電子レンジで溶けたラップは有害?その安全性を検証してみた

食品を電子レンジで加熱すると、食材に触れたラップが溶けて、有害な物質が体内に吸収されてしまい危険という説があります。

今回はこの説が本当かどうかを検証し、併せてラップの安全性と種類について、ラップや電子レンジを使わない保存方法やあたため方などについても見ていきたいと思います。

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電子レンジでチンは危険?海外では信じられているラップの非安全性

私たちの生活に食品用ラップはなくてはならないものですよね。

冷凍庫や冷蔵庫に保存する時はもちろん、電子レンジでチンする時も必ずラップをかけます。

最近ではおにぎりを作るときも、手にラップを載せ、その上にごはんを置いて握るスタイルが一般的となってきました。

手をご飯で汚さないためと、衛生上の観点からです。

テレビの料理番組でも頻繁にラップが登場しますし、電子レンジでチンするだけの料理の特集などでは、「ラップ使いがコツ」、とまで言っています。

このように日々の食生活でラップを頻繁に使うのは、どうやら日本だけのようで、海外、特に欧米ではラップをほとんど使いません。

なぜならラップから有害物質が溶け出し、体に害を与えると信じられているからです。

果たして本当に食品ラップには有害物質が含まれているのでしょうか。

安全性は考慮されていないのでしょうか。

安全性に問題があるのはどんな種類のラップ?電子レンジに使っても大丈夫?

欧米では危険視されている食品ラップですが、日本ではみな当たり前のように使い、安全性を考えてみたこともありません。

では、ラップはそもそもどういった物質でできているのでしょうか。

原材料により、大きく次の2種類に分かれるようです。

①ポリ塩化ビニリデン・ポリ塩化ビニル系
②ポリエチレン系

ポリ塩化ビニリデン・ポリ塩化ビニル系のラップは、塩素系ラップ、または塩ビ系ラップとも呼ばれ、石油から摂れるエチレンと塩素からできています。

塩素からできた化合物は、燃やすとダイオキシンが発生するといわれています。

ダイオキシンとは、ベトナム戦争で使われた枯葉剤で有名ですが、胎児の奇形化や発育異常、免疫機能の低下やガンなどを引き起こす、人体に有害な物質です。

ダイオキシンの他にも、アジピン酸エステル、ノニルフェノールといった環境ホルモンを発生させる可能性も含まれています。

環境ホルモンとは「内分泌かく乱物質」といって、生体の代謝や成長、生殖といった方面に障害をもたらすといいます。

食品に接した塩素系ラップを電子レンジで加熱すれば、こうした危険物質が溶け出る可能性があると危惧されているのです。

しかしポリ塩化ビニリデン・ポリ塩化ビニル系のラップは強くて破れにくいうえ、切りやすくピタッとくっつくので、大変使い勝手がよいというメリットがあります。

大手メーカーの有名なラップは、みなこのタイプです。

一方、ポリエチレン系のラップは切りにくく、ピタッとくっつかないので、あまり使い勝手がよくありません。

しかし、炭素と水素でできているため、燃やしてもダイオキシンは発生しません。

また値段も安く、空気を通しやすいので、野菜や果物にはこちらの方がおすすめです。

ラップをかけた食品を電子レンジでチンしたときの安全性はどうなの?

食品にラップをかけて電子レンジで加熱すると、塩素系ラップの場合、ダイオキシンや環境ホルモンが溶け出る可能性があるといいましたが、果たして本当にそうでしょうか。

もし仮にダイオキシンが発生するなら、安全性を考え、厚労省が許可を出さないはずです。

現在も大量のラップが販売されているのは、安全であると認められているからです。

実はダイオキシンは、塩素化合物を300℃~500℃で燃やすと発生するといいます。

通常、電子レンジのあたためは100℃前後です。

一方、ラップの耐熱温度は100℃~140℃程度です。

高いものでも170℃~180℃といったところでしょう。

ダイオキシンが発生する温度では、ラップが破けて溶け出す以前に、食品そのものが真っ黒焦げになっています。

したがって電子レンジにかけたからといって、ラップからダイオキシンが発生するとは考えにくいといえます。

食品の油脂に触れると耐熱温度以上に上昇し、ラップが溶けることがありますが、それでもダイオキシン発生温度には足りません。

ただし、味が変わることはあります。

まずいと感じたら潔く処分しましょう。

有害ではありませんから溶けたラップを食べても問題ありません。

そのまま体外に排出されるだけです。

ラップは、ごく普通の買い方をしている限り、電子レンジで加熱したところで安全性に問題はありません。

安心して大丈夫です。

安全性が気になるなら、どのラップを選べばいいか?

ラップをかけた食品を電子レンジであたためるときの安全性がどうしても気になるというなら、塩素系ではなく、ポリエチレン系のラップを選んだほうが無難です。

原材料名に「ポリ塩化ビニリデン」「ポリ塩化ビニル」という文字がなく、「ポリエチレン」と書いてあるものです。

防曇剤、安定剤など添加物が入っていない、無添加のポリエチレンラップなら、さらに安心です。

乳幼児がいるご家庭なら、離乳食の作り置きを冷凍庫に保存する際にも、無添加ポリエチレンラップなら環境ホルモンの影響を気にせずに、安心して使えます。

しかも値段が安いので経済的です。

ただしピタッとくっつきにくく、カッターでも切りづらいのが難点です。

使い勝手のよさは塩素系ラップには及ばないため、気にならないかたは塩素系のラップでもまったく問題ないでしょう。

安全性を考慮するなら見直したい!電子レンジやラップのない暮らし

電子レンジもラップも戦後、暮らしが豊かになる中で登場したものです。

かつてはラップも電子レンジもない暮らしが当たり前でした。

ラップの代わりにフタ付きの容器で保存して乾燥を防ぎ、電子レンジであたためる代わりに鍋に入れてもう一度火を入れたり、ご飯が炊けた炊飯器に入れてあたためたりしていました。

もちろん、ラップして電子レンジでチンすることを前提にした料理などありません。

代わりに蒸し器を使って蒸す料理が、今より頻繁に食卓に登場していました。

今では蒸し器やせいろを持っているご家庭は、少数派です。

電子レンジ1台あれば、あたためる、蒸す、煮る、蒸し焼きはもちろん、焼く、揚げる、までできますから多くの調理器を必要としないのです。

安全性を考慮して電子レンジを使わず、なおかつラップもかけないようにするなら、調理と保存のしかたを変えるだけでなく、ライフスタイル全体を変える必要があります。

家族ひとりひとりの食事時間が異なるのは今や当たり前ですが、それでは何回も電子レンジであたためることを要し、ラップもその都度かけ直さなくてはなりません。

また、忙しいからと、できるだけおかずを作り置きして、必要な時にあたためて食べるやり方ですと、保存にもあたためにもラップは必須なうえ、おかずを作るときにもあたためるときにも電子レンジが必要です。

現代のライフスタイルはこのように、ラップと電子レンジが前提の上で成り立っているのです。

それを使わないようにするなら、昔のように食事を毎日その都度作り、家族みんなが揃って1回で食事を終えるようにしなければなりません。

生活そのものを不便の方向に変えるか、このまま便利さを追求するか、究極の選択といえそうです。

ラップがイヤなら代わりに電子レンジで使えるタッパーを

便利な生活は捨てたくないけれど、やはりラップがイヤというのであれば、できるだけ食品に触れないようにフワッとラップをかけてみましょう。

特に食品が油脂の多いものなら、その部分が高温になって、ラップが溶け出る可能性があるからです。

安全性を考えるならポリエチレン系のラップがおすすめですが、耐熱温度が塩素系のものより低く、110℃程度です。

したがって耐熱温度を超えて溶け出す可能性が高いのです。

それを考えたらラップは使いたくないですよね。

代わりにプラスチックのフタはいかがでしょうか。

通販や100均でも売られています。

ゴミも出ませんし、何回も使えて経済的です。

ご飯をラップにくるんで冷凍していたかたは、専用のタッパーに替えてもいいのではないでしょうか。

1回分ずつ専用タッパーに入れてフタをし、冷凍しておけば、食べたいときに電子レンジでそのまま温めて、すぐご飯がいただけます。

一度お試しください。

電子レンジでラップを使っても大丈夫!

いかがでしょうか。

食品にラップをかけたものを電子レンジで加熱すると、毒性が溶け出て大変に危険といわれているのは、過剰反応だとわかりました。

普通の使い方をしている限り、ラップを電子レンジに使っても全く問題ありません。

とはいえ直接口に入るものです。

安全であるに越したことはありませんよね。

気になるかたは使用を控え、昔ながらの保存方法やあたため方に戻ってもいいのかもしれません。