糖質の摂りすぎは、肥満だけでなく高血圧や高脂血症、心筋梗塞などの生活習慣病の原因になると言われています。
最近では、痴呆の原因にもなると言われ、糖質制限をすることが勧められています。
糖質制限をすると体調改善にもつながり、生活習慣病を予防することもできるという意見もあります。
しかし、そのためには食生活の改善が必要です。
今回は、糖質制限と体調改善、そして食生活や生活内容の改善についてご紹介しましょう。
体調改善のための糖質制限は生活全般の改善から
健康診断で肥満や高血圧を指摘されていませんか?
昔は、肥満を指摘されると、まずは脂質を制限されました。
そのため、バターや豚肉は悪者扱いをされて、今とは逆の情報が知られていたこともあります。
そのため、精肉業界が打ち出したのが、豚肉には脂溶性ビタミンが豊富に含まれていて、健康に良いという新しいイメージを、知ってもらい広めることでした。
バターも飽和脂肪酸が多くコレステロール値を上げるので、不飽和脂肪酸のマーガリンの方が良いと言われていたこともありました。
しかし、マーガリンに含まれるトランス脂肪酸の問題が明らかになり、最近ではマーガリンよりもバターの方が良いという人もいます。
数年前から話題の糖質制限ダイエットも、一時は糖質オフにこだわるあまりに、脳のエネルギー不足でめまいを起こしてしまう、という人も現れました。
そこで最近は、糖質の摂りすぎは制限するけれど、完全にオフにすることは良いことではないということが明らかになっています。
糖質制限は食生活改善で行うことができますが、一番大切なことは、ただ減らすことではなく、摂った糖質のカロリーをエネルギーにすることです。
そのためには、白米には含まれないビタミンB1・B2を摂ることが大切ということも言われるようになっています。
さらに、エネルギーになった糖質は運動やキビキビとした生活で、使うことが大切ですね。
チェスや囲碁、読書で脳を使ってエネルギーにするのも良いです。
頭と身体の両方を使う球技などはさらに良いですね。
使わない糖質は身体の中で体脂肪になりますが、しっかりと使えば、燃えてエネルギーになります。
糖質制限をするときは、ただ食生活改善による体調改善だけでなく、生活スタイルや運動などで頭と身体を動かし、体調改善をすることも必要です。
そのためにも、健康診断で肥満や高血圧を指摘されたら、生活全般の改善をしましょう。
糖質制限の基本は間食の改善
糖質制限で体調改善をするためには、まず食生活そのものを改善することが大切です。
糖質制限が必要なほど肥満な人は、食生活や生活スタイルに問題を抱えています。
例えば、食べる時間などが不規則で、ダラダラと何かを口に入れる人はいませんか?
3食しっかり食べても、ダラダラと時間を決めずにお菓子などを食べてしまう、逆に朝食や昼食を抜いたからと、食事と食事の間にダラダラ間食をしてしまうということですね。
夕食が遅いために、それまでの間に何となくお菓子をつまんで口に入れてしまい、夕食をがっつり食べる人も危険です。
お菓子や間食は、ほとんどが糖質です。
スナック菓子にクッキー、饅頭にせんべい、原料のほとんどは小麦粉・米・トウモロコシ・いも類ですね。
ほとんどがでんぷんという糖質です。
果物だから大丈夫という人もいますが、果物には「果糖」という糖質がたっぷり入っています。
しかも、果物のほとんどは水と糖質から作られています。
さらに果糖は単糖類ででんぷんよりも消化吸収が良い糖質になります。
人は脳がつかれると、自然とエネルギー不足になり「糖質」を欲するようにできているのだそうです。
しかし、大半の人は脳が欲しなくても、口が淋しいといった理由で、こういったお菓子や果物を口にします。
間食でさしみや焼き鳥・焼き魚・サラダを食べるという人は少ないのではないでしょうか。
まず、食事時間が不規則で夕食が遅い人は、お菓子や果物ではなく、間食におにぎりを食べましょう。
ここで「えっ?」となった人もいるかもしれませんが、腹持ちの良い間食は、そのあとのドカ食いを防ぐことができます。
脳が疲れて糖質を欲しているのですから、中途半端なお菓子や果物などでごまかしても、結局満足できません。
それなら、しっかりとそこで糖質を摂り、その分食事の時に糖質制限をするというのも一つです。
おにぎりは1個およそ80gで140~150キロカロリーですが、スナック菓子やチョコレートは、1箱や1袋で250キロカロリーくらいあります。
りんご1個でも140キロカロリーもあるのです。
間食でお菓子や果物を食べたときは、ご飯は別に食べて良いと考えてしまいますが、おにぎりを1個食べてしまうと、食事を減らさなければ、と罪悪感を感じるものです。
どうせ同じ糖質を摂るなら、腹持ちが良く食事を減らすことにつながるものを間食に選びましょう。
夜が遅い人は夕食の前の一工夫で体調改善を
体調改善のために運動を始めたのに、なぜか改善が見られないという場合は、夕食の時間が遅いことが原因かもしれません。
夕食が遅いと肥満になりやすいというのはよく聞きますね。
しかし、夕食が遅い人は肥満や高血圧だけではないのだそうです。
他の生活習慣病のリスクも隠れているようです。
夜遅い食事は睡眠中の低血糖を引き起こし、夜中に目が覚めたり熟睡できないといった睡眠の障害を引き起こすこともあるそうです。
そのため、朝起きても疲れが残ったり、中には心臓病のリスクといったことにまでつながります。
夜遅いと糖質過多になるため肥満になるのはわかります。
しかし、なぜいきなり低血糖になってしまうのでしょうか。
まず、私たちはご飯を食べると糖質というものを摂ります。
糖質は身体の血液の中でぶどう糖となり血糖値が上がります。
すると、インスリンというホルモンが分泌されて、血糖値の糖を脂肪などに吸収させて蓄える働きがあります。
これをためてしまうのが肥満の原因ですね。
3食を規則的に摂っていると、インスリンの分泌もバランスよく血糖値が下がりすぎることはありません。
しかし、昼食から夕食にかけて時間が空きすぎると、どうしても夕食がドカ食いになります。
ドカ食いをすると、その分糖質を多く取ってしまうため、血糖値が急激に上がってしまいます。
そのため、インスリンも通常よりも多く分泌される、つまり過剰分泌状態になってしまうのです。
インスリンが過剰に分泌されると、血糖値も一気に下がり、低血糖を起こしてしまいます。
血糖値は高くても危険ですが、低くても糖尿病や心臓病のリスクがあると言われています。
そのため、夕食が遅い人は、夕方の5時くらいのおにぎりを1個食べて、夕食のご飯の量やおかずの量を減らしてみてください。
中には、夕方5時におにぎりを食べたから、夕食はおかずだけで良いという人もいます。
お菓子ならこういった気持ちになりませんが、おにぎりの場合は自然と、こういったことが頭に浮かぶようになります。
すると、1日に摂る糖質の全体量が自然と減ることにもつながり、糖質制限にもなります。
さらに夕食後の血糖値の急激な上昇を避けることにもなりますね。
糖質制限は3食だけでなく、間食も含めてバランスを摂るという改善で工夫をしてみましょう。
食事内容を改善して糖質制限と体調改善
一番良いのは、夕食を早めに食べることですが、仕事や勉強でどうしても遅い時間にしか夕食を摂れない人もいます。
そんな人は、食事内容を改善し、体調改善をしてみましょう。
朝食をしっかりと食べて、夕食を軽くするというのも一つです。
しかし、夜が遅いと朝もなかなか早く起きることは難しいですね。
朝食を作るのが面倒なら、出来合いのものを利用しましょう。
とはいっても、これだけはやらない方が良いというのが菓子パンの朝食です。
朝が忙しいと、ついやってしまうのが菓子パンとコーヒーといった内容になりますね。
菓子パンはその名の通り、菓子でカロリー価もですが、糖質も高くなります。
よく、グルテンフリーで小麦粉は身体に悪い、小麦粉をやめたら体調改善ができたというのを聞きます。
それ以上に甘い菓子パンは、砂糖も多く使っていますので、かなりの糖質です。
朝出来合いのもので食事をするなら、ご飯に魚の缶詰や漬物、納豆や冷っこで充分です。
火を使ったり包丁やまな板を使うことなく、糖質制限をする方法はあります。
昼食も同じです。
忙しい毎日で、菓子パンを昼食替わりにする人もいますが、これもできればやめましょう。
同じ簡単に済ませるなら、おにぎりの方が糖質を減らすことになります。
夕飯も、ラーメンで終わりは糖質の摂りすぎになることがあります。
ラーメンでも具沢山のものなら野菜や肉を摂ることができます。
しかし、普通の醤油ラーメンに炒飯の組み合わせは、お腹いっぱいになりますが、糖質過多にもなります。
牛丼の汁だくも同じです。
汁だけなのだから良いのでは、と思うかもしれませんが、丼の汁には砂糖やみりんが使われています。
牛丼の汁だくにすると、汁の分ご飯も多めにお替りしています。
そのために、糖質をたくさん摂ることになってしまいます。
お金はかかりますが、汁だくにはせずにサラダや味噌汁を付けてもらいましょう。
糖質制限をするということは、普通の生活をしている人が、糖質をオフにしてさらに痩せるのではありません。
現在肥満の問題を抱えている、低血糖の問題を抱えているという人が、食生活の内容を改善し体調改善をして、抱えている問題を改善することです。
そのための一つが摂りすぎている糖質を制限するということですね。
糖質制限だけではない生活改善で体調改善を
糖質制限をするためには、摂りすぎないことも大切ですが、摂った糖質をエネルギーにして消費することも大切です。
そのためには、できるだけ運動をしましょう。
運動といっても、毎日ジムに行ったりテニスをする時間がない人も大勢います。
そんな人は、ちょっとした当たり前のことでも、エネルギーを消費することができます。
10分間バスに乗る距離を歩く、歩くときにちょっと早歩きをする、駅のエレベーターを階段にするなど、いくらでも運動をする場所はあります。
運動をすることで、摂った糖質が消費されて余分な脂肪がつきにくくなります。
食後30分たったら10分程度の踏み台昇降をしてみましょう。
身体を動かすと筋肉もつきます。
筋肉がつくと基礎代謝も上がり、体温も上がります。
人は、体温が上がるとその分免疫力も上がるそうです。
そして、免疫力が上がると、その分病気にもなりにくくなります。
低体温ではなくなると、病気にもなりにくい身体になり、体調改善にもつながるということです。
最近は、食べないダイエット、摂らないダイエットの危険性が言われるようになりました。
摂っても良いのです。
そして、摂った分をエネルギーにして消費しましょう。
生活スタイルを改善することで、自然と糖質制限につながっていきます。
毎日のダラダラ生活とさよならをしましょう。
それが本当の糖質制限ダイエットになります。
糖質制限で体調改善をしたい人にピッタリのレシピをご紹介
それでは、最後に糖質制限ダイエット中の人のための、簡単レシピをご紹介しましょう。
油揚げのピザです。
【材料 2人分】
・油揚げ 2枚
・ハム 2枚
・細ネギ 4本
・ピザ用チーズ 40g
・ケチャップ 大さじ1
・豆板醤 小さじ1/2
・ガーリックパウダー 少々
【作り方】
①ハムは細く切ります。
細ネギは斜めに薄く切っておきます。
ケチャップ・豆板醤・ガーリックパウダーを混ぜます。
油揚げは半分に切ります。
②フライパンにアルミホイルを敷いて、その上に油揚げを乗せます。
その上に混ぜた調味料を塗り、具をのせます。
最後にピザ用チーズをふりかけます。
③フライパンの蓋をしてチーズが溶けるまで焼きます。
1人暮らしの人は、出来上がった半分をジッパー付きの袋などに入れて冷凍しておきましょう。
ダイエットで食べないというのはストレスが溜まります。
食べないと、逆に太りやすくなるだけでなく、色々な栄養が不足して病気になりやすい身体を作ってしまいます。
病気にしない丈夫な身体を作るためにも食事は大切です。
乳製品や油揚げはカロリーの割に、糖質が低いたんぱく質食品です。
食生活改善のダイエットで油や乳製品を抜くのは逆効果になります。
たんぱく質や脂質が多い食品を摂ると、腹持ちも良く満足感もあります。
むしろしっかりと毎日摂りましょう。
糖質制限で体調改善をしたい人の、夜遅い時の夜食や夕飯替わりにもピッタリです。
糖質制限で体調改善!上手に糖質と付き合おう
糖質制限で体調改善をしたいのに、食べることを勧めるなんて本当に大丈夫?と疑問に思われたかもしれませんね。
しかし、糖質制限は糖質をオフにすることではありません。
食生活の内容や生活スタイルを改善し、糖質の摂りすぎを防ぐということです。
急激なダイエットは体調不良にもつながります。
長い目で見た食生活や生活スタイルの改善は、体調改善だけでなく体質の改善にもなります。
ほんの少しずつで良いので、自分でできることから上手な糖質との付き合い方を考えてみてはいかがでしょうか。