大根を長期保存出来る方法は畑の中に埋めておくだけ?

みずみずしい大根は、千切りにして生でも美味しく、煮たり、焼いたりすることで甘みがでて、出汁も染み込みやすいので、ご飯のおかずにぴったりの煮物料理にも向いています。

畑で育てることもそれほど難しくないので、栽培方法から収穫までの流れを説明します。また、収穫後の長期保存の方法や、買ってきた大根の保存方法まで詳しく紹介していきます。

畑で大根を育ててみよう~土づくり~

大根は、大きなものでも地植えであれば伸び伸びと育てることができます。
冬の寒さに耐えた大根は甘く、きめ細やかでとても美味しくなり、また保存もしやすくなります。

大根は、日当たりが良く風通しの良い場所で育てることをオススメします。
畑の場合は、2~3年は連鎖しても問題ないです。

大根の栽培の中で一番大切な工程は、畑を耕す作業です。
大根は地中に根を伸ばしますが、根の先の成長点に固い土や未熟な堆肥がぶつかると、成長が出来なくなってしまったり、また根の大根ができてしまったりするからです。

耕すときには、1㎡あたり苦土石灰を100g、完熟堆肥あるいは化成肥料を150g入れて、30cmほどの深さまでしっかりと耕すようにします。

種まきの時期は、秋まきと春まきの2種類があります。
大根の種まきのときには、種の品種選び、ダイコン種を播く時期、畑の準備が大切で、しっかりと準備をすることで上手く栽培することができます。

高さ10cm、幅1mの畝を作り、株間を25~30cmにして二条植えにします。
1か所に5~6粒植えましょう。
大根の種類によって株間が変わってくるので注意しましょう。

畑で大根を育ててみよう~収穫までにやること~

大根の本葉が2~3枚まで育ったら、1回目の間引きをし、1か所あたり2~3株間引きます。
大根の本葉が5~6枚に育ったら、2回目の間引きをし、1か所あたり1株にして育てていきます。

1回目のときも、2回目のときも、間引きをするときには肥料を追加しましょう。
株と株の間に溝を掘り、その溝に1㎡あたり50~60gの化成肥料を撒きます。
肥料を撒いた後は、溝に土をかぶせておきましょう。

2回目の間引きと追肥を行った後は、土寄せを行う必要があります。
マルチングをした場合は、畑の畝の隅の通路にも、片側100gくらいの化成肥料を撒きましょう。

種まき後は乾かないように注意して水やりをします。

発芽後は、畑の土の状態を見ながら水やりましょう。
気温が高い時期は水きれがよく、秋に雨が長く振ったときには過湿となるので、注意しましょう。
少し湿った状態を保存できるようにするとうまく水やりができるはずです。

水はけが悪い畑で育てるときには、畝は高めに重ねるようにするとうまく育ちます。

畑で大根を育ててみよう~収穫~

大根が大きく育ったら収穫しましょう。

収穫の時期は大根の品種によっても違い、青首大根は種まき後75~80日、時無し、早生種は種まき後60~70日、漬物用のものや大蔵大根、三浦大根は種まき後80~90日ほどで収穫できます。
それぞれ、品種の種の袋やネット上で記載されている栽培期間を参考に、収穫時期を探ってみましょう。
また、目視で育ちのよい大根から順に収穫するようにしましょう。

収穫のときには、葉を束ねて付け根を持ち、まっすぐ上に引き抜きます。

また、秋大根は収穫時期が過ぎて1週間ぐらいは畑に植えておいたまま保存をすることができます。
大根の肩の部分まで土をかけて霜から守るようにします。

大根には、スが入るという生理障害があります。
スが入るとは、大根の中心部が白くスポンジ状になることで、原因はいくつかあります。
秋の気温が高く、生長が早く進みすぎたり生長途中で肥料が足りなくなることや、生長後長い間畑に置いてしまうことでスが入りやすくなるので注意しましょう。

また、病害虫からも守らなければなりません。
大根に多発す病害虫は、アオムシ、コナガ、ヨトウムシ、アブラムシなどがありますが、寒冷紗のトンネルに入れることで害虫の新入を防ぐことができます。
また、薬剤散布も効果的です。

大根に適した保存方法は?

大根は冷蔵保存も冷凍保存も可能です。
また、漬物や切干大根にしたり、畑の土に埋めたりと様々な保存方法があります。

大根の場合、保存するときは葉も根も立てて保存します。
横にして保存すると、無駄に水分と糖分を使ってしまってしおれるのが早くなるためです。
立てて保存するときには、牛乳の空き箱やペットボトルなどを利用すると便利ですので、試してみてください。

大根を保存するのに最適な温度は、0~5℃と言われており、ちょうど冷蔵庫の中ぐらいです。
また、大根は湿度を保ったまま保存することが大切なので、冷蔵庫に入れる際も乾燥しないよう注意しましょう。

それから大根を冷蔵庫に保存するときは、葉の根元ギリギリで切り離し、葉と根を別々に保存するとよいでしょう。
どちらも水分の流出を防ぐためにポリ袋や新聞紙で包むとしなりにくいです。

また、葉は加熱するか塩もみして小分けにして、ラップに包んで保存するとよくもちます。
冷蔵庫なら3日ほど、冷凍庫なら1か月ほどもちます。

ひと手間加えて大根を保存してみよう

大根は、本来は冷凍保存に向かない野菜です。
ただ、葉は一度ゆでて食べやすいサイズに切ると冷凍保存でき、根も大根おろしにしたりすると冷凍保存することができます。
冷凍保存をすると、どちらも1か月ほどもたせることができます。

それでは様々な冷凍保存方法をお伝えしましょう。

根の部分を1cmほどの厚みの半月切りにして固めにゆでると、冷凍保存できます。
このとき、金属トレイに乗せて保存すると、急速に冷凍することができ、鮮度を保ったまま保存できます。
解凍するときには、そのまま煮物や汁物に加えて利用できるので、とても楽ですね。
食べるときには調理する前日に冷蔵庫に移して自然解凍するようにしましょう。

また、漬物として保存することもできます。
大根を立て半分に切り、5mm幅に切ったあと、ゆずの皮とゆずの絞り汁、醤油を加えて冷蔵庫で1日寝かすと、ゆずの風味が香る漬物を作ることができます。
大根1/2本に対して、醤油200㏄、ゆず1個を目安に入れましょう。

また、千切りもしくは短冊切りにして4~5日ほど畑などの屋外で干すと切干大根になり、6か月ほど保存をすることができます。

本当?最大6か月大根が保存が出来る方法

土の中に埋める保存方法を紹介しましょう。

大根はもともと畑の土の中にある野菜なので、土の中で長期の保存をすることができます。
大根は1年中スーパーなどの市場に出回っていますが、秋冬物の大根を土の中に埋めて保存しておけば春ごろまでもたせることができます。

方法としては、まず大根の葉を切り、50cmほどの深さまで掘った土の中に並べます。
このとき、大根が重ならないように、間を開けて並べるように注意します。

並べた大根の上から土をかけ、大根の葉があればそれをかけて目印にします。
また、大根の葉を上にかけることで保温の効果も得ることができます。
先ほどお話したように、大根は縦に保存した方が好ましいのですが、かなり深く掘ることになるので横に並べる形でも大丈夫です。

大根は、保存方法によって保存期間が異なります。
新聞紙やラップに包んで冷蔵庫で保存すれば1~2週間ほど、冷凍保存であれば1か月ほど、漬物にすると1週間ほど、切干大根にすると6か月ほどもたせることができます。
また、秋から冬にかけては、土の中で最大6か月ほど保存することができます。

栄養満点な大根を余すことなく食べよう

畑から栽培すると土に埋めておくだけで保存が出来るので、一気に収穫しなくても、食べる時に新鮮な状態で採れるので、自家栽培の最大のメリットといえます。

連作障害もない根野菜のため、何年も続けて育てることが出来ますよ。

ビタミンCやカリウム、葉っぱにはβカロチンを多く含み、余すことのなく食べれる大根。
スーパーなどで選ぶ際は葉つきのまま購入して上手に保存して活用しましょう。