お米の保存方法に悩んでいる方は多いのではないでしょうか?
お米は正しい保存方法でないと美味しくなくなってしまいます。
美味しくなくなる原因について理解し、正しい保存方法を守りたいですよね。
長期保存の場合はなおさらです。
今回は、お米の保存方法についてオススメの方法を紹介します。
また、お米を保存する際に適しているお米についてもお話したいと思います。
お米が美味しくなくなる主な原因は?保存をするなら玄米が良い?
生鮮食品のお米は保存状態で味が落ちたり、食感が悪くなったりして劣化します。
お米が劣化する代表的な原因は、お米の呼吸、お米の酸化、お米の乾燥、お米の虫食い、お米のカビ、お米のにおい移りです。
新鮮な状態でお米を保存するには、このような原因を取り除くことが大切です。
また、長期間のお米の保存になるとより気を付けなくてはいけません。
そのためには正しい保存方法が必要になります。
玄米は呼吸をしていますが、息を吸う吐くというものではなく、空気の中の酸素と栄養素の化学反応のことです。
玄米が呼吸をして栄養素のデンブンが分解されて消耗すると味が悪くなります。
その呼吸はお米の水分量と気温が上がるほど活発化します。
急激な劣化が夏場に多いのもそれが原因ですね。
具体的にはお米の含水率が15~16%以上、気温が15~20℃以上になるとより呼吸が活発になります。
白米は呼吸をしないので心配はいりませんが酸化の心配があり、空気に触れることで酸化して味が落ちます。
白米の表面の糊粉層が分解して味の劣化や古米臭がでたりします。
白米と違い玄米は糊粉層が果皮の層で覆われているので酸化しにくく、また糊粉層のない無洗米は玄米と同じく酸化しづらくなります。
温度が上がるほど白米の酸化も進みますが、10℃以下の保存の場合はほとんど劣化しません。
酸化を調べる時は、白米の米びつに手を入れて、白い粉のようなものが付いてきたら酸化しています。
お米が美味しくなくなる原因を詳しく知ろう!
玄米は豊富な栄養があるので、気温の高い夏には虫がすぐに発生します。
気温が15~20℃で活動を始めて、20~25℃を超えると活動が活発になります。
気温が低い冬は活動せず、春がきて部屋の温度が15℃以上になると虫が突然発生するのはこのためです。
お米は虫を取り除いたら食べれますが、心理的にはいいものではないので虫を寄せ付けないようにしましょう。
お米のカビは、お米に水がかかってしまったり、湿気の多い保管場所でお米の含水率が17%を超えると発生しやすくなります。
梅雨に温度が上がる所での保存はとくに注意しましょう。
お米のカビは、全体的に灰色や黒ずんでいるような色で、手で触るとしっとりした感じてす。
はっきりした色に変色したお米は食べるのをやめましょう。
発生し始めは気が付かないこともあるので、その時の保存の状態により注意しましょう。
発ガン性物質のあるカビもありますが、食べてすぐに死ぬということではなく、長期間食べ続けると健康を害す可能性があるので、お米にカビが発生した場合は食べないほうがよいです。
多湿には注意したいところですが反対に過度な乾燥もよくなく、乾燥した状態で水に入れると割れてしまったり、炊飯すると弾力もなく味もよくないご飯になります。
そして、においが移りやすいお米は、においの強い食材や洗剤、灯油などの近くでの保存は避けましょう。
におい移りも味を損ないますのでお米の保存方法は、密閉容器で保存するのがよいですね。
お米の長期保存 ~冷蔵庫での保存方法~
たくさんのお米を美味しさと鮮度を保ちながら、長期保存するのにはすべての劣化の原因を取り除く必要があります。
先ほど説明しましたお米を劣化させる呼吸、酸化、カビ、乾燥、虫、におい移りなどの原因を取り除きましょう。
どうせなら長期保存する方法や、5~10kgのお米を食べきるくらいの1~2週間の保存方法も一緒に覚えておくといいですね。
冷蔵庫や野菜室での保存が推奨されますが、冷蔵庫が3℃くらいで野菜室は5℃くらいなので、玄米の呼吸や白米の酸化、お米の虫にはかなり有効な方法です。
冷蔵庫でお米の保存をすると乾燥しているので、カビの発生は防げますが乾燥しすぎる可能性があります。
また、冷蔵庫の中の食材のにおいがお米に移ることも考えられるので、密閉性のある米びつ、タッパー、ペットボトルなどの容器に入れるのがベストですね。
ただそれも問題があり、たくさんの量の保存ができないことです。
5~10kgくらいのお米なら入るかもしれませんが、数十kgや数百kgは無理ですね。
お米で冷蔵庫がいっぱいになってしまったり、お米専用の冷蔵庫がある家庭はあまりないと思います。
なので冷蔵庫に密閉容器で保存する場合は、食べる前のお米だけにしてください。
食べきれる分量のお米には冷蔵庫は優れた保存場所になります。
お米の長期保存 ~香辛料・真空パックでの保存方法~
お米を鷹の爪やトウガラシ、にんにくなどを使って保存する方法もあります。
お店で鷹の爪やトウガラシで虫からお米を守る商品が売っていて、虫には一定の効果がある商品もあるみたいですが、虫以外の効果はありません。
冷蔵庫の低温で保存ができない場合の短期間保存にはよいですが、長期間の保存には向いていないのです。
専用の袋にお米を入れて、空気を抜く真空パックはよい保存方法だといえます。
保存袋にもよりますが、カビや乾燥、におい移りはだいたい防げますし、虫の侵入も防げます。
ただし、家庭での食品の真空パックは、お米とお米の隙間の空気が残ってしまう可能性があるので、酸素が残っている場合は呼吸と酸化が進みます。
そしてすでに虫が入っていた場合、その虫が死ぬわけでもないのでよけい面倒になる場合もありますね。
ただ、真空パックにしたお米を保存する場合は手間がかかります。
真空パック専用袋にお米を移し空気を抜いて、ヒートシーラーで完全密閉にしなくてはいけないので、お米を購入するたびにこの手間がかかり面倒だと思います。
主食のお米は消費する量も多いので、頻繁に保存のための作業をしなくてはなりません。
手間のかかる作業や面倒な作業は定着しませんね。
大量のお米を長期保存するのにオススメの保存方法は「無酸素保存」
たくさんのお米の長期間の保存方法はお米を無酸素保存にすることです。
無酸素といっても空気を抜く真空パックではなく、空気中の酸素だけを取り除きます。
無酸素保存するとお米の劣化原因の呼吸、酸化、カビ、乾燥、虫、におい移りがすべて解決できてしまいます。
酸素がなくなると玄米は呼吸できないので劣化もなくなり、白米は酸化しなくなります。密閉するのでにおい移りや乾燥も防ぎます。
何よりもよいことは、酸素濃度0.1%以下の無酸素の状態はカビの発生が抑えられて、この状態を14日間保つと虫や成虫、卵も死滅するのです。
無酸素保存は難しそうなイメージが湧くかもしれませんが、実は簡単に出来る保存方法です。
密閉袋か密閉容器にお米を入れて、そこに脱酸素剤(エージレス、使い捨てカイロ)をいれてから完全密閉するだけです。
脱酸素剤が袋の中の酸素をすべて吸収するのであとは何もせずそのままにします。
脱酸素の状態のお米は半年~1年以上の長期間、新鮮な保存状態になります。
たくさんのお米は無酸素保存をして、食べる前のお米は冷蔵庫で保存するのがよい保存方法だと言えるでしょう。
保存するお米は玄米か無洗米がオススメ!
食品を長期で保存する時は、素材にできるだけ近いほうがよいと言われます。
お米の場合、もみ、玄米、精白米、除糖精米(無洗米)の順番になります。
農家では大型貯蔵庫で温度の管理をしていて、低温の15℃か冷蔵の5℃でお米の保管をしています。
一般家庭での保存方法は無酸素保存にすれば、どのような状態のお米も安全に保存ができます。
次は無酸素保存をするお米の種類を決めます。
栄養の面では玄米がよいですね。
ただし、玄米は消化しにくいのでよく噛んで食べる必要があったり、食べ慣れない場合は違和感を感じたり、胃腸の弱い人も注意が必要です。
なので普段玄米を食べていない家庭は、一定量は白米にしたり無洗米にすることをオススメします。
その中でも無洗米の方が白米よりも酸化しにくいですし、お米を洗わずに炊けるところも無洗米のよいところですね。
また、災害の時などに水が貴重になっている場合には、お米を洗う必要がない無洗米がとても役に立つのです。
正しい方法で保存しましょう
いかがでしたか。
お米の保存方法ってなかなか難しいですよね。
冷蔵保存が良いと聞いても、一般の家庭の冷蔵庫ではスペースに限りがあってなかなか出来ません。
今回オススメした無酸素保存なら、方法も簡単ですし試してみることは出来るかもしれませんね。
また、保存する際は、保存に適した玄米か無洗米にしてみると良いですね。