甘酒と言えば、お正月に飲むイメージが強い飲みものですよね。
ですが、飲む点滴と呼ばれるほど栄養価の高い飲みものなので、普段から飲むようにすれば、体に良い効果が期待できます。
甘酒は麹と酒粕が主な原材料ですが、原材料によって大きく味が変わりますので、麹と酒粕の味や栄養価の違いについて、ご紹介していきます。
麹と酒粕で作る甘酒の違い
甘酒は主に米麹とお米、酒粕を原材料で作る日本の伝統的な甘味料の一種です。
麹と酒粕は、どのように違うのかご紹介していきます。
☆麹
米麹とお米で作るため、アルコール・砂糖が入っていないので、子どもや妊娠中の方も安心して飲めます。
米に含まれるでんぷん質を、麹菌という発酵菌がブドウ糖に変えます。
そのため、お米だけの甘さで、砂糖とは違う、まろやかな甘さになります。
お米の粒が残っていてドロドロした甘酒や、ミキサーや裏ごしをして、サラッとした甘酒があります。
食感は大きく違いますが、味には影響しませんので、そこは皆さんの好みで選んでください。
☆酒粕
酒粕とお水と砂糖で作るため、アルコール・砂糖が入っていますが、麹で作るよりも簡単に作ることができます。
砂糖が入っているため、ダイエットには向いていないです。
甘酒といっても、麹や酒粕の原材料の種類によって、大きく味が変わります。
また、シンプルな配合のため、メーカーによっても味が全然違います。
麹と酒粕で作る甘酒の栄養の違い
麹と酒粕では、味も作り方も違いましたが、甘酒は飲む点滴と呼ばれるほど栄養価が高いです。
では、2つの甘酒では、どちらの栄養価が高いのかを見ていきましょう。
☆米麹甘酒(100g当たり)
・カロリー 81.0kcal
・炭水化物 18.3g
・脂肪 0.1g
・タンパク質 1.7g
・ビタミン類 0.26mg
・ナトリウム 60mg
・カリウム 14mg
・カルシウム 3mg
・マグネシウム 5mg
・リン 21mg
・鉄 0.1mg
・亜鉛 0.3mg
・アルコール 0g
☆酒粕甘酒(100g当たり)
・カロリー 72.2kcal
・炭水化物 10.0g
・脂肪 0.4g
・タンパク質 3.7g
・ビタミン類 0.7mg
・ナトリウム 1.3mg
・カリウム 7mg
・カルシウム 2mg
・マグネシウム 2.13mg
・リン 2mg
・鉄 0.2mg
・亜鉛 0.58mg
・アルコール 2.1g
2つの栄養価を比べると、ビタミン類は酒粕の方が多いですが、他の栄養価については麹の方が全体的に多く、ナトリウム・カリウムなどのミネラルは特に多くなっています。
おすすめな甘酒
甘酒は体に良い飲みものなので、普段の生活に取り入れてほしいですが、お店に行くと麹と酒粕で作られた甘酒があり、どれを買えばよいのか悩んでしまうと思います。
そこで、スーパーでも置いている、おすすめの甘酒をご紹介します。
☆米麹から作った甘酒(マルコメ)
マルコメと聞けば、味噌を思い浮かべるかもしれませんが、甘酒も作っています。
値段・サイズも手頃で買いやすく、100%国産米から作られているので、優しい甘さに仕上がっています。
☆麹だけでつくった甘酒(八海山)
八海山と言えば、日本酒が好きな方ならよく知っている、新潟県のお酒です。
酒造りの技術を存分に発揮されており、米麹の自然な甘さが引き出され、すっきりとした甘さに仕上がっています。
☆甘酒(月桂冠)
上2つと違い、酒粕で作られたタイプです。
香りは強くないですが、発泡しているので、ドロドロしているのが苦手な方は、飲み心地が良いと思います。
メーカーによって、香りや甘さが全然違います。
甘酒が苦手な方も、メーカーによっては飲めたりもしますので、色々な種類を飲んでみると、好みの甘酒が見つかると思います。
自宅で甘酒を作るなら麹と酒粕どっちがいい?
おすすめな甘酒をご紹介しましたが、なかなか好みの味が見つからない方もいると思います。
それなら、自宅で甘酒を作ってみませんか?
麹と酒粕は、普段自宅にはないと思うので、作るのが難しいと思われがちですが、手順が分かれば簡単に作れます。
麹と酒粕の甘酒の作り方をご紹介します。
☆麹
麹で作る場合は、炊飯器・なべ・甘酒メーカーなどで作ることができます。
ここでは、一家に一台はある炊飯器を使った、手軽な作り方をご紹介します。
まず、炊飯器でおかゆを作ります。
おかゆが人肌程度になったら、米麹を入れて、混ぜ合わせます。
炊飯器のフタを開けたまま、布巾を被せて保温します。
60度をキープするため、温度が低くなったら、炊飯で少し温度を上げます。
温度が高くなったら布巾を取り、空気に触れさせて温度を下げます。
60度前後を、6~8時間キープし続けたら完成です。
お米のつぶつぶが残っているので、気になる方はミキサーにかけて細かくしても大丈夫です。
☆酒粕
鍋に酒粕とお湯をまぜて、加熱しながら生姜と砂糖を入れて、味を調整します。
ひと煮立ちしたら出来上がりです。
2つの作り方を比べると、酒粕で作る方が手軽なので、自宅では作りやすいです。
自宅での甘酒作りにおすすめな麹と酒粕
自宅でも甘酒は作れますが、麹や酒粕を買う機会があまりないため、どれを買えばよいか悩む方も多いと思います。
そこで、自宅で甘酒を作るときのおすすめな麹と酒粕をご紹介します。
☆みやここうじ(伊勢惣)
スーパーでもよく見かけるため、とても買いやすいです。
値段も手頃で、美味しい甘酒が作れるので、初めて作る方にはおすすめです。
☆自然栽培の白米麹(マルカワみそ)
値段は高めですが、お米は農薬も肥料も使われていない自然栽培で、麹菌は味噌蔵についてるものを使っています。
お米は弾力があり甘く、麹菌は天然ものなので発酵する力が強く、甘みを出す酵素がよく出ます。
☆黄桜 酒のかす(山田酒造食品)
京都伏見の黄桜の酒粕で、手頃でスーパーでも置いています。
ペースト状なので、使いやすいです。
☆八海山の酒粕
成城石井など、こだわりの食品を置いているお店だと、銘柄八海山の酒粕が置いてあることがあります。
お酒を絞った後に、さらに熟成させるため、甘みと旨みが強い酒粕です。
酒粕は、酒屋さんに行けば新鮮で種類も多くあるので、本格的な味を楽しみたい方は、酒屋さんに足を運ぶと良い酒粕が見つかると思います。
おすすめ甘酒レシピ
おすすめの甘酒や麹と酒粕などをご紹介してきましたが、飲む以外にも調味料としても使うことができるので、最後は甘酒を使ったおすすめレシピをご紹介します。
『鶏肉の甘酒醤油のオーブン焼き』
【材料 2人分】
・生姜 薄切り1枚
・にんにく ひとかけら
・甘酒 30グラム
・醤油 15グラム
・鶏モモ肉 200グラム
・玉ねぎ 1/2玉
・しめじ 1/2パック
・豆腐 1/2丁
【作り方】
①生姜・にんにくはみじん切りにし、甘酒・醤油と一緒に混ぜ合わせます。
②オーブンを余熱で、200度にします。
鶏モモ肉はひと口大、玉ねぎは薄切り、しめじはざく切り、豆腐は大きめのさいの目切りにします。
③ ②の材料を耐熱皿に入れ、オーブン200度で15~20分ほど焼きます。
一度取り出して、①の調味料を混ぜ合わせます。
④さらに、5分オーブンで焼いたら出来上がりです。
甘酒と醤油を合わせると、味噌のようなコクのある味になります。
酒粕の甘酒を使うときは、アルコールが入っているので、しっかりアルコールを飛ばして使うと、子どもや妊娠中の方も食べることができます。
普段の生活に甘酒を
甘酒は栄養価も高く、そのまま飲むのが一般的ですが、調味料として使うこともできます。
甘酒の味が苦手な方も、調味料として使えば、独特な味はあまり感じなくなり、代わりに甘みやコクが足されます。
甘みやコクがある発酵食品のため、味噌や醤油などの発酵食品と混ぜると味が深くなるので、ぜひ調味料としても使ってみてください。