味噌汁の具だけじゃない!知っておきたい麩の秘密

澄まし汁や味噌汁の具として使われるお麩ですが、実は高タンパクな食品だということをご存知ですか?

中国で誕生した麩は、明国との貿易によってもたらされ、当初は仏教と結びつき、肉食を禁じられていた修行僧のタンパク源として用いられていました。

その後に、一般にも広がり今日に至ります。

現在では、花やモミジなどを模したものから、車麩のような大ぶりのものまで、さまざまな種類があります。

料理の脇役になりがちな麩ですが、その栄養や健康効果は驚くものがあります。

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何からできてる?麩の作り方を知ろう

麩は、宮中や寺院の中で修行僧などの精進料理の具材として、用いられてきました。

その後、町衆にも広がり、いつの時代の食文化にも存在する食材となっています。

麩の主原料はグルテン(小麦タンパク質)です。

その作り方はとても単純なものです。

小麦粉を水でよく練り、団子状にまとめてから多めの水で洗うとでんぷん質が流れ出ます。

繰り返し水洗いしてでんぷん質を摂り除いていくと、やがてゴム状のグルテンが得られます。

取り出したグルテンに小麦粉や山芋などを加えて成形したあと、直火焼きまたは油で揚げるなどしてで加熱したものを焼き麩、グルテンに粟やヨモギ、もち粉などを加えて練り、成形してから茹でたり蒸したりしたものを生麩といいます。

普段の料理に加えるなら焼き麩が扱いやすいでしょう。

小ぶりなものを選べば、少ない水で戻すことができ、味噌汁や澄まし汁に浮かべるだけでアクセントになります。

生麩には、色付けをして梅や桜、紅葉などをかたどった華やかなものもあります。

こちらはお吸い物やお雑煮、茶碗蒸しなどに彩りとして使います。

焼き麩・生麩だけじゃない!?各地の麩を比べてみる

麩の種類は形や大きさ、また作られる土地によって90種とも100種あるとも言われています。

その中から代表的なものを紹介します。

●車麩

グルテンを長い棒に巻いて、直火で焼いたものです。

焼き上がったらまた巻いて焼くことを、何度が繰り返し厚みを出します。

輪切りにすると、焼き目が渦巻のような模様になります。

北陸地方、主に新潟県では、煮物などに使われています。

●油麩

宮城県登米市で作られる、油で揚げた麩です。

地元では味噌汁の具に使われることが多いです。

●庄内麩

山形で作られる、板状に伸ばし直火で焼いたお麩です。

船での交易が盛んだった昔、船に積み込みやすいよう板状になったと言われています。

この庄内麩を巻いて小口に切ったものをうずまき麩と言います。

●まんじゅう麩

まんじゅう型をした麩で、新潟県村山市岩船地区が発祥とされています。

まんじゅう麩に蒸気を当て、円盤状に押しつぶしたものを、つぶし麩といいます。

●大和麩

奈良県で作られる麩で、バゲットのような形をしています。

香ばしくなめらかな舌触りが特徴です。

●飾り麩

花の形や手毬の形などにかたどり、食紅などで色を付けた麩です。

京都府の京小町麩、石川県の加賀飾り麩などが有名です。

●豆麩

ボーロのような形をした麩です。

福島県会津地方の郷土料理、こづゆの具材として使われます。

●ちくわ麩

ちくわ状に成形した生麩です。

関東では、おでんだねとして使われます。

日本には、ここに紹介しきれないほどの種類が存在しています。

各地のお土産にもなっているので、旅行先で見つけたら買って食べ比べてみるのも良いでしょう。

味噌汁や吸い物に入れる味がない具…麩に栄養はあるの?

麩の主な栄養素は、タンパク質です。

そのほか、ナトリウム、カリウムや、カルシウム、リン、鉄、亜鉛などのミネラルも豊富に含まれています。

水で戻せば柔らかく、味も淡白で消化が良いため、子供や高齢な方の食事にもおすすめです。

味噌汁などの汁物に加えるのが、最も摂りやすい方法でしょう。

また、一食当たりに使われる麩約10gとしたときのカロリーは、およそ17kcalでほとんど無いに等しいほどです。

これらのことから、麩は高タンパク低カロリーな食材だと言えます。

さらに、様々な食材との組み合わせにより、多くの効能が期待できます。

例えば、卵とじなどで卵と組み合わせると中性脂肪やコレステロールの排泄に、ビタミンB6を含む魚と合わせれば肌荒れ予防に、油を使って調理することで風邪やインフルエンザなどの感染症予防の効果が期待できます。

保水性の良い麩は具材を嵩増ししたいときにも役立ちます。

食べると満腹感を得やすいため、食べ過ぎを防ぐことにも繋がります。

具になり飾りになる!麩が主役の味噌汁をつくろう

麩は前の記事でも紹介した通り、栄養価の高い食材ですので、できるだけ食事に取り入れたいものです。

しかし、普段から麩をあまり使うことがなくて、扱い方がわからないという方もいるでしょう。

麩の使い方は、それほど難しいものではありません。

麩料理をする前に、よく使われる焼き麩の基本的な使い方を覚えましょう。

●水で十分戻してから使いましょう。

水分を吸うからといって、煮立って熱くなっている出汁やスープに乾燥したままの麩を入れると、かえって硬くなってしまいます。

麩料理を失敗させないためにも、麩は一度しっかり水で戻してから使いましょう。

●しっかりと水分を絞ります

戻した麩に水分が多く残っていると、料理の味が薄くなってしまうので、水で戻した後はしっかりと絞り、水気を切ります。

味の濃い料理の具として使う時は、麩の味が濃くなりすぎるのを防ぐために、麩に水気が残るように絞り、麩が含む水気で味の調整をします。

以上の基本的な使い方を覚えたら、簡単な麩料理、麩入り味噌汁を作ってみましょう。

【材料 4人分】

麩 12~16個
出し汁 800㏄
味噌 大さじ3~4
ワカメ(乾燥) 適量

【作り方】

①麩と乾燥ワカメを水で戻します。

麩は戻してから、絞って水気を切っておきます。

②鍋に出汁を入れて火にかけ、煮立ったら麩を加えます。

さらに煮立ったところでワカメを加えて、しばらくしてから火を止めます。

③味噌を溶き入れて完成です。

使う麩はどんなものでも合いますが、車麩などの大きなものは水に戻す前に一口大に割っておくと食べやすくなります。

麩の他にも!味噌汁などの汁物を引き立たせる具材

簡単な麩料理として、麩入りの味噌汁を紹介しました。

合わせた具はワカメでしたが、他にも麩に合う具材は数多くあります。

ネギやミョウガなど、香りのある薬味は味噌汁の風味を引き立てる具材です。

刻んで冷凍しておくことで、いつでも使えるので便利な食材です。

麩と合わせることで風味と麩の持つつるりとした食感が楽しめます。

また、根菜や菜っ葉などをたくさん入れた味噌汁の小さめの麩を加えアクセントにするのも良いでしょう。

大きな麩を割り入れればボリュームが増します。

油麩のような油で揚げて作った麩を加えると、コクが出て一味違った汁物になります。

お吸い物には出汁の出る貝類、三つ葉や菜花を使い、花などをかたどった生麩を添えるとより華やかになります。

麩をメインの具材に!ヘルシーなおかずとおやつ

麩を使った料理として思いつくのは、味噌汁などの汁物ですが、その他にも様々な料理に使うことができます。

おかずだけではなく、おやつにぴったりなお菓子にもなります。

使う麩は主に車麩です。

切り方によって、いろいろな使い道があります。

また、穴の空いた見た目を利用しておやつに最適なドーナツなども作ることができます。

●戻して切って肉に見立てます。

・車麩の回鍋肉

水で戻した車麩を4等分に切り野菜と一緒に炒めます。

車麩独特の歯ごたえが楽しめます。

・生姜焼き

車麩は水で戻して水気を切り、食べやすい大きさに切ってから片栗粉をまぶします。

フライパンにタマネギと麩を入れ具材に火が通ったら醤油、酒。みりん、おろし生姜を絡めて完成です。

・麩入り和風ハンバーグ

挽肉に、粗く砕いて出汁で戻した麩を合わせて練り、タマネギや卵を加えます。

よく混ぜて成形し、フライパンで焼きます。

炊き色が付いたらレンコンなどの根菜類と一緒に、出汁をベースに味付けしたつゆで煮込みます。

最後に片栗粉でとろみを付けて完成です。

●車麩で美味しいおやつを作ります。

・フレンチトースト

水で戻し水気を切った車麩を、卵・砂糖・牛乳で作った卵液に浸します。

卵液をしっかり染み込ませたらフライパンで焼き色が付くまで焼きます。

お皿に重ねて盛り付け、粉糖と蜂蜜を掛けていただきます。

・ドーナツ

牛乳・砂糖・バニラオイルを合わせた液に車麩を浸し、中までしっかり染み込ませます。

麩を持ち上げて、液が垂れないことを確認してから麩の両面に薄力粉をまぶし油で揚げます。

麩とは…栄養たっぷりなお手軽食材だった!

麩の種類や使い方について紹介してきましたが、いかがでしょうか。

使い方も難しくない麩ですが、保存方法も簡単です。

もともと加熱・乾燥されている食材なので、水に触れるまで変化することは、まずありません。

常温のまま長期保存が可能です。

また、料理をより華やかに演出できる食材でもあります。

手毬麩、花麩などのかわいらしい細工麩で、食卓に彩を加えることができます。

この記事を読んで、「ちょっと使ってみようかな」と興味を持っていただけたら幸いです。