大根は、野菜のうちで、一番多彩な品種を持っているのを知っていましたか?
大根と言えば、美味しい冬の味覚の代表野菜とも言えますね。
大根は、「生でそのまま、煮る、漬ける」など色々な調理法で食べることが可能です。
和食には、欠かせない食材の一つです。
そんな大根は、栽培しやすく、保存もきくので、家庭菜園でも人気があります。
今回は、大根を家庭菜園で栽培する方法と、色々な保存方法についてご紹介します。
大根の栄養素とは?
大根には実にたくさんの体に良い栄養素が豊富に含まれています。
まず挙げられる栄養素としてはビタミンCがあります。
しかし大根のビタミンCは特徴があり、中心部より表面の皮のあたりに多く含まれていて、約2倍もの差があります。
ですから、大根は極力皮をむかずに、皮ごと食べる方が良いのです。
また、大根の葉にもたくさんのビタミンCが含まれていて、他にもビタミンA(カロチン)も、葉には多く含まれています。
さらには、葉にはタミンB1、B2、カルシウム、ナトリウム、リン、鉄などの成分を含んでいるので、捨ててしまうのは本当にもったいないことです。
ぜひ、大根を購入する時には葉つき大根を手にいれてくださいね。
大根の栄養成分としては、ビタミンA、ビタミンC、食物繊維(リグニン)、ジアスターゼ、アミラーゼ、フラボノイドなどが挙げられますが、その中でも最近注目されている栄養素がジアスターゼで、胃腸を整えてくれる役割があります。
ほかにも、強い解毒作用などもあり、大根を食べることは胃にとっては実にありがたいことなのです。
ぜひ家でも大根を栽培してたくさん作ってたくさん保存し、いつでも食べれる状態にしたいものですね。
家庭菜園で大根を栽培する為の準備と種まきについて
大根はかなり強健な性質を持っているので、土地がやせていたとしてもちゃんと栽培できます。
しかしやはり根形の形成には土壌の条件が大きく関わってきます。
ですから、大根を植える前の土壌の準備などは念入りに行う必要があるのです。
まずは、畑に種をまく半月以上前から石灰をまいたりして、30センチの深さほどまで良く耕しておきます。
この時に、根の形成の際に邪魔になる木片や石ころなどをちゃんと取ってあげてください。
もしその土壌で野菜を作り続けていたとすると、元肥が残っている可能性が高いのでとくに与えなくても良いです。
痩せ地の場合のみ肥料を良くあげてください。
そして、種蒔き後にもう一度肥料をあげます。
あげ方としては、株と株の間に、完熟堆肥と油かすを混ぜたものを半握りずつ置き、種と同時に覆土するのです。
この際、鶏ふんを加えて発酵させたものなどを一緒に加えるとさらに良いですね。
種まきは、浅く作った溝にさらに瓶底などで○印をつけ作った小溝に4~5粒ずつまくのがよいでしょう。
発芽したら間引きし、整った株を残します。
大根は保存もきく野菜ですから、ぜひ一度ご自分で作るのを挑戦してみてください。
家庭菜園での大根の栽培の仕方
大根の原産地は中央アジアや中国で、もともと冷涼な気候を好み育つ野菜ですので、痩せ地でも案外育ちます。
ですから、生育温度は17~20℃ですが、生育初期は0℃~35℃まで耐えるのです。
しかしながら、根が成長してくると、5℃以下の低温や、30℃以上の高温になると生育障害が出てあまり育ちません。
うまく栽培させるコツは、肥料にあります。
先ほども説明しましたが、少し詳しく説明していきます。
まず種まきをする2週間前には石灰を畑全体に撒いて深く耕してください。
この際、堆肥は入れません。
そして、種まきの1週間前に化成肥料150g/mlを入れて畝を作ります。
種まきは25cmぐらいの間隔ごとに4~5粒まいていきます。
種をまき終わったら、その上から1cmぐらい父土をかぶせてやり、たっぷりと水をやりましょう。
本葉が1~2枚になった頃に間引きをし、この時に化成肥料を追肥します。
大根には、シンクイムシ、アブラムシ、ヨトウムシ、アオムシなどの害虫が良くつきますから、駆除は早めに行ってください。
そして、根が十分に育ったならば収穫の時期です。
大根は保存もききますから、たくさんできたら、いろいろな保存方法を考えてみてください。
家庭菜園で栽培した大根を上手に保存しよう(冷蔵庫・冷凍庫)
家庭で立派に栽培できた大根ですが、冷蔵庫、冷凍庫を使ってたくさんできた大根はうまく保存しましょう。
まず、基本的に大根は立てて保存します。
横に寝かせて保存すると、無駄に水分と糖分を消費してしまい、大根はどんどんとしおれていきます。
ですから、牛乳の空き箱やペットボトルなどを使って大根は常に立てて保存してください。
また、大根の最適保存温度、最適湿度は0~5℃あたりです。
ですから、冷蔵庫内での保存が適しているのです。
そして大根の最適湿度は90~95%ですから、乾燥しないように新聞紙などにくるんで保存するのが良いです。
この時に新聞紙に霧吹きで水を振りかけるとなお良いですね。
それから葉と根は分けて保存した方が良いのです。
大根の葉が根についたまま保存すると、根の栄養分をどんどんと葉が吸収していってしまうからです。
ですから、早い段階で根と葉は切り離してください。
冬場は気温が低いですから、冷暗所に置くだけでの保存もOKです。
また、大根を一度硬めにゆでると冷凍保存もできます。
大根を乾物や漬物に調理して保存する方法
家庭で栽培してたくさんできた大根ですが、冷蔵庫や冷凍庫以外でも保存方法があります。
その方法は、大根を乾物にして保存する方法です。
むいてしまった大根の皮などもどうぞ捨てないでください。
千切りにしたり短冊にしてざるにのせ、4,5日屋外で干せば、できあがりです。
夏場は湿気が多いですし、夜も湿度があがりますから、あまり乾物を作るには適していません。
もし夏場に乾物を作る際には、夜は屋内に入れるようにしてください。
外で干す場合には、鳥などに狙われることも多いですので、干しかごなどを使用するのが便利です。
このようにしてできた切り干し大根ですが、冷蔵庫で6か月ほど保存がききます。
使う際には、水で戻して、フライパンで油揚げなどと一緒に炒め、だし汁、みりん、砂糖、しょうゆ、塩などで味付けすると美味しい一品になります。
また、漬物などにして保存する方法もあります。
大根を縦半分に切り、それを5㎜幅に薄切りにしていきます。
また、別でゆずは皮を薄切りにして用意しておきます。
切った大根を保存袋に入れ、そこにしょうゆとゆずの皮とゆずの絞り汁を一緒に入れるのです。
こうして冷蔵庫で1日寝かしておくと、できあがりです。
時々もんだりもしてあげてください。
こうしてできた漬物は冷蔵庫で1週間ほど保存できます。
お好みで酢や砂糖を入れても良いでしょう。
食べきれない大根を畑に埋めて長期保存する方法
家庭でたくさん栽培できた大根の保存方法を紹介いたしましたが、それでもまだまだ食べきれないたくさんの大根がある、または冷蔵庫に大根を保存する場所が確保できない、ということがあると思います。
そういう時は、大根を畑から一旦抜いて収穫し、深い穴に大根を埋めて保存してください。
そのまま収穫せずに畑に置いておくことは、どんどんと大根が痛んでくるので、いったん抜いてくださいね。
この方法だと、3月ごろまで保存することができます。
大根同士は触れあわないように隙間をあけて深い穴に並べていきます。
大根が触れあうと、病気が発生したり、腐ってしまうことがあるので注意が必要です。
並べた大根は、最後に大根が隠れる程度に土を上からかけてあげてください。
一番上にむしろをかぶせてあげるとさらに良いですね。
大根は本来立てて保存するのが良いのですが、立てて保存したい場合、かなり深く穴を掘らなければなりません。
ですから、この方法で保存する場合は、横または少し斜めにして保存することになります。
しかしそこまで大きな影響は出ないと思います。
栄養を効率良く摂るには、大根おろしが最適
大根は、日本にも古くから渡来していて、淡白な味わいながらも様々な料理に活用されて、便利で美味しい野菜ですよね。
そんな健康増進にも効果的な大根の栄養を、一番効率よく摂れて、その効果を得るには、サラダよりも生の大根おろしで食べることが重要です。
大根の先端部位と皮をよく洗って、そのままおろして食べるのがオススメです。
納豆や、なめこなどの食材とアレンジして食べるのも良いでしょう。