豚肉は、肉の中で最もビタミンB1を豊富に含む美容食品です。
近年それが解明されて、以前のような「豚肉は肥満の原因になる」と言うような勘違いをする人が、減ってきました。
中でも豚肉で使いやすいのが、薄切りのお肉です。
豚肉の薄切りにも色々な部位がありますが、その部位によってカロリーに違いはあるのでしょうか。
カロリーが低い豚肉の薄切り
豚肉の肩・ロース・肩ロース・ばら・ももの薄切り肉が、スーパーなどで市販されています。
最もカロリーが高いのは脂質の多い豚ばら肉で、低いのが皮下脂肪の少ない肩肉になります。
肩肉の部位は皮下脂肪は少ないですが筋が多く肉質が固いため、薄切り肉の他にコマ切りにしたり、ひき肉で使われます。
肩肉を薄切りのスライスにするには、肉巻きにするような長いスライスにするよりも、しゃぶしゃぶに使われたり、野菜炒めに使われることが多くなります。
肩肉の薄切りのカロリーは、脂身なしで100gあたり171kcal、脂身つきで216kcal、ビタミンB1が0.71mg、B2が0.25mgと、健康や肥満防止には最適です。
肩部分は肩肉より、肩ロースとして売っていることの方が多くなりますが、100g中のカロリーは肩ロースでは脂身なしで226kcal、脂身つきで253kcalと高くなります。
肉巻きによく使われる薄切りの肉で、もっとも人気がありカロリーが低いのはもも肉です。
豚もも肉のカロリーは、脂身がついても100gあたり183kcal、脂身なしでは148kcalになり、豚ばら肉の薄切りのおよそ半分で、肩の部分の次に低くなります。
ビタミンB1も0.9mgと豊富で豚肉の部位で、ヒレ肉とレバーに次いで多くなります。
豚もも肉の薄切りのスライスはとても使いやすくて、しょうが焼きや野菜の肉巻き、とんかつのミルフィーユなどによく利用されています。
調理の仕方で違う豚肉の薄切りのカロリー
豚肉は、薄切りや色々な調理方法で食べることができます。
茹でてしゃぶしゃぶや、冷しゃぶサラダ、茹でた豚肉でカイワレやアスパラを巻いて肉の野菜巻き。
白菜やキャベツの間に挟んだ豚肉と野菜の鍋。
焼いてしょうが焼きや、豚丼にバンズや食パンにはさんで、ハンバーガーやサンドイッチと、いろいろ楽しむことができます。
豚肉は生では食べることができませんが、生の豚肉の薄切りと加熱した時の薄切りでは、カロリーはどう変わるのでしょうか。
肉は茹でるとカロリーが減る、と言われますが本当でしょうか。
それでは、同じ豚ロース肉・豚もも肉の生と調理方法の違いをご紹介しましょう。
豚ロース肉は、生の場合は脂身つきで100g中のカロリーが263kcalになります。
同じ肉を茹でた場合は、100g中のカロリーが329kcalになります。
茹でたら脂身は少なくなりますが、肉は加熱すると水分が減って肉がしまります。
そのため、カロリーが高くなるだけでなく、たんぱく質の量も脂質の量も増えます。
生の豚ロース肉は脂質が19.2gですが、茹でると24.1gです。
水溶性ビタミンのB1は茹でると減ってしまいます。
豚ロース肉は焼くと水分が一番減り、カロリーは328kcalになります。
茹でるよりも焼いたほうがカロリーが減るのは意外かもしれませんが、脂質も22.7gと茹でる時よりも少なくなります。
豚ロース肉は茹でるよりも焼いたほうが少ないのは、焼くことで脂身が外に出るからと考えられます。
もも肉も同じで、生の場合は100g中のカロリーが148kcalですが、茹でると199kcal、焼くと200kcalとカロリーが高くなります。
豚肉は生で食べることができないので加熱は必要ですが、一番低カロリーで食べることができるのは、茹でた豚もも肉の薄切りになります。
リーズナブルな豚肉の薄切りを使ったレシピのカロリー
豚肉ロースの薄切りは、豚肉ロースの塊よりもリーズナブルな価格で手に入れることができます。
「ミルフィーユとんかつ」と呼ばれる料理もありまよね。
同じとんかつでも、塊の豚ロースよりもリーズナブルな価格の薄切り肉を重ねて作ることができます。
間に大葉やチーズを挟むと栄養価が上がるだけでなく、味にもアクセントがつきとても美味しいです。
普通の豚肉ロースのとんかつやしょうが焼き用では、100gあたり260~280円くらいしますが、豚肉ロースの薄切り肉なら230~250円くらいになりますので、それだけ安くとんかつを作ることができます。
カロリーはどうなのか、と言うと同じロース肉になりますので、カロリーはほぼ同じで、生の状態で100g中263kcalになります。
重ねる手間はありますが、薄切り肉の方がリーズナブルで、いろいろと挟んでアクセントもつき味も楽しめます。
普通の塊の豚ロース肉のとんかつは、100gで450kcalになります。
一方、豚ロース肉のミルフィーユとんかつは、100gの薄切りのロース肉を使うと、1人分468kcalになります。
ミルフィーユとんかつを作る時、肉の間に玉ねぎや大葉・キャベツを挟むと、使用する肉の量が減るだけでなく、野菜によるビタミンCや食物繊維を摂ることができますので、カロリーも減ります。
肉の代わりにエリンギを挟んで作ると、1人分が280kcalにまで減少します。
他の野菜でもカロリーが減り、300kcal前後になりますので、1人分100kcalを減らすことができます。
普通のミルフィーユとんかつでは、普通のロースのとんかつとほぼカロリーは同じですが、間に野菜を挟むことで、お財布の出費を下げるだけでなくカロリーを下げることができます。
カロリー控えめな豚肉の薄切りレシピ
豚肉の薄切りは茹でるよりも焼いたほうがカロリーを抑えることができますが、一緒に入れる野菜によってもカロリーを減らすことができます。
さらにレンジで加熱すると、焼くよりもカロリーを控えることができます。
野菜の中では、GI値やカロリーが低い野菜と一緒に焼くことがお勧めです。
チンゲン菜・もやし・ブロッコリーですね。
薄切りのもも肉にブロッコリーを包んで焼いたり、もやしと一緒に炒めると、カロリーが控えられるだけでなく、たんぱく質やビタミンB1、ビタミンCを摂ることができます。
それでは、お弁当のおかずにもなる、肉巻きブロッコリーのレシピをご紹介しましょう。
【材料 2人分】
・豚もも薄切り肉 6枚(180g)
・ブロッコリー 6房
・塩・胡椒 少々
・トマトケチャップ 適量
・粉チーズ 大さじ1
【作り方】
①ラップの上に、豚もも薄切り肉を1枚ずつ広げます。
②広げた豚もも薄切り肉に、塩・胡椒を振ります。
③肉の真ん中にブロッコリーを乗せて、くるくるとしっかり巻きます。
④耐熱の保存容器に、重ならないように並べ、ケチャップと粉チーズをかけます。
⑤ふんわりとラップをかけて、レンジ600Wで3分半~4分加熱します。
冷蔵庫で3日保存ができますので、多めに作って夕飯の残りをお弁当用に取っておくのもいいですね。
2倍の量を作ったときは、2つに分けてレンジで加熱しましょう。
ケチャップ・粉チーズの代わりに、ポン酢とおろししょうがでさっぱりと仕上げるのもおいしいです。
豚肉の薄切り肉で巻くGI値の低い野菜
豚肉の薄切りを使ったレシピは、もも肉ではなくバラ肉でも、カロリーを控えることができます。
薄切り肉は色々な食材との相性がよく、野菜やキノコ類と一緒に食べるレシピがたくさんあります。
カロリーを控えるメニューもたくさんありますね。
火も通りやすくレンジで加熱することもできるため、調理時間を短縮することもできます。
ブロッコリーの代わりに、もやしや千切りキャベツを中に入れて巻いたものもあります。
薄切り肉の中に入れて巻くときに、カロリーはもちろんですが、GI値を考えて野菜を選ぶとダイエット向きのおかずにもなります。
野菜類でもGI値が高いものと、低いものがあります。
GI値が低いものはカロリーも控えめになりますが、高いものはカロリーも高くなります。
GI値が低いものではブロッコリーの他に、ほうれん草・レタス・キャベツになります。
根菜だと、レンコン・かぼちゃ・ごぼう・長芋・じゃがいもになります。
また、ダイエットメニューと思われている春雨は、茹でると100gでおよそ80kcalとカロリーは控えめですが、GI値は高いのをご存知でしたか?
春雨はじゃがいもや長芋よりも、GI値が高くなります。
ブロッコリーのGI値が100gで06g、キャベツは3.4g、オクラは2.4gですが、春雨は19.1gになります。
少しでもダイエットに効果がある食材を使って、なおかつ満腹感が欲しい時には、豚肉の薄切り肉レシピを活用してみてくださいね。
カロリー高めでも美味しい豚肉の薄切りメニュー
豚肉の薄切りを使った人気の料理と言えば、しょうが焼きです。
おろししょうがに醤油とみりん、酒を混ぜて、薄切りの豚肉や玉ねぎを漬け込んで、フライパンで焼くだけです。
豚肉のしょうが焼きは、1人分350kcal~380kcalとカロリーが高めですが、美味しいので肉好きな人に人気のメニューです。
付け合わせの野菜やサラダ、味噌汁とご飯。
豚肉のしょうが焼き定食は、ファミリーレストランや焼き肉店だけでなく、企業の社員食堂や高校や大学の学生食堂でもよく見かけますね。
高校や大学では、10代20代の男子学生が多く、彼らは1食で900kcal、運動部なら1000kcalを必要とします。
ですからカロリーが高いしょうが焼き定食でも、肥満や食べすぎによる生活習慣病を心配する必要がありません。
むしろ、しょうが焼き定食で、必要なたんぱく質や糖質・脂質、付け合わせの野菜や味噌汁の豆腐で、カルシウムやビタミンをしっかりと摂ることもできます。
美味しいしょうが焼き定食は、若い世代のサラリーマンにも人気のメニューです。
独身サラリーマンの人の食生活は、好きなものに偏りがちですが、一緒に野菜や小魚・牛乳・大豆食品を摂って、栄養バランスを考えることを忘れないでくださいね。
薄切りの豚肉は常にストックしておきたい
今回、お話しましたように薄切りされた豚肉はカロリーもそこまで高くなく、リーズナブル、そして様々な料理に使えます。
冷凍保存しておけば、いつでも好きな時に料理の材料として引っ張り出せるでしょう。
広告の品で安く売られていた時は少し多めに購入し、小分けにして冷凍ストックしておくことをおすすめします。
いつでも美味しく豚肉をいただきましょう。