サクサクのクッキーに、可愛いデコレーションがされたお菓子を知っていますか?
ピンクや赤、黄色や緑など、色とりどりの模様が描かれたお菓子をアイシングクッキーと言います。
とても難しそうに見えますが、基本的なことさえマスターしてしまえば、初心者の方も作ることが出来ますよ。
自分の好きな模様をクッキーに描いてみませんか?
アイシングクッキーのアイシングとは?
とっても可愛らしいアイシングクッキーのデコレーションがされている部分を「アイシング」と言って、アイシングは、卵白と砂糖を主に混ぜた物で出来ています。
固まる前の状態が色の付いたツヤのある氷のように見えることから、こう呼ばれるようになり、イギリスが発祥の地で、正式な呼び方は「ロイヤルアイシング」と言います。
ロイヤルとは、イギリスの王室を意味しています。
現在と違い、砂糖が高級品だったルネサンス時代でもシュガーペーストなどは存在はしていましたが、18世紀頃のイギリスで「ロイヤルアイシング」がお菓子として発達していったと言われています。
クッキーではなく、ケーキにデコレーションしたものが最初で、人気になり広まったとされています。
オシャレなお菓子をイギリス王室では食されていたのですね。
そして、1769年のイギリス。
16人のお子さんの育児をしながら雇用斡旋所を経営し、お惣菜屋さんもしていたエリザベス・ラッフォールド氏が書いた料理本「The Experienced English Housekeeper」が、初めてアイシングの作り方が記されたと言われています。
そんなアイシングクッキーは、本当に初心者でも作ることが出来るのでしょうか。
初心者がアイシングクッキーを作るために必要なもの
一般的なクッキーでも、もちろんアイシングは可能ですが、アイシングをする時に型抜きしやすく、方面が平らなクッキーを用意しておくと、初心者でも難しくなく作ることが出来ますよ。
甘さを控えることでアイシングとのバランスも良くなり、美味しくなります。
クッキー生地は、ラップで空気が入らないように包んで冷蔵庫で2~3日保存が可能で、冷凍庫ですと3週間ほど保存できますよ。
ぜひ、クッキーから作ってみてください。
では、材料・アイシングクッキー作りに必要な道具・下準備を見ていきましょう。
☆アイシングしやすいクッキー
【材料】約20枚分(5cm四方)
・卵 25g
・無塩バター 60g
・細目グラニュー糖 70g
・アーモンドパウダー 40g
・薄力粉 160g
・塩 ひとつまみ
【用意する道具】
・ボウル
・シリコンヘラ
・ベーキングシート
・ルーラー(角材などでも代用可)
・お好きなクッキー型
【下準備】
・卵とバターを室温に戻しておきましょう。
・アーモンドパウダー、薄力粉を合わせてふるいにかけておきます。
・170度にオーブンを予熱しておきましょう。
アイシングクッキー専用のクッキーの作り方!
では、クッキーの作り方です。
1)ボウルにバターを入れたら、泡だて器でクリーム状になるまですり混ぜていきます。
そこにグラニュー糖と塩を加えて、白っぽくなるまで混ぜ、溶いた卵を少しずつ加えて、よく混ぜ合わせます。
ふるいにかけておいた薄力粉を一度に加えて、粉気がなくなり全体がしっとりとするまで、ヘラで混ぜましょう。
しっとりとした状態になったら、手で生地がなめらかになるまで少しこねていき、ラップに包んだら30分程冷蔵庫で寝かせます。
2)ベーキングシートに(1)の生地を置いたら、厚さ3~5mmのルーラー(角材など)を両端に置き、さらにその上からベーキングシートを被せていきます。
めん棒で、厚さが均一になるように伸ばしていきましょう。
3)伸ばしてから生地がダレていると型抜きしにくいので、一度冷蔵庫で休ませて、生地が十分に冷えている状態にしておきます。
4)クッキーの型抜きに少量の小麦粉を付けて、型を抜いていきます。
5)170度に予熱したオーブンに(4)を入れて、10~12分様子を見ながら焼いていきます。
生地が冷めてしまわないうちに、アイシングしやすいようにヘラなどを使って、クッキーの表面を押さえれば完成です。
表面を平らにすることがポイントで、初心者の方でもアイシングしやすくなりますよ。
初心者でも作れるアイシングの作り方
クッキーを綺麗に飾ることができる、初心者でも作れるアイシングの作り方をご紹介していきます。
【材料】
・粉糖 150g
・メレンゲパウダー 大さじ1
・水 20~22g
【作り方】
1)ボウルに粉糖とメレンゲパウダーを合わせて、ふるいにかけて、水を加えます。
2)ヘラで粉っぽさがなくなるまで、丁寧に混ぜ合わせましょう。
3)ツヤが出てヘラで持ち上げると、先がゆっくりと折れ曲がる状態になっていれば完成です。
固さはアイシングの用途に合わせながら、以下のように変えていきます。
【固くするときの調整の仕方】
基本のアイシングをよく練ってから、粉糖を少しずつ加えて、さらによく練りましょう。
☆かため
アイシングのパーツを作るのにはちょうど良く、ヘラで持ち上げると角が立った状態です。
☆ややかため
ベースを塗ったり、文字やアウトラインを書いたりする場合には、ちょうど良いですよ。
ヘラで持ち上げると角がゆっくり曲がります。
【柔らかくするときの調整の仕方】
基本のアイシングをしっかり練ってから、水を少量付けたパレットナイフでしっかり練りましょう。
☆ゆるめ①
ベースを塗るのに適しています。
ヘラですくってみたときに、流れ落ちた跡が5秒くらいかけて消えるのが目安です。
☆ゆるめ②
狭い面積のベースを塗るのに使いやすいです。
ヘラですくってみたときに、流れ落ちた跡が7秒くらいかけて消えるのが目安です。
アイシングは使う分だけヘラですくって、プラスチック製のまな板などに置き、練っていきます。
パレットナイフを使い左右に練り、ならしてまとめるを何回か繰り返しながら、なめらかにしていきましょう。
密閉容器に平らにアイシングを詰めてからラップを密着させ、蓋をしっかりしめれば、冷蔵庫で4~5日アイシングの保存が可能です。
使う前に、ヘラで練り直してから使ってください。
色とりどりのアイシングを作るには、基本色の白に着色料を混ぜることで作ることが出来ます。
つけたい色を爪楊枝の先に少量付けて、パレットナイフで馴染ませて練っていきましょう。
クッキーにアイシングする時の道具
細い線を描くクッキーのアイシングに欠かせない道具のコルネを作りましょう。
コルネを作る材質は2種類あります。
・オーブンシート
使い勝手もよく、ご家庭でも手に入りやすいかと思います。
初心者の方は、まずオーブンシートでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
・OPPシート
透明なフィルムで、ラップのようですが強度が高く、耐水性・防湿性にも優れています。
強度があるので、細い線を描くためには、必須アイテムといえます。
【作り方】
OPPシートを使ったコルネの作り方をみていきましょう。
1)正方形のOPPシートを三角形に折り曲げて切ります。
親指と人差し指で頂点を押さえて、くるっと左右を巻き付けていきます。
2)3点が重なっているところを調整しながら、先端を尖らせていきます。
シートが重なれば強度が増していきますよ。
3)シートが重なっているところをマスキングテープを貼って固定します。
4)アイシングをパレットナイフで1に詰めて、尖っていない方の左右を中心に向かって折り込み、とじましょう。
5)クルクルと上から折って、アイシングが入っているところギリギリになったら、マスキングテープで止めて完成です。
使うときは先端をハサミで切り、マスキングテープで止めたところを持つようにして使いましょう。
初心者でも大丈夫!基本を押さえてクッキーにデコレーション
クッキーもアイシングも準備はできましたね。
いよいよデコレーションです。
ここでは、基本の基本の絞り方をご紹介していきます。
基本をマスターすれば組み合わせ次第で、いろんなデコレーションが生まれますよ。
【線・模様】
☆直線
コルネの先端をクッキーにつけたら、絞りながら糸を引くように持ち上げ、止めたい場所になったらクッキーにこすり付けます。
☆カーブ
直線の時と同じく、コルネの先端をクッキーにつけたら、絞りながら糸を引くように持ち上げますが、クッキーよりやや高い位置から、糸を垂らすイメージで絞り出してカーブを描きます。
☆ジクザク
コルネを上下に動かして、ジグザグに描いていきます。
同じ幅、点と点を結ぶようなイメージでコルネを絞っていきましょう。
☆縁どり線
コルネの先を少し浮かせて、アルファベットのCを書くように絞ってみましょう。
同じ深さ、同じ幅を意識すると、レースのような模様になります。
☆ドット
コルネを動かさずに、先をクッキーにつけて、好みの大きさになるまで絞ります。
アイシングの切りかたは「の」を書くように回して止めましょう。
☆しずく・花
小さいドットを絞ったら、そのまま手前に力を弱めながら引いてみてください。
これを花びらにして、5~6枚合わせれば花が出来ます。
☆編み線
しずくを左右に「逆ハの字」を書くように絞っていくと編み線の出来上がりです。
【ベース】
プクっとした厚みを持たせるように塗っていきます。
やや固めのアイシングを用意して、アウトラインを描いていきます。
今度はゆるめのアイシングで、先ほど書いたアウトラインの内側を埋めていきます。
【ベースに模様を描く】
平面的に仕上げたいときは、ベースが乾く前に柔らかめのアイシングで描いていきましょう。
立体的に仕上げたいときは、ベースを塗って、表面がしっかり乾いてから固めのアイシングで描きます。
初心者のかたは、フードペンを使っても簡単に描くことができますよ。
同じものが1つとしてないアイシングクッキー
こんな風にしたい、こんな模様はどうかしら、と描くことが楽しくなるアイシングクッキーは、全て手書きなので同じものは出来ません。
同じものが出来ないからこそ、既製品にはない温かみが感じられるクッキーになるのではないでしょうか。
ぜひ大切な方に、大切な日に、アイシングクッキーを作ってみてはいかがでしょうか。