原材料表示を見ると、よく見かけるであろう植物油脂。
皆さん、植物油脂が一体何なのかご存知でしょうか。
実は、体にあまり良くないのですが、どうしてこんなにも、よく見かけるのでしょうか。
今回は植物油脂とは何なのか、紹介していきたいと思います。
よく見かける植物油脂とは?
植物油脂は裏の原材料表示を気にして見ていれば、様々な食材に使われているのが分かります。
また、最初の方に記載されていることが多いので、見る機会はたくさんあるでしょう。
しかし、「植物油脂って実際何なの?」と思う方も多いのではないでしょうか。
読んで字のごとく植物から抽出した油だとしたら、体に悪いイメージが沸かないかもしれません。
でもそれが実際どの植物なのかも気になりますよね。
このように植物油脂は色々な噂がありますが、実際体に悪影響を及ぼすということに間違いはありません。
原材料表記には、原材料の重い順、つまり使われた量順で記載していかないといけないという決まりが存在しています。
つまり、体に悪影響を及ぼす材料が食材のかなりの割合を占めているということです。
それでは一体植物油脂とは何なのか、紹介していきたいと思います。
植物油脂とは一体何から作られている?
植物油脂とは、植物から作られた油になります。
キャノーラ油等、皆さんが聞いたことがあると思いますが、こちらも植物油脂の原料になっています。
また、植物油と植物油脂は名前がとても似ているので、同様のものかと思われがちですが、実は違います。
たった一文字付くだけで別物になってしまうので、言い間違いにも気をつけたほうが良さそうですね。
まず植物油は植物の種、果実を絞って作られた油のことです。
ですので植物油自体は、体に悪影響を及ぼすということはありません。
一方で植物油脂は、この植物油に別の成分が組み合わさったものです。
別の成分で危険視されているというのが、植物油を加工する際に発生するトランス脂肪酸というものです。
では一体、トランス脂肪酸は、私たちにどのような影響を与えているのかということを、次から紹介していきたいと思います。
トランス脂肪酸の及ぼす影響
先程危険視されているとお話したトランス脂肪酸を摂りすぎると、まずコレステロール値が上がります。
このコレステロールは、悪玉コレステロールです。
悪玉コレステロールが増えてしまうと、善玉コレテロールが減ってしまいます。
そして、血管が詰まってしまうことで心臓に影響し、病気を引き起こす可能性があります。
また、トランス脂肪酸には体の酸化を促進させる力があります。
体の酸化が促進すると、体の中に活性酸素ができてしまいます。
その活性酸素が多くあると、癌を引き起こしてしまったり、体の老化を促進させるのです。
ここからも植物油脂とは、かなり危険なものということが分かりますよね。
植物油脂は、日本ではチョコレートやマーガリンを筆頭に、様々な料理や食材に使用されています。
しかし、国によってはあまり摂ってはいけないという決まりがあるほどに、世界中で危険視されており、アメリカにおいては3年後までに全廃することを決めているほどです。
現在、日本ではまったく規制されていませんし、売られているお菓子類には必ずと言っていいほど植物油脂は使用されています。
ですので、そんなに体に悪いとは思っていない人も多いと思います。
身体のことを気遣うのであれば、売られているものはほとんど入っており、仕方ないものが多いですが、家ではなるべく使わないようにするなど、少しづつでも気をつけていく方がよいでしょう。
どうして植物油脂が使われるのか
そんなに危険なトランス脂肪酸ですが、一体どうしてこんなにもたくさんの食材に使用されているのでしょうか。
解りやすい「バター」と「マーガリン」で例を挙げたいと思います。
まずバターは、皆さんが知っているように牛の乳から作られています。
このバターを作るためにはまず、乳牛を育てる時間が必要になります。
乳牛のエサはトウモロコシや大豆が使用されていますし、かなりの量を与えなければいけません。
ですので、費用もかなり掛かります。
そして、牛から手に入れた乳のほとんどが牛乳として販売されるため、バターに加工することができる量は決して多くありません。
つまり乳牛を育てる時間、労働力や餌代への費用がかなり掛かってしまうにも関わらず、乳牛から手に入れた乳すべてをバターにするということができるわけではないのです。
植物油脂とはこういった理由から仕方なく登場したと言ってもいいでしょう。
植物油脂とは何かの代用品になる?
そこで、バターの代替として作られたのが「マーガリン」です。
こちらは、大豆やトウモロコシを絞って出た油に、水素を加えることで簡単に作ることができます。
つまり、乳牛ほど育てる時間も費用も掛かりません。
牛に与えていた餌である大豆やトウモロコシが、バターの代わりにマーガリンになってくれるのです。
費用も時間もバターよりもかなり少なく作ることができてしまうので、もちろん市場にはバターよりも安く出回ります。
そんなバターよりも安価で手に入れることのできるマーガリンは、家庭には魅力的で、またコストも時間も掛からないので業者としても非常に魅力的なのです。
日本でも規制する動きはあるようですが、まだ正式ではありません。
植物油脂を規制すれば、今まで植物油脂を使っていた業者にはダメージがありますし、私たちの買う商品も値上がりしてしまうというのが現状です。
現在植物油脂とは、日本で活躍しているものの1つなのです。
トランス脂肪酸の入っている例
つまり、まだトランス脂肪酸が含まれる植物油脂とは縁を切ることのできない関係にあります。
ですが、しっかりと見定めることでなるべく摂ることを控えることはできるはずです。
では最後に、トランス脂肪酸が多く含まれる食品を紹介したいと思います。
先程お話したマーガリンはここでは除きます。
・チョコレート
チョコレートに使用されている植物油脂は、チョコレート代用脂というものでしっかり使用されています。
ココアバターと似るように加工して作られた加工油脂です。
カカオ豆は世界中で需要がありますので、コストも上がることがありますし、量も無限にあるというわけではありません。
ですが、カカオ豆の代わりに加工油脂を使えば、より安く手に入れることが可能であり、量を気にする必要もないのです。
また、チョコレート油脂にはたくさんの種類があり、様々な食感や美味しさのチョコレートを作ることができるので重宝されています。
チョコレートを買うときは、表記を必ず見た方が良いですね。
・ショートニング
家庭で使用されることは少なく、聞きなれないかもしれませんが、売られているパンやお菓子、ケーキ類には、ほとんどこのショートニングが使われています。
植物油脂の代表の1つとも言えます。
・カップ麺
こちらにも、実は含まれています。
ですので、一人暮らしなどしていると頻繁に食べがちですが、食べ過ぎには注意した方が良さそうです。
・ファーストフードや揚げもの
店で使われている油は、繰り返し何度も使用されていますが、油は繰り返し使うとトランス脂肪酸の量が増えていきます。
ですので、何度も使用された油を使った料理には、気をつけた方が良いです。
日々の食生活を見直して
植物油脂は、売られている様々なものに使用されています。
ですので、完全に避けるのは、不可能に近いというのが現状です。
体のことを気にするなら、なるべく食べないようにしていきたいところです。
やはり店でできたものを食べるよりも、家庭で料理を作ったほうが安心できますね。
また、商品の値段ばかりを気にしがちですが、体に良くないものが入っていないかということも、常々確かめる必要があります。