食事改善で便秘を軽減し、運動の継続で更に効果が見込める!

体に何らかの病的症状が見られた時、つい、薬に頼ってしまう傾向があります。

しかし、以前から「食は薬なり」と言われているように、まずは、日頃の食生活を見直し食事改善を実行していくことが大事です。

このことは、便秘の症状を改善することにも同じことが言え、更に運動を継続することで食事改善との良い相乗効果が表れます。

今更聞けない!便秘の定義及び運動と食事改善の関連について

私たちが日頃よく口にする、便秘とは何のこと?と問われると正しく答えられますか。

ここで、便秘の定義について説明しておきましょう。

便秘とは便秘症のことで、本来は体外に出さなくてはならない糞便が何らかの原因で体内に溜まった状態のことをいいます。

便秘症にはさまざまな原因がありますが、大きく分けて2つの原因が考えられます。

ひとつめは、様々な病気から起こることや薬の副作用です。

これは、私たち素人で解決できないこともありますので、かかりつけの病院や専門の薬剤師に相談することで解決できます。

もうひとつは、本来3食摂るべき食事を朝だけ抜けていたり、食事の時間帯が不規則であったり、偏食が原因であるということです。

これは、食事改善や規則正しい食事の時間を守っていくことで是正することができます。

また、概要でお伝えしたように、ウォーキングなどの軽い運動で構いませんので継続を心がけましょう。

便秘の種類と便秘から生まれる症状

便秘は、消化器官の機能低下が原因で起こる機能性便秘と、腸閉塞や大腸がん、腹膜炎などの腸の腫瘍や炎症などが原因で起こる器質性便秘の2つに分けられ、私たちが一般的に便秘と呼んでいるのは機能性便秘のことです。

機能性便秘については、日頃の生活習慣などが起因していることが多いため、食事改善や運動で改善することが出来る可能性が高いのですが、器質性便秘については症状が重いことも考えられるので医師に相談することをお薦めします。

機能性便秘は、一過性便秘と習慣性便秘に分けられ、私たちが多く訴える症状が習慣性便秘というものです。

習慣性便秘は更に3つに分けられます。

1つは高齢者やお産をした後の女性に多い「弛緩性便秘」という、大腸のぜんどう運動や筋力の低下で起こるものです。

2つ目は、ストレスなどの心理的原因から起こる「痙攣性便秘」で、この症状は便秘と下痢を交互に繰り返すことが特徴です。

3つめは、便意があるのに我慢をしていることが日常化していることから起こる「直腸性便秘」です。

便秘が及ぼす悪影響を運動と食事改善によって予防

便秘は、ほとんどの病気に共通する大きな症状であることは医学界でも重要視されており、文明社会がもたらした慢性病のひとつであるといえます。

このようなことから、便秘が及ぼす悪影響は多く存在します。

便が腸内に溜まった状態である便秘は、まずは腸内細菌に悪影響を及ぼします。

悪玉菌にとっては、腸内に溜まった大便がエサとなり、発がん物質などの有害物質やおならの元となる臭いとなります。

便秘の人のおならや大便が臭いのはこのためです。

そして、長期間便秘症状が続くと、それらの有害物質が腸壁から吸収され血液中をめぐり、典型的な肌荒れの原因となるのです。

便秘が原因で起こる他の症状や病気としては、肺を刺激してその後呼吸不全の原因となったり、脳に影響が出て、精神面の機能妨害をして、もうろくの原因になる、関節痛や硬直、筋力不足や疲労が進む、若さを奪って年齢よりも早く老け込むなど、私たちが生きていく上で多くの悪影響を及ぼします。

しかし、このような悪影響を及ぼす便秘も、私たちの日頃の食事改善や運動で回復できるのです。

便秘の解消法は運動と食事改善の継続

便秘の解消法は、最初のタイトルに記載しているように「食事改善と運動」です。

私たちは、便秘の症状が出るとすぐに薬に頼る傾向にありますが、認識を間違えてはいけないのは、便秘薬はあくまで一時的に症状を止める対症療法であるということです。

確かに便秘薬は、一時的に症状を緩和したり改善したりすることは出来ますが、便秘薬を常用すると、体が便秘薬を服用することに慣れてしまって、従来の服用量では症状が治まらず、薬の量が増えてしまうという危険性が多く存在します。

したがって、便秘薬は症状がひどい時に一時的に症状の緩和のために服用することはあっても、決して常用していては便秘を根本的に治すことはできないということを認識しなくてはなりません。

便秘のほとんどが食事や運動不足が原因となっていることであること考えると、食事改善と運動の継続をすることで多くの便秘症状は改善されるのです。

便秘を解消する食事改善と運動

便秘を解消する食事改善としては、生で摂取出来るものを多く選びましょう。

その食べ物に含まれる栄養分が損なわれずに摂取できることが理由です。

ただし、あくまでバランスの良い食事が大事ですので、合わせて温かい食べ物も摂取しましょう。

食物繊維が便通を良くすることは有名ですが、食物繊維にも「水溶性」と「不溶性」の2種類があり、症状によって必要な食物繊維は異なります。

水溶性食物繊維は、お腹の中で柔らかい便を作る働きがあります。

便が固くなりがちな方はりんご、みかん、人参、キャベツ、トマト、寒天、海藻類などを食べるように心がけましょう。

不溶性食物繊維は、腸内で水分を吸収して腸のぜんどう運動を活発にして便通を促進する働きがあります。

弛緩性便秘になりやすい、高齢者、お産の後の女性には、大豆、イモ類、ごぼうなどの根菜類や、きのこ類、穀物などの不溶性食物繊維を食べるように心がけましょう。

他にも、ぬか漬け、キムチ、味噌、ヨーグルト、チーズなどの発酵食品、玉ねぎ、アスパラガス、にんにく、はちみつなどに多く含まれるオリゴ糖、植物性油の代表格のオリーブオイル、マグネシウムを多く含むごま、あおさ、あおのり、干しエビ、飲み物では甘酒、酢ドリンク、ココア、炭酸水、お茶をお薦めします。

逆に便秘解消のためには、肉類の食べ過ぎは悪玉菌を増加させるので控えましょう。

最後に、運動についてもお伝えしておきましょう。

便秘を解消する運動と食事改善

運動に便秘を解消するための効果が期待できるといっても、特にハードに行う必要はありません。

日常生活において、エレベーターやエスカレーターを使わずに、できるだけ階段を上るように心がけたり、できる限り速く歩くことを心がけるだけでもかなり効果があります。

そのようなことを頭に入れた上で、普段の生活のなかで気軽にできる運動療法をいくつか挙げておきます。

もちろん、食事改善も怠ってはいけません。

寝た状態でできる4つの運動です。

●腹式呼吸

仰向けになり膝を立て、両手をお腹の上において、口からお腹の中の空気をしっかり吐き出します。

次に、鼻から吸い込んで、お腹が膨らんでいくことを意識して息を吸いましょう。

この運動を3~5回繰り返します。

●腹筋

仰向けになり膝を立てて、両手を胸で交差させます。

肩から息を吐くように心がけ、肩甲骨を床から離し、肩から状態を起こして5~10秒間その形をキープします。

息をゆっくりと吸いながら静かに元の位置に寝ます。

この運動を10回程度繰り返します。

●体幹ねじり

仰向けになり膝を立て、両手を横に広げます。

息をお腹いっぱいに吸います。

息を吐きながらお尻のみ約10秒間上げます。

お尻を元に戻したら、膝をたてたままにして膝だけを左にねじりその姿勢を10秒間キープしましょう。

膝を真上に向けて姿勢を戻します。

膝だけを右にねじり、その姿勢を10秒間キープします。

以上の動作を自然にゆっくりと呼吸しながら行いましょう。

●腹部に圧を与え骨盤を動かす

仰向けになり膝を立てます。

次に、両膝を胸に寄せて10秒間両手で抱えます。

最初に戻り、この一連の動作を10回繰り返します。

便秘解消には生活習慣を改め、食事改善と軽い運動の継続をしよう

便秘は、単に便が腸内に溜まって便通が悪くなるだけにとどまらず、いろいろな慢性病が起きる症状であることを認識しましょう。

その上で、今までの悪い生活習慣の継続が原因で、今の症状が起きたということを認識しましょう。

そして、単に薬だけに頼るのではなく、今まで行ってきた間違った食事改善を行い、日頃のウォーキングや軽い運動を心がけることで便秘は解消できるということを念頭に入れて、生活習慣を変えていきましょう。