ウォッカの原料にサボテンが使われているというのはホント?

ロシアの代表的なお酒と言えば、ウォッカですね。

このウォッカの原料として、サボテンが使われているという噂があります。

果たして本当なのでしょうか?

南米育ちのサボテンと、北の国ロシアで愛されているウォッカとは、どのような繋がりがあるのでしょう?

それとも、サボテンが原料のお酒が他にもあるのでしょうか?

謎に満ちたこの噂に、迫ってみたいと思います。

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ウォッカとはどんなお酒?原料は何から作られるの?

ウォッカは、ご存知のように、北の国ロシアの代表的なお酒です。
原料には、ライ麦・大麦・小麦・じゃがいもなど、穀物が使われています。

70%がロシアで生産され、残るはフィンランドやポーランドなど、北欧および東欧が生産国です。

ロシアなど、スラブ民族の生活に欠かせないお酒・ウォッカは、世界四大スピリッツ「ジン」「テキーラ」「ラム」と並ぶ蒸留酒です。

ところで、醸造酒と蒸留酒(スピリッツ)の違いをご存知ですか?

醸造酒は、原料を酵母によって発酵させたものです。
例えば、ワインはぶどうを発酵させたもの、シードルはりんご、ビールは大麦、日本酒はお米です。

ウォッカなどの蒸留酒は、発酵させた穀物などのアルコールを、一定の温度で温めて、その蒸気を集めて作られたものです。

これにより純度が増して、アルコール度数も40度以上のものが多くあります。
ちなみに、日本の焼酎も、この蒸留酒の仲間に入ります。

実は、ウォッカは穀物を原料としたものだけがそう呼ばれ、それ以外の原料を使ったものは「ウォッカ」と認められないのです。

ウォッカの原料は、主にライ麦で、それを発酵させたあと、蒸留して作られます。

他の穀物としては、前述したように、大麦・小麦・じゃがいも・場合によっては燕麦などを混ぜることもあります。

特に、資本主義勃興期には価格を下げるため、また第二次世界大戦中の原料不足のときなどは、じゃがいもが多く使われました。

このように、どんな時代でも、あくまでも穀物が原料ですので、サボテンを原料にして製造された「ウォッカ」という名称のお酒は存在しないのです。

サボテンが原料だとされる謎のウォッカの正体は?

では、なぜ、サボテンを原料にして作られたウォッカがあるという噂が、広がったのでしょうか?

メキシコなど、南米生まれのサボテンは、寒冷地ロシアでは、おそらく成育できない植物だと思います。
ですから、何か他の蒸留酒と混同されて、そんな話が生まれてしまったのかもしれません。

サボテンはご存知のように、多肉植物でトゲがあり、高温と乾燥を好みます。

日本でも、水やりの手間が少ない上、見た目の可愛らしさから、インテリアプランツとしても人気が高いですね。

乾燥気候のメキシコでは、砂漠のような褐色の砂地の高原が広がり、サボテンはそんな地域に成育しています。

そして、その一帯は、サボテンと同じ多肉植物である、竜舌蘭(りゅうぜつらん)の成育地域でもあるんです。

竜舌蘭は、メキシコを中心とした南米に、もともと自生している多肉植物で、トゲがあるためサボテンと思われがちです。

ですが、和名からもお分かりいただけるように、これは蘭の仲間なんです。
まさにこれが、世界四大スピリッツのひとつ「テキーラ」の原料です。

南米では、このサボテンに似た竜舌蘭のことを、アガベ・アスールと言います。

サボテンに似た植物が原料のお酒・テキーラの製造法は?

このアガベ・アスールという蘭には、サボテンのようなトゲがあるので、一見してサボテンに見えます。
長い剣状で、アロエにも似ています。

花も咲くようですが、アガベ自体の成長は遅いため、花が咲くのにも時間が掛かるようです。

また、テキーラに使う原料、アガベ・アスールの品種は限定されていて、100種類以上あるアガベ・アスールのうち、ただ一種。

「アガベ・アスール・テキラーナ」という品種のみを、使うという決まり事があるのです。

この品種は栽培地域も限定されていて、その地域を「テキーラ地帯」と呼びます。

テキーラに用いるのは、アガベの茎の部分で、味はサトウキビのようで、形状はパイナップルにそっくりです。

糖液を抽出し、そのデンプンを糖化し、発酵・蒸留させて製造します。

歴史はウォッカよりもはるかに古く、古代アステカ時代からメキシコで作られているお酒です。

そのままでも、もちろん甘くてトロッとして美味しく、またカクテルベースとしてもよく使われます。

テキーラの原料はサボテンだと思っている人もいらっしゃるようですが、正しくはサボテンと似ている竜舌蘭という蘭なのです。

この誤解には理由があって、「ポルフィデオ・テキーラ」という銘柄のテキーラのボトルに、サボテンのイラストが描かれているのです。

これが、テキーラはサボテンから作られるという、誤解の元になっているようです。

また、サボテンが原料のウォッカがあるのではという噂や誤解も、同じ蒸留酒のテキーラとウォッカとを混同してしまった結果と思われます。

ウォッカ・テキーラ以外の蒸留酒の原料はどんなもの?

世界四大スピリッツ(蒸留酒)を「ジン」「ウォッカ」「テキーラ」「ラム」とするのは、日本の酒税法によるものです。

糖分やアミノ酸などのエキス成分が2度未満のものをスピリッツとし、他の蒸留酒は含まないことになっています。

しかし、英語のスピリッツは、アルコール度数の高い蒸留酒のことを言いますので、ウイスキーもブランデーも本来はスピリッツなのです。

それはさておき、これまでは、ロシアのウォッカの原料はサボテンではなく、ライ麦・大麦・小麦・じゃがいもであること。

それから、サボテンが原料との誤解も多い、メキシコ生まれのテキーラの原料が、竜舌蘭であることをお伝えしてきました。

それでは次に、他の蒸留酒の原料をみていきましょう。

「ジン」の原料は何かと言いますと、大麦・じゃがいも・ライ麦などの穀物です。
オランダ生まれの蒸留酒ですが、特徴としては、もともとは薬用酒であったということです。

ジェニバー・ベリーという薬草を漬け込んで、利尿作用のある薬酒として作られたのが始まりです。

今でも、トニックウォーターと混ぜて、ライムやレモンを添え、ジントニックとして愛飲されています。

「ラム」の原料は、サトウキビです。
キューバのお酒ですが、最近は日本でも、モヒートという飲み物が人気です。

他にも、ラム酒はラム酒漬けのフルーツなどでもお馴染みで、パン・ケーキ・お菓子作りにも、風味や香りを添えてくれます。

ちなみに、他の蒸留酒の原料ですが、ウイスキーは、大麦・ライ麦・トウモロコシなどの穀物が原料です。

サボテンが原料の美味しい飲み物!美容と健康にも

ウォッカもテキーラも、サボテンが原料ではないことがわかり、がっかりした人もいるかもしれません。

しかし、サボテンは、メキシコでは古くから食べ物や飲み物として利用されています。
メキシコの国旗の中央にも、聖なる植物として、ウチワサボテンが描かれています。

ウチワサボテンは特に味はないのですが、シャキシャキした食感が特徴です。

このサボテンから採れる果実を使ったカクタスドリンクも、古くからメキシコをはじめ、ネイティブアメリカンの間で愛飲されています。

色は、ほんのりピンク色をして、味は甘酸っぱいドリンクです。

カクタスドリンクは、炭酸水やミルク、オレンジジュースで割ることもできるので、酎ハイやビールに加えてカクテルの味付けとしても楽しめます。

サボテンは、そのほとんどが水分ですが、中身には養分がたっぷり詰まっていて、カルシウムやカリウムなどのミネラルが豊富です。

アミノ酸・ビタミンC・K・B1・B6・ポリフェノール・カロテン・植物繊維などが含まれています。

便秘解消・美肌づくり・むくみ・動脈硬化予防にも、効果が期待できます。

ウチワサボテンは飲み物だけでなく、ゼリー・ジャム・キャンディー・料理に使うソースにも加工され、市販されています。

生食もできますが肉や野菜とともに炒めたり、ステーキ風に焼いたり、酢漬けにしてサンドウィッチにはさむなど、色々な食べ方ができる優秀な食材です。

厳しい環境下で生きる人々の命を守ってきたサボテンには、私たちの美容と健康作りにも役立つ栄養が、たくさん詰まっているようですね。

ウォッカの誤解は飲み方にあった

このような素晴らしいサボテンですが、残念ながら、ウォッカの原料にはサボテンは使われていませんでした。

繰り返しになりますが、ウォッカは、穀物のみを原料とする、ロシアの伝統的な蒸留酒でしたね。

香りは、ジンよりもはるかに少なくクセがないので、カクテルベースとして、よく利用されています。

ライム・オレンジ・グレープフルーツなどの、柑橘類との組み合せが知られています。

例えば、オレンジジュースとシェイクしたスクリュー・ドライバーは有名ですね。

ジンジャーエールで割ったモスコ・ミュール、そしてトマトジュースとレモンにウスターソースのブラッディー・メリーは、さっぱりとした塩味のカクテルです。

ウォッカと聞くと、何やらものすごくアルコール度数の強いお酒であるように思われていますが、他のスピリッツやウイスキー、ブランデーと同じ40度~50度です。

アルコール度数が強いと思われてしまうのは、飲み方によるところが大きいのです。

ロシア人は乾杯好きで、それも日本のように、最初の1回だけではありません。

ピッチの速い人が音頭をとれば、そのたびに何度も何度も途中で「乾杯!」ということになり、その度に付き合わなければマナー違反とされます。

チビチビ飲みはタブーですので、必ず一気飲みです。

ショットグラスで、その度に飲み干していけば、あっという間に酔いがまわり、それが強いお酒の誤解の元ということになります。

そもそもウォッカ(vodka)という語は「voda」(お水)に、小さいものを指す愛称の「ka」で「小さいお水ちゃん」のような意味です。

たしかに、お水のように透明で澄みきったウォッカは、お水へのこだわりと、徹底した濾過がもたらした知恵の結晶です。

どの国のお酒にも、さまざまな歴史とドラマがありますね。

さまざまな国の自慢のお酒を味わう楽しみ

サボテンとウォッカとの間には、なんら繋がりを見出すことはできませんでした。
しかし、共通なのは、それぞれの国で、その土地の人々に愛されて続けてきたことです。

その土地に根ざした植物や穀物を使って、お国自慢の食べ物やお酒が作られ、大切に受け継がれていることそのものが、ほんとうに素晴らしいですね。

そんなことにも思いを馳せながら、お酒を味わうひと時を、楽しんでみてはいかがでしょう。