り離してしまうため、摂取が過剰となると様々なリスクを背負うことになります。
黒糖、テンサイ糖、きび砂糖といった砂糖は、身体にいい砂糖といわれています。
テンサイ糖はサトウダイコンを原料としていて腸内環境にいいオリゴ糖を多く含んでいますし、きび糖もカルシウムやナトリウムを多く含んでいます。
しかし、白砂糖と違い、料理には使いにくく、雑味があると言われています。
白砂糖はどのような料理にも合わせられますが、グラニュー糖、水あめ、氷砂糖などもそうですが、加工されているので栄養があまりなく、血糖値が上がりやすいので、食べ過ぎには注意が必要です。
自分の食生活を見直し、健康に良い砂糖を選び、生活習慣病や肥満症にならないよう注意をしたいものです。
違いを知って、上手に料理に活用しよう
普段何気なく使っている砂糖にはこんなに種類が沢山あるのに驚きませんでしたか。
黒糖に比べて白砂糖のほうが安いし、なじみ深いですよね。
しかし栄養的な観点からみると、健康維持には黒糖の方がオススメです。
白砂糖、黒糖、はちみつの特徴を知って、料理やお菓子作り、そして健康増進のために上手に使い分けていきましょう。