甘酒は飲む点滴と呼ばれるほど、栄養価のある飲みものです。
その甘酒は酒粕から作られるものと、米麹から作られるものの2種類があるのをご存知でしょうか?
今回は、この2種類の甘酒の違いについて、ご紹介していきます。
それぞれの素晴らしい効能を見てみましょう。
酒粕甘酒と米麹甘酒の違いをご存じ?
勘の良い人は、お店で販売されている甘酒の原材料を見て、ご存知かもしれません。
ひと口に甘酒と言っても、2種類の甘酒に分類されています。
それは、原料の違いです。
その原料は酒粕から作られる甘酒と、米麹から作られる甘酒があります。
原料が違ってくれば当然、栄養価や効果にも大きな違いが出てきますよね。
今回は、それらの違いについて、色々とお話していきます。
まず、2つの甘酒の特徴を比較してみましょう。
●酒粕甘酒
そもそも酒粕とは、日本酒製造の過程でできる副産物で、もろみ圧縮後のろ過残存物のことです。
・アルコール成分が含まれている
・砂糖で甘みをつける
・ややカロリーが高い
・安く、簡単に作れる
●米麹甘酒
米麹菌の発酵をから作ります。
・アルコール成分が含まれない
・お米と米麹の天然由来の甘味がある
・低カロリー
・割高、手間がかかる
以上が、それぞれの特徴です。
嗜好の違いもあるでしょうが、飲みやすさでという観点では、米麹甘酒がおすすめです。
では、酒粕甘酒と米麹甘酒の違いについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
酒粕甘酒と米麹甘酒の作り方の違い
名前は同じ甘酒ですが、先ほど申した通り、原料が違うということで、その製造方法が変わってきます。
それを比べていきましょう。
【酒粕甘酒の作り方】
①酒粕をお湯に溶かす。
分量は酒粕:お湯=1:4くらいです。
②加熱しながら、生姜と砂糖を投入しましょう。
味見しながら、お好みで入れていきます。
③ひと煮立させて完成です。
とても簡単ですね。
お次は、米麹甘酒の作り方です。
【米麹甘酒の作り方】
今回は、炊飯器を使った方法をご紹介します。
①おかゆ(目安で300g)を炊飯器で作ります。
②できたおかゆを、触れるくらいまで冷まし、米麹をおかゆと同量投入しましょう。
③混ぜたら、保湿のための布巾をかけて、炊飯器の蓋を開けたまま保温します。
このとき、温度が高いと麹菌が死んでしまうので、60℃以上にならないよう注意しましょう。
④約8時間ほどで完成です。
双方の甘酒の作り方の違いを見てみると、酒粕甘酒のほうが作り方としては、簡単ですね。
酒粕甘酒は飲める人が限定される?
酒粕甘酒と米麹甘酒の違いは、飲める人が違うという点もあります。
先述した通り、酒粕そのものが酒製造の副産物なので、アルコールが含まれています。
温めたとしても、それでも微量のアルコールは残った状態なのです。
そのため、アルコールが飲めない人には酒粕甘酒は飲めませんね。
アルコールが飲めない人以外でも、妊婦さんや子供・運転手などに、酒粕甘酒をすすめるのはやめておきましょう。
その点でいうと、米麹甘酒はアルコールがまったく含まれていないので、飲む人を選びません。
どんな人でも、安心して飲むことができます。
大勢の人に振る舞うときは、老若男女問わずに飲める、米麹甘酒をおすすめします。
酒粕甘酒と米麹甘酒の違いは、このアルコールの有無の差もありますが、他にも違いがあります。
次は、米麹甘酒と酒粕甘酒のそれぞれの栄養価・カロリーの違いについて見ていきましょう。
酒粕甘酒と米麹甘酒のカロリーと栄養価の違い
結論から言うと、酒粕のほうが米麹よりも、栄養価だけの観点で言うと優勢です。
ただし、あくまで一般論なので、他の材料を入れて甘酒を作る場合は、また変わってきます。
参考程度にしてください。
では、原料としての酒粕と、米麹に含まれる栄養素の違いを、詳しく数字で見ていきましょう。
以下の数値は、100g中での数値です。
酒粕 米麹
・カロリー 227カロリー 286カロリー
・タンパク質 14.9g 5.8g
・脂質 1.5g 1.7g
・カリウム 28mg 61mg
・葉酸 170mcg 71mcg
・ビタミンB1 0.03mg 0.11mg
・ビタミンB2 0.26mg 0.13mg
・ビタミンB6 0.94mg 0.11mg
・食物繊維 5.2g 1.4g
ご覧の通り、酒粕の方が栄養的に見てみると、成分が多いことが分かります。
しかし、酒粕の食物繊維は不溶性なので、過剰摂取には注意が必要です。
これは酒粕と米麹での比較なので、実際の甘酒を作った際は、酒粕甘酒では砂糖を加えるので、カロリーが高くなります。
甘酒のすすめ
酒粕甘酒と米麹甘酒も、優れた飲み物で身体に良いとされています。
どのような効能が期待できるのか、見ていきましょう。
・栄養豊富で疲労回復を助ける
・腸内環境の整備
・美肌効果
・免疫力のアップ
・糖尿病など生活習慣病予防
酒粕甘酒と米麹甘酒の、それぞれ優れた効能の違いについても、見ていきましょう。
●酒粕甘酒
☆レジスタントプロテインが豊富
このレジスタントプロテインの効果は、悪玉コレステロールの減少させ、腸内環境を改善してくれるそうです。
さらに、脂肪の吸収を抑制する効果も期待できますよ。
☆葉酸が豊富
葉酸には赤血球を合成する働きがあり、貧血予防に効果があります。
☆セラミド・プロリン
これらは、コラーゲンの成分の一種であり、美容効果が期待できます、
●米麹甘酒
☆生きた酵素が取り込める
免疫力の向上につながります。
☆低カロリー
ダイエット中の栄養補給として最適です。
☆必須アミノ酸が豊富に含まれている
人間の体内では、必須アミノ酸は生成できません。
外部から取り込むことでしか補給できないので、とても重要な要素です。
酒粕甘酒も米麹甘酒も違いはあれど、身体を健康に保つには、とても効果的な飲み物と言えます。
ダイエットには酒粕甘酒と米麹甘酒どちらがいいの?
酒粕甘酒と米麹甘酒には違いはあれど、素敵な効能がたくさんあることが、お分かりいただけたかと思います。
では、ダイエットに効果的なのはどちらでしょうか?
結論から言うと、米麹甘酒がおすすめです。
その理由について、ご紹介します。
☆アルコールゼロ
ダイエットするのに、アルコールが含まれているものを摂取するのは、適切ではありませんね。
それに、たとえ微量であっても、アルコールが含まれているとなると、必然的に飲める時間帯や状況が限定されてしまいます。
☆砂糖不使用
酒粕甘酒は、砂糖を使って甘みを出していると先述しましたね。
ダイエットをするには、当然ながら、砂糖を使わない自然な甘みでローカロリーの米麹甘酒が良いですね。
☆腹持ちが良い
米麹甘酒は、お米が原料なので、マグカップ1杯程度の量でも、それなりの満腹感があります。
1食分を米麹甘酒に置き換えたとしても、十分な栄養価がありますし、お菓子などの間食代わりにもおすすめです。
また、朝食代わりに米麹甘酒を飲むと、基礎代謝が上がるという効果も期待できます。
温めたほうが、その効果はアップしますので、飲む際は温めるのをおすすめします。
しかし、加熱しすぎて沸騰までさせてしまうと、重要な微生物や酵素の効果がなくなってしまいます。
人肌程度の温度に温めましょう。
米麹甘酒は飲む点滴という別称があるくらい、栄養価が高いです。
米麹甘酒なら、ダイエットで不足しがちな栄養も補給できるので、一石二鳥ですね。
目的に合った甘酒を飲もう
今回は簡単ではありますが、酒粕と米麹の甘酒の違いについて、ご紹介しました。
どんな目的で甘酒を飲むのかで、おすすめの甘酒は変わってきます。
健康維持や美容目的、ダイエット目的など、それぞれにあった甘酒を飲んでくださいね。
甘酒が苦手な人も興味が沸いていただけたら、うれしいです。
ここまでご覧なっていただき、ありがとうございました。