かつては冬の風物詩だった焼き芋は、今では1年中スーパーなどで手に入るようになりました。
芋好きにはたまりませんね。
そんな焼き芋を使ってダイエットができるってご存知ですか。
実はご飯より太らないともいわれているのです。
そこで今回は、焼き芋とご飯のカロリーや糖質の比較をはじめ、含まれている栄養素の違いや効果的なダイエット法、おいしい焼き芋の作り方まで調べてみました。
ご参考になれば幸いです。
焼き芋のカロリーはどれくらい?糖質は?栄養は?
焼き芋100g当たりのカロリーは、約163kcalです。
1本300gとして、焼き芋1本食べきれば489kcalになります。
ちなみにメロンパン1個が276kcal、ハンバーガー1個が422kcalです。
焼き芋はこれらよりカロリーが高く、おやつに焼き芋を1本食べれば、軽くご飯を食べるのと同じカロリーを摂取することになるのです。
では、意外にも高カロリーな焼き芋の、糖質はどれくらいあるのでしょう。
焼き芋1本300gの糖質量は106.5gです。
重量の1/3以上が糖質ですから、焼き芋はまるで糖質の塊のような食材といえるかもしれません。
カロリーが高くて糖質も高い。
それでは体に良くないかというと、全くその反対です。
焼き芋にはカリウム、ビタミンC、ビタミンB6、マグネシウム、カルシウム、鉄といった優れた栄養素がたくさん詰まってます。
ビタミンCは加熱すると失われますが、さつま芋に含まれるビタミンCは加熱に強く、焼き芋にしてもほとんど失われないことがわかっています。
また、含有量がとりわけ高いのがカリウムです。
血圧を正常に保ったり浮腫みをとるなど体を常に良い状態にしておくのに欠かせない栄養素です。
ほかにもヤラピンというさつま芋に特有の成分が、腸の働きを活発にさせます。
加熱してもその作用は失われないので、焼き芋は便秘に効果的です。
しかも食物繊維も豊富に含まれているため、ダブルで便秘に効くのです。
このように健康に一役買っている焼き芋は、適量を食べる分には優秀な食材といえるでしょう。
ご飯のカロリーはどれくらい?糖質は?栄養は?
私たちの主食、ご飯のカロリーはどれくらいかというと、100gあたり168kcalです。
焼き芋は163kcalですから、若干ご飯のほうが高めです。
しかしご飯は茶碗1杯が約140gですから、235kcalになります。
一方、焼き芋は1本のカロリーが489kcalです。
ご飯1杯と焼き芋1本では、焼き芋のほうがカロリーが高いのです。
それではご飯の糖質はどうでしょう。
焼き芋1本の糖質は106.5gと高めでしたが、ご飯1杯分の糖質は約55gです。
ご飯の糖質もかなり高めです。
栄養素はどうかというと、例えば焼き芋に含まれるビタミンCやB6はご飯には含まれていません。
カリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄といったミネラルも、焼き芋に比べごくわずかしか含まれていません。
ご飯の成分は圧倒的に糖質が高く、次いでたんぱく質が含まれ、そのほかの栄養はほとんどないに等しいので、おかずとして多くの栄養素をとる必要があるのです。
その点焼き芋のほうが、1本にさまざまな栄養が含まれているため、それだけで完結した食品といえます。
焼き芋はダイエットに向いている?
焼き芋はダイエットに向いている食材といわれています。
高カロリーで糖質も高い焼き芋がどうしてダイエットに向いているか、主食のご飯と比較しながら考えてみましょう。
まず、焼き芋は食物繊維が豊富なので、ダイエットの大敵、便秘に効きます。
同じく腸の運動を促して便秘に効果的なヤラピンをはじめ、以下のような栄養素が含まれています。
・ビタミンB6・・・髪や爪、歯の健康維持
・ビタミンC・・・抗酸化作用、美白効果
・ビタミンE・・・若返りビタミン
・パントテン酸・・・ストレスの緩和
・葉酸・・・赤血球や神経細胞の生成
・カリウム・・・体を正常に保つ
・カルシウム・・・骨の形成やイライラの緩和
また、皮にもβカロチン、カルシウム、食物繊維や、アントシアニン、クロロゲン酸といった抗酸化成分が含まれていますから、焼き芋は皮ごといただくのがおすすめです。
このように焼き芋だけで多くの栄養素が摂れるため、食事がこれで完結します。
ご飯にはここまで多種類の栄養素は含まれていません。
必ず、おかず+ご飯で食事をとりますから、食事量全体が焼き芋単体より多くなります。
つまり食事を焼き芋だけにすれば全体の量が減らせるため、ダイエット向きなのです。
しかも焼き芋は水分といっしょに摂ると、お腹で膨張するため満腹感を得やすいのもダイエットに効果的な理由のひとつです。
さらに、焼き芋は高カロリーといっても、これだけで食事が完結すれば、一般的な食事に比べカロリーが低めです。
また、糖質が高いといっても、血糖値が上昇するスピードはご飯やうどん、パン、パスタに比べて遅く、血糖値が上がりにくい食品です。
そのため焼き芋は、ダイエットに向く食品とされているのです。
焼き芋をご飯代わりにすると太る?
焼き芋が大好きだと、ご飯代わりに1本ペロリと平らげてしまうことも多いですよね。
食物繊維もビタミン類も豊富な焼き芋なら、ご飯代わりにしても大丈夫です。
カロリーもご飯と余り変わらないので、焼き芋にしたら太る、ということはないでしょう。
しかし、3食とも焼き芋にするのはちょっと問題です。
いくらビタミンやミネラルが含まれているとはいえ、焼き芋は基本炭水化物で糖質がメインです。
焼き芋だけでなく、食事ではいろいろな食材をとって栄養バランスを整えることが大切です。
ダイエットなら3食のうち、例えば夕食を焼き芋1本にして、朝食と昼食はいろいろなおかずから栄養を摂る普通の食事にしましょう。
夕食を焼き芋1本だけにすると物足りないのなら、野菜がたっぷり入ったスープと一緒に食べるなど、水分と一緒に摂るようにすると満腹感が得られやすいです。
また、焼き芋の皮も必ずいただいてください。
皮には健康効果の高い栄養素がたくさん含まれているだけでなく、脂肪を燃焼させる成分も入っていますから捨てるのはもったいないですよ。
ただし、焼き芋をいただく際に、マーガリンやバターをたっぷり塗るのはNGです。
カロリーが高くなります。
そのままか塩をつける程度にしましょう。
焼き芋が大好きなかたなら無理なくできるので、おすすめのダイエット法です。
ご飯代わりにするカロリー低めのさつま芋の種類は?
1食分を焼き芋に置き換えるとダイエット効果があることをお話ししましたが、実はさつま芋の種類によってカロリーが異なることをご存知でしょうか?
せっかくなら少しでもカロリーの低いさつま芋を選んで、ご飯代わりの焼き芋にしたいですよね。
よく見かけるさつま芋の100g中のカロリーを種類ごとにまとめました。
・安納芋・・・162kcal
・紅はるか・・・142kcal
・紅あずま・・・132kcal
・鳴門金時・・・132kcal
安納芋は甘みが濃厚で、焼き芋ではいちばん人気のある品種ですが、残念ながら最もカロリーが高くなります。
これを鳴門金時や紅あずまにすれば、カロリーが30kcal抑えられるのです。
安納芋にも負けないくらい、甘みの強いおいしい焼き芋にするにはどうすればいいでしょうか。
実は、どの品種であっても、焼き芋をおいしくするにはちょっとしたコツがあります。
次にご紹介するので、ぜひご参考になさってください。
ご飯なんか目じゃない!焼き芋を甘くする裏ワザ
焼き芋の甘み、うまみを最も強く引き出す作り方は、時間をかけてじっくり火を通すことです。
これは糖化といって、さつま芋に含まれるでんぷんが加熱により糖に変化するため起こる現象です。
加熱温度は高過ぎても低過ぎてもダメで、65~85℃くらいが最も糖化が進むといいます。
つまり、できるだけ長い時間この温度を保てれば、グングン糖化が進み、甘みが増すというわけです。
昔は濡れた新聞紙とアルミホイルにくるんださつま芋を、焚火の中に入れて作る焼き芋が一般的でしたが、理にかなった方法だったのですね。
しかし、今となってはなかなかできないやり方です。
そこで、おすすめの裏ワザ的作り方をご紹介しましょう。
①さつま芋を水洗いし、水気を残したままラップでくるみ、200wの電子レンジで2~3分加熱して、さつま芋の内部の温度を70℃くらいに上げます。
②濡らしたキッチンペーパーにさつま芋をくるみ、その上からくしゃくしゃにしたアルミホイルを巻き付け、130℃のオーブンで30分加熱して糖化させます。
③オーブンの温度を180℃に上げてさらに30分加熱します。
④さつま芋をくるんでいたアルミホイルとキッチンペーパーを外し、さらに15分焼いて水分を飛ばします。
甘みねっとり、ご飯なんかいらないくらいのおいしい焼き芋の完成です。
ただし糖度が増す分、いくらかカロリーも高くなることをご承知おきください。
焼き芋ダイエットを成功させるには?
いかがでしょう。
高カロリー、高糖質であっても食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富な焼き芋は、意外にもダイエットに向く食材とわかりました。
ただし、過剰な摂取は禁物ですよ。
1日1本を目安に、3食のうちの1食を焼き芋に置き換えるのがおすすめです。
物足りなければ水分を補ってお腹を膨らましましょう。
焼き方を工夫すれば芋好きにはたまらない、夢のようなおいしさの焼き芋になりますよ。