辛い料理はスタミナ料理としても人気があります。
夏バテのときも辛い料理で元気を出す人もいるでしょう。
冬にもピリ辛の味噌鍋などを食べれば体が温まります。
なぜ、暑い夏も寒い冬も辛い料理を食べたくなるのでしょう。
辛さの体への影響や健康効果抜群の味噌について、また、暑い夏や寒い冬におすすめの料理などをご紹介していきます。
辛い料理で元気が出る理由とは
夏バテで食欲のわかない時に、辛い料理でスタミナをつけることは昔から行われてきました。
しかし、甘みや旨味などと違い、辛みというのは味覚というより痛みのことといわれています。
痛みや熱さを引き起こすひとつの物質として、辛みは脳へと伝わります。
口に入れた時は辛いと感じますが、目や傷口などに入った場合痛いと感じます。
これは、痛覚が刺激されているためです。
唐辛子、こしょう、わさびなど辛い調味料はたくさんありますが、なぜ、夏バテや寒い日に辛い料理がいいとされているのでしょう。
辛さという刺激が消化器まで伝わると胃腸や心臓、体温調節などを行う自律神経が働きます。
体を動かすための交感神経に働きかけ、活性化してくれるのです。
また、辛み成分であるカプサイシンを摂取すると皮膚表面の体温が上がります。
これは、一時的なもので汗として体の熱を体外へ逃がし、食べる前よりも皮膚表面の温度は下がります。
この温度差がさわやかさを感じさせてくれるのです。
カプサイシンは血行が良くなることで胃の粘膜を保護し、代謝を高める働きもあります。
気温の高い国で辛い料理が食べられているのはそうした働きを経験によって知っているからかもしれませんね。
しかし、あまりに辛い料理は胃の粘膜を損傷する恐れがあります。
辛味噌のラーメンや鍋などとてもおいしいですが辛さの調節は気を付けましょう。
味噌にはどんな健康効果があるのか
前項では辛さの影響について触れましたが、ここでは味噌の健康効果についてみていきましょう。
大豆から作られる味噌は炭水化物、たんぱく質、ミネラルなどが豊富に含まれています。
カロリーは低く、ビタミンEや葉酸などの女性の体に大切な栄養も含まれています。
ビタミンEやイソフラボンの働きによって老化防止の効果も期待できます。
食物繊維も豊富で便秘の解消やダイエットに役立ちます。
コリンという成分には肝機能を高める効果が期待でき、脂肪が肝臓に溜まるのを防いでくれるため脂肪肝の人にもおすすめです。
また、βコングリシニンという成分はたんぱく質のひとつですが、血液中の中性脂肪を低くしてくれる働きがあります。
大豆に含まれるサポニンはコレステロールが上がるのを抑えてくれますし、リノール酸や大豆レシチンにも同様の効果が期待できます。
そして、リノール酸はしみやそばかすのもととなるメラニンを抑える働きがあり、美白にも効果的とされています。
このように味噌には様々な健康効果があります。
辛さと味噌の相性も良く、いろいろな料理もあります。
次項からは夏におすすめの辛味噌料理や冬におすすめの辛味噌鍋などのレシピをご紹介します。
夏にぴったり!ピリ辛味噌炒め
夏野菜のひとつであるきゅうりは、サラダにしたりそのまま味噌をつけてもおいしく食べられます。
このきゅうりをピリ辛の味噌炒めにすると、おかずにもおつまみにもなります。
きゅうりを炒めるというと意外に思う人もいるかもしれませんが、ぜひ試してみてください。
【きゅうりと鶏の味噌炒め】
【材料 2人分】
・きゅうり 2本
・鶏ひき肉 100g
・鷹の爪(輪切り) 適量
★味噌 大さじ1.5
★酒 大さじ1
★砂糖 大さじ1
★にんにく(すりおろし) 小さじ1
・ゴマ油 小さじ2
【作り方】
①きゅうりのヘタを取り、縦に4等分にしてから3cm幅に切ります。
②★を混ぜ合わせます。
③鍋にごま油をひいて中火で熱し、鷹の爪、ひき肉を加えて炒めます。
④ひき肉の色が変わったら①、②を加えて3分強火で炒めます。
味が馴染んだら完成です。
ひき肉は好きな部位でかまいません。
鷹の爪の量で辛さの調節をしましょう。
味噌を少なめにするときゅうりの味をしっかり楽しめますし、味噌を多めにすればご飯によく合うおかずになります。
鍋で肉を茹でたら野菜を切るだけ!辛味噌で食欲アップ
こちらも夏野菜を使ったレシピです。
夏バテや疲労の回復にもおすすめでさっぱりと食べられます。
【甘辛豚しゃぶ】
【材料 2人分】
・豚肉(しゃぶしゃぶ用) 200g
・ミニトマト 6個
・オクラ(茹でておく) 6本
・きゅうり 2本
★サラダ油 大さじ1
★コチュジャン 大さじ1
★味噌 大さじ1
★みりん 大さじ1
★にんにく(すりおろし) 小さじ1/3
【作り方】
①★を混ぜ合わせて甘辛タレを作っておきます。
②鍋にお湯を沸かし、沸騰する直前に豚肉を入れて火を通しザルにあげておきます。
③茹でておいたオクラとミニトマトを食べやすいサイズに切ります。
きゅうりはピーラーで薄くスライスしておきます。
④②、③を皿に盛り、上に①をかけて完成です。
にんにくが気になる人は入れなくても構いません。
夏バテの時もピリ辛のタレが食欲をそそります。
寒い冬にぴったりのピリ辛味噌鍋
ここでは寒い冬におすすめの鍋をご紹介します。
ピリ辛の味で体の温まる一品です。
【ピリ辛肉団子鍋】
【材料 2人分】
・豚ひき肉 150g
・卵 1/2個
・春雨 20g
・大根 200g
・えのき 1袋
・長ねぎ 10cm
・春菊 1/2わ
・しょうが汁 少々
★片栗粉 大さじ1
★酒 大さじ1/2
★塩こしょう 少々
☆味噌 大さじ1
☆酒 大さじ1
☆豆板醤 小さじ1/2
・水 4カップ
【作り方】
①春雨を熱湯で戻し、7cmの長さに切ります。
大根は横半分に切って厚さ5mmの拍子切りにします。
えのきは根元を切り落とし半分の長さに切り、ねぎをみじん切りにします。
②ボウルにひき肉、ねぎ、卵、★を入れてしっかりと練ります。
手に水をつけて8等分に丸めます。
③鍋に水と大根を入れて火にかけ10分程大根が透き通るまで煮ます。
その後②を加えます。
④肉団子に火が通り鍋に浮いてきたら灰汁を取ります。
☆を溶き入れ、えのき、春雨、春菊を加えてひと煮立ちさせます。
しょうが汁を加えて完成です。
しょうがで体も温まり、豆板醤のアクセントでご飯も進みます。
万能調味料の辛味噌で冬の鍋にも夏の冷や汁にも
最後に、いろいろな料理にアレンジできる万能調味料をご紹介します。
作り置きしておけば簡単に使えます。
【ピリ辛にんにく味噌】
【材料】
・味噌 100g
・にんにく(すりおろし) 1片
・豆板醤 大さじ1
【作り方】
瓶を殺菌消毒して、材料すべてを入れて混ぜるだけです。
普通の味噌のように冷蔵庫で長期保存が可能です。
そのまま野菜をつけて食べてもおいしいですが、アレンジもたくさんできます。
●マーボーナス
味付けはこの調味料で簡単に作ることができます。
●ジャージャー麺
暑い時期にもぴったりのジャージャー麺にもよく合います。
●味噌ラーメン
鍋に鶏ガラスープと合わせれば本格味噌ラーメンに仕上がります。
●ピリ辛味噌鍋
野菜たっぷりの鍋に加えれば鍋スープも簡単にできます。
●冷や汁
夏バテの時も薬味をたっぷり入れてさっぱり食べられます。
●肉味噌
ひき肉、玉ねぎ、生姜を炒めて辛味噌を加えれば肉味噌も簡単にできますし、1週間ほど保存可能です。
さらにアレンジを加えることもできます。
●二色丼
上記の肉味噌を使って炒り卵と二色丼にするのもおすすめです。
●焼きおにぎり
おにぎりの片側に辛味噌を塗ってトースターで焼けば、夜食にもおやつにもぴったりです。
すりゴマや大葉を加えると、おとなの焼きおにぎりに仕上がります。
味噌に辛さを加えておいしく元気に食を楽しむ!
味噌と辛みの相性は抜群です。
夏に食べればスタミナ回復に、冬に食べれば体を温めてくれるでしょう。
激辛に挑まなくとも少しの刺激で交感神経を刺激して体温を上げてくれます。
胃の粘膜を傷つけないようにほどほどのピリ辛料理を楽しみましょう。
万能調味料の辛味噌も一度作っておけば何にでもアレンジ可能ですから、もう一品ほしい時や簡単に済ませたいランチにも助かりますね。
いろいろなレシピにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。