味噌煮込みうどんと聞いて名古屋を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
愛知県の郷土料理として有名ですね。
名古屋の有名店などでは観光客で行列ができていたりします。
筆者も味噌煮込みうどんを食べるためだけに名古屋まで行ったことがあります。
土鍋で食べる熱々の味噌煮込みうどんは寒い冬、冷えた体には嬉しいものです。
味噌煮込みうどんの歴史や特徴、自宅でできる簡単レシピ、八丁味噌の料理などをご紹介していきます。
味噌煮込みうどんの起源は徳川家のほうとう?!
愛知県の郷土料理として有名な味噌煮込みうどんですが、味噌仕立ての煮込みうどんというのは全国各地にあります。
名古屋めしの一つとしても広く知られているため、味噌煮込みうどんといえば、愛知県のものを指すことが多いですね。
濃い汁に、噛み応えのあるうどんが特徴で、八丁味噌とかつおだしで太いうどんを野菜や鶏肉と一緒に土鍋で煮込む、というのが簡単なレシピです。
後ほどもう少し詳しくご紹介します。
味噌煮込みうどんの発祥は諸説あります。
・戦国時代、武田家の滅亡後、徳川家に仕えた武田家遺臣によって徳川家に伝えられたほうとうが起源であるという説
・ほうとうを参考に、織物産業で働く人の昼食として明治時代に伝わったという説
ほうとうを起源に、八丁味噌でぐつぐつと煮込んでも歯ごたえのある麺が作られ、今に至るのです。
煮込むほどおいしい豆味噌 簡単にできるたれのレシピ
では、味噌煮込みうどんに使われる味噌を詳しく見ていきましょう。
名古屋の味噌煮込みうどんには豆味噌が使われています。
愛知の豆味噌には八丁味噌や赤味噌など、様々な名前で呼ばれているものがあります。
豆味噌とは大豆、塩、水を主原料に長期熟成させて作られます。
伝統的な技法で作られる豆味噌は高温多湿に強く、長期保存できるという特徴があります。
通常味噌は煮立たせると風味が落ちますが、豆味噌は煮込むほどおいしくなるのです。
それは、煮込んでも香りの変化をあまりせず、旨味の相乗効果があり、味を調和させるという特性を持っているためです。
ですから、味噌煮込みうどんには豆味噌が合うのです。
また、大豆には栄養が豊富に含まれています。
健康な身体作りの元となるたんぱく質やミネラル、ビタミン、そして乳酸菌や酵素など健康食品としても優れた発酵食品といえます。
ここで、八丁味噌を使った簡単なレシピをご紹介します。
様々な料理にアレンジできるので作り置きしておくのもいいでしょう。
八丁味噌のたれ
【材料 200ml】
・八丁味噌 100g
・砂糖 大さじ4
・みりん 大さじ2
・水 1/2カップ
【作り方】
①八丁味噌と砂糖を混ぜ、みりんを入れたらダマを潰すように混ぜる。
水を少量ずつ加え、のばす。
②中火にかけ、煮立ったら弱火にして混ぜながら煮詰める。
マヨネーズ程度の堅さになる前に火を止める。
味噌カツや、鍋のたれなど、肉や野菜にも合うのでお試しください。
味噌煮込みうどんの麺はコシが命!土鍋の秘密もご紹介
味噌煮込みうどんの特徴の一つに、太くて硬い麺があります。
これは、塩を使わず、小麦粉と水だけで作るため、茹でてもコシが強い麺になります。
また、他の煮込みうどんと違い、別で茹でずにそのまま味噌の中で煮るため、麺の表面の小麦粉が溶け、とろみのついた汁になるのです。
初めて食べる方は、その噛み応えに驚く方もいるかもしれません。
麺の他にもたくさんの具材を入れます。
鶏肉、野菜、卵、油揚げ、ネギなどが一般的ですが、店や家庭によっても変わります。
たくさんの具材と食べるため、ご飯と一緒におかずとして食べることもあります。
また、うどんの後にご飯を入れておじやにすることもあります。
味噌煮込みうどんは土鍋で煮込みます。
熱が均等に伝わり、焦げ付きにくいためです。
また、鍋の蓋には蒸気を逃がす穴がありません。
そのため、吹きこぼれないように煮込むときは蓋をしないのです。
穴が開いていないのは、蓋を小皿の代わりにして食べるためです。
小皿を用意する手間が省け、効率的でもあるのです。
味噌煮込みうどんについていくつかお話ししましたが、次の項目では自宅でも作れる簡単なレシピをご紹介していきましょう。
味噌煮込みうどんの簡単レシピ
ここでは、味噌と野菜の旨味がおいしい味噌煮込みうどんの簡単なレシピをご紹介します。
【材料 4人分】
・生うどん 4玉
・鶏モモ肉 200g
・青ネギ 3本
・卵 4個
・油揚げ 4枚
・お湯 6カップ
・豆味噌 大さじ6
・みりん 大さじ3
・和風ダシ粉末 小さじ2
・和風ダシ粉末(仕上げ用)小さじ1
【作り方】
①うどんは湯通ししてほぐす。
②油揚げは油抜きして水気を切る。
青ネギは斜め切りにする。
鶏肉は一口大に切る。
③鍋にお湯とダシ、鶏肉を入れひと煮立ちさせる。
味噌とみりんを入れさらにひと煮立ちさせる。
④1人用の鍋に③を1/4入れ、うどん、油揚げを1人分ずつ入れ、8~10分煮込む。
⑤仕上げ用のダシを小さじ1/4入れ、ネギ、卵を1人分ずつ加える。
弱火にして蓋をして1分ほど煮込む。
残りも同じように作る。
野菜はお好みで追加してください。
味噌煮込みうどんの簡単アレンジレシピ
続いて味噌煮込みうどんをアレンジしたレシピをご紹介します。
簡単ですが、雰囲気も変わり、また違った味わいが楽しめます。
チーズ味噌煮込みうどん
【材料 2人分】
・冷凍うどん 2玉
・豚バラ厚切り 200g
・大根 200g
・人参 1/2本
・温泉卵 2個
・小ネギ 少々
・赤味噌 大さじ2
・ダシ醤油 大さじ2
・みりん 大さじ2
・ショウガ 30g
・鶏ガラスープ(顆粒)大さじ2
・ミックスチーズ 30g
・水 1.2L
【作り方】
①テフロン加工の鍋に油をひかず、中火で肉に焼き目を付ける。
テフロン加工ではないときは油を少量入れる。
②大根、人参をいちょう切り、ショウガは千切りにする。
③鍋に②の野菜を入れ軽く炒める。
水を入れて弱火で煮込む。
④大根が透明になったら、鶏がらスープ、ダシ醤油を加える。
赤味噌、みりんを加え、ひと煮立ちさせる。
⑤鍋にうどんを入れ、チーズ、温泉卵、小ネギを入れ、とろけたら完成。
大根とチーズも絶妙に合う一品です。
ショウガで身体も温まりますよ。
現代にぴったり!八丁味噌の使い道は簡単なのにたくさんあった
味噌煮込みうどんに使われる豆味噌。
ここでは豆味噌の一つである八丁味噌についてご紹介します。
豆味噌は米や麦を使った味噌よりも塩分が多めです。
そのため、辛いと感じる方もいるかもしれません。
しかし、八丁味噌は塩分を控えめに作られています。
塩分が少なく、旨味を豊富に感じられる八丁味噌は、塩分を取りすぎてしまう現代の食生活にはとても合っているといえます。
ぜひ、普段の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
八丁味噌を使った料理をいくつかご紹介します。
・味噌汁
通常、味噌は最初に入れますが、八丁味噌は煮込むほど旨味が増すので、味噌は最初に入れます。
具材に味がしっかり染み込み、おいしい味噌汁になります。
・煮込み料理
おでんはもちろん、肉を煮込むととてもおいしくなります。
煮込まれた八丁味噌はドミグラスソースのような味になります。
牛肉の煮込み料理に合いますね。
・隠し味
生姜焼きなど、醤油味の炒め物や煮物の隠し味にもおすすめです。
・麻婆ナス
通常のレシピではテンメンジャンを使いますが、八丁味噌で作れるのです。
八丁味噌とみりん、または砂糖で簡単に麻婆ナスができます。
栄養たっぷり味噌煮込みうどんで冬を乗り切ろう
熱々の味噌煮込みうどんは、栄養も豊富で身体も温まるので、寒い時期には嬉しいものです。
畑の肉ともいわれる大豆をたくさん使って作られる豆味噌にはたくさんの栄養があることが分かりました。
豆味噌の代表、八丁味噌も塩分過多の現代の食生活にぜひとも取り入れたいものです。
使い道も意外と簡単だと思われたのではないでしょうか。
栄養豊富な八丁味噌で減塩を心がけてみてはいかかでしょう。