意外と知らないカロリーについてですが、1日の摂取カロリーの上限と下限の限界を超えてしまうと、人間の体には一体どんな影響が出るのでしょうか。
そこで今回は、1日の摂取カロリーの上限を超えた場合と、下限に届かなかった場合に起こる症状や、対応について詳しく解説していきます。
1日の摂取カロリーを守ることで得られる恩恵
健康のために良いとされている食事摂取基準による、あまり動かない人の1日の平均摂取カロリーは、
・成人男性1850キロカロリー~2300キロカロリー
・成人女性1650キロカロリー~1750キロカロリー
となっております。
この摂取目安は、1日を健康的に過ごせ、何かしらの健康被害のリスクが出づらいとされているものです。
このカロリーを守ることで、バランスにもよりますが、身体機能が適正化され、疾病の予防になるなどの恩恵があります。
しかし、このカロリーの限界を破るとどうなるのかは、上限を超えた場合と下限に届かなかった場合、それぞれで違います。
そして、それぞれで共通しているのが、放っておくと最悪のケースと直結するリスクがあることです。
それでは、いったいどのような症状が出るのか解説します。
1日の摂取カロリーの上限の限界と懸念される健康被害
1日の摂取カロリーの限界の上限はあまり動かない人で、様々な説があり、人種、性別、年齢、体格、生活状況、体表面積、平均体温、食事や運動などの日常行動にもよりますが、平均で男性約2300キロカロリー以上、女性約1750キロカロリー以上と言われます。
このカロリーを1回破った程度では、よほどの疾病や条件が揃わないとおそらく健康被害は出づらいのですが、破り続けると健康被害がいつか出ます。
継続してカロリーを上限突破するとどうなるかというと、
・脂肪がたまり肥満になる。
・血管にも脂肪がこびりつき高血圧になる。
・血がドロドロして高血圧に拍車をかける。
・頭がボーっとする。
等の状態を経由して疾病になってしまいます。
どういう疾病かというと、
・糖尿病
・腎疾患
・心不全
・脳血管障害
等です。
最悪の事態に直結するような怖い疾病です。
遺伝子的になりやすい病気の系統などがあるようですが、どの道カロリーが限界を超え続けるといいことはまずありません。
余談ですが、伝承によると日本人最初の糖尿病は藤原道長か、その兄の道隆とのことです。
1日の摂取カロリーの下限の限界と懸念される健康被害
1日の摂取カロリーの限界の下限は、先程の上限の時と同じように様々な違いの影響はありますが、平均で男性約1600キロカロリー以下、女性約1200キロカロリー以下と言われます。
1日の摂取カロリーを下回り続けると起こる健康被害は、意外にカロリーの上限の限界突破よりも知られていません。
カロリーを下回った時に出る健康被害は、糖質、脂質、たんぱく質、ミネラル、ビタミンのどれが欠乏しているかにより出る症状はまちまちですが、総合的に欠乏した場合の代表的な症状をお伝えします。
是非、ダイエットする方には特に知っておいて欲しい情報です。
何が起こるかというと、
・脱毛
・肌荒れ
・便秘
・蕁麻疹
・めまい
・脱水
・むくみ
・頭痛
等がまず起こります。
意外に地味で日常的に感じていることも多く気づきにくいものばかりです。
カロリー制限もしくはカロリー下限突破を長期的にしている方や、長期的にこの症状が複数あれば、危険信号の可能性があります。
そして主に日本人は糖質がエネルギー源なので、カロリー制限すると、体質にもよりますが、主に糖質不足由来の症状が出やすくなっています。
特に最近では糖質制限が流行っていますが、このような症状が出ることがあるので、お医者様に指示されている方以外は適度に糖質も食べた方が良いと言えるでしょう。
さらに栄養不足と自律神経が狂うことによって、下痢・拒食症・骨折等が起こり、最終的には動いた拍子に脳血管が切れるケースや心停止のケースが存在するようです。
ちなみに、便秘の後に下痢が起こるのが意外に思われがちだと思います。
しかしこれには理由があります。
それは、腸管等が正常な機能を果たせず、栄養を吸収できなくなってしまうために起こることが理由です。
この状態はかなり重症です。
長い治療が必要となるケースがあります。
回復が、摂取カロリーの上限限界突破をしてしまった場合と同様に難しく、一気に最悪のケースになる場合があるので、そうはならないように絶対に気をつけてください。
1日の摂取カロリーの上限の限界を超えそうなときは
飲み会や食事会など、あらかじめ1日の摂取カロリーが上限の限界を超えそうだとわかっている場合は、無糖の水分を1日かけて2リットル近く飲んでおき、体調を整えましょう。
そして、摂取カロリーの上限の限界が超えてしまうと思われる食事メニューで、不足しそうな栄養を積極的に摂りましょう。
例えば焼肉を夜に食べる場合、朝ご飯は食物繊維たっぷりのクラッカーと水、昼ごはんはビタミンやミネラルを多く含んだ海藻サラダや果物など、カロリーを低めにして不足しそうな栄養を摂っておきます。
夜に備えて一切食べないのは、栄養バランスが崩れ余計な健康被害のリスクが高まるのでご法度です。
そして、次の日の食事をなるべく健康的なもので過ごし帳尻を合わせるのが大切です。
さらに、どれくらいカロリー量を超えたかによるのですが、無糖の水分は特に多めにして、最低でも2リットルくらい次の日に1日かけて摂取し、体のドロドロ血液を改善することに努めましょう。
1日の摂取カロリーの下限の限界になりそうなときは
1日の摂取カロリーの下限の限界を突破をしてしまうからと言って、急いで1日分のカロリーを摂取することはご法度です。
なぜなら脳がストレスやダメージを受けて、意識障害などにつながる可能性があるからです。
血糖値が急に上がり過ぎると、場合によっては倒れてしまうかもしれません。
やはりここは最初に水を飲み、体を慣らしてから塩分の低いものを入れていきましょう。
一番良いと思われるのは、水を少し飲んだら経口補水液を飲み、体の浸透圧を徐々に上げていき、脂っこくない薄味で軽めの消化のいい食事を摂ることです。
胃が一番ダメージを受けるとされているのは塩分です。
いきなり塩分の濃い食事を胃の中に入れないようにしましょう。
苦しい思いをして吐いてしまうかもしれません。
そして、焦って大量の食事を入れないように、一回の食事をゆっくりよく噛んで少しずつ食べましょう。
おかしいなと思ったら医療機関を受診しよう
もし、上限か下限の摂取カロリーの限界を超えてしまって、健康被害が出ているなと感じたら、「大丈夫」と自己判断せずに、一刻も早く医療機関に相談しに行きましょう。
1日の摂取カロリーの限界突破をし続けて、健康被害が出るまでの期間は人によって違います。
取り返しがつかなくなる前に早期に医療機関を受診することは、今後の二次的な健康被害を考えると懸命な判断といえます。
そして、もしかしたら摂取カロリーの上限や下限が続く理由は、食欲以外に問題がある可能性があります。
その判断が自分では難しい場合は、身近にいる人に相談してみてもいいかもしれません。
現在の状態が、第三者からみて普通なのかどうかを知ることも一つの手段と言えます。
それこそ、この記事を参考にして「もしかしたら」と思ったら、医療機関へ受診してもいいと思います。
何もなければ受診した費用が勿体無く感じますが、確認のために、そして安心のために自分にお金をかけることは、無駄なことではないはずです。
1日の摂取カロリーは適正に摂ろう
「1日くらいカロリーの限界突破しても大丈夫」が続いていませんか。
人によって健康被害が出始める期間はまちまちですが、続けばほとんどの方に症状が出始めます。
カロリーの限界を突破し続けないように、皆様お気をつけください。
また1人で解決しようとせず、身近な誰かや行政、医療機関に相談してみましょう。