醤油といえば、必ず家にある調味料ですよね。
醤油って昔からあって当たり前のものだけど、何を原料にしてどうやって作られているのか、あまり知られていませんよね。
醤油には色々な種類もあり、どんな料理にどの醤油がいいのかな、と考えることもありますよね。
そこで今回は、醤油の大豆に使われている遺伝子組み換えの豆知識など、色々な疑問を解決できるような内容をご紹介していきます。
醤油の原料とは何でしょうか?
醤油とは、何を原料として作られているのかご存知でしょうか。
主に「大豆」「小麦」「塩」を原料として醤油が作られています。
これらの原料を発酵させることによって、醤油が出来あがります。
醤油の原料とはという質問に、大豆と答える人は多いのですが、小麦粉が入っているということを知る人は少ないのではないでしょうか。
小麦粉には、醤油のあの香ばしい香りを作り出す役割があります。
そして、うま味を出す役割もあり、醤油のうま味の25%が、小麦粉の成分によるものとなっています。
また、醤油の原料以外にも添加物が入っている場合もあります。
例えば、アミノ酸というものが入っているものもあります。
これはうま味成分の一種とされているものです。
他にも、甘み成分のある甘味料が使われているものもあります。
これらの添加物が入っていると、コストを安くすることが出来るため、安く購入することができます。
添加物に敏感な方は、一度確認されてみるのもいいと思います。
醤油はこれらの原料を使い、どのように作られているの?
醤油の原料がわかったところで、次は、醤油がどのようにして作られているのか見ていきましょう。
まずは大豆ですが、使われる大豆には2種類あります。
「丸大豆」と「脱脂加工大豆」というものがあり、丸大豆は一般的な醤油作りに使われているもので、味がまろやかになります。
脱脂加工大豆というものは、はじめに脂肪分を取り除いてあるもので、たんぱく質のコクが生かされている味になります。
では、実際の醤油の作り方を見ていきましょう。
1.大豆を水に浸し、加熱する
大豆は加熱することにより、麹菌の酵素の作用をより効率よく受け入れられるようになります。
また、大豆の殺菌作用にも効果があります。
2.小麦粉を炒り、砕く
小麦粉を炒ることにより、大豆と同じで麹菌の酵素を受け入れやすくなります。
そして砕くことにより、麹菌の作用する幅が大きくなるのでより効果があります。
3.大豆と小麦粉を混ぜ合わせ、麹菌を入れる
4.発酵させ、熟成させる
発酵・熟成の過程は1年ほどかけじっくり行います。
5.熟成させたものから醤油を搾り出す
6.加熱し、色・味・香りの調整を行い商品になる
時間も手間もかかっているように見えますね。
醤油の種類ってどんなものがある?
醤油の原料と作り方についてご紹介しましたが、醤油って幾つかの種類がありますよね。
それぞれの醤油の種類と特徴を見ていきましょう。
・濃口醤油
日本の醤油の生産量の80%にもなり、一般的な醤油となっています。
・淡口醤油
醤油の生産量は13%ほどです。
関西で多く使われている醤油です。
見た目の色は薄いですが、濃口醤油よりも塩分は多くなっています。
また、仕上げに水あめや甘酒を入れるのが特徴なので、うま味や香りは薄い色と同じで控えめになっています。
煮物や吸い物、うどんつゆなどにはとても適しています。
・溜(たまり)醤油
醤油の生産量のわずか2%となっています。
主に愛知県を中心に、東海地方で多く使われています。
トローリとした濃厚な醤油で、刺身醤油として使われていたり、加熱すると赤くなるので、煎餅やあられなどの焼き目を出すのに使われています。
・再仕込み醤油
醤油の生産量のわずか1%ですが、今は全国で作られています。
名前の通り2度仕込まれているため、ドロリと濃厚な味です。
値段が高めなので、卓上調味料として刺身用に使われていることが多いです。
・白醤油
醤油の生産量のわずか1%となっていますが、比較的新しい醤油の種類です。
淡口醤油よりも色が薄く、うま味やコクが抑えられているので、素材の色を生かすためや、高級料理やうどんのつゆなどに使われています。
醤油の種類によって原料もかわる!?
醤油の種類は沢山あり、種類によって味や色も変わりましたが、原料も変わるのでしょうか!?
それぞれの醤油についてご説明していきます。
・濃口醤油
濃口醤油は一般的に使われている醤油でしたので、原料は大豆・小麦・塩です。
その為、原料に変わりはありません。
・淡口醤油
醤油は発酵・熟成するにつれて色が濃くなっていくのですが、淡口醤油は、この発酵・熟成を短くしているのです。
更に食塩を増やすことにより発酵・熟成をおさえることができますので、淡口醤油は濃口醤油よりも塩分が多くなるということになります。
・溜(たまり)醤油
濃口醤油は大豆と小麦粉を同じ量ずつくらい使っているのに対して、たまり醤油はほとんど大豆だけで作られています。
その為、大豆と塩で作られているものもありますが、最近では香りをよくするために、小麦粉を1割ほど加えたものが主流になってきているようです。
・再仕込み醤油
再仕込み醤油はその名の通り、発酵・熟成させた後に、塩以外の大豆・小麦粉だけを加え、もう一度発酵・熟成させています。
その為、原料は変わりありません。
・白醤油
たまり醤油はほとんどが大豆で作られていたのに対して、白醤油は主に小麦粉と少量の大豆を使っています。
主に小麦粉なので、香りをより生かすために、発酵・熟成を淡口醤油よりも短くしてあります。
醤油の原料に使われている大豆!遺伝子組み換えの落とし穴
遺伝子組み換え食品をご存知ですか?
簡単にいうと、作物を簡単に作れて枯れにくくしたり、美味しくできたり、低コストで作れるということです。
ですが、その反対に人に悪影響(発がん性)があるかもしれないともいわれています。
マウスの実験によると高確率で腫瘍ができる場合や、何らかの病気にかかり、致死率も高くなっているようです。
規制の厳しいヨーロッパなどでは、遺伝子組み換え食品は許可されていないようです。
では、日本ではどうでしょうか?
日本では遺伝子組み換えの表示義務がありますので、醤油にも記載されてる場合がありますが、そこには落とし穴があります。
それは条件によって、表示する義務がなくなる場合があるということです。
「組み換えDNA、および、それによって生成したたんぱく質が残らないものには表示義務がない」というきまりがあり、これに醤油が当てはまります。
つまり、醤油の原料に使われている大豆には、遺伝子組み換え表示の義務はないということです。
どうしても避けたいという人は、国産丸大豆を使用などと書かれているものを選んでください。
国内では、まだ大豆の遺伝子組み換えは行われていないので安全です。
醤油の表示をみると、遺伝子組み換えではないと記載されているものもあります。
醤油の原料にアレルギー物質は含まれる!?
近年、アレルギーという言葉をよく耳にするようになりましたね。
子供が生まれたらまずは、アレルギーがないかを心配しなければならない時代になってきています。
「離乳食を始めるときは、初めて食べるものは一口からにしましょう」と指導されます。
アレルギーが起こると、顔や全身に蕁麻疹が出ることがあり、他にも嘔吐・腹痛・下痢などが起こり、重症の場合はアナフィラキシーショックを起こすこともあります。
アナフィラキシーショックとは、血圧が低下し呼吸困難に陥り、最悪の場合は死に至ることもあります。
ですから、アレルギーがある方はとても慎重になりますよね。
アレルギー物質にも表示義務と、表示を推奨しているものとあります。
表示義務は、卵・乳・小麦・そば・落花生・えび・かにとなっており、醤油の小麦粉は表示義務があり、必ず表示されています。
表示を推奨しているものは20品目あり、その中に大豆も含まれています。
醤油の原料に使われているアレルギー物質は、小麦粉と大豆が当てはまることになります。
アレルギー物質を含まない商品もあり、小麦粉が入っていない醤油もありますし、小麦粉と大豆を使わずに米や雑穀などを使った醤油もあります。
醤油の原料の表示を色々と見比べてみよう
醤油を購入するときは是非、原材料表示を見てみてください。
原料は何か、国産なのか、遺伝子組み換えの有無が記載されているのか、などをチェックする習慣をつけましょう。
醤油にも色々な種類がありましたが、料理によって使い分けると、より美味しいものができるでしょう。
是非色々試してみてください。