秋田県内では、冬場に学校給食のメニューともなる「きりたんぽ」。
きりたんぽは、味噌だれを付けて焼いて食べたり、鶏がらのだし汁に入れて煮込んだりする郷土料理です。
秋田県に旅行に行ったことがある方は、宿の食事で提供されて、食べたこともあるでしょう。
今回は、きりたんぽと、味噌だれの作り方をご紹介します。
簡単に作れて美味しいので、是非作って、味わってみてくださいね。
きりたんぽの栄養・効能
テレビのバラエティー番組でも、タレントが出身地別に出演し、その土地だけで行われている行事、習慣、郷土料理などを紹介していますね。
全国を旅するのはなかなか難しいので、テレビから各地の郷土料理などの情報を得られるのは、嬉しいものです。
みなさんは、きりたんぽを食べたことがありますか。
きりたんぽは、言わずと知れた秋田県の郷土料理です。
秋田県民にとっては、ソウルフードですよね。
潰したご飯を杉の棒に巻きつけて焼いたものを「たんぽ」、それを食べやすく切ったものを「きりたんぽ」といいます。
江戸時代後期から、この名称が使われるようになったそうです。
一般的には、味噌だれをつけて焼いて食べたり、だし汁で煮込んだりして親しまれています。
きりたんぽは、脂質、マンガン、銅を含んでいます。
そのため、代謝の促進、免疫力を高める、運動機能の維持といったような効果が期待できます。
きりたんぽのカロリーは、80g(1本)で168kcalのカロリーです。
きりたんぽは、100g換算で210kcalのカロリーで、80kcalあたりのグラム目安量は38.1gです。
炭水化物が多く36.96g、たんぱく質が2.56g、脂質が0.32gとなっています。
ビタミンやミネラルについては、マンガンと銅の成分が多く含まれています。
次は、味噌だれとの相性バッチリの、きりたんぽの作り方をご紹介します。
味噌だれとの相性バッチリ!きりたんぽの作り方
それでは、さっそくきりたんぽを手作りしてみましょう。
ご家庭に常備されている、ホットプレートを使用した作り方です。
もちもちして、香ばしくて、市販のものよりも桁違いに美味しいですよ。
【材料】
・白米 4合
・塩 適量
【作り方】
①うるち米を、若干柔らかめに炊きます。
すりこぎを使って、米粒が半分つぶれた状態にしましょう。
②お椀か小さいボウルに、水を200ccくらい入れます。
そして、塩を小さじ半分くらい溶かします。
③塩水を手につけたら、ご飯を茶碗山盛り1杯分くらいを、おにぎりのように握ります。
④乾燥した棒をご飯に刺して、細長く成形しましょう。
この時に使用する棒は、杉の木がベストですが、バーベキュー用の最も太い木の串でも代用可能です。
⑤手に塩水をつけ、ご飯になでるようにつけます。
塩水を多めにつけて、なめらかになるように、まな板の上で転がしましょう。
⑥棒状のご飯の端を、しっかりと閉じます。
⑦高温に熱したホットプレートの上で、ひっくり返しながらまんべんなく焼きます。
⑧全体に焼き目がついたら、きれいな布巾の上に置き、あら熱を取り、まだ熱いうちに棒から抜いてください。
冷めてしまうと、棒が抜けなくなってしまいます。
次は、きりたんぽともよく合う、美味しい味噌だれの作り方をご紹介します。
万能調味料!味噌だれの作り方
味噌だれは、きりたんぽだけでなく、色々な和食レシピに使えます。
家庭に常備されている調味料のみで作れるのも、嬉しいポイントですね。
では、味噌だれの作り方をご紹介します。
【材料 作りやすい分量】
・みそ 大さじ3
・砂糖 大さじ4~5
・酒 大さじ2
・みりん 大さじ1
※砂糖は、使用する味噌の甘みに合わせて量を調整しましょう。
例えば、甘めの味噌ならば大さじ4、甘みが少なめの味噌ならば大さじ5にするといいでしょう。
【作り方】
①味噌だれに使う材料を用意しましょう。
②材料が用意できたら、まず、鍋の中に全ての材料を合わせましょう。
火にかける前にゴムべらなどを使って、ダマをなくすように、よく混ぜ合わせておきます。
③鍋を中火にかけて、沸いてきたら少し弱火にします。
④ヘラで鍋底を混ぜながら、4~5分くらい火にかけます。
鍋肌も焦げ付きやすいので、時おりヘラでぬぐい落としておきましょう。
⑤4~5分くらい火にかけると、ドロッとしてとろみがついてきます。
目安は、ヘラで鍋底に線を書いた時に、すぐに線が消えずに、しばらく残っている状態です。
⑥出来上がったら、保存容器に移し入れておきましょう。
きりたんぽを味噌だれで焼いてみよう
「味噌は医者いらず」と言われているように、昔から味噌にまつわることわざが沢山あります。
それほど健康と味噌の関係は、深いのです。
味噌は栄養学や医学の面で多くの研究が進められおり、その成果も次々と公表されています。
味噌の原料の大豆は発酵作用によって、アミノ酸やビタミン類が沢山作られ、栄養価がアップしています。
また、酵素によって分解された大豆のたんぱく質は、アミノ酸となります。
そこには、生命を維持するためになくてはならない「必須アミノ酸8種類」が全部含まれているのです。
そのほかにも、ビタミン(B1・B2・B6・B12・E・K・ナイアシン・パントテン酸・葉酸・ピオチン)、無機質(ナトリウム・カルシウム・カリウム・マグネシウム、リン・亜鉛・鉄・銅・ヨウ素・セレン・モリブデン・クロム)、多価不飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、食物繊維などが含まれています。
毎日の食事にも、栄養豊富な味噌を積極的に使いましょう。
きりたんぽは鍋にしても美味しいですが、王道は味噌だれで焼いて食べる方法ですよね。
塗って焼くだけなので、簡単に作れますよ。
ここでは、きりたんぽを味噌だれで焼く作り方をご紹介します。
カリッ、ふわっと香ばしく、食欲をそそりますよ。
【作り方】
①前項でご紹介した作り方を参考に、きりたんぽを作りましょう。
②味噌だれも先ほどご紹介した作り方を参考に、作っておきましょう。
③味噌だれをきりたんぽの片面に、ハケなどを使って塗ります。
④グリルに味噌を塗った方を上にして入れ、中弱火でこんがりと焼きます。
⑤裏返して味噌だれを塗って、またこんがり焼きましょう。
焦げやすいので、こまめにチェックしましょう。
味噌だれの扱い方
きりたんぽのほかにも、ふろふき大根や、なす、こんにゃく、里芋などの田楽、酢みそ和えのベースなど、色々と使える優秀な味噌だれです。
そんな味噌だれは「赤みそ(豆みそ)」、「米みそ」、「麦みそ」など、家庭で使っている味噌で作れて、作り方も簡単です。
料理屋では、米みそよりも渋みや酸味があって、仕上がりが上品になる赤みそ(豆みそ)を使うことが多いです。
もし使いきれずに味噌だれが余ってしまっても、密閉容器などに入れて、約2ヵ月くらいは冷蔵保存が可能です。
ですから多めに作っておくと、調理にすぐに使えるので、便利でおすすめです。
作った味噌だれの、上手な扱い方を覚えておきましょう。
手作りしたばかりの味噌だれは、丁度良い硬さで調理にも使いやすいです。
しかし、一度冷蔵庫で冷やすと、硬くなってしまいます。
硬くなってしまった味噌だれを、硬いまま強引に使うのはやめましょう。
電子レンジで少しだけ温めて味噌だれを緩めたり、お湯で少しだけ溶いて、緩くしてから使いましょう。
味噌だれを調理にどんどん活用することで、レシピのレパートリーが増えるはずです。
簡単でヘルシーなきりたんぽ鍋の作り方
きりたんぽは味噌だれ以外にも、お鍋にしても美味しく食べることができます。
きりたんぽ鍋は、わずか一品で主食から野菜までバランスよく栄養を摂取できる、万能メニューなのです。
特別な材料は必要ありません。
寒い季節にピッタリな、美味しくて栄養満点のきりたんぽ鍋を、ご家族で楽んでくださいね。
【材料 2人分】
・温かいごはん 1合
・鶏もも肉 150g
・ごぼう 20g
・三つ葉またはセリ 1束
・舞茸などのきのこ類 100g
・しらたき 100g
・豆腐 1/2丁
☆醤油 小さじ2
☆水 400cc
☆塩 小さじ1/2
☆昆布 約10cm(なければ顆粒だし 小さじ1)
☆酒 大さじ2
【作り方】
①まずは、きりたんぽを作りましょう。
きりたんぽの作り方は、この記事の第二項目でご紹介しているので、そちらをご覧ください。
②焼きあがったきりたんぽを、2等分か3等分くらいに斜めに切ります。
③きりたんぽの用意ができたら、鍋の材料を切りましょう。
鶏肉、豆腐、しらたきは食べやすい一口大に切ります。
ごぼうはささがきにして水にさらし、あく抜きをしましょう。
④きのこは、石づきがあれば切り落とします。
三つ葉またはセリは、根元を切り落として、3~4cmに切ります。
⑤土鍋に☆の材料を入れ、切った舞茸、鶏肉、ささがきごぼうを入れて火にかけ、あくをすくいましょう。
⑥きりたんぽと、三つ葉またはセリを最後に入れ、火が通ったら完成です。
郷土料理を美味しく頂こう
きりたんぽに限らず、全国各地には美味しい郷土料理は沢山あります。
郷土料理を食べることを目的とした旅行をしてみても、楽しそうですね。
また、味噌だれは漬けるのはもちろん、炒め物やあえ物にも使える万能だれです。
魚や肉、野菜にもよく合いますよ。
簡単に作ることができるので、手作りして、毎日の料理に活用していきましょう。