食品添加物と着色料を安全に使用するための実験方法とは

最近は食品添加物という言葉をよく見たり、聞いたりしますよね。

食品添加物は、どのような実験を経て使用が許可されるのでしょうか。

特に食品添加物の中の着色料について気にしている人は多いですね。

体に悪いものなのか、どのようにして使用できるようになっているのか、どのような実験がされているのかを知るとこれからの食生活に生かせるかもしれません。

食品添加物が使用許可されるまでの流れとは?

食品添加物には着色料や保存料・甘味料などがありますが、どのような流れで使用が許可されるようになるのでしょうか。

使用が許可されるまでには5つの調査資料を提出しなければなりません。

①発見の経緯と外国の使用状況について

②物理化学的性質と成分規格について

③有効性について

④安全性について

⑤使用基準について

これらの調査資料を提出し、化学的性質を決定し、ラットを使用した実験が行われます。

そして、実験結果をふまえADI(1日の摂取許容量)が設定されます。

ADIとは、人が一生死ぬまでの間に毎日食べたとしても体に影響がないと考えられる1日当たりの量のことです。

算出方法は、ラットを使用して悪影響が見られなかった最大量を安全係数(ラットと人では誤差があるので100分の1の量)で割ったものです。

このようにして安全性が確かめられ、使用量も決められています。

しかし、少し疑問も残ります。

例えば、添加物を複数、同時摂取する場合の安全性は確立されているのでしょうか。

同時摂取する組み合わせによっては発がん性があるといわれているものもあります。

それについては、未だ情報が足りないのが現状です。

食品添加物が使用許可されるにはどのような実験が行われている?

では、実際に食品添加物の着色料などが使用許可されるための動物(ラットやマウス)を使用した実験とは、どのようなものなのかについてご紹介します。

食品添加物の安全性の試験とはいくつかあります。

・急性毒性試験とは、1度だけ動物に食べされて試験するものです。

・亜急性毒性試験とは、1ヶ月から3ヶ月動物に食べさせて試験するものです。

・慢性毒性試験とは、1年以上動物に食べさせて試験するものです。

・発がん性試験とは、動物に一生涯食べさせ続けることで、発がん性の有無を試験するものです。

・催奇形性試験とは、妊娠中の動物を使用し、奇形児が生まれるかどうかを試験するものです。

・変異原性試験とは、微生物を使用して遺伝子や染色体への影響を試験するものです。

・繁殖試験とは、二世代にわたって動物に食べさせ生殖機能や胎児・新生児に影響を及ぼすかを試験するものです。

このようにいくつかの試験が行われ、安全性を確かめられています。

食品添加物の着色料などの安全性実験の落とし穴とは?

前項のように、食品添加物の安全性を確かめる実験がしっかりと行われていることがわかりましたが、そこには落とし穴が3つあります。

1つめは、臨床試験がないということです。

医薬品に関しては動物実験をしてから人での臨床試験というものが行われ、安全性と有効性を確認しています。

食品添加物の着色料などは動物実験のみで臨床試験は行われていないので、本当に安全なのかという不安もあります。

2つめは、加工の工程を経た場合の安全性です。

添加物が入った食品は、製造時に加熱や冷却・乾燥など様々な工程があります。

これらの工程を経て添加物の物質が変化している場合の安全性は確立されているのでしょうか。

動物実験では加工しない添加物を食べさせて実験をしているので、また少し違うかもしれません。

例えば添加物の甘味料の1種類で、138度以上の高熱で加工した場合に有毒ガスが出るという報告がでています。

3つめは、複数同時摂取時の安全性です。

食品添加物は加工食品には1つとは限らず複数入っていることがあります。

複数同時に食べることにより、化学反応を起こし有害な物質に変わってしまうことはないのでしょうか。

動物実験では、1つの添加物のみを食べさせる実験を行います。

同時摂取の実験は行われていないので、本当に安全なのかは不明ということになります。

このように実験が行われていても本当に安全性が確認できているのかは疑問が残ります。

海外ではどのような実験結果が出ているの?

食品添加物の着色料には発がん性の疑いや不妊症の疑いがあるものもあり、海外では禁止されているものもあります。

食用赤色2号は、子供がよく食べるお菓子やいちごシロップなどに使われています。

海外では動物実験をした際に発がん性の危険性があるとされ、使用が禁止されました。

食用赤色102号は、加工食品に使用されていることがあります。

海外では安息香酸ナトリウムと同時摂取することにより、注意欠陥障害が起こる危険性があるとされています。

2008年には、注意欠陥障害に影響を及ぼす可能性があるということを表記するようになりました。

食用黄色4号は、マウスを使用した実験で体重1キロに対して12.75gを食べさせると、マウスの半数が死亡するという結果が出ています。

このように海外だと使用が禁止されているものや、危険性があると認められているものがあります。

日本では安全とされ使用が許可されていますが、日本でも危険性が認められれば使用が禁止されることもあります。

食品添加物着色料の摂取量を減らす方法

現代の食生活では、誰しも加工食品を食べることがあります。

食品添加物を全て避けるのは難しいですよね。

着色料が入っている食品を美味しく食べて着色料の摂取量を減らす方法をご紹介します。

ハム・ベーコンは、お湯を軽く沸騰させた中に15秒入れます。

ウインナーの場合は、切れ目を2、3箇所入れて沸騰したお湯の中に入れ1分茹でます。

ウインナーは焼いたり茹でたりする方法がありますよね。

茹でる調理法をするだけで食品添加物を軽減することができるのです。

冷凍フライの場合は、二度揚げします。

漬物の場合は、漬け汁を捨て水にさらしましょう。

かまぼこの場合は、薄く切り沸騰したお湯に軽くくぐらせます。

かまぼこの場合は、ピンク色をしたものには着色料が入っていますが、白色のものには入っていないものもありますので、白を選ぶようにしましょう。

このように食品により着色料を軽減する方法がありますが、最近は加工食品に無添加食品というものが出回っています。

健康に対して意識が高まっている時代ですので、無添加食品を選ぶのもひとつの手です。

添加物が入っているものは表示もされていますし、安全性の実験の結果なども調べることができ、確認できます。

無添加食品は少しお値段が高くなっているものもありますが、どちらを選ぶのかは私たち消費者が決めることができます。

無添加食品にも着色料が入っているかも!?

無添加食品という言葉を見ると安全というイメージがありますが、無添加と書かれていても添加物が入っている場合があります。

無添加といっても保存料が無添加という意味で、着色料が使われていることがあるのです。

細かく保存料・着色料が無添加と書かれてあればこの2つの添加物は入っていないということになるのですが、やはり大切なのは原材料表示を自分の目でしっかりと確認するということですね。

自分で確認することで何が入っているのかを理解し、納得して食べることできます。

無添加という表示は基準が定められていないので、製造会社次第ということになります。

表示に惑わされないよう注意が必要です。

食品添加物と聞くと体によくないイメージですが、動物実験などが行われて使用が認められているので必ずしもすべてが悪いわけではありません。

例えば保存料を使わないと食中毒を起こしてしまうかもしれないという食品もあるので、必要な食品添加物もあるのです。

着色料に関しては見栄え重視ですので避けられるものは避けるというのもひとつの手段です。

着色料無添加と記載されているものがあれば、そちらを優先して選ぶようにすると良いですよ。

気になった食品添加物は調べてみよう!

食品添加物には着色料・保存料・甘味料などいくつかの種類があります。

加工食品などを買うときは食品添加物が入っているのかを見て、知らない名前のものがあればどのようなものなのか調べてみるといいですね。

食品添加物を簡単に軽減する方法もあったのでお試し下さい。

また、あまり摂取したくない場合は無添加食品を選ぶのもひとつの手ですが、無添加食品であっても原材料を確認ししましょう。