玄米と十六穀米のどちらのほうがダイエットに向いているの?

スーパーに行くと、玄米や十六穀米など体に良いとされるお米がたくさん並んでいますよね。

しかし、そのどれもがダイエットに適しているのでしょうか。

今回は玄米と十六穀米について、どちらがよりダイエットに適しているか、栄養面を中心に掘り下げてみたいと思います。

体に良くてヘルシーな玄米と十六穀米はどう違うの?

玄米とは、もみ殻だけを取り除いたお米のことで、糠と胚芽がついています。

そのため色もまだ茶色っぽく、食感がポソポソと硬いのが特徴です。

しかし、白米の約5倍の食物繊維をもつため、腸内環境を整え、排便を促し、便秘を防ぎます。

また、発芽のためのエネルギーを内包しているため栄養がとても豊富です。

そのため体に良いご飯といわれているのです。

一方、十六穀米とは雑穀米の一種です。

大麦、玄米、黒豆、はと麦、粟、ひえ、きび、キヌア、ごま…など16種類の雑穀を混ぜたものが十六穀米です。

白米に混ぜて炊くことでたくさんの栄養素が一度に摂れるうえ、穀物の食物線維が豊富なため、玄米同様、健康的な主食として注目されています。

それでは玄米や十六穀米がダイエットに向いているご飯かどうか、気になるカロリーや糖質量を調べてみましょう。

玄米と十六穀米のカロリーや糖質量は?ダイエットに向いている?

玄米ご飯、十六穀米ご飯のそれぞれ100g当たりのカロリーを見てみましょう。

比較のために白米のカロリーも見てみます。

・白米 168kcal

・玄米 165kcal

・十六穀米 165kcal

100g当たりの糖質量も見てみましょう。

・白米 77.1g

・玄米 73.8g

・十六穀米 75.4g

十六穀米はブレンドする穀物の種類と量により、カロリーも糖質量も変わります。

しかしそれでも玄米と十六穀米に、ほとんど差はありません。

白米と比べてもあまり大きな違いはありません。

ということは玄米も十六穀米も白米同様、高カロリー、高糖質といえます。

では、ダイエットに向いていないのでしょうか。

ネットには、白米を玄米に替えてから体重が減ったとか、十六穀米をはじめとした雑穀米で痩せた、といった声が多数溢れています。

実はどちらも白米に比べ、ダイエットに向いている主食なのです。

その理由をご説明しましょう。

玄米と十六穀米がダイエットに向いているわけとは?

玄米と十六穀米が白米に比べてダイエットに向いている理由をお話ししましょう。

・豊富な食物繊維

玄米にも十六穀米にも食物繊維が豊富で、玄米は白米の約5倍、十六穀米は玄米の約1.7倍の食物繊維が含まれています。

食物繊維には水に溶ける水溶性と、溶けにくい不溶性とがあり、どちらか一方が含まれているよりも両方含まれているほうが、腸内環境を整え、排便を促す作用があります。

玄米にも十六穀米にも、水溶性・不溶性両方の食物繊維がバランス良く含まれているため、デトックス効果があり、便秘を予防します。

しかも腸内に長くとどまるため、次に入ってくる食品の糖質の吸収を抑え、食後の血糖値の急上昇を抑制します。

そのためインスリンの分泌を抑え、太りにくい体へと改善してくれるのです。

・低GI食品

食後の血糖値が上昇するスピードを表す指数にGI値があります。

GI値が高いと血糖値の上昇スピードが速く、太りやすいといえますが、GI値が低いとスピードが遅く、緩やかに上昇するため太りにくいといえます。

玄米と十六穀米、白米のGI値は以下の通りです。

・白米 84

・玄米 56

・十六穀米 55

白米は高GI値ですが、玄米と十六穀米は低GI食品です。

白米に比べ、玄米や十六穀米は太りにくい、ダイエット向きの主食といえますね。

まだまだある!玄米と十六穀米のダイエット効果をサポートする優れた栄養素

玄米と十六穀米には、含まれてる栄養素にもダイエットをサポートする効果があります。

・新陳代謝を促進するビタミンB群

玄米にも十六穀米にもビタミンB群が豊富に含まれています。

ビタミンB群には疲労回復効果や脳の健康を維持する力などさまざまな働きがありますが、新陳代謝を促して脂肪を燃焼させる働きがダイエットの大きなサポートとなっています。

十六穀米には0.65g、玄米には0.9gものビタミンB群が含まれています。

・基礎代謝を増やすタンパク質

白米にはほとんど含まれていないタンパク質が、玄米には6.8g、十六穀米には12.6gも含まれています。

タンパク質は筋肉作りに欠かせない栄養素です。

タンパク質が多いほど、しっかりとした筋肉を作り、基礎代謝量が増えるため、脂肪が燃焼されやすいといえます。

・鉄分

鉄分は不足すると貧血につながるため、ダイエットをしようとするとする特に女性にとっては欠かせない栄養素です。

玄米には2.1mg、十六穀米には2.0mgの鉄分が含まれています。

このようにさまざまな栄養素が含まれているため、ダイエット中でも栄養の偏りがなく、バランス良く健康的に痩せられるといえるのです。

・食感

玄米と十六穀米はこうした栄養素の効能だけではなく、食感もダイエットの大きな味方となっています。

どちらも白米に比べ歯ごたえのあるため、しっかりよく噛まなければなりません。

噛めば噛むほど満腹中枢が刺激され、少食でも満足感を得られます。

そのため食べる量自体が減って、ダイエット効果につながるのです。

玄米と十六穀米はどちらがダイエットに向いている?玄米特有の効能は?

ここまで玄米と十六穀米について調べてきましたが、どちらも豊富な食物繊維を有し、同じような栄養素を含んでいるせいか、どちらも同じようなダイエット効果があるといえます。

しかし、しいて言えば、よりダイエットに向いているのは玄米なのか十六穀米なのか、知りたいですよね。

栄養面から探ってみましょう。

玄米に特徴的な栄養素は、ビタミンB1、ビタミンE、カリウムです。

それぞれの効能は下記の通りです。

・ビタミンB1

ビタミンB群の働き同様、脂肪や糖質の代謝を促し、脳の健康を維持してくれます。

そして疲れを解消します。

・ビタミンE

強い抗酸化作用で血液をサラサラにするため、新陳代謝を促し、若返りや美容の効果が期待できます。

・カリウム

高血圧を正常に戻して健康を維持します。

余分なナトリウムを排出するため浮腫みを解消します。

他にも、デトックス作用や健やかな肌に効果的な栄養素が含まれています。

では、十六穀米の特徴的な栄養素について見ていきましょう。

玄米と十六穀米はどちらがダイエットに向いている?十六穀米特有の効能は

十六穀米に特徴的なのは、なんといっても食物繊維です。

玄米も食物繊維が豊富ですが、十六穀米に含まれている大麦の食物繊維が、野菜などでは摂取できない水溶性の食物繊維のため、腸内環境を強力に改善し、お腹をスッキリさせる効果が大きいのです。

では、白米、玄米、雑穀の100gあたりの栄養分の比較をしてみましょう。

      たんぱく質 ビタミンB1 食物繊維
白米     6.1g    0.08mg0.5g
玄米     6.8g    0.41mg  3.0g
大麦(押麦) 6.2g    0.06mg   9.6g
あわ     10.5g     0.20mg   3.4g
ひえ      9.7g    0.05mg   4.3g

含まれている雑穀によっても変わりますが、みな食物繊維が豊富なため、全体的にみて十六穀米には優れた排出作用があるといえます。

また他の雑穀にも下記のような効能があります。

・はと麦

利尿作用があり、新陳代謝を活発にします。

・黒米

抗酸化作用があり、血行を促進します。

このように、玄米、十六穀米とも甲乙つけがたく、判断は大変難しいといえます。

最も強力にダイエット効果を狙うなら、いっそ玄米に雑穀を混ぜてみてはいかがでしょうか。

ただし食感が硬く、炊き方がやや面倒です。

しかも白米に比べ値段が高くつくため、長く続けることを考えたらどちらかにする、あるいは普段の白米に少し混ぜてみる程度にとどめておくのがいいかもしれません。

健康的な主食で太りにくい体質へと改善するダイエットを!

糖質制限ダイエットでは主食を抜くことが奨励されますが、玄米や十六穀米ならむしろ食べることで太りにくい体質へと改善してくれるため、主食として長くとり続けたいお米です。

どちらも食物繊維が豊富で優れた栄養素がバランス良く配合されていますから、健康的に体重を落としたいかたに最適です。

あなたも今日からさっそく始めてみませんか。

まずは白米に混ぜてみることからスタートです。