味噌作りは塩が不可欠!おすすめの食材で手作り味噌を作ろう

なにかと手作りがブームのなかで、味噌作りも密かに注目されています。

飲めばほっこりとする味噌汁を、ご家庭でも作ってみませんか?

今回は、味噌作りに欠かせない塩と、おすすめの食材をご紹介します。

手作り味噌の工程も参考にしてみてください。

味噌作りの要となる大豆選び!おすすめは?

まず、味噌は大豆選びからはじまります。

大豆は、基本的には輸入のものがほとんどです。

輸入の大豆を使用しても味噌は作れますが、なかには遺伝子組み換えの大豆もあるので、注意しましょう。

国内における大豆の生産量は、北海道がトップです。

続いては宮城県、秋田県、佐賀県、福岡県と続きます。

国産の大豆はタンパク質を多く含み、脂質が少ないので、味噌作りにおすすめです。

残留農薬が気になるかたは、オーガニックの大豆はいかがでしょうか。

【農産工房 金沢大地】

農薬、化学肥料を一切使わずに作った大豆を生産しています。

「豊かな土で豆を育てる」という考えから、堆肥を自ら製造しています。

割れているものや、シワのよった豆を取り除いた「選別大豆」は、見た目も美しいのが特徴です。

加工向けのタイプも販売されており、味噌や豆腐などを作るときは大豆を潰すので、加工用がおすすめです。

また、味噌作りセットも販売されています。

お試しセットと基本セットがあり、はじめて味噌を作るかたは、3.7㎏の味噌が作れるお試しセットで挑戦してみるのも楽しいですよ。

セット内容は以下の通りです。

・加工向けの井村さんのオーガニック大豆
・井村さんの白米糀
・奥能登海水塩

味噌作りに欠かせない材料が揃うので、便利ですよ。

オリジナリティーを出したいなら糀を変えるのがおすすめ

市販で販売されている味噌も美味しいですが、ご自身の好みで味噌を作れるのは、手作りならではです。

味噌作りで使う糀をどんなものにするかで、味噌の味も香りも変わります。

それぞれの糀で味噌作りをしたときの特徴を、ご紹介します。

☆白米糀

一般的な味噌に使われているのが、白米糀です。

きっと馴染みのある味わいが楽しめることでしょう。

発酵香は、とても爽やかです。

そして、甘みが特徴です。

☆玄米糀

お米の甘み以外の旨みもあります。

発酵するときに、深みのある香りがするのが特徴です。

☆豆糀

赤だし味噌や八丁味噌に使われています。

デンプン原料が含まれないので、豆の味や香りが楽しめます。

☆麦糀

中国四国から九州地域で使われる麦味噌で使います。

甘みが強く、芳香が引き立つ味噌作りにおすすめです。

続いて、塩の選びかたを、お話します。

味噌作りで選びたいおすすめの塩

手作り味噌には、塩選びも重要なポイントです。

塩の選びかたですが、自然の環境のなかで作られた塩を使いましょう。

世の中には、様々な商品が販売されており、「塩だと思って使っていたものが実は違った」ということも多いのです。

☆精製塩

「食塩」や「食卓塩」として販売されています。

海水から電気分解で、ナトリウムイオンを抽出して濃い塩水を作ります。

それを煮詰めて塩の結晶にしています。

安価ですが、ミネラルなどの成分は取り除かれるので、ほぼ塩化ナトリウムです。

☆再製加工塩

「〇〇の塩」などの名称で食塩との差別化を図っています。

塩は主に輸入したもの、またはミネラル分やにがりを精製塩に添加してできた塩です。

☆天然塩・自然塩

高価である場合が多いですが、昔ながらの製法で、自然に濃縮して作られます。

味噌作りでおすすめしたい塩は、この塩です。

カルシウムなどのミネラル、マグネシウムやカリウムが多く含まれます。

天日塩は天日干しで作っていて、岩塩・湖塩・平窯塩は、天日干しの途中で煮詰める方法で作られています。

おすすめの塩はこれだ!

塩は原料にもいろいろな種類があります。

☆海水塩

その名の通り、海の水からとれる塩です。

日本の天候では、天日干しでの製法は大変難しいため、釜で塩を煮詰めて作る製法が多くなってきました。

海外製のものでは、大規模な天日海塩があるオーストラリアやメキシコ産が多く輸入されています。

☆岩塩

ピンク色をしたアンデスのローズソルトや、ヒマラヤ山脈の岩塩が有名です。

元々海だったところの岩塩層から採れます。

世界各地で採れますが、残念なことに日本ではほとんど岩塩は採れません。

ピンク色の他にも、黒や黄色など色のバリエーションも豊富です。

成分は生産地などによって差がありますが、ミネラルはあまり含まれていません。

☆湖塩

とても貴重な塩です。

海水が岩塩に変わる途中で採れて、死海やカスピ海などが有名です。

海塩と岩塩の中間の味わいです。

それでは、味噌作りにおすすめの塩をご紹介します。

●海の精 あらしお

伊豆大島近海の海水100%で作られていて、他の原料塩やにがりなどは使用していません。

日本の伝統海塩です。

塩辛い塩ではなく、ほんのりとした甘さやコク、キレがあります。

味噌作りだけでなく、素材の甘味や旨味を引き出してくれるので、普段の料理にもおすすめです。

●ヴァージンソルト

原産国はポルトガルです。

太陽や風の力だけで塩分濃度を上げて、約40日をかけて乾燥させて作る完全天日塩です。

食材だけでなく、バスソルトとしてお湯に入れると、まろやかなお湯になりますよ。

味噌作り~浸漬から煮上げ~

お気に入りの材料は揃ったでしょうか。

では、味噌作りの工程を見ていきましょう。

【材料 出来高約3㎏】

・大豆 650g
・麹 1000g
・塩 400g

【道具】

・豆を浸漬する大きい容器
・豆と塩きり糀を混ぜるときの容器
・圧力鍋(大きめ鍋でも可)
・豆ミンサーまたはガラス瓶
・熟成容器(プラ瓶・木桶・陶器の瓶など)
・和紙(ラップや落とし布でもOK)
・重石(2ℓ水入りペットボトルでも可)

【作り方】

まず、味噌の仕込みを行います。

2日間にわたって仕込みますので、余裕のある日程で行いましょう。

前日に行う作業から、お話します。

①大豆を洗います。

少量の水で豆同士をこすり合わせるようにして、水が綺麗になるまで、3~5回ほど洗っていきましょう。

②容器に①と、大豆に対して3倍の水を加えて、18時間ほど浸漬をします。

そのため、豆を朝の9時に炊きたい場合は逆算して、前日の15時には大豆を浸漬しなければなりません。

芯まで大豆が水を吸収していないと、中まで火が通らず、炊きムラができてよく炊き上がりません。

大豆を何個か割ってみて、芯がないかどうかを確認しましょう。

③大豆を煮上げていきます。

浸漬していた水は捨て、新しい水に替えましょう。

圧力鍋に大豆と、大豆の1.5倍の水を加えます。

煮上がりの目安の時間は、圧力鍋で約20分ほど、大きめの鍋ですと3時間ほどかかります。

大きい圧力鍋は少ないので、今回の分量ですと、2回に分けて煮る必要があります。

また、吹きこぼれる可能性もありますので、火が見えるところで待機しましょう。

おすすめは、短時間でできる圧力鍋ですが、大きめの鍋でも作ることができます。

大きめの鍋を使う場合は、弱火で時折アクを取って煮ていきましょう。

豆をとってみて、親指と小指で大豆が潰れるくらいが、煮上がりの目安です。

潰した大豆に塩きり糀を混ぜ合わせて寝かせるまで

味噌作りの工程の続きです。

④煮上がった大豆を、温かいうちに潰していきます。

たくさんの大豆を潰せる豆ミンサーがあれば、短時間で尚且つ綺麗に潰せますが、手を使ったりガラス瓶でも潰せます。

今後も味噌を手作りしたい場合や、5㎏以上の大豆を潰すのであれば、豆ミンサーはおすすめです。

手で潰すときは、大豆が熱いと火傷してしまいますから、手で触れる温度にしてから行いましょう。

⑤糀と塩を混ぜたものを塩きり糀といいます。

潰した大豆が手で触れるくらいの温度になったら、塩きり糀を、よく混ぜ合わせていきます。

温度が高いと糀の菌が死んでしまうので、注意が必要です。

タライのような大きい容器があれば混ぜやすいですが、なければ小分けにして仕込みましょう。

混ぜあわせた硬さの目安は、耳たぶくらいの柔らかさです。

ここで水分の調整を行うと、カビが生えやすくなります。

ですので、浸漬の時間を守り、芯がないように大豆を煮上げていく必要があるのです。

⑥混ざった味噌を両手ですくい、団子状にして空気を抜きます。

団子状になった味噌を、熟成容器に押し込みながら詰めていきましょう。

投げ入れる形でも構いません。

容器は木桶がおすすめです。

木桶は菌が住みついているので、味噌の味や香りがよくなりますよ。

⑦ ⑥に和紙、なければラップをして、空気に触れないようにしましょう。

水分を吸ってくれる和紙は、カビが生えにくくなります。

中蓋を敷いて、重石を乗せましょう。

味噌のできあがりに対して、2~3割ほどの重さで十分です。

重しをすることで、カビが生えにくくなります。

⑧常温で約10~12ヶ月寝かせれば、手作り味噌のできあがりです。

蔵元ですと、熟成途中で味噌をひっくり返し、熟成具合や水分を均一にさせる天地かえしを行います。

しかし、ご家庭の場合は大量に仕込むわけではないので、天地かえしを行なう必要はありません。

手作り味噌を楽しもう

ご自身で選び抜いた材料で作った味噌は、きっと格別においしいことでしょう。

まずはお試しで作りたいかたは、手作り味噌キットで挑戦してみるのも楽しいですよ。

自然のもので、無添加で作れるのも、手作りだからできることです。

食事を自然のものに、そして毎日の食事を豊かなものにしましょう。