1日にわずか300キロカロリーしか食べない過激なダイエットで、3か月に10キロ以上痩せられると話題になっています。
しかし、このダイエットは正直あまりおすすめできません。
その理由と、それに代わる正しいダイエットの基本的な知識をご紹介したいと思います。
これからダイエットをしようと思うかたの、ご参考になれば幸いです。
1日に300キロカロリーしかとらないダイエット法はどうして危険なのか
某女優さんが、3か月で11キロも体重を落としたことでたちまち注目を浴びたのが、1日にたった300キロカロリーしかとらないというダイエット法です。
朝食はプロテインとノンファットミルク、昼食はこんにゃくゼリー、夜はコラーゲンと味噌汁1杯というハードな食事制限を実施したところ、2か月で10キロ体重が減り、トータル3か月で11キロ減ったそうです。
しかし、このダイエット方法を行った当事者もおっしゃっているように、これは決しておすすめできる方法ではありません。
極端な食事制限は、体を飢餓状態に陥らせます。
すると、わずかなカロリーを極力消費しないよう脂肪として貯めこもうとするので基礎代謝が落ち、かえって痩せにくい体となるのです。
少ない栄養摂取でも太りやすくなり、ダイエットをやめた途端にリバウンドする可能性が大でしょう。
摂取エネルギーが基礎代謝よりもずっと少ないと、消費されるエネルギーも少なくなるので思ったように痩せないのです。
某女優さんはたまたまダイエットに成功しましたが、誰もがこのように痩せられるとは限りません。
ホルモンバランスが崩れて骨がもろくなる、肌のハリがなくなる、老けるなどのデメリットもあるため、1日300キロカロリーダイエットは極力避けたほうがいいでしょう。
おすすめ!1日に300キロカロリーを消費するダイエット法
効率よく痩せるには、単に摂取するエネルギー量を減らすだけではうまく行きません。
消費するエネルギー量を増やすことが大切です。
ダイエットとは結局、エネルギーを「入れること」と「出すこと」の問題なのです。
ですから、入れて出す量がゼロなら太ることはないわけです。
日本人の「摂取カロリー」と「消費カロリー」を比べてみると、摂取カロリーのほうが1日平均300キロカロリー多いのだそうです。
つまり、《摂取カロリー》-《消費カロリー》=300キロカロリーです。
ということは、1日に300キロカロリー落とせば、プラスマイナスゼロで太らないこになります。
では、どうやって毎日300キロカロリーずつ減らせばいいのでしょうか。
まず、運動で消費する方法を見てみましょう。
1日に300キロカロリーを運動で消費していく方法
私たちの身近な運動で、1日に300キロカロリー消費する方法を考えていきましょう。
有酸素運動の代表であるウォーキングは、体重60キロの人が30分やって120キロカロリー消費するので、300キロカロリー消費するには1日に75分歩く必要があります。
というと、毎日忙しいのにそんな時間はないと思いますよね。
しかし、通勤で片道10分歩くなら、電車を1駅手前で降りて20分歩くようすれば、往復で40分になります。
会社の中では階段を利用したり、昼休みに散策をかねて徒歩15分の距離にある公園でお弁当を食べたりといった工夫で、75分は比較的簡単に達成できます。
75分が無理なら、速足で60分歩けば300キロカロリー消費できます。
また、ジョギングでは30分で210キロカロリー消費しますから、45分で優に300キロカロリー消費できます。
自転車なら15分で80キロカロリー消費できますから、60分弱で300キロカロリーになります。
自転車通勤はとてもおすすめです。
また、最近はあまりやる人がいませんが、縄跳びもおすすめです。
30分で300キロカロリー消費できます。
運動はどうしても苦手というなら、日々の暮らしの中でこまめにカロリー消費しましょう。
たとえば、入浴は30分で87キロカロリー消費できます。
湯船と洗い場を往復するほどカロリー消費が増えますから、休日はたっぷり消費するつもりで銭湯に出かけるのもいいですね。
家事では掃除がカロリー消費におすすめです。
30分で100キロカロリー消費しますから、こまめに隅々まで磨きあげてください。
1日に300キロカロリー消費して痩せられるのか?
1日に300キロカロリーを消費して、体重は果たして落ちていくのでしょうか。
体重1キロは9000キロカロリーといいます。
そのうち20%が水分なので、実質は7200キロカロリーです。
1日に300キロカロリー消費するなら、体重1キロを減らすのに24日かかることになります。
1か月で1キロ減らすにはよいペースですが、仮に1か月で3キロ、5キロ減らしたいというなら、1日300キロカロリー消費するだけでは足りません。
運動でカロリーを消費しつつ、摂取エネルギーをも減らすことが必要です。
摂取エネルギーとは、すなわち食べものです。
食べものをどれくらい減らせばいいのでしょうか。
上述したような、1日に300キロカロリーしか摂らないというのでは危険です。
無理なく、かつ効率よく行うには、「つらい」と感じないレベルであることが大事です。
そのためのポイントの一つが、基礎代謝を落とさないことにあります。
摂取カロリーは減らしても、代謝をアップさせる働きをもった食べ物を積極的に摂ることで、消費エネルギーを上げるようにするのがコツです。
エネルギーを燃焼しやすい体にして、効率よく痩せる体質へと改善していけばいいのです。
知っておきたい自分の基礎代謝量!正しいダイエットの方法
効率よく痩せる体質へと改善していくために、知っておいた方が良いのが基礎代謝量です。
基礎代謝は年齢や性別、体重や身長によって変わりますが、だいたい1200~1800キロカロリーくらいで、最低でも1000キロカロリーはあります。
この基礎代謝に行動量を加えたものが、その人の消費エネルギーです。
消費エネルギーを増やすためには行動量を増せばいいわけですから、その前に自分の基礎代謝料を知っておこうというわけです。
基礎代謝は次の計算式に当てはめるとわかります。
・【男性】13.397×体重kg+4.799×身長cm-5.677×年齢+88.362
・【女性】9.247×体重kg+3.098×身長cm-4.33×年齢+447.593
例えば、30歳で170cm、60キロの男性の基礎代謝は1537キロカロリーです。
30歳で160cm、50キロの女性の基礎代謝は1275キロカロリーです。
現代では、基礎代謝分はエネルギー摂取するのが健康的なダイエットといわれています。
どうしても、というなら最低でも1日に1000キロカロリーは摂るようにしてください。
コンビニのおにぎりが、1個だいたい200キロカロリーなので、1日に5個は食べるくらいの感覚です。
1日におにぎり1個半程度しか食べていないなら、摂取カロリーはだいたい300キロカロリーですので、明らかに現在の摂取エネルギーが不足しています。
体は飢餓状態にあるため、ダイエットをしても痩せにくくなっているはずです。
健康的に体重を減らすためにも、まずは基礎代謝分のエネルギーを確保するようにしましょう。
代謝を上げてエネルギーを燃焼しやすくする食べものは?
それでは、代謝を上げて痩せやすい体質に改善する食べ物をご紹介しましょう。
・豆腐…大豆たんぱくが血流をよくします。
・アーモンド…ビタミンB2が脂肪を燃やし、オレイン酸が血流をよくします。
・アボカド…L-カルチニンが脂肪を燃やします。
・根菜類…体を温めて血流をよくします。
ポイントは血流です。
血の流れがよいと体の隅々にまで酸素や栄養が、迅速にたっぷりと供給されるので、細胞が活気づいて新陳代謝が促進されるのです。
そのため、血行をよくする食べ物はすべて代謝アップに貢献すると考えていいでしょう。
スープやお茶、白湯など温かい飲み物も代謝をアップさせます。
こうした食材を利用して、1回にだいたい300キロカロリー台の食事を1日に3回摂れば、摂取カロリーが1000キロカロリー台となって健康的なダイエットになるでしょう。
入浴や有酸素運動も突き詰めれば血行が促進されるために代謝が上がり、脂肪が燃焼しやすい体となるため、ダイエットに向いているのです。
血流は健康の基本なのですね。
痩せたくても体の根幹を壊さないことが大切
話題となった1日に300キロカロリーしか摂取しないダイエット法は、確かに成功すれば劇的に痩せるかもしれませんが、引き換えに体を飢餓状態に陥らせ、取り返しのつかない状態を招きかねません。
体を壊してしまったら、それこそ何のためのダイエットなのかわからなくなってしまいます。
単に体重を落としたいだけなのか、それともスッキリと無駄のないみずみずしいプロポーションになりたいのか。
後者を選ぶなら、食事でエネルギーを摂りつつ、それを運動で効率よく燃やしていく体へと改善していきましょう。