醤油の大さじの分量を正しく知って美味しく健康な食生活を

料理で使う大さじは15ミリリットルです。

水や酒は容積=重量になりますので、15ミリリットル=15グラムですので、とても分かりやすいです。

一方、サラダ油やオリーブオイルは水に浮きます。

水よりも軽い植物油は、大さじ1で15ミリリットル=12グラムになります。

醤油は、水に沈みます。

水より重いです。

そのため、大さじ1の時の醤油の量は15ミリリットル=18グラムになります。

味噌も醤油と同じで、大さじ1が15ミリリットル=18グラムです。

こんなことを知っても無駄知識と思っている人、それは間違いです。

調味料の大さじ・小さじの分量を正しく知ることは、健康な食生活の第一歩です。

大さじ・小さじの分量を正しく知る理由

世の中には、高血圧や糖尿病などの生活習慣病で、食事制限をしている人は大勢います。

今の日本には、1000万人以上の高血圧患者がいることをご存知でしょうか。

決して、他人事ではないのです。

そして、食事制限をしている人のほとんどが、塩分を制限されています。

塩分を制限するためには、醤油や塩・味噌の小さじや大さじの正しい計りかたや、その量を知っておくのは大切なことになります。

脳や心臓に血栓ができやすい状態の重篤患者になれば、医師や管理栄養士の指導が入ります。

重篤になってしまえば命の危険はもちろん、下半身麻痺・右半身麻痺といった、つらい後遺症に悩まされることにもなるのです。

また、日本には健康診断で発見されにくい、かくれ高血圧の人や、血圧は正常なのにコレステロール値が高い人、20代・30代の若さで高血圧という色々な人がいます。

こういった人は、日々の食生活で改善が見られたり、症状の緩和をすることができます。

それだけ毎日の食生活は、人間にとって重要であるということです。

たかが醤油大さじ1杯と思わずに、正しく計量して不適切な塩分摂取を避けましょう。

健康な身体を維持するためにも、自分に適した塩分の摂取をすることは大切なことですね。

醤油の大さじの分量を正しく計量

塩や味噌・砂糖を量るとき、小学校で「摺り切り」というのを習います。

スプーンに塩や味噌・砂糖を乗せたら、摺り切り棒やスプーンの柄の部分で、平にして量る方法です。

小学校の家庭科の授業で行われていることですが、中にはご存知でないかたもいらっしゃることでしょう。

知らなかったかたは、今日から正しく量ってみてくださいね。

醤油や油のような液体は摺り切りをする必要はありません。

大さじ1杯という場合は、スプーンのふちまで入れて量りましょう。

最近では、スプーンの内側にメモリがあるものが多くなり、1/3や1/2、1というメモリがついていて便利で量ることができます。

醤油を量るときに、いっぱいに入れてしまうと、こぼしてしまうことがあります。

メモリがついている方が、なれない人には良いかもしれません。

実際に、擦り切りで量らずに調理してしまうと、料理の味に大きく影響してしまいます。

同じ大さじ1杯でも、山盛りなら30グラム、摺り切りなら18グラムです。

全然、量が違いますね。

正しく量るというのは、大切なことなのです。

醤油は大さじ1で充分美味しい

正しく計量すると、醤油大さじ1杯は、18グラムです。

スーパーの刺身や寿司に入っているコブクロ醤油は、5グラムとなります。

およそ一人分の刺身や寿司には、このコブクロが1つ付いています。

ですが、この1袋で物足りないと感じたことはありませんか。

自宅で醤油さしから小皿に直接出して使うと、大さじ1杯以上の量を出してしまいます。

出しすぎてしまったことでもったいないと、刺身の両面につけて食べている人がいますが、これを毎日続けていれば、当然濃い味に慣れてきてしまいますよね。

醤油は、大さじ1杯で充分に美味しく味わうことができます。

その目安が、スーパーや魚屋の刺身や寿司についているコブクロです。

コブクロの5グラムは、およそ小さじ1杯弱(6グラム)です。

どうしても出しすぎてしまうかたには、霧のようにスプレーする醤油入れがあります。

醤油の味を全体的に均等につけることができるため、塩分を控えたいかたには、とても便利ですよ。

大さじ1の醤油に含まれる塩分とナトリウム量

私たちは、塩分を控えるようにいわれると、「塩を控える」と思いがちです。

しかし、実際には塩のほかにも、醤油や味噌・ドレッシング・マヨネーズといった調味料に塩分が含まれます。

レトルト食品や缶詰、パン生地には塩を入れますし、ポテトチップス、クラッカー、せんべい、チーズには、かなりの量の塩分が入っています。

それでは、醤油の塩分はどれくらいなのでしょうか。

醤油は大豆と塩、小麦粉を原料に作られています。

醤油の塩分は濃口で、塩分濃度は16~17%といわれています。

塩分濃度では、何グラムかわからないですよね。

もう少し具体的にご説明しましょう。

よく栄養成分表というものを見ると、無機質(ミネラル)というところに「ナトリウム」があります。

成人が1日に必要とするナトリウムは、男性で3150ミリグラム、女性でおよそ2750ミリグラムです。

しかし、ナトリウムと塩は正確には違います。

一般的に食塩と呼ばれているものは、塩化ナトリウムを指します。

そこで、今の栄養成分表はナトリウム(食塩当量)という表示に代わり、わかりやすく書いてあります。

食塩当量になると、男性が1日8グラム、女性は7グラムです。

醤油の食塩量は、濃口で大さじ1杯が、およそ2.6グラムになります。

購入した食品にナトリウム量だけが記載されていたら、下の式を参考にして、食塩量を出してみましょう。

【食塩相当量(g)=ナトリウム(㎎)×2.54÷1000】

醤油の種類で塩分量に違いがある

味噌と同じで、淡い色・薄い色ほど味が薄いと思われがちですが、醤油は、色と塩分濃度は全く一致しません。

色が濃さは、塩分とは関係ないということです。

そこで、私たちの家庭でよく使われている、最大手メーカーの醤油で比較してみましょう。

商品名と食塩の量を比較しましたのでご覧ください。

大さじ1杯当たりの食塩量です。

・濃口醬油:2.88グラム
・濃口の丸大豆醤油:3グラム
・まろやか丸大豆醤油:2.52グラム
・しぼりたて生醤油:2.88グラム
・薄口しょうゆ:3.36グラム
・九州まろやか・うまくち醤油:2.88グラム
・味わいリッチ減塩醤油:2.28グラム
・丸大豆減塩醤油:2.64グラム
・減塩醤油:1.44グラム
・旨み広がるだし醤油:2.16グラム
・芳醇まろやか醬油:2.52グラム

この結果で面白いのは、同じ減塩でも、普通の減塩と味を美味しくした減塩では、味を美味しくした方が、食塩の量が多いということです。

やはり、あまり塩気がないのは、味気ないということかもしれません。

また、薄口しょうゆのほうが、普通の醤油よりも食塩量が多いというのも、お分かりいただけるかと思います。

上に並べたような商品からの結論では、出汁が入っているまろやか醬油のほうが、普通の醤油よりも、塩分控えめで美味しいということがわかります。

出汁をきちんととると、減塩になるというのは、こういったことですね。

4人前を大さじ1の醤油で美味しく作れるレシピ

4人分のレシピでも、ほとんど醤油を使わずに、美味しく作ることができますので、ご紹介します。

☆ひき肉ともやしのピリ辛炒め

【材料 4人分】

・豚ひき肉 200グラム
・もやし 1袋(20グラム)
・たけのこ(茹で) 100グラム
・ピーマン(緑・赤) 各1個
・にんにく 1欠片
・しょうが 1欠片
・サラダ油 大さじ2
・塩コショウ 少々
・片栗粉(水溶き) 少々

合わせ調味料A
・豆醤油 小さじ1
・酒 小さじ1
・塩コショウ 少々

合わせ調味料B
・豆醤油 大さじ1
・豆板醤または四川風唐辛子味噌(なければ赤味噌) 小さじ2
・砂糖 小さじ1
・酒 大さじ1

【作り方】

①もやしは洗って、ひげ根を取っておきます。

たけのこ、ピーマン(緑・赤)は種を取り、細切りにします。

にんにく、しょうがはみじん切りにします。

②フライパンにサラダ油を引いて、にんにく・しょうが・豚ひき肉を入れて、合わせ調味料Aで下味をつけます。

③野菜を入れて、強火で炒めましょう。

④全体に火が通ったら、調味料Bを入れて、全体に味を馴染ませます。

「塩コショウ」で味を整えます。

⑤最後に、水溶き片栗粉でとろみをつけましょう。

4人分で、醤油はわずか大さじ1杯と小さじ1杯です。

ほかにも、塩分控えめで美味しいレシピはたくさんあります。

ぜひ、探してみましょう。

醤油を控える出汁の利用

醬油は大さじ1杯で、十分に美味しく調理ができます。

それは炒め物も煮物も同じです。

煮物の場合は出汁を利用すると、4人分でもわずか小さじ2杯で作ることができます。

出汁は、ただ味を付けるだけでなくコクを生み出しますので、より美味しくなりますね。

醬油も味噌も、出汁をしっかりと取るのは料理の基本です。

出汁をしっかり取って、醤油の塩分を控え、美味しく健康的な食生活を送りましょう。