トランス脂肪酸が含まれる植物油脂を使った商品に、どれだけの量が含まれているのか、表示のないものが多いとは感じませんか?
健康を守る上で大きく影響を与える成分なのに、トランス脂肪酸ゼロの商品も、含有量の表示があるものも少ないので、不安に感じる方は多いことでしょう。
今回は、トランス脂肪酸の含有量がゼロの商品の有無、また表示に関する疑問についてお伝えします。
トランス脂肪酸の含有量がゼロのものは商品に表示されているの?
日本人は和食を好む食生活になるため、それほどトランス脂肪酸の摂取量が多くはないようです。
そのためトランス脂肪酸の含有量の表示については、国として各メーカーの意思にまかせている状況で、義務付けされてはいません。
例えばアメリカでは、これまでトランス脂肪酸が含まれているとの表示が必要でした。
ところが2018年6月以降は、トランス脂肪酸が多く含まれる、部分水素添加油脂の使用も規制しています。
そうなると、日本での対応はどうなっているか気になりますよね。
実は日本でも2018年の春より、大手メーカーからは「部分水素添加油脂を使わないマーガリン」が発売されています。
以前からマーガリンに含まれるトランス脂肪酸について問題になっていたことを考えると、この対応は大きな一歩を踏み出したことになります。
このように国内のトランス脂肪酸の表示や規制に関しては、この程度にとどまっています。
そもそもトランス脂肪酸ゼロの商品はほとんど無いのが現実です。
ただしこういった理由からも、トランス脂肪酸のことが表示された商品は少ないように感じます。
トランス脂肪酸の表示のガイドラインはどうなっているの?
ガイドラインとはマーガリン等に含まれる、トランス脂肪酸について決められたルールのことです。
このルールでは国内で「商品に含有量を表示をする際の情報開示について」定められています。
日本の場合は、2011年に消費者庁がガイドラインを発表して、そのルールに従って各メーカーが開示をしているようです。
その内容は「食品の容器や包装、企業のホームページや広告に、トランス脂肪酸の含有量を表示する」というものです。
基本は「カロリー、たんぱく質、脂質など」が以前から掲載されていた部分に「飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、コレステロール」も追加されることになりました。
また、食品100gあたりのトランス脂肪酸の含有量が0.3g未満なら、0gと表示してもよい事も定められています。
こちらは知らない方も多く、驚かれるのではないでしょうか。
ただ、このガイドラインで決まったルールは、義務付けされているものではないため、詳しく書いている企業もあれば、そうでないところもあります。
そのためまだ現状では「この商品はトランス脂肪酸ゼロ?それとも入っているの?」と疑問に思うことが多いということです。
トランス脂肪酸の表示義務がないのはなぜ?
例えばアメリカでは、トランス脂肪酸の含有量の表示は、2006年から義務付けられてきました。
ところが日本国内を見てみると、トランス脂肪酸についての表示義務はなく、各メーカーの判断に委ねられています。
トランス脂肪酸は身体の中に摂り入れると蓄積するとされ、体外に排出する方法が見られない困った成分です。
そのため健康を維持する上で問題点が見られる理由から、アメリカではこのような対策となったようです。
そう考えると日本での対応は甘いと感じるでしょうが、これには理由もあるようです。
それがアメリカでの表示義務の理由としては、トランス脂肪酸摂取量は1日平均5.8gと見られていて、かなり多くなっています。
日本人のトランス脂肪酸の摂取量の、1日平均1g未満という数字とは、かけ離れているものとなります。
また、日本での1日あたり摂取してもよいトランス脂肪酸量は2gとされています。
これらの数字を見る限り、アメリカの人ほど摂取量は多くないと感じられるのではないでしょうか。
このように日本人はアメリカの人ほど、トランス脂肪酸を含む植物油脂を摂る習慣がないようです。
そのためトランス脂肪酸ゼロの表示義務にこだわらなくても、今の範囲で摂取をしていれば、健康に大きな影響がないと見られています。
トランス脂肪酸ゼロと表示されたマヨネーズはあるの?
マヨネーズにも健康を意識した商品が発売されているようで、カロリー控えめの物など身体にいい工夫がされています。
ところでそれと同じくらいに気になるのが、トランス脂肪酸についてで、含有量がゼロの商品を望んでいる方も多いことでしょう。
そもそもマヨネーズの原材料となる植物油脂に、トランス脂肪酸ゼロと表示された商品を見ることが珍しいですよね。
ただそのような中でも、健康にこだわった商品を扱うメーカーでは、稀に商品として見られることがあるため、その中で探してみました。
ところがそちらのメーカーで扱っているマヨネーズの中にも、トランス脂肪酸ゼロと表示された商品は見当たりませんでした。
それならばと、ココナツオイルはトランス脂肪酸ゼロと表示される商品がよくあるため、マヨネーズでも商品があるのではと期待しました。
しかしそのオイルを使ったマヨネーズでも、トランス脂肪酸ゼロと表示されたマヨネーズは見当たりませんでした。
やはりマヨネーズをメーカーの工場で作る際には、トランス脂肪酸が発生してしまうのでしょう。
トランス脂肪酸に関しては表示義務がないので、ゼロではなくてもどの程度含まれているのかがわかる商品も少ないようです。
トランス脂肪酸の含有量がゼロと表示された植物油はあるの?
植物油も健康のために、原材料にこだわったものや、カロリーを控えたものなど多くの種類が見られます。
ただそういったこだわり以上に、悪玉コレステロールと縁のあるトランス脂肪酸について、健康を守りたい人達は関心が強いようです。
まず、トランス脂肪酸は工場で植物油を加工する過程で、化学溶剤の水素を添加することで発生します。
この植物油はあらゆる料理に使う食品になるため、工場で大量生産をすることとなります。
そうなると、トランス脂肪酸は含まれることになり、含有量がゼロと表示されるような植物油は、ほとんど見当たらないのです。
ところがそのような中でも、有機栽培をしたこだわりの食材を使うメーカーでは、化学溶剤を使わずに原材料を圧縮して、手間をかけ油を抽出することになるようです。
そういった作り方をした植物油は、よく使われている商品に比べると、値段はかなり高くなっているように見えます。
ただ、トランス脂肪酸の含有量がゼロと表示できる、健康を大事にしたい方に喜ばれる植物油が作られることになり、通販で商品として販売されています。
トランス脂肪酸ゼロと表示されたマーガリンを知りたい
朝はパン食という方も多いと思うので、マーガリンはトランス脂肪酸の含まれない商品を使いたいですよね。
そこで不要な合成食品添加物なしを謳う(株)創健社のマーガリンが、トランス脂肪酸ゼロの表示がある可能性が高いと思い調べてみました。
ここのメーカーのマーガリンは、一番搾りのべに花油を使い、素材にこだわった材料が使われています。
ところがトランス脂肪酸の含有量は、「少ない」という表現に留まっていました。
こちらのメーカーの植物油は、化学溶剤を使わないで低温圧搾製法で作った商品になります。
そのためトランス脂肪酸がゼロと表示された商品となっています。
トランス脂肪酸ゼロと表示される植物油は稀なので、こちらのメーカーならばと期待したのですが、見当たらないようです。
ただ部分水素添加油脂は不使用で、100gあたり0.3gのトランス脂肪酸の含有量とのことで、通販で販売されています。
大手メーカーの家庭用マーガリンが、100gあたり約1gのトランス脂肪酸の含有量のため、そちらに比べるとかなり少ないようので、オススメできます。
トランス脂肪酸ゼロ表示がない理由は「その必要がない」と捉えるべきか…
ご紹介をしたように、トランス脂肪酸の含有量がゼロの商品は、まだまだ少ないようです。
ただ日本人の摂取率は多い数字ではないと国は捉えているため、そんなにこだわらなくてもよいという理由から、商品に含有量の表示がない商品が多いのだろうと感じました。
ガイドラインは決められていて、企業もHPなどで情報を公開しているようなので、そういったものをチェックしながら、健康を守るとよいのかもしれませんね。