お米の産地を表示するには農産物検査が必要。その資格とは

私たちが何気なく毎日食べているお米は、農家からJAなどの流通経路を通して、食卓に届いています。

スーパーに並んでいるお米の中でも、コシヒカリやあきたこまちなどの有名な銘柄が人気です。

お米の産地を表示して販売するには、いくつかの法律をクリアする必要があります。

そのために、農産物検査員という資格が存在します。

今回は、お米の農産物検査についてお話します。

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農産物検査ってなに?資格が必要?

お米を玄米のまま袋で買っている人の中には、袋に「検査証明書」と書いてあるのを見たことがある人もいるでしょう。

現在、お米の流通は原則、自由になっています。

米農家によって生産されたお米は、JAなどに出荷され、出荷団体を通じて国や卸売り業者などの販売業者に販売されます。

流通は自由なので、各地のJAによって独自に販売されたり、JAを通さずに農家が直接販売したり、多様なルートで販売されています。

販売する前のお米の検査として、「農産物検査」というものがあります。

農産物検査は、資格を持った検査員がお米を審査し、「産地・品種・産年・等級」を決定します。

そのため、この農産物検査を受けると、「産地・品種・産年・等級」を表示して販売することが出来ます。

この農産物検査を受けるか受けないかは、任意になっており、受けなくても販売は可能です。

しかし、全国的に大量の取引を行う場合、農産物検査を受けるのが一般的で、お米の生産量の約6割が農産物検査を受けています。

農産物検査員の資格は眼力が大切

農産物検査によって、「産地・品種・産年・等級」が決まるわけですから、農産物検査員は、お米の知識を持っていないとなれません。

かつて、この検査は国が行っていました。

しかし、平成18年に完全民営化され、農林水産省に登録された検査機関が、検査を実施しています。

この農産物検査員は、各機関が行う研修を受講し、筆記試験や鑑定試験に合格しなければ得られない資格です。

新食糧法、農産物検査法など、法令に関する知識や、お米の分析、鑑定の技術も必要になります。

不適正な表示や、産地の偽装を見抜く確かな眼力が求められる資格です。

この検査がなかったら、不正表示や偽ブランド米が横行してしまいます。

私たちが食べているお米は、このような検査員のおかげで品質が保たれ、安心して口にすることが出来るのです。

お米にまつわる法律はたくさんある

農産物検査員の資格を取るためには、お米に関する法律についても知っておかなければなりません。

私たちはあまり知ることがありませんが、お米に関しては様々な法律が定められています。

私たちの食生活を守るために、たくさんの法律でお米は守られています。

例えば、近年話題になっている食品偽装や不正転売を防ぐために、平成23年に施行されたのが米トレーサビリティ法です。

この法律によって、お米や米加工品に問題が発生した際に流通ルートをすぐに特定するため、生産から販売、提供まで、取引の記録を作成し保存する必要があります。

この法律の対象者は、生産者はもちろん、お米や米加工品の販売・輸入・加工・製造・提供を行うすべての事業者になります。

この法律が制定されたきっかけに、平成20年に起きた事故米の不正転売事件があります。

この事件は、非食用として業者に販売された、残留農薬や有害なカビを含んだお米(事故米)が、食用として不正に転売された事件です。

事故米の転売先は、加工業者だけでなく、酒造メーカー・菓子メーカー・給食業者・医療メーカーなど多岐にわたり、日本各地に事故米は流通してしまったのです。

法律の背景を知っておくと資格取得に役立つ

前項でご説明した、事故米の不正転売事件は、大きな社会問題になりました。

この事件を解明していく過程で、お米の流通について問題が発生した時に、流通経路を速やかに把握する仕組みがなかった、ということがわかりました。

転売されていくうちに、お米は米粉やでんぷんなどに加工されていました。

しかし、加工品の原料になったお米の産地がどこであるのかを、知る手だてがないということが明らかになりました。

消費者の立場で考えると、スーパーで売られているお米の加工品の産地は、どのように調べたらよいのか分かりませんよね。

そうしたことから、流通段階ごとに、取引の記録を作成し、保存することが法律によって義務付けられるようになりました。

これが、「米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律」、つまり米トレーサビリティ法なのです。

お米の検査員の資格を取るためには、このような法律の背後にある事件を知っておくことも必要です。

検査を受けないお米もある

農産物検査員は、難しい資格です。

一般的に、資格を持った検査員に農産物検査を受けたお米を「検査米」と呼びます。

受けなかったお米は「未検査米」と呼ばれます。

検査を受けなかったお米は、JAS法によって「産地・品種・産年」を表示して販売することが出来ません。

しかし、販売できないわけではなく、世の中に流通しています。

検査を受けるか受けないかは任意です。

検査を受けた方が販売しやすいですし、農家にとって得なのでは?と思いますよね。

実は、農産物検査を受けるためには、たくさんの費用が掛かります。

指定された米袋に入れ、収穫したすべてのお米を検査機関に提出しなければなりません。

そして手数料を払い、必要な書類をすべて用意して、ようやく検査してもらえるのです。

そのため、検査を受けない農家もいます。

しかし、この検査を受けなければ「産地・品種・産年・等級」が表示できません。

そうなるとお米の売れ行きにも差が出るかもしれません。

ですから、多くの農家は、この検査を受けているのです。

未検査米も美味しい?

検査を受けなかったお米だから美味しくない、安全性に不安があるというわけではありません。

もともと、農産物検査には、残留農薬や放射能の検査項目がないのです。

農産物検査を受けていたとしても、残留農薬や放射能検査などの安全性を確かめたとは限りません。

そのため、「検査米だから安心」「未検査米だから危険」ということではないのです。

前項でご説明したとおり、未検査米は「産地・品種・産年・等級」を表示することができません。

しかし、農産物検査には食味の検査もないので、味に差があるというわけではなく、検査米でも未検査米でも美味しいお米は美味しいのです。

未検査米に対し、独自に安全性の検査をして販売している業者や、自ら安心安全と品質の良さを伝えていこうという生産者もいます。

また、未検査米は、業務用として幅広く使われており、コンビニのお弁当や、食堂などでも使われています。

検査をしていない分価格が安いので、産地や品種にこだわらないから安いお米が欲しい、という人は試してみても良いと思います。

お米を見極めるチカラ

私たちが食べているお米は、いろいろな検査や法律によって守られているのですね。

毎日食べるものですから、安心安全なお米を食べたいものです。

どのような産地や流通経路で販売されたお米なのか、自分自身でしっかり見極めるチカラも必要だと思いました。