みんなが大好きラーメン。
なかでも、味噌ラーメンは子供から大人まで人気の味です。
ラーメンといえば、スープですが、このスープはどのように作るのでしょうか。
今回は、このスープ作りに欠かせない出汁について、ご紹介します。
味噌ラーメンによく使われる、鶏ガラと豚骨を使った出汁の作り方を、マスターしてみましょう。
ほかのラーメンと違う味噌ラーメンの作り方
醤油らーめんや塩ラーメンはと比べると、味噌ラーメンの作り方は少し異なります。
通常、味噌ラーメン以外の作り方は、タレにを出汁で割ってスープにします。
そこに、茹でた麺を入れてできあがりです。
多くのかたが、ラーメンを作るというと、この作り方をイメージするかと思います。
ご自宅で袋麺を調理するときも、この方法ですよね。
しかし味噌ラーメンはというと、中華鍋に野菜を炒めて、そこに出汁と味噌を加えて煮込みます。
それを、茹でた麺の上にかける調理方法です。
多くの中華料理店では、味噌ラーメンをこのように作っています。
とはいっても、出汁とタレの作り方の基本となるのは共通なので、それほど難しく考える必要はありませんよ。
今回は、スープの要となる出汁のとりかたを、ご紹介します。
まずは、鶏ガラの出汁のとりかたを、見ていきましょう。
味噌ラーメンの出汁は何にする?
ラーメンに欠かせないのがスープです。
味噌ラーメンであれ、醤油ラーメンであれ、スープこそ重要なのです。
何で出汁をとるかで、スープのできあがりに影響します。
そのひとつに、鶏ガラでとる出汁があります。
鶏ガラでとった出汁からつくるスープは、旨み成分がたっぷりです。
なぜなら、グルタミン酸・イノシン酸・グアニル酸と、3つの旨み成分が含まれているからです。
また、鶏ガラを煮出すことで、さまざまな栄養分が溶け出します。
・ビタミンA
・ビタミンB1
・ビタミンB2
・ビタミンK
・コラーゲン
・鉄分
・オレイン酸
コラーゲンは老化防止、美肌効果、鉄分は血液を作り、オレイン酸は不飽和脂肪酸として、コレステロールの低下に働きかけます。
栄養分の溶けだした出汁で作るスープは、美味しいだけだはなく、身体にとっても嬉しいことがあるのです。
では、鶏ガラでとる出汁の作り方を見ていきましょう。
鶏ガラスープの作り方
味噌ラーメンのスープを鶏ガラベースにしたいときは、新鮮な鶏ガラを用意しましょう。
冷凍の鶏ガラでも構いませんが、解凍する手間があります。
こうした手間をかけたくないのであれば、肉屋さんなどで調達してくださいね。
☆自家製鶏ガラスープ
【材料】
・水 1.2L
・鶏ガラ 1羽分
・長ねぎ 1本
・生姜 2片
・セロリ 1/2束
・ニンジン 1本
【作り方】
①まず出汁を取る前に、鶏ガラの臭みや血合いを抜くために、一度茹でます。
鍋で鶏ガラを茹でて、全体が白っぽくなったら鍋から鶏ガラを取り出します。
鶏ガラを水洗いしましょう。
内蔵の部分や、血合いのところを念入りに洗ってください。
洗ったら、骨ごとぶつ切りにしましょう。
ぶつ切りにすることで、骨髄から良い味が染み出ますよ。
②長ねぎは適当な大きさに切って、生姜は一度包丁の腹で潰してから切り分けましょう。
セロリやニンジンも、適当な大きさに切り分けましょう。
③鍋に鶏ガラと野菜を入れます。
水(1.2L)を注ぎ、強火にかけます。
沸騰したら弱火にして、こまめにアクを取ってください。
約2時間ゆっくりと煮込みます。
④煮込み終わったら、ザルなどで鶏ガラと野菜をこせば、自家製鶏ガラスープのできあがりです。
豚骨の出汁でコクのある味噌ラーメン
近年、濃厚な豚骨スープで作るラーメンが人気です。
さきほどご紹介した鶏ガラでとるスープよりも濃厚な出汁がとれるので、コクのある味噌ラーメンができあがります。
そして、豚骨には、コラーゲンが多く含まれています。
ただ、煮込むときに独特のにおいが特徴です。
この独特の香りこそ、豚骨ラーメンの魅力ではありますが、においを抑えることで食べやすくなります。
においを極力抑えるためには、豚骨の下処理の方法で緩和されます。
しっかりと水洗いすることが大切です。
また、味噌や醤油のタレは、においを抑える効果もあります。
作り方ですが、主に2通りあります。
豚骨というと九州ラーメンですが、豚骨スープの作り方は、沸騰した状態で煮出していきます。
コラーゲンはゼラチンとなり、水と馴染ませると乳化して、白濁スープになるのです。
一方、博多の豚骨ラーメンの作り方は、沸騰させないように豚骨を煮出していきます。
コラーゲンが溶け出しにくいため、白濁しません。
そのぶん、臭みも少ないので、塩ラーメンに用いたり、出汁の味を目的としたラーメンに向いています。
そして、スープ作りで使う豚骨は、いくつか種類があります。
●拳骨
スープ作りで代表的なのは、足関節の部分です。
●豚足
コラーゲンが豊富です。
●頭骨
あっさりした味わいです。
●背骨
旨みとコラーゲンを併せ持っています。
それぞれの特徴から、豚骨を選んでみてくださいね。
豚骨の出汁の作り方
では、ご家庭でも作りやすい豚骨の出汁の作り方をご紹介します。
はじめに、白濁豚骨スープから見ていきましょう。
この出汁を使えば、濃厚な豚骨味噌ラーメンが味わえますよ。
☆白濁豚骨スープ
【材料】
・水 3L
・豚骨 1kg
・長ねぎ 2本
・生姜 3片
・ニンニク 3片
・玉ねぎ 2個
豚骨のにおいを抑えるため、野菜は多く用意しましょう。
このほかにも、セロリやニンジンも追加しても構いません。
また、白濁スープは、沸騰した状態を保つ必要があるため、水は多めに用意します。
【作り方】
①豚骨を一度、10分ほどアクを取りながら下茹でをします。
下茹でが終わったら、念入りに洗いましょう。
拳骨は、タワシなどを使って、しっかりと洗います。
②豚骨を金づちやノコギリを使って、骨を割ります。
割ることで、コラーゲンを含む骨髄が溶け出しやすくなりますよ。
④寸胴に水を張って、豚骨を入れて火にかけます。
沸騰した状態をキープしましょう。
アクは丹念に取ってください。
⑤生姜とニンニクは一度包丁の腹で潰してから刻んで、長ねぎと玉ねぎはぶつ切りにします。
アクが出なくなったころに、これらの野菜を投入します。
2~3時間ほど煮込んでいきましょう。
⑥スープが白濁したら、豚骨や野菜を取り除いてこせば、できあがりです。
においの少ない豚骨スープの作り方
続いては、透明な豚骨スープの作り方をご紹介します。
においも少ないので、味噌ラーメン以外でも、塩や醤油など、幅広く使える出汁です。
☆透明豚骨スープ
【材料】
・水 1.5L
・豚骨 1kg
・長ねぎ 1本
・生姜 2片
強火で煮出さないので、野菜は少なくても構いません。
豚骨で作るのに躊躇するかたは、豚ひき肉で代用可能ですよ。
【作り方】
①豚骨は白濁スープ作りと同様に、下茹でしてアクと血抜きをします。
下茹でが終わったら、しっかりと水洗いします。
②鍋に水と豚骨、野菜を入れて火にかけます。
ここで気を付けていただきたいのが、沸騰させないことです。
火は中火でトロトロとアクを取りながら煮ていきます。
沸騰しそうになったら、弱火にして調節してください。
2時間ほど煮込んでいきましょう。
③鍋のなかのスープが黄金色になったら、豚骨と野菜を取り出し、スープをこせばできあがりです。
本格的なスープは出汁から
鶏ガラや豚骨、野菜などから溶け出した出汁は、旨みそのものです。
出汁さえマスターできれば、ご家庭でも本格的なラーメンが作れることでしょう。
鶏ガラの出汁はラーメンのスープ以外にも、餃子のタネに使ったり、鍋のスープとしてお使いいただけます。
豚骨の出汁も、昆布だしなどで割るころで、鍋のスープに活用できますよ。
ぜひ、手作りの出汁で、味わってみてください。