人間の体が栄養を吸収するには、「3つの時間帯」が存在するってご存知ですか?
「3つの時間帯」をしっかり理解することで、健康維持に役立てることができるようですので、紹介したいと思います。
また、せっかく毎日食事を摂っても、しっかり栄養を吸収できないと意味がありませんよね。
日々の栄養の吸収をアップさせるコツもあわせて紹介します。
栄養の吸収について
◆栄養吸収の仕組み
人間が生命活動を維持する上で必要なものには、毎日の食事で摂取する栄養素があります。
口に入った食物は、口内で咀嚼し、唾液腺から分泌されるアミラーゼと混じって胃に入ります。
胃に流れ込んだ食物は、体内で消化吸収されやすいように、食物を胃酸と胃の蠕動運動によって形を変えていくのです。
その後食物に含まれる栄養素は、小腸から吸収され、血管を通し血流にのって肝臓へ送られます。
内臓最大の臓器である肝臓は、重要な役割を2つ持っており、1つは栄養に関する役割で、2つ目は身体の中の不要物質を分解し、排出する役割です。
時間帯によってこの役割を変えているのです。
◆栄養素の吸収
栄養素の吸収方法には3種類あり、その全ては吸収上皮細胞の刷子縁(微絨毛と終末網構)で行われます。
受動拡散は、輸送担体(carrier protein)を必要とせず、エネルギー非依存性で濃度勾配に従って行われます。
簡単に言えば、自然の流れで高い方から低い方へ、濃い方から薄い方へ移動することです。
促進拡散は、濃度勾配に従って行われますが、輸送担体(carrier protein)を必要とします。
これは言わば、受動拡散専用の乗り物を使うようなものです。
能動輸送は、エネルギ―依存性で、栄養素の輸送は拡散とは逆方向にのみ行われ、濃度勾配に逆らった方向に進みます。
川や山を登るにはエネルギーを使いますよね。
要は、膜表面に存在する、Na+/K+依存性ポンプと輸送担体たんぱく質が結合し、ポンプ作用によってNaイオンが細胞に送られるのです。
そして、栄養素はNaイオンと一緒に、細胞内に取り込まれていくのです。
代表的なものに、グリコースの吸収があります。
人間の生活の中には3つの時間帯が存在する
食事について考える上で、最も基本となる自然法則に「3つの時間帯」があります。
時間帯に合った食事方法によって、胃腸への負担が減り、体内毒素の排出を促すことができるのです。
つまり過食せず、生きていくのに必要な栄養素のみを適切に摂取し、体内を内側から浄化するための健康法の考え方になります。
そこで「3つの時間帯」と理想的な食事方法について紹介します。
【1】[体内浄化(排泄)の時間帯]
4時(朝) ~12時(正午)まで
空腹感がある場合は、新鮮な果物のみ食べるようにします。
これだけでも体調の改善効果が期待できます。
つまり朝からしっかりと朝食を摂る必要はないということです。
反対に空腹感がない場合は、無理して食べず、水分補給をしっかり行いましょう。
肉や魚は胃に負担がかかるので、この時間帯は避けましょう。
なぜなら、体内浄化 (排泄)のプロセスに支障が出て、体内の毒素が十分に排出されないからです。
【2】[食物摂取の時間帯]
12時(正午)~20時(夜)まで
野菜をメインに、炭水化物(ご飯・パン・麺類)または、たんぱく質(肉・魚)どちらか1つを合わせます。
炭水化物とたんぱく質を一緒に摂らなくても大丈夫です。
なぜなら、夜中に栄養として十分吸収されるからです。
12時に炭水化物をメインにし、20時にたんぱく質をメインにするといったメニューにするといいでしょう。
【3】[栄養吸収の時間帯]
20時(夜) ~4時(朝)まで
基本的には、固形物は何も食べず、水分補給を行います。
どうしても空腹感がある場合は、夕食から2時間以上あけて新鮮な果物を摂るようにしましょう。
この時間帯は、昼間食べた物から栄養吸収し、身体の組織を修復します。
栄養の吸収が悪い原因は時間帯?それとも他に原因があるの?
栄養吸収の悪さや異常が感じられる原因は、食事の時間帯など幾つか考えられるのですが、まずは腸内環境の悪さが原因ではないでしょうか。
栄養は、小腸で約90%吸収されているので、腸に異常があれば栄養吸収率が悪くなるのは当然です。
栄養のほとんどが腸によって吸収されているですから、上手くいかなければ何らかの症状が出てきます。
具体的な症状には、下痢・お腹の張り・体重減少・疲労感・オナラが増える・むくみ・貧血などが挙げられます。
また、腸の吸収に問題がある場合は、食べたものが消化されないまま便に混ざったり、ネバネバした便が特徴です。
栄養吸収が悪くなる原因として、食べ物が消化されないまま腸に送り込まれ、吸収できないまま排泄していることが考えられるのです。
その事を踏まえて考えた場合、以下の原因が挙げられます。
・腸内細菌のバランスが悪い
・腸の働きの低下
・胃酸の過剰分泌
・消化に必要な酸素の異常
・消化液の不足
・生まれつき消化管の壁や長さに問題がある
・胃や腸の病気
などです。
栄養の吸収力を上げるコツとは?
栄養吸収力をアップさせるには、腸内環境を整えることがカギです。
なぜなら、何度も説明しているように栄養は小腸で吸収されるからですね。
腸内環境を整える為には、腸内の善玉菌を増やすことがポイント。
善玉菌は、99.9%がビフィズス菌です。
腸内環境を整える食材や栄養成分は以下の通りです。
・食物繊維(根菜類・キノコ・海藻類など)
ビフィズス菌を増やす作用があり、腸内の有害物質を吸収し、便として排出する手伝いをします。
・乳酸菌(ヨーグルト・発酵食品・チーズ・乳酸菌サプリメントなど)
ビフィズス菌が増えやすい環境を整えてくれます。
・オリゴ糖(ハチミツ・リンゴ・玉ねぎ・ジャガイモ・ごぼうなど)
ビフィズス菌の栄養源であるオリゴ糖は、ビフィズス菌を増やすサポートをします。
・グルタミン(生卵・生魚・海藻・大豆・チーズなど)
グルタミンは腸のエネルギー源で、免疫力をアップさせ、強い体を作るために必要な栄養成分です。
熱に弱いので、体内に摂取する際は、生がオススメです。
・酵素(発酵食品{納豆・チーズ・キムチ・ヨーグルト・漬物}、刺身、生野菜、果物)
栄養の分解・吸収・運搬に必要な物質で、人間の体の中のあらゆる生命活動に関わっている、必要不可欠な成分です。
このような食材を積極的に摂ることで、腸内環境を整え、栄養吸収率をアップさせます。
正しい時間帯に摂取し栄養吸収率がアップすると、美容効果や健康面で結果を出してくれるでしょう。
日々のちょっとした習慣を意識するだけでも栄養吸収がアップする!?
栄養吸収力をアップさせる方法には、時間帯を意識することと腸内環境を整えるだけでなく、食事の基本である「よく噛むこと」が大切です。
子供の頃、学校の給食時間や家庭での食事の際、親や先生から「よく噛んで食べなさい」と言われた経験はありませんか?
食物をよく噛むという事は、食材を細かくするだけでなく、唾液の分泌を促し、消化吸収を助ける役割があります。
口の中に入った食物は、喉を通過した後は、消化器官の力に頼るほかありません。
体内で栄養吸収率を上げるためにもよく噛むことが大切です。
近年では、あまり噛まなくても飲み込める食品が多くなってきましたが、噛むことでもたらされる効果には、様々なものがあります。
まず、消化吸収力を上げ、満腹感を得ることができます。
また、口や顎の発達にも一役かっているのです。
噛む大切さを忘れずに食事を心がけるようにしましょう。
そして、バランスの良い食事が大切です。
・たんぱく質…肉・魚・大豆など
・ビタミンやミネラル…野菜・キノコ類など
・炭水化物…米・パン・麺類など
この3つのバランスを考えて食事をすれば、それぞれの栄養素が上手く絡みあって、吸収力が上がるのです。
栄養吸収をする時間帯のために摂取しておきたい食べ物について
腸内環境を改善したら、次は腸内細菌のバランスを整えることが大切です。
腸内細菌は、消化吸収の際、消化・吸収の補助やビタミン類の合成を行いますす。
食物繊維の多くは、そのまま摂取しても人間の体に消化・吸収されることはありません。
腸内細菌が、私たちの身体に摂り込まれた食物繊維を分解・発酵し、ビタミンKをはじめ多くのビタミン類を生産することで消化吸収を促します。
ビタミン類の多くは、栄養吸収を助ける役目があるからです。
だから、腸内細菌のバランスを整えることは、栄養吸収を助ける重要な働きを持っているのです。
そこで、腸内細菌のバランスを整えるオススメの食材を紹介します。
・きな粉・玉ねぎ
腸内細菌のエサとなるオリゴ糖が含まれます。
・漬物・ヨーグルト
腸内環境を改善して、腸内細菌のバランスを良くする乳酸菌が含まれます。
市販されている漬物の中には、加工品として殺菌処理する事で乳酸菌が死滅し、入っていない場合もあります。
漬物を選ぶ際は、手作りのものを選ぶか、自宅で漬ける方が良いでしょう。
乳酸菌の効果を高めるためには、毎日摂取することが大切です。
しかし、ヨーグルトの場合は、動物性脂肪が含まれているので、カロリーが気になりますよね。
脂肪の摂り過ぎは、肥満や動脈硬化を招くので、少しずつ食べるようにしましょう。
またヨーグルトは食後の時間帯に摂取するのがベストです。
日々の生活を見直してみましょう
いかがでしたか。
日々の生活で、体に負担をかけない生活を心掛けることが一番重要ですね。
日々の食事も、しっかり栄養バランスを考えながら摂取しましょう。
腸内環境を整えることによって、栄養吸収もアップするので、バランスの良い食事を意識してみましょう。