意外と高齢者のカロリーはどれくらい必要かわからないものです。
何を重点的に食べた方がいいのか、この量でいいのかなど、悩みは尽きません。
少しでもその悩みを解消出来るように高齢者の1日のカロリー摂取や重点的にとった方が良い栄養などについてご説明致します。
活動的な高齢者はカロリーを1日にどれくらいとればいいの?
70歳以上の高齢者は1日に男性であれば2200キロカロリー、女性で1750キロカロリーが必要とされています。
意外と高いです。
3食のバランスで行くと、男性であれば1食約700キロカロリー程度、女性で1食約550カロリー程度となります。
このカロリー摂取量がどういう方が該当するかというと、毎日のように外出をする方や働いている方が該当します。
男性の1食約700キロカロリーがどれくらいかというと、
・親子丼 1杯
・天そば大盛り 1山
・回転寿司 約7皿
となり、高齢者としてみれば多いです。
女性の1食約550キロカロリーは、
・定食(ごはん小盛り) 1膳
・天そば普通盛 1山
・回転寿司 5皿
男性と比べると、意外と少なく感じます。
もしここに間食を入れると、もっと少なくなります。
間食を入れたい場合は、朝のカロリーを200キロカロリー程度減らして、間食で調整するといいでしょう。
朝あまり食べない方は朝と昼のお米の量を半分にして間食をとると丁度良いです。
寝たきり高齢者の場合の1日に必要なカロリーは?
次は寝たきり高齢者の方や、1日中家からほとんど出ることのない高齢者の必要なカロリーについてです。
男性で約1800キロカロリー、女性で1500キロカロリーが必要とされています。
因みに高齢者福祉施設やデイサービス、配色サービスの食事のカロリーはこの男性と女性の中間値をとって1650キロカロリーや1600キロカロリー設定にしている施設が多いです。
もしかしたら多くの高齢者にとって一番身近な食事のカロリー量かもしれません。
寝たきりや動かないのにカロリーを消費するのか疑問の方も多いかもしれません。
しかし、人間には「基礎代謝」といって、息をしたり汗をかく際もエネルギーを使います。
エネルギーの原料はカロリーですが、動かないからと言ってときちんとカロリーをとらないと、筋肉量が落ちたり骨折しやすくなったりします。
高齢者の場合はそれが特に顕著です。
その為に、動かなくてもきちんとカロリーをとらなくてはなりませんが、いつも高齢者の栄養摂取がうまくいくケースばかりではないはずです。
その点については「具合が悪い高齢者の栄養摂取方法」にてお伝えいたします。
超アクティブな高齢者がとるべきカロリーは1日にこれだけ!
最近はアクティブに動く高齢者も多く、従来のカロリー摂取量だと1日のカロリーが足りない場合があります。
もし高齢者がアクティブに動く場合、男性2500キロカロリー、女性2000カロリーが必要とされています。
しかしどんなに動く高齢者でも、栄養面での過不足や体の負荷のかかり方が若い時とは違うので注意が必要です。
主にどんな点に注意が必要かというと、
・骨折しやすくなる
・筋肉が落ちやすくなる
・体調変化が目まぐるしい
等の点です。
動く分、このリスクがいかに鍛えていようと若い時よりは増えます。
この点は老化と共に起こる生理現象なので、受け入れが必要です。
この受入れが出来ることによって、栄養面でどんなところに気を付けた方がいいかなど、変化がつけやすくなります。
そうすることで健やかに過ごせることでしょう。
では、栄養面的にどんなことに気を付けるべきかを挙げていきたいと思います。
高齢者が意識した方が良い栄養について
それではカロリー以外で栄養面的に高齢者が気を付けた方が良いものとはいったいなんでしょうか?
高齢者が1日に特に気を付けた方が良い栄養素は以下の2つです。
①たんぱく質
たんぱく質摂取は十分に行う必要があります。
カロリーの中でも糖質よりたんぱく質を重点的にとった方が良いとされる説もあるくらいです。
このたんぱく質が十分にあると、骨折予防が出来ます。
なぜたんぱく質がちゃんととれていると骨折予防になるかというと、たんぱく質で出来ている筋肉は、骨を支えているからです。
このたんぱく量が少ないと何かの衝撃で筋肉が骨を支えられずに折れてしまうことが多々あります。
その為にたんぱく質は必要です。
②カルシウム
カルシウムは骨を作ります。
このカルシウムは高齢になればなるほどに体へ流出します。
骨が海綿状になってしまい骨折しやすくなることを「骨粗しょう症」といいますが、カルシウムを適度にとればこの現象の予防になります。
そして、意外に知られていませんが、日光浴をすると、体のカルシウムの素がカルシウムになるので日光浴も適度に行うとなお効果的なので、健康に気を付けながらお試しいただけたらと思います。
具合が悪い高齢者の栄養摂取方法
具合が悪い高齢者だけでなく寝たきり高齢者や1日家に居る高齢者には、時に食事が食べづらい場合があります。
そうした場合食事はどうすれば良いのでしょうか?
手軽にカロリー摂取出来て少しでも1日のカロリーを不足が少なくする方法があるのでよろしければお試し下さい。
①プリンを使う
プリンは卵と牛乳主体で出来ており、カロリー摂取とたんぱく摂取が同時に行えます。
のど越しも良く、具合が悪い時に適しているので、よく介護施設の職員さんが裏ワザで使っています。
②薬局で売っている高カロリー食品を使う
ここ最近、飲料メーカーなどから高カロリー高齢者用飲料が薬局で発売されています。
以前は市販されておらず施設ででしか手に入れられなかった商品ですが、日本の超高齢化傾向を受けて発売されるようになりました。
片手サイズで1mlで1キロカロリー設定のものが多く、大体200mlで200カロリーなので、少ない量で手軽にカロリー摂取が出来ます。
ただし、もし胃腸の調子があまり良くない場合は濃度が高いので、コップに入れてお湯などで薄めて飲んだ方が胃腸への刺激が少なく良いでしょう。
高齢者は1日の水分摂取が特に大事!
カロリーやたんぱく質、カルシウムなどの栄養のほかに、特に1日の栄養摂取で気を付けてほしいのは水分についてです。
水分は高齢者の体にはそもそも少なく、そのために肌のしわやたるみが出ています。
また、体の水分量が少ないということは、適切な栄養を確保し、いきわたらせる水分がないのでそのままお通じとして排泄されるか便秘になってしまうことが多々あります。
因みに男性が下痢、女性が便秘になる傾向が高いようです。
こうしたリスクを防ぐために水分摂取は必要です。
ちなみにアルコールは利尿作用があり、体の水分として保持されないので水分としては換算しないと言われています。
1日に2リットルは最低でも必要と言われているので、500mlのペットボトル4本に該当します。
特に下痢の場合は、体から水分を余計に出しているだけでなく、栄養摂取が出来ないまま外に出しているので、栄養分を水分で薄めて吸収しやすくした方が良いです。
一気に飲むときついので、こまめに飲むようにしましょう。
健やかなシニアライフを!
高齢者と言えども全員が1日に必要な栄養が同じ訳ではなく、多種多様な栄養やカロリーが個人個人で必要です。
高齢者の栄養摂取は、さまざまな状況が関係してきますので簡単ではありません。
1人で抱え込まず、周囲の方と協力しながら行いましょう。
そうすることで、周りの方と一緒に健やかなシニアライフを送れることでしょう。