長寿番付で日本一になったことのある沖縄。
沖縄で暮らす人々は、昔から長寿なことで知られています。
そんな沖縄では独特な食べ物が多いですが、味噌汁もそのひとつです。
具沢山で栄養豊富といわれる沖縄風の味噌汁は、どんなものなのでしょうか。
また、作り方を後述でご紹介します。
沖縄の味噌汁ってどんなもの?
沖縄では、味噌汁のことを「みそじる」と呼び、具だくさんの沖縄風味噌汁のことをいいます。
「沖縄で味噌汁を見たら驚く」と耳にしますが、ご飯のおかずの役割も備えている具材の多さにビックリすることもあるようです。
もともと沖縄では、古くから味噌汁に豚肉を入れていた歴史もあります。
戦後に豚肉の代わりとして、ポークランチョンミートがアメリカ経由で沖縄に広まりました。
味噌汁にランチョンミートを入れる文化も、沖縄独特のものです。
また、島野菜などの独特の具材や、具材がほどよく煮崩れるように油を入れたりと、独自性が築かれています。
それでも、沖縄の味噌汁に込めた家族を思う気持ちは、一緒であることはいうまでもありません。
味噌汁の具材に絶対的な決まりはありませんが、基本的には豚肉に島野菜、ポークランチョアンミートに島豆腐、卵が入ることが多いようです。
それぞれの家庭ごとに好きな具材が入るので、アレンジも幅広いです。
豚肉が入った味噌汁というと、通常は豚汁を思い浮かべます。
この豚汁が更にパワーアップしたのが、沖縄風味噌汁のみそじるです。
みそじるは二日酔いのときや、食欲がないときにぴったりのメニューとして、古くから沖縄の人に愛されています。
では、ご家庭で作れる沖縄風味噌汁の作り方をご紹介します。
海の緑黄色野菜で沖縄味噌汁
沖縄といえばもずくや、あおさなどの海産物が思い浮かびます。
もずくやあおさを食べてほっとするとき、太古の昔、海から生まれ進化してきたDNAを感じます。
あおさの主な栄養成分を以下に記述します。
◇カルシウムは牛乳の8倍
◇葉酸とβカロテンはほうれん草の約2倍
◇食物繊維はゴボウの約7倍
このように、栄養豊富なあおさは、海の緑黄色野菜ともいわれています。
低価格の豚肩ロース肉と、乾燥あおさを使って、手軽に栄養豊富な味噌汁を食べてみましょう。
【材料】
・豚肩ロース肉かたまり 300g
・玉ねぎ 1個
・ひと口大の焼き麩 適量
・乾燥あおさ お好みの量
・和風顆粒だし 小さじ1
・味噌 大さじ3と1/3
・水 1000cc
・サラダ油 適量
【作り方】
①麩は、具材を切る間に水に漬けて、軽く水気を絞ります。
②玉ねぎは皮をむいて、食べやすい大きさに切ります。
豚肉は、食べやすい好みの大きさに切りましょう。
③鍋に油をひき、豚肉を炒めます。
しばらく豚肉を炒め、玉ねぎも一緒に炒めましょう。
④豚肉に半分ほど火が通ったところで水と和風顆粒だしを入れます。
火を中火にしてだしを沸騰させ、しばらく煮ましょう。
⑤灰汁がでるので、丁寧に取りながら玉ねぎが柔らかくなるまで煮ます。
⑥玉ねぎがやわらかくなったら麩を入れ、沸騰させます。
⑦だし汁に味噌を溶かし入れ、好みの量のあおさを入れます。
大きめの鉢や丼に盛り付けて完成です。
ヘチマの味噌汁の作り方
沖縄の定番の食材にヘチマがあります。
沖縄ではヘチマを使った、ナーベーラーンブシー(ヘチマの味噌煮)という定番おかずがあります。
しかし、栄養豊富なヘチマの成分を味噌汁にして、汁ごと頂くのもおすすめです。
ヘチマはカリウムでむくみ、高血圧予防などが挙げられます。
そして、水溶性、不溶性食物繊維で便秘解消効果が期待できます。
ヘチマが手に入ったときや、自宅でたくさん実ったときは、ぜひこのヘチマの味噌汁を作ってみてください。
【材料】
・豚肉肩ロース肉かたまり 300gほど
・ヘチマ 2本
・豆腐 1/2丁
・味噌 大さじ3と1/3
・和風顆粒だし 小さじ1
・水 1000cc
・サラダ油 適量
【作り方】
①ヘチマは食べやすい大きさに切ります。
小さめのものは輪切り、大きめのものは半月に切りにしましょう。
豆腐はひと口大に切ります。
豚肉を食べやすい好みの大きさに切ります。
②鍋に油をひき、豚肉を炒めます。
しばらく豚肉を炒め、ヘチマも一緒に炒めます。
③豚肉に半分ほど火が通ったところで、水と和風顆粒だしを入れます。
火を中火にしてだしを沸騰させ、しばらく煮ます。
④灰汁がでるので、丁寧に取りながらヘチマが柔らかくなるまで10分ほど煮ましょう。
⑤ヘチマがやわらかくなったら、豆腐を入れてしばらく煮て、味噌を溶かし入れます。
大きめの鉢や丼に盛り付けて完成です。
ゴーヤの栄養がつまった味噌汁の作り方
こちらは、ゴーヤやポークランチョンミート(スパム)を使った沖縄風の味噌汁の作り方です。
スパムはカリッと焼くと、香ばしくて美味しいです。
ゴーヤのわたは栄養満点です。
苦みの気にならない方は、わたごと使うのがおすすめです。
ゴーヤには、モモルデシンと数種のサポニン、20種のアミノ酸が含まれています。
血圧・血糖値を下げる、疲労回復、肝機能を高める効果があります。
ゴーヤが手に入ったら是非作ってみてください。
【材料】
・ゴーヤ 1/2本
・ポークランチョンミート(スパム) 1/2缶
・ジャガイモ 2個
・水 1000㏄
・和風顆粒だし 小さじ1
・味噌 大さじ3と1/3
・小口切り万能ねぎ 適量
【作り方】
①ゴーヤは縦半分に切り種だけ取り除き、わたごと2㎜幅にスライスします。
スライスしたら塩揉みして水にさらし、水気を絞ります。
②スパムは5mm厚さほどにスライスして、短冊切りにします。
ジャガイモはひと口大に切ります。
③深めの鍋でスパムを、油をひかずに炒めます。
さらに、スパムから出た油でジャガイモ、ゴーヤの順に炒めます。
④具材を炒めた鍋に、水と和風顆粒だしを入れて火にかけます。
ジャガイモが柔らかくなるまで煮ましょう。
⑤ジャガイモにすーっと竹串が通る様になったら、味噌を溶きます。
大きめの鉢や丼に盛りつけて、万能ねぎを散らせば完成です。
沖縄県外でも作れる具沢山な味噌汁
こちらは、沖縄県外でも手軽に手に入る材料で作る味噌汁です。
低価格な豚肩ロース肉と手軽な野菜で、具沢山な沖縄風の味噌汁が簡単に作れます。
ここでは小松菜を使います。
小松菜はキャベツよりもさらに抗ガン作用がある葉野菜です。
カルシウム、鉄分はほうれん草の倍以上になります。
スーパーマーケットで手軽に手に入る小松菜を使って、ヘルシーで栄養豊富な味噌汁を作ってみてください。
【材料】
・豚肩ロース肉かたまり 300gほど
・にんじん 1/2本
・里芋 3個
・小松菜 1/2束
・ひと口大の焼き麩 適量
・味噌 大さじ3と1/3
・和風顆粒だし 小さじ1
・水 1000cc
・サラダ油 適量
【作り方】
①麩は具材を切る間に水に漬けておいて、軽く水気を絞ります。
②にんじんは、ひと口大に切ります。
里芋は皮をむき、ひと口大に切ります。
小松菜は洗って、ざく切りにしておきます。
豚肉は、食べやすい好みの大きさに切ります。
③鍋に油をひき、豚肉を炒めます。
④しばらく豚肉を炒めたら、里芋とにんじんも一緒に炒めましょう。
⑤豚肉に半分ほど火が通ったら、水と和風顆粒だしを入れます。
火を中火にしてだしを沸騰させ、しばらく煮ます。
⑥灰汁がでるので、丁寧に取りながら里芋が柔らかくなるまで煮ます。
⑥里芋に竹串がすーっと通るようになったら、小松菜と麩を入れます。
鍋のだしが少なくなっていたら、具が浸るくらいまで水を足します。
⑦小松菜がしんなりするまで煮て、味噌を溶きます。
大きめの鉢や丼などに盛りつけて完成です。
これ一杯でおかず並み!沖縄風の作り方
ポークランチョンミート(スパム)を使った、沖縄らしい味噌汁の作り方です。
ポークランチョンミートは保存の利く食品なので、購入しておけば、いつでも手軽に作れます。
玉ねぎは、血液サラサラ効果がある含硫有機化合物が豊富です。
高脂血症を予防・改善、高血糖値も改善する効果があります。
沖縄の家族を思う気持ちがつまった、具沢山で美味しい味噌汁を是非ご家庭で作ってみてください。
【材料】
・鰹だし汁 1000ml
◎ポークランチョンミート(スパム) 130g
◎島豆腐(木綿豆腐でも可) 1/2丁
◎玉ねぎ 少1個
◎にんじん 3cmほど
・増えるわかめ 2g
・もやし 1パック
・レタス 4枚
・卵 2個
・赤味噌 大さじ2と1/2
・塩 小さじ1/2~1杯
・小口切り万能ねぎ 少々
【作り方】
①にんじん、玉ねぎ、ポークランチョンミートを食べやすいひと口大に切ります。
豆腐もひと口大に切ります。
もやしは洗って水気を切っておきます。
レタスは食べやすいひと口大に手でちぎっておきます。
②だし汁に、①で準備した◎を入れます。
鍋を火にかけ10分程度中火で火を通しましょう。
④具材に火が通ったら鍋に味噌を溶き、味をみながら塩を入れます。
⑤増えるわかめと、もやしを鍋に入れ、中火で煮ます。
⑥もやしに火が通ったら、⑤に卵を割り入れます。
卵がお好みの硬さになるまで火を通しましょう。
⑦レタスを加え、さっとひと煮立ちしたら火を止めます。
大きめの鉢や丼に盛りつけて、万能ねぎを散らせば完成です。
長寿の秘訣の具沢山味噌汁
沖縄の味噌汁がどんなものかを、ご紹介してきました。
長寿の秘訣ともいえる具沢山で健康的な沖縄風の味噌汁を、すぐに作ってみたくなったかたもいるのではないでしょうか。
簡単に作れる沖縄風味噌汁の作り方を参考に、みなさん是非作ってみてください。