「精製塩」は体に悪いは本当!?その作り方と成分

海に囲まれた日本では、塩は身近な食品と言えます。

「塩はミネラルが豊富な海からの贈り物」として、昔から、料理の味付けに使われています。

また、殺菌効果に優れているので、食品の貯蔵、保存や口中殺菌にも使われていました。

最近では、スーパーなどで手軽に手に入る「精製塩」のほか、さまざまな種類の塩が、手に入るようになってきましたね。

このように、わたしたちの生活に欠かせない塩は、作り方によって、成分が大きく変わります。

その塩の効果や種類について、ご紹介します。

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作り方が化学的?!一番身近な「食塩=精製塩」とは

「塩」とひとくちに言っても、さまざまな種類があるのをご存知でしょうか。

最近は、スーパーなどでも、扱う塩の種類が多くなってきました。

その中でも、安価で手軽に手に入る「精製塩」についてご紹介しましょう。

「精製塩」は、どこのご家庭にもある、さらさらした水に溶けやすい食塩のことです。

先ほど、塩は「ミネラルが豊富な海からの贈り物」と言いましたが、「精製塩」は、そのミネラルなどの成分を取り除いたもので、99.5%以上「塩化ナトリウム」で出来ています。

では、なぜ体に良いとされているミネラルを取り除いてしまうのでしょうか?

実は、日本の塩自給率はかなり低く、海水から塩を抽出する作り方では、国内の消費を賄いきれないのです。

また、手間の掛かる塩田などの作り方では、かなり高価になってしまいます。

そこで、海水から取った塩を、電気分解して「塩化ナトリウム」を抽出する、「イオン交換膜製塩法」が導入されたのです。

工業的なこの製法は、「塩化ナトリウム」だけを効率良く抽出することが出来るので、高純度で安価な「食塩=精製塩」を作ることが出来ます。

この背景には、日本専売公社が、塩の自給確保と安価で安定流通させたことが大きく影響しています。

その後、1985年に日本専売公社が民営化されたことで、塩の販売が少しずつ自由になってきました。

そして、「精製塩」だけでなく、さまざまな種類の塩が出回るようになったのは、このような事情があったからなのです。

原料や作り方によってこんなに違う「塩」の種類

先ほど、ご紹介した「精製塩」のほかに、塩にはどんな種類のものがあるのでしょうか?

原料や作り方が違うので、その主なものをご紹介しましょう。

【海水塩】

海の水から抽出したもの

・天日塩(てんじつえん)

海水を塩田に引き込み、太陽の熱で、水分を蒸発させる作り方

・釜焚き塩(かまだきえん)

海水を天日濃縮した後、平釜で加熱して水分を蒸発させる作り方

*日本は、湿度が高いため、古くから釜焚き製法が主流

【岩塩】

岩塩層から採れるもの

*日本では、ほとんど取れない岩塩だが、世界の塩の多くは岩塩から出来ている

【湖塩】

塩分の濃い湖水から抽出したもの

*海水が岩塩に変化する途中と言われており、生産量も少なく貴重

*死海、カスピ海などが有名

このように、原料や作り方によって種類が分けられます。

海に囲まれた日本では、海水から塩を作る方法が良く知られていますね。

しかし、世界的に見ると、塩の多くは、岩塩から作られているということに、驚かれた方もいるのではないでしょうか。

作り方によって成分も違う「塩」は奥が深い

「塩」には、原料や作り方に違いがあることを、お分かりいただけたかと思います。

ここからは、「塩」の成分について、ご紹介します。

繰り返しますが、「塩はミネラル豊富な海からの贈り物」と言われます。

確かに、海水から作られる「塩」には、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム、などの成分が含まれています。

しかし、先ほどご紹介した岩塩には、生産地によって違いはあるものの、ナトリウム以外のミネラル成分はほとんど含まれていません。

湖塩は、岩塩に変化する途中、とご紹介しましたが、成分も同じように海塩と岩塩の間くらいです。

そうなると、岩塩や湖塩は、ナトリウム以外のミネラルが含まれていないので、「精製塩」と同じではないか?と思われる方もいるかと思います。

しかし、「精製塩」は、海水を電気分解して、塩化ナトリウムを99.5%以上抽出しているので、化学物質に近いものと考えられます。

だからと言って、体に悪いものが含まれているわけではありません。

何度も言ってきましたが、海水の中の塩化ナトリウムを「効率良く抽出したもの」が「精製塩」です。

その方法が、化学的なだけで、化学物質=体に悪い、と言うわけではありません。

また、海水から作られた「塩」に、ミネラルを添加する作り方を「再生加工塩」と言います。

このように、成分にも大きな違いがあります。

スーパーなどで購入する時には、成分表をよく確かめて、納得したうえで使いましょう。

「精製塩」とその他の「天然塩」味の違いはあるのか?

これまで、「塩」の種類や成分について、ご紹介してきました。

それでは、「味」についてはどうでしょう?

「塩」の成分や作り方が違うと、「味」に影響があるのでしょうか。

確かに「塩」を食べ比べてみると、多少の差はあるように感じますが、それは食感の違いや、塩分の濃さのような気もしますね。

いつも「精製塩」を使っているけど、他の「塩」と比べて大差ない、と思う方もいると思います。

では、本当にそうでしょうか?

成分による味の傾向を見てみましょう。

・カルシウム :甘味
・カリウム  :酸味
・マグネシウム:苦味

次に「塩」の種類による、味の傾向です。

・海水塩:甘味、酸味、苦味のバランスが良く、コクがある
・岩塩 :塩辛さが強い
・湖塩 :マイルドな風味

粒の大きさでも、「味」の感じ方に違いが出るようです。

・大きめ:口の中で塩辛さが長く残る
・小さめ:すっと溶けるので、後味がさっぱりする

料理に使ってしまうと、「塩」それぞれの特徴を感じることは難しいようですが、てんぷらや生野菜、刺身などに用いると、「塩」本来の特徴が味わえるでしょう。

「塩」それぞれの特徴を知ると、それに合った食材や料理を楽しみたくなりますね。

塩分摂り過ぎに注意!「精製塩」は摂り過ぎてはいけない?

近年、「減塩」が定着してきました。

その理由は、塩分を摂りすぎると血圧が上がり、脳梗塞や動脈硬化の原因になるので、控えなくてはいけない、と言うものです。

「減塩」をうたっている商品も、数多く出されていますね。

「精製塩」=塩化ナトリウムで良くないが、ミネラルが含まれた塩なら安心、考える方もいるようです。

塩分を摂り過ぎると、血液の浸透圧を保とうとして血液量が増え、血圧が上がる傾向があるので、塩分が血圧に悪いと言われているのです。

しかし、塩分と血圧については、これまではっきりとした説明はなされていません。

ここで、重要なのは「塩分の摂り過ぎないこと」です。

何でもそうでしょうが、「過ぎる」と良いことはありません。

塩分も「摂り過ぎて」しまうから、支障が出るのです。

ミネラルが豊富に含まれている塩を使っていても、「摂り過ぎて」しまったら同じことです。

また、もっと注意しなくてはならないのは、「精製塩」ではなく、加工食品に含まれる塩分です。

出来合いの総菜やインスタント食品、ハム、ソーセージには、驚くほどの塩分が含まれています。

昔ながらの食品で、作り方や塩分が予想される、梅干しなどの漬物や、味噌、醤油などは、注意出来ますが、加工食品の塩分は、よほど注意しないと摂り過ぎてしまいます。

毎日の食事を工夫し、塩分の「摂り過ぎ」に注意しながら、バランスの良い栄養を摂取しましょう。

減塩し過ぎも恐い!「塩分不足」も不調を招く原因に

先ほどは、「塩」の摂り過ぎに注意とお話しました。

しかし、「塩」が不足してしまうと、体の不調や病気の原因になります。

なんでも、「過ぎる」と良いことはないと言いましたが、「不足し過ぎ」も良くありません。

では、「塩」が不足した場合、どんなことが起こるのでしょうか?

・低血圧
・冷え性
・頭痛
・肩こり
・低体温
・免疫力低下
など

こうして挙げてみると、疲れやストレス、あるいは体質ではないかと思われる症状ですね。

毎日の食事で補えるはずの塩分ですが、充分に補われていないことに、気付かない方も多いのではないでしょうか。

「塩」は、血液循環を良くし、新陳代謝を上げ、体を温める効果ががあるので、不足すると冷え性や低体温、こりなどの原因になることもあるのです。

このように、体から塩分が不足すると、それを補おうと体がさまざまな働きをし、その結果、不調を招くことがあるのです。

例えば、大量の汗をかいてのどが渇いた時に、のどを潤すために一気に水を飲むとします。

この場合、体内の塩分濃度が一気に下がり、脱水症状や熱中症に繋がることがあります。

汗をかいた時には、水分と一緒に塩分を摂る必要があるでしょう。

塩分を摂らないとナトリウムが排出されて、筋肉にも影響が出てしまいます。

また、塩分が不足することで消化液が少なくなり、消化機能が低下し、その結果、食欲不振になることもあります。

このことから分かるように、適度な塩分が体には必要です。

「精製塩」でも、その他の「天然塩」と言われるものでも、作り方や成分が問題なのではなく、摂取の仕方が重要なのです。

体に不可欠な塩分は「精製塩」で充分摂取出来る

このように、わたしたちの体に必要不可欠な塩分ですが、過不足なく摂取するには、安価で手に入りやすい「精製塩」で充分補えます。

また、毎日の食事の作り方を工夫することで、不足しがちなミネラルを補えば、塩分とミネラルバランスが整えられます。

特に「塩」にこだわりを持っていなければ、「精製塩」はその他の「天然塩」に比べて、味も成分もそれほど差はありません。

ご自分に合った「塩」で塩分を上手に取り入れ、健康管理に役立ててください。